「カペー朝 フランス王朝史1」

佐藤賢一著(講談社現代新書)。

タイトル通りフランス・カペー朝歴代の王について書かれた本。
王様一人一人について性格、成し遂げた事柄等が当時の状況と共にわかりやすく書かれていて、大変面白い歴史本です。

読んでてつくづく思ったのは、君主にとって何より肝心なのは長生きすること、しっかりと男系の子孫を残すこと、それに尽きるんだなあということです。
ハプスブルグ家の繁栄も結局はそれ故なのですが、そういった生命力の強さが人の上に立ち続ける家門の条件の最たるものだというのは非常に納得できますね。

とはいえカペー朝のように、こうまで見事に父から息子へと王位継承がなされているというのは、筆者によれば奇跡的なことなのだそうです。言われてみればその通りで、以前ヨーロッパの歴史の勉強をする時、人を中心に見ていった方が流れが理解しやすいからと自前で各王朝の系図を作ったことがあるのですが、確かにフランス王家はとても書きやすかったのですよ。
これがスペイン、イギリスだとそうはいきません。ドイツなんか最悪です。おかげでドイツの歴史は覚えにくい(苦笑)。対立王とか、どこの家のフリードリッヒさんかハインリヒさんか、頭の中で整理するのが大変なのです。
その点フランスはわかりやすく、勉強しやすい。ヨーロッパの歴史を知りたいと思う人は、とりあえずフランス史から入るのがやっぱりいいような気がします。


本作で一番面白いと思ったのは、後書きでフランス王国を個人商店にたとえたところ。
あれは妙にわかりやすくて笑ってしまいました。
テンプル騎士団撲滅の呪いのせいで直系男子が絶えたという噂も、いかにもな話でウケました。
ていうか、タンプル塔ってテンプル騎士団の本拠地だったんですね。「あ、そうかー、そういやタンプルかあ」って、今更ながら納得しました。



次はヴァロア朝です。戦争、陰謀、発狂、グチャグチャのドロドロ王朝。
カペー朝の王よりも既にたくさん本などに書かれている王達が出てくるので、より面白い作品を期待したいところです。




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by teri-kan | 2009-07-29 10:36 | | Comments(0)
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