「ザ・ロック」(1996)
2009年 02月 27日
昔「女は俳優で見に行くね。男は監督で見に行くけど」と言われた時には、ある意味当たってるなと思ったものです。
そんな私が最近初めて気が付きました。「ザ・ロック」「アルマゲドン」「パール・ハーバー」(ついでに「アイランド」)は全てマイケル・ベイ監督だったということを(遅!)。
そして改めて合点がいきました。どれもこれも一見濃く見えて実は妙に薄い内容だったのはだからなのだと。(「パール・ハーバー」は未見のままなので人の意見を参考にしています。)
先日「ザ・ロック」をTVで途中から見て、以前映画館で観た時なぜあんなにも物足りなく思ったのか、やっと理由がわかったのでした。
人物描写が浅いんですね。設定はちゃんとしてて演技もいいと思うのに、どうしてかわからないけど表面的で深みがない。
本当なら面白いはずなんですよ。実践経験皆無のFBI化学兵器スペシャリストと元SAS諜報部員のおじさん囚人のコンビなんて。ニコラス・ケイジのゆるいラインはいかにも試験管に向かって仕事してる風貌だし、ショーン・コネリーの役柄はそのまんまだし、エド・ハリスとマイケル・ビーンが海軍兵というのもハマりすぎだし、アルカトラズを舞台にするというアイディアなんてとても良い。
なのにあの薄さですよ。
俳優陣とアクションが派手な分、かなり残念でした。
アルカトラズ潜入まではおもしろかったんですけどねえ。
人間を表面的にしか描けないとしても、これはまだ良い方でしょう。お涙ちょうだい物語である「アルマゲドン」の方はちょっときつい。「パール・ハーバー」にいたっては、はなから見る気なかったけれど今後も見ることはない……かな。
「トランスフォーマー」はおもしろかったのでしょうか。
人間ドラマは期待せずにアクション目当てにすれば、おそらくこの監督でも楽しめるのだろうけれど、そうはいってもアクションでもホラーでもコメディでも、人間を描けてなければそれは映画としては如何なものかと思うし、いまいち足が向かないのですよね。
今になって思えば「アイランド」の感想があんなだったのも我ながら納得です。
マイケル・ベイ、もうちょっと頑張ってくれい。