「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)

先週TVで放送してました。
1~2年に1回くらい?放送頻度。
個人的にはちょうどよいペースかな。

宮崎駿の描くルパンが「正しいルパン三世か否か」という問題は確かにあるけど、この作品のクオリティの高さの前にはそんなのどうだっていい。観てるこっちが楽しけりゃいーんだよ、ということで、もう好きで好きでたまらないこの映画、TVで誰かが「無人島に1枚DVDを持っていくのならこれ」と言っていたけれど、私も1枚だけと言われたら絶対に「カリオストロの城」を選ぶ。

もうね、最高ですよ。何度観てもいい。というか何回観ただろう。TVとビデオとDVDと合わせたらとんでもない回数いってるかも。

この映画について書いてたらキリがないんだけど、一個だけ魅力を挙げるならば、やはりカリオストロの「城」でしょう。
キャラクターの素晴らしさとか、ストーリーの巧みさとか、どれもいいけれど、最大最強の魅力はやっぱりお城。本作の舞台となっているお城に溢れるロマンはものすごいです。
この映画のタイトルは、全く以って正しいのだと思いますねえ。



ところで、今更ながら「カリオストロの城」を取り上げようと思ったのは、この映画から本家本元のアルセーヌ・ルパンに興味を持った方がきっと今もいるに違いないから。
もしいたならば、是非是非本家の本も読んでもらいたいからです。

というわけで、前にもちょっと触れた事があるけど、この映画の元ネタをいくつか紹介。







少なくともルブランのルパンシリーズの中から2作はこの映画に引用されていると思うのですが、その2作とは「カリオストロ伯爵夫人」と「緑の目の令嬢」。
特に「緑の目の令嬢」は物語の雰囲気がかなり映画に近いと思われます。

なんといってもルパンが明るいし、警察と正面きって戦ってるし、それにお宝がアレです。「カリオストロの城」のあの壮大なお宝の原点はここにあるのです。それだけでも読む価値があるというものです。(詳しい比較はこちら。)

一方タイトルが印象的、というよりそのまんまな「カリオストロ伯爵夫人」。
こちらは暗い。つーかドロドロ。暗号をもとに宝探しをするところと、名前をそのまんま使っているところは「カリオストロの城」と共通してるけど、繰り返しますがストーリーはドロドロ。おじさまと少女の可愛い交流なんてカケラもありません。あるのは熟女とさかってる若者とのドロドロ愛憎劇。
この作品は大変面白いんだけど、「カリオストロの城」を観た後に読むのはちょっと違う気がします。これは名前だけ拝借って感じのお話ですね。

上記の2作はあちこちで語られてるのでご存知の方も多いと思いますが、個人的におまけでオススメしたいのが「二つの微笑を持つ女」
これはストーリー的には「うーん」って感じなんですが、派手な警察対泥棒の戦いもあるし、なんといってもクライマックスがいいんですよ。

おじさまと少女の清楚な恋愛が読みたければ絶対に「二つの微笑を持つ女」。まあこれは少女というより若いお嬢さんですが、「カリオストロの城」のエンディングさながらの場面がこのお話の中には出てきます。(ここでも少し触れています。)

「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」

映画史に残る名セリフですが、あの場面と同じくらいの爽やかさが「二つの微笑を持つ女」にはあります。
おじさま、ていうか、女に手馴れた年上の男、しかもドロボーさんを好きになっちゃって、でも事件が解決したらお別れっていう、切ない乙女心がここでは見ることができます。

ちなみに、危機に陥ったらどこからでも駆けつけて助けてくれるというパターンは「緑の目の令嬢」で存分に味わえます。本当にこの作品でルパンは文字通り「女の危機にさっと現れてさっと助ける」ということを繰り返します。それはまるで「カリオストロの城」の囚われのお姫様クラリスを助けるかのごとくです。
この辺のヒロインの苦境も本作と映画は大きく共通しているので、読んでてきっと楽しめることと思います。



なんでこんなに必死にルパン本をすすめるかというと、本が売れていないからに尽きるのですが、ハヤカワも結局4冊だけの翻訳で終わってしまって、ホントにもう残念やら悔しいやら、ファンとしては「どうにかならんのか!」といった気分なのです。
せっかく「ルパン三世」というキャラクターがこの世にいるのだから、この際これを活用しない手はないと思うんですよね。「ルパンはアルセーヌが本家だ、三世は邪道だ」とか言ってないで、堂々と利用しちゃえばいいんですよ。「カリオストロの城」の元ネタはこれだ!って「緑の目の令嬢」の本の帯にデカデカと書いて宣伝させてもらえばいいんですよ。
そうすればアルセーヌの方のファンも増えるのに!

ダメですかね、この方法。
結構私は真面目に考えているのですが。
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by teri-kan | 2010-10-20 01:05 | その他の映画 | Comments(2)
Commented by Bオックス at 2016-11-02 16:33 x
ポプラ社の怪盗ルパンシリーズにはじまり、新潮の堀口大学訳で読んでから、原作は、かなり前に読みましたが、ゼンゼン別モノであるのは、しょうがないと思います。
私が「アニメ講師」をやっている時に。授業で「カリ城」を見た後、フランスアニメを見せて、同じところを探す。
と言うのをやりました。
それは、宮崎さんが、「森やすじさん」を崇拝している。
それは、「ホームズのモリアティー」と「どうぶつ宝島」でよくわかる。

それと「ホルス」と「ナウシカ」も共通点がある。

カリ城の酷似にフランス映画は原題「やぶにらみの暴君」いまは「鳥と王様」です。
カリ侯爵のモデルは「アニメーターの月岡貞夫」です。笑

何故知ってるかって…私もすくなからず関係者です・笑
Commented by teri-kan at 2016-11-03 01:50
Bオックス様。
こんにちは、はじめまして。

アニメに明るくない人間なので、業界の方と思しき方にコメントいただいて恐縮しています。
いろいろ教えて下さってありがとうございました。
知らない作品ばかりでした(苦笑)。
「アニメーターの月岡貞夫」氏も存じ上げなかったので、検索して写真を拝見したのですが、モデルと言われて納得のお顔をされていて、ちょっとこっちが笑顔になってしまいました(笑)。
ホントに教えて下さってありがとうございます。

アルセーヌ・ルパンに関しては、そうですね、しょうがないですね。
「ゼンゼン別モノ」なのはわかってはいるのですが、三世の人気にあやかれないものかと、ちょっと思ってしまいました。
詳しい方に言われたら諦めもつきます(笑)。
コメント下さってどうもありがとうございました!
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