系図マニア

私はかなりの系図好きで、各国王家や名家の系図を自前でいくつか作っています。
縦に長いのより横に広がる系図が好きで、特に婚姻関係の繋がりを見るのが楽しい。昔は外国も日本も結婚は政治ですから、家同士の関係は即政治状況の説明なんですね。そういう系図を自分なりに作ると当時の社会や(ヨーロッパの場合だと)国際情勢が理解しやすくなってとても楽しいのです。

系図好きになったきっかけは源氏物語で、大量に出てくる登場人物を整理するために始めたのが最初なのですが、源氏の登場人物は「なんで皆こうやってきちんと線で繋がっていくんだ?」って感心するくらい何らかの血縁関係で結ばれていて、狭い社会の中で皆誰かと夫婦だったり兄妹だったり親子だったりするのです。これでもかってくらい徹底されて皆親戚なのですよ。
「まあ道長だって娘を四人も入内させたしなあ」とか思いつつ、そのうち源氏物語の世界だけでは物足りなくなって、とうとう実際の平安王朝の家系に手を出すことになるのですが、これがまあ物語なんか比較にならないほど複雑怪奇で、はまりこんだら抜けられない(苦笑)紙が足らない(笑)きりがない(笑)。
檀林皇后ってカッコいい名称だなあとか、桓武天皇のお母さんは渡来系の人なのかあとか、井上廃后って何よ、皇后が廃されるなんてことがあったの?とか、楽しく調べつつ、書いた本人しかわからないような入り組んだ系図が何枚も出来上がって、でも「うん、上手くまとめた」と悦に入っていたウン年前……。


地味に楽しんでたあの頃を、橋本治の「権力の日本人」は思い出させてくれます。
あれに載ってる複雑な系図はまさに私が作っていたのと同じもので、そして二作目の「院政の日本人」でとうとうその説明がきたのでした。著者がどのようにしてあの系図を作るに至ったのかという成り行きというかいきさつの説明が。

橋本治が天皇家の系図を書いていくにあたって、どんどん遡って継体天皇や応神天皇まで行き着いてしまったという話には、僭越ながらその気持ちがわかるような気になったものでした。誰が何をしたかは置いておいて「この人の父はこの人で母はこの人」ってことばかり調べてたというのもすごくよくわかる。

でも自分のような凡人と違って、彼は自分が作った系図から様々なことが読み取れるんですね。読んでる資料の量が違いますし、目的をもって系図を作ってるから当然なのでしょうが、にしてもこの辺の作業、本人すごく楽しかったんじゃなかろうかと想像します。

読んでてこれだけ楽しいのだから、書いてて(というより考えていて)さぞかし楽しかったでしょうねえ。




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by teri-kan | 2009-08-12 11:59 | | Comments(2)
Commented by とろぴかる at 2012-06-28 18:31 x
僕もネットの中のさまざまな系図サイトにはまって、それらを自分で整理して略系図としてWordに書き連ねました。『現存する系統、その他主要系統の男系男子に限る』といった形でできるだけわかりやすく書き直すことです。
細川元総理と清和天皇がつながった時には本当に達成感でした。
Commented by teri-kan at 2012-06-29 14:41
とろぴかる さん

こんにちは。
まさか系図でコメントいただけるなんてと、喜んでおります。

楽しいですよね、系図を作るの。
見るのも楽しいけど、自分なりに書いてたら思わぬ発見をすることがあるし。

そういえば細川家は清和源氏でしたか。
清和天皇から元首相まで、線で引っぱっていったらさぞかし長いんでしょうねえ。

私の趣味は日本ではもっぱら古代で、武家には全然詳しくないのですが、そこに手をつけたらキリがなさそうだなあと思っております。
立派な名家、たくさんありますもんね。楽しそうだけど大変そうです。

ではでは。
コメントどうもありがとうございました。
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