「琥珀の望遠鏡」

「ライラの冒険」シリーズの3作目です。


読みながら高校時代の代用教員の先生を思い出しました。退職して十年は軽く過ぎてるだろうと思われるおじいちゃん先生で、わずかの間でしたが国語を教えて下さったのです。
で、その先生が授業中によく仰っていました。

「山も仏、川も仏、石も仏、葉っぱも仏、全てが仏」

私はそれを「万物全てに命は宿り、それは循環していく」というふうに捉えていたのですが、この作品に出てくる「ダスト」の正体はまさしく先生の仰っていたそれではないかと、読みながら懐かしく思ったのでした。


「黄金の羅針盤」から続く謎の一つ、未知の物体「ダスト」。その「ダスト」とは一体どういうものなのか、今作では極めてわかりやすく描かれています。死者の魂が大気へ還る情景なども大変わかりやすい。日本人にはとても身近に感じる情景で、あそこまでこと細かく描かなくてもいいんじゃないかと思うくらいに。
でももしかしたら西洋人には必要なのかもしれません。魂が大気に還るあの解放感、おそらくキリスト教とはかけ離れた感覚でしょう。死んで無に還るのは究極に自由なのだと、彼らでもちょっとは思うことがあるのでしょうか。


天使の描き方がおもしろい。キリスト教会の抗議も至極納得の描かれ方。
あまり不謹慎なことは書けませんが、確かにキリスト教は「支配」に都合のよい宗教ではありますね。神の代理人とは便利な言葉です。その代理人の、そのまた代理人も、いくらでも好きなように自分達で選べる。彼らは決して神ではないのに。


少年と少女の成長が良い。最後は甘くほろ苦く、寂しいけれども温かです。


映画になったら素晴らしいけど、満足できるものをとなるとかなり難しいでしょう。
この世界観を表現できるのか、そこんとことても微妙。




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by teri-kan | 2009-01-10 01:19 | | Comments(0)
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