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行きゃあいいってもんじゃない

サンフレッチェ広島のミキッチのコメントが反響を呼んでいます。

安易な海外移籍決断に異を唱える、広島・ミキッチのJリーグ主義。

彼の主張をかいつまんで言えば、
「強いクラブから声がかかって移籍するのはわかるけど、なんで弱小クラブにわざわざ行くわけ? そんなクラブよりJリーグの方がレベル高いし運営もきちんとしているし、なのにヨーロッパならどこでもいいって意味わかんねー」
というものです。

ミキッチの意見はもっともだし、最近の伊野波や槙野といった日本代表クラスのJ出戻りの事情があまりにアレだったもんだから、「そうだそうだ」の声が高くなるのは、まあわかる。
海外移籍礼賛が根強い日本の状況下であまり口に出せなかった分、「外人選手から見てもやっぱりおかしかったんだ」とおおっぴらに議論もできる。
ただ、それでも「どこでもいいからヨーロッパへ」という思いが沸き起こってくる選手を止めることはこれからもできないだろうと思う。
クロアチアリーグだってドイツの2部だって本場ヨーロッパサッカーのはしくれ。
極東に生まれた者の悲しさを抜きにしては語れない事情というものが日本にはあって、「本場の匂いをかいでみたい」という日本人の本能は理屈でどうにかなるものではないのです。

でもシビアなことを言ってしまえば、能力がそこそこの選手はヨーロッパに行ったからってそう簡単には成功できないんだ。
行けば成長できるってもんじゃない。
そこの見極めだけはしっかりやってもらいたいなあ。
伊野波なんて、「なんでクロアチアのハイデュク・スプリト?」って感じだったし、案の定給料未払いの末の帰国。
ヨーロッパって昔からしょっちゅう給料未払い問題が起きていて、わかっていてなんであんなクラブに移籍するのかわけわからんかったけど、結局そんなクラブからしか呼ばれないのが現実なんですよね。そこのところはやっぱりきちんと考えてもらいたいです。

まあそれでも試合に出てた伊野波はマシで、槙野の場合は肝心の監督に受け入れてさえもらえませんでした。
私はゼロ円移籍は日本国内でさえ改善した方がいいと思ってる人間なんですが、槙野は「ゼロ円なら欲しい」とさえ言われなかったばかりか、現地のテストさえ不合格で、フィンケのおかげでケルンに入団できたものの、まともな扱いされないのは当然といえば当然だったんですよね。
あの時も思ったし今も思うけど、なんであそこまで自分を安売りしたかなあ。
でもそれでも彼はその道を選んで、それほどドイツでやりたいのなら死ぬ気で頑張れって送り出して、でもやっぱりダメでしたからね。
本当に、ただ行きゃあいいってもんじゃないんですよ。



ミキッチはクロアチア人として伊野波の移籍したリーグとクラブの現状をよく知っているし、槙野のチームメイトとして彼の移籍の経過もよく知っているし、だからこそ今回の苦言となったわけで、言ってみればこのことを訴えるのに最適の人物だったと思います。

傾聴に値すると思いますよ。
ファンとしては海外で成長してもらいたいと思うと同時に、無駄にキャリアを潰してほしくないとも思っているわけで、海外移籍はよくよく考えて選んで行ってほしいですね。



とかなんとか書いていたら、川崎の相馬監督解任のニュースが。
うーん、仕方ないとはいえこのタイミングかあ。
こりゃ未だ未勝利の5クラブには結構プレッシャーかもしれないな。
元ガンバ監督の西野さんとか元清水監督の健太とか、優良監督が今フリーだから争奪戦になりそうな予感。

にしても、4月の時点で監督解任候補が何人もいるなんてありえんのだけど……。
こんなんでW杯最終予選を落ち着いて迎えられるのだろうか。
結構心配。
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by teri-kan | 2012-04-11 13:19 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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