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大阪以西にやって来たJリーグ優勝シャーレ

リーグ戦、天皇杯、ナビスコカップ。
この三つのタイトルをJリーグにおける三大タイトルと言いますが、カップ戦を無冠のままリーグ優勝したチームって、Jリーグ初期を除けばおそらく初めてではないかな。

今シーズンのサンフレッチェ広島の優勝はこれまでのJでは考えられないことがてんこもりなんですが、思えば今年は元旦の天皇杯決勝から異例のJ2対決、強豪クラブが残留争いに巻き込まれたり優勝争いに絡めなかったりと、とにかくいつもと違う常識外れの1年でした。



以前にも書いたことがありますが、タイトルを獲得するクラブの条件として次の三つが必要ではないかと、個人的にはずっと思っていました。

1 資金力の大きいクラブ
2 大企業、大人口を抱える大都市をホームタウンにしているクラブ
3 東京に距離的に近いクラブ

特に長丁場のリーグ戦ではこの三条件を含めたクラブの総合力がモノを言うので、それ以外のクラブにはなかなか厳しいところがありました。昨年柏が昇格即優勝を成し遂げましたが、柏は2以外はこの条件を最大限に満たしているので、そういった意味では特に驚くものではなく、異質さで言うなら今年の広島優勝の方が遥かに際立っていると思います。

広島優勝の要因は各所でいろいろ挙げられていますが、育成を上手くやったから、継続性があったから、1年生監督に実は才能があったから、選手に怪我が少なかったから等々、あげればいくらでもあって、確かにそれはそうなんだけど、じゃあそういった要因が揃えば地方の貧乏クラブが優勝できるのかと言われれば、しかも今までカップ戦のタイトルすら獲ったことないクラブが優勝できるのかと言われれば、絶対そんなことはないんですね。
今年優勝できた理由は何かとなれば、もうこれはミもフタもない言い方になるんだけど、「優勝争いの相手が仙台だったから」しかないんですよ。

仙台が優勝できなかった理由ははっきりしています。アウェイの鹿島戦で2点のリードを守りきれなかったから。これに尽きる。
おかげで広島は浦和に完敗を喫したのにまだ首位に立ち続けられたのですが、あの鹿島対仙台戦、もし鹿島が仙台の立場だったら2点のリードを守れないなんてありえない。絶対勝利して広島を抜いて首位に立ったはずで、こう考えてみると今年広島がツイていたのは仙台がマッチレースの相手だったということなんです。タイトル争いに重圧を感じる者同士だったということなんですよ。

そもそも広島は川崎もビックリの超シルバーコレクター。これまでことごとく強豪と言われるクラブに最後の最後で負けてきました。
今回も優勝争いをしてるのが鹿島とか名古屋だったら正直どうなっていたかわからないし、そこはとても運がよかったと思いますね。



今年のように金持ち強豪クラブがことごとく失速するシーズンが今後あるのかどうか、また20年を待たなければいけないのか、それはわかりませんが、そういった年なら貧乏地方クラブでも優勝出来るというのを証明した今年は画期的で、いつかまた来るそんな年のためにコツコツ頑張る甲斐は出てきたのではないかと思います。
そういった積み重ねは大事で、そう考えると広島が優勝したのは長年の育成と継続性のおかげというのは、やはり正しいと言えるのでしょう。

Jリーグ初年度からポツンと離れた中国地方で地味に努力を積み重ねてきた結果のリーグ優勝です。
せっかくの優勝決定戦なのに広島までどれだけ中央のサッカージャーナリストが見に来ていたのか、後藤健生さんは遠いから行けなかったと言ってましたが、東京から離れた地方というのは優勝争いをしていてさえそんな扱いをされるのです。

大阪を越えてシャーレが広島まで来たのは本当にすごいことなんですよ。
それを成し遂げたことをサンフレッチェに関わる方達はめいっぱい誇ってほしいですね。
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by teri-kan | 2012-11-27 14:28 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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