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「MARS」

私は一昔前の少女マンガファンなので、取り上げる作品も古いものが多いのですが、そんな世代の人間にとって外せない漫画家というのが何人かいて、惣領冬実はその中の一人。
彼女の作品から何を選ぶかとなると結構悩んじゃって、結局「MARS」にしたのは一番内容を覚えてるからなんだけど、一応ドラマ化もされた作品だし、代表作と言っていいのではないかと思います。

「MARS」は、とある共学の高校が舞台の、学校一モテる男と学校一地味な女の子との結びつきを描いた、純然たるラブストーリーです。
とはいえ途中からなんかもうしんどいというか、ラブなだけの話ではなくなっていくのです。彼らの間に次々起こる問題がシャレにならないくらい重くて、「こんな若いのに二人ともなんてハードな人生なんだ……」と思うしかなくなるようなお話なのです。

作者、最初からああいう展開を想定して描いたんですかね。特に後半で特異な役割を担うあの登場人物にはちょっと考えてしまうなあ。
まあ惣領冬実の作品ってそもそも重い話が多いんですけどね。



主人公の零がとにかくカッコよくて、この髪型は絶対キムタクだと思いながら読んでいたものでした。
彼女の描く男って大概カッコいいんですよ。見かけもそうだけど、性格がカッコいい人が多い。
この話、困難が多いし大きいし、主人公の二人は大変なんだけど、結局いろんな目にあって苦しんだり悩んだり泣いたり喜んだり、そういった零の姿を見て楽しむ作品でもあったような気がします。
それほど彼はカッコよかったのですよ。作者にいたぶられる主人公を見て喜んでたとか言うとアブナイ人みたいだけど、でもそういうのが似合ってる男の子だったなあ。パーフェクトな男だからこそ似合ってた。

うん、「MARS」というタイトルは確かに正しい。
あんなヒドイ設定与えられて、作者にサンドバック状態にされながらも戦い続ける彼は確かにMARS。

最後、とりあえずああなって本当に良かった。
最後が悲惨だったらきっと目も当てられない話になっていたと思います。



惣領冬実がこの作品の後に描いたのが「ES」で、人の脳の中に入り込める精神のゆがんだ人が出てくる話なんだけど、そういうものに向かう傾向が、もしかしたら見える作品といえるかもしれません。
「MARS」はそういう意味で、ちょっと気味悪さを感じる話でもあるかな。
基本はドキドキのラブストーリーなんですけどね……。
Commented by かのん at 2013-04-10 21:15 x
本当に、漫画に関して書き込みしたくなる記事が多いですね!

惣領冬実さんは、「ボーイフレンド」がはじめてでしたが、
何と言っても、描かれる女の子も男の子も美しくてカッコよくて、ウットリしましたわ~^^

「MARS」
>一応ドラマ化もされた作品だし

私は、台湾でドラマ化された「MARS」を観て、原作に近いなあと感心したんですよね~
ああ~「イタズラなKiss」も視聴したんでした~。

それで、「ES」ですね。
私は、何故、突発にこういう方向にいくのかな?と驚いたのですが、
確かに、「MARS」にそういうものに向かう傾向が感じられるのかも知れませんね。
でも、「ES」は思ったより重くなく、スラスラと読めてしまいましたが^^;

また傾向は違いますが、「チェーザレ」は資料を精査されて描かれているだけあって、興味深いですね。
Commented by teri-kan at 2013-04-11 14:49
かのんさん。
たくさんコメントありがとうございます。

惣領冬実は借りて読んだものがほとんどで、結構忘れてるのが多いんですよね。
でもどれも印象に残る話だった記憶があります。
で、男の子は皆カッコいい、と。
そこは大きなポイントですよね。

「MARS」のドラマ、原作に近かったということは、もしかして台湾ドラマって出来がよいのでしょうか。
全然観たことないのですが、原作破壊と言われることが多い日本のドラマを思えば、台湾はよほどきちんと仕事をしてるのかも。

「ES」は確かにスラスラ読めますね。
そこはさすが漫画家の腕のなせる技といったところかな。
上手い人なんだと思います。

「チェーザレ」は借りるアテがあるのでのんびりしてるのですが、そろそろ読み時でしょうか。
読むとなると頭を15世紀イタリアモードにしないといけないので、今の古代史ブームが一段落ついたらって感じですかねえ。
Commented by かのん at 2013-04-11 17:02 x
お返事ありがとうございます。

台湾ドラマ、初期の頃は日本の漫画が原作の作品が多かったみたいですよ。
有名で代表的なものは、「花より男子」「イタズラなKiss」とか・・・
それも、原作通りに近く周りでは感激した~という声も多かったですね。

私も、「東京ジュリエット」「花ざかりの君たちへ」「ろまんす五段活用」「ママレード・ボーイ」あたりは観ましたが・・・

槇村さとるさんの「おいしい関係」まであるんですよ!
私はこの漫画が苦手で、それ以降の槇村さんの作品を読んでません。
槇村さんの記事も書かれてましたね。同じような感想でしたわ^^;

今は視聴してないですが、台湾ドラマは全般的には楽しい面白い雰囲気ですよ~^^

「チェーザレ」は10巻が3月に発売されたようですね。
8巻あるうち4巻までは読みましたが、これもストップしたママで・・・
頭の切り換えが要りますね。
Commented by teri-kan at 2013-04-12 11:12
かのんさん

「花より男子」の台湾ドラマは知ってましたが、結構たくさん作ってるんですねえ。
「おいしい関係」もですか。
あれは日本のドラマもありましたね。中山美穂の。観てないけど。

「おいしい関係」は、そうですね……もう槇村作品はいいかなと思わせるものが確かにありましたね。
いろいろな意味でしっくりこないストーリーでした。
自分の中の感情の、どこに落としどころを見つけたらいいのかわからないって感じ。
面白いけど面白くない、カッコいいけどカッコよくない、理解できるけど理解できない、共感するけど共感できない、全てにおいてこんな感じでした。
一言で言えば感覚が合わないってことかな。
合う人には合うんでしょうけどね。
もしかしたらその辺結構別れる漫画家さんなのかもしれませんね。
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by teri-kan | 2010-01-20 11:09 | 少女漫画 | Comments(4)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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