「アルペンローゼ」

雑誌「ダ・ヴィンチ」の今号に「ダ・ヴィンチ殿堂入り少女マンガランキング」なるものがあったんですが、「ガラスの仮面」や「ときめきトゥナイト」といった誰もが知る作品が上位を占める中、「アルペンローゼ」がひっそりと載っていたので、ちょっとここに書いてみたいと思います。

作者は赤石路代。
大変絵に特徴のある方で、パッと見ただけで「赤石路代の描いた顔」とわかるような、非常にオリジナリティあふれる絵を描かれる漫画家です。
やさしくてちょっと童顔で、大人の迫力というものには欠ける絵なんだけど、「アルペンローゼ」はそれを差し引いてもストーリーが面白い。
難しい時代の、かなり長いお話なんですが、非常によくまとまっていると思います。

この作品、一言で言うなら「文部省推薦」ですかね。読めばわかると思うんですが、小学生くらいの子に是非薦めたいくらい、非常に「正しい」少女マンガです。
描かれているテーマは、勇気、愛、信頼、優しさ、清らかさ、誠実さ、助け合いの心、自由を尊ぶ精神etc。今時ありえないくらい清く正しく美しい物語です。
まあそれも道理というか、この作品の舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパ。ナチス全盛時代を背景にしており、主人公が相手にして戦っているのも実はナチスなんです。
わずか13才の子供がなんでそんなことになっちゃってるのかが本作の読みどころなんですが、それにしても波乱万丈の少女時代を過ごす羽目になっちゃって、主人公にとっては大変なことでした。

主要登場人物は、自分の過去を取り戻そうとする少女と、彼女を助けようとする同年代の少年。そして少女を執拗に追いかける一人の男性……となるともうほとんど「ラピュタ」なんですが、確かにこの設定はかなり「ラピュタ」に近いものがあります。(とはいえこの作品は「ラピュタ」よりも古いです。)
ちょっと違うのは少女を追いかける男ですね。ムスカがいいオッサンだったのに対して本作のグールモン伯爵はまだ若くていい男。ムスカは性根の根まで腐った悪人だったけど、グールモン伯爵は実は結構ロマンティック。
この辺は少女マンガならではで、ホントのホントにまごうことなき少女のための少女マンガです。
やっぱり文部省推薦(にするべき)だよなあ。


「ダ・ヴィンチ」のランキングは年代ごとのものもあって、アラサー、アラフォーのベスト10はほとんど読んでたけど、アラハタのは全然読んだことがなくて、我ながら今のマンガを自分は全く知らないんだなと痛感しました。

ていうか「アラサー」「アラフォー」は英語なのに「アラハタ」は和洋折衷なんですね。
(アラウンド・ハタチって一体……)
なんか変な感じです。




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by teri-kan | 2010-08-17 01:09 | 漫画 | Comments(0)
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