「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994)
2009年 02月 20日
橋本治と内田樹の対談本の中にこの映画のことが出ていて、非常に興味深く読んだのですが、曰く、アメリカには土地に根付いた神様やお化けがいないから、アメリカのお化けは元ご近所さんだったりした人の死体(ゾンビ)しかない、もしくは外国から輸入するしかない(例:ジャパニーズホラーやヴァンパイア)とかいった内容。
まあ確かに、アメリカで吸血鬼になってしまったブラピの苦悩と比べて、ヨーロッパ吸血鬼社会のなんと爛れきったことよ。
さすが本場は半端ないわー。欧州生まれのトム君も容赦ないわー。
あのドロドロを醸し出すには、確かにアメリカは歴史の浅い人工的な国すぎるのかも。
とはいえこの映画の面白さは「アメリカに吸血鬼」という、そもそものミスマッチさにあるのだけれど。
だってガンズをバックにヴァンパイアがオープンカー運転しちゃうんですよ?
これをカッコいいと言わずして何を言う。
キルスティン・ダンストが大きくならない自分の身を呪うところは結構リアル。
陽を浴びてしまうところも。
あー、こりゃ吸血鬼、朝日を怖がっても仕方ないやって思いました。一瞬で灰になるんじゃなくて皮膚からじりじり焼かれちゃうんだもん。あれは嫌だなー。
(これは不勉強ゆえの疑問なんだけど、原爆に当たったらあんな感じになるんじゃないかとふと考えました。爆心地からの距離にもよると思いますが、あんな死に方した人は多かったのではないかと。そう考えると非常に怖い。)
なかなかの力作です。好き嫌いはあると思いますが、女子にはおすすめかな。