「甘い生活」(1960)
2009年 11月 26日
この映画は最初から最後まで浮かれた日々の連続で、こんな退廃と狂乱の毎日では生きててしんどかろうと思うのですが、それに自ら乗っかってるように見えて振り回されてる主人公のゴシップ記者がとてもいい。
マルチェロ・マストロヤンニ、さすがというか、良いです。カッコよさと気張った感じと疲れてる感じが混じりあった、見事な退廃生活中毒者です。
映画のテーマは、もしかしたら現在からみたらちょっと古いのかもしれません。古いというか普遍的というか、観ていて感じたテーマを言葉にするのが大変難しいのですが、現代人はこの映画に描かれているものの先に既に行ってるような気がします。
もっと救われないというか、もっと辛い。「甘い生活」なんて言ってられない。
でもこのタイトルっていいタイトルですよねえ。
アヌーク・エーメ、カッコいいですね。アニタ・エクバーグは可愛かった。
美しい人達といいローマの光景といい、大変映像が素敵な作品です。
長い映画で、最後は狂乱にうんざり、退廃にげっそり、といった気分になるのですが、これを飽きさせず観せるフェリーニはすごいと思う。
でもね、「ケの日」も大事だよ。
自殺しちゃった彼、あんなにいい家庭があったのに、あれじゃ残された奥さんが気の毒だ。
でもマルチェロはずっとあんな感じなのかもしれないなあ。