「謎の家」の序文とエピローグ その1・序文

「謎の家」の冒険を世間に発表するにあたって、ルパン本人が序文でいろいろ語っているのですが、あの底知れない恋愛パワーの謎は、本人曰くそれぞれ別人格で恋しているからなんですね。
例えば「ルパンの冒険」のシャルムラース公爵は後にも先にもソニアしか愛してないし、「緑の目の令嬢」のラウール・ド・リメジーもオーレリーしか愛してない。
彼らはアルセーヌ・ルパンではなく、あくまで彼らなんだそうで、だからその魂の全てをかけたような恋愛を連続して何度も行えるんです。

へえーなるほどーって感じです。
だからオーレリーのために一緒に死のうとか考えることができたのかあ。


となると、アルセーヌ・ルパン名義の恋は、実は思っていたよりもかなり少なそうです。
だってドロレスでさえポール・セルニーヌ公爵名義の恋なんだそうで、そうなるとフロランスの相手だってルパンじゃなくてドン・ルイス・ペレンナなんですよ。

と考えると、大体次の方達にしぼられるのです、アルセーヌ・ルパン本人と恋愛した女性達。

「ルパン対ホームズ」のクロティルド、「ルパンの冒険」終盤以降のソニア、「奇岩城」のレイモンド、後はうんと晩年のフォスチーヌ・コルチナとパトリシア。

晩年のお二人は置いておくとして、前期の彼女らに共通しているのは、ルパン本人とつき合ったばかりに彼の泥棒稼業にどっぷり自分自身も浸かってしまったこと。平たくいえば共犯者だったということです。そのため末路が皆悲惨。

ソニアはまあいいでしょう。彼女はある意味ルパンと同類。
気の毒なのはクロティルドで、泣きながらルパンに協力してたってのが哀れ。やりたくないことを嫌々やらされてるわけじゃないってところが女の業深さで、彼女はかなり悲しい。

最も特殊なのはレイモンド。彼女だけが最初からアルセーヌ・ルパンとしての彼と出会ってる。
だからでしょう、ルパンに「泥棒やめてくれ」と強く言えたのは。最初から正体を知っていた者の強みというか、唯一彼女だけがルパンの表と裏の顔の違いに振り回されることがなかった。


というように、他の誰でもないルパンそのものと恋愛してきた方達を振り返ったところで、「謎の家」のエピローグに移ります。
「謎の家」のアルレットは、あの時期のヒロインとしては珍しく“ルパン”に出会ってしまった女性で、彼女の言動はなかなか面白いのです。


(続く)
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by teri-kan | 2009-05-21 10:24 | アルセーヌ・ルパン | Comments(0)
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