「SWAN」モスクワ編 その24

「SWAN MAGAZINE 32号」感想の続きです。







顔に自信のようなものが表れてきた真澄。
言葉もしっかりと今後を見据えたものになって、あのレオンがぐうの音も出ないという、なかなか面白い展開になってきました。

自分のダンサーとしてのあり方を真摯に模索する真澄はいいですね。これぞ真澄。
NY行きを決めた時もこんな感じでした。
甘ったれだけど安易に楽な方に流れていかないのが真澄のいいところ。
その分辛い思いもするけど、ちゃんと成長してるんだから決断を間違ってはいないってことなんでしょう。

ファニーの言動はNYの時もそうでしたが、つくづく普通の女の子だなあと感じます。
バレエの上手な普通の子。
まあ普通っていってもすごいんだけど、私達凡人の感覚に近い子であります。
だから悩みも身近に感じられて、「ああ、そうだよねー」なんてうなずいてしまう。
真澄の方はもうかなり遠いとこまで行ってしまってるからね……。
しかしそれ故にレオンとのパートナー関係はなかなか険しい道のりというか、エドとファニーみたいに「愛情は愛情」とキャリアとは別物として扱えないだろうから、いろいろぶつかりあってバレエにもプライベートにも支障をきたすこと、これからあったりするんだろうな。

どっちがいいとか楽とかいうより、ダンサー同士ってのはそれぞれに大変ですね。
かといって片方がバレエとは無関係の人ならうまくいくって話でもないし、特にレオンは母親がああだったから、相手に自分と同等のものを求めてしまうっていうのはあるだろうし、んー、やっぱりレオンが難しいかな。

まあそんなこんなで中身の濃い話をエドとファニーを交えて、夜には二人きりで話し合って、なかなか充実の回だなあと思っていたのですが、最後の最後でとんでもない事件が起こりました。

例のヤツらが踊ったのが先生のアダージェットって一体どういうことっ!?

こいつらモスクワでパクってきたんけ? でなければ先生がどこかでパクった?
いやいや、先生がそんなことするわけない。
やはりこいつら(ごめん、こいつら呼ばわり)がパクったとして、でもそんな簡単に盗作できるほどボリショイのレッスン室はユルユルのスカスカなのかっ?

……って感じじゃないのがね、どうもヤツの話からは感じられて、事の複雑さを想像してしまいます。

レオンと一緒に踊りたいって言ったよね。例の踊りを振り付けた人が振り付けした新作で。
この話を丸々信じれば、セルゲイエフ先生が裏にいるってことになるんだよね。
と考えると、先生のアダージェットレッスンの時に見かけた人影は、パクるためにコッソリ入り込んだのではなく、先生が招き入れたってことになるんだよね。
となると、前号での噂話「新進気鋭の外国人振付家」ってセルゲイエフ先生ってことになるんだよね。

ううーん……。

近いうちに先生の再登場ってもしかしたらあるのかな。
思いもよらない登場の仕方されたらどうしよう。
「もう私は君の師匠ではない。これからは敵だ」ドーン!みたいな。

って、そんなこと起こるわけないんだけど。
あの人まだソ連時代のソ連人だし。
リリアナ亡くして傷心中なのに裏で暗躍なんて。
でも今の状況だと先生はかなりダークなグレーっぽいんで、次できちんと説明してもらいたいものであります。

まあ一つ考えられるのは、先生はレオンの嫉妬心や葛藤を十分わかっていて、「こいつ真澄が踊りたいと言っても俺のアダージェット踊る気にはならないんだろーな」と予測していたってパターンかな。
レオンはアダージェットをお蔵入りにするんじゃないかという危惧。
それだったら違う方向から刺激してやれってことで、ヤツらに同じものを振り付けた……。
でもこれも無理があるんだよね。
ううーん。

先生をパクった側にしたくないと考えると、どうしてもそういった無理な思考になっちゃうんだよな。
パクられた側なら話は簡単なんだけど、でもそうするとヤツのあの自信満々な態度がよくわからない。
「アダージェットの正当な踊り手はボク達」って意識がミエミエだもんね。ヤツの踊りは誰かのスタイルに似てるそうだし、正当な振付家からみっちりレッスン受けたダンサーってことだろうから、となるとソ連から簡単には出られない先生はありえない。

むー、先生と同じような発想をする振付家が西側にいるとか?
実は生き別れの兄弟がいたとか(笑)。
でもそうなるとお父上の方がよほど無理がないんだよね。新進気鋭というところで大きくつまづくけど、ラブロフスキー氏なら先生と同等の才能を持ち、その人生から同じような「愛と死」をテーマにした作品を作ることも可能だ。
うん、一応は可能だけど、でも新進気鋭じゃないよね……。
ロイヤルの有望若手に「あの」ラブロフスキーが振り付けなんて、知る人が知ったら確実に騒ぎになるし、お父上はそんなの望んでなさそう。

ううーん。考えれば考えるほど謎だ。
まあ一番簡単なのは、先生の振付けをパクって、なおかつそれを自分のものとして踊れるヤツらがただの恥知らずって話なんだけど、それじゃあまりに醜すぎるからなあ……。
ホントーに、真相は一体なんだろうね。



あ、エドとレオンのキスシーン。
なんかかわいくて笑ってしまいました。
本編のレオンとルシィのキスと比べたらホントかわいすぎる。
相手がエドってこともあるんだけど、思えばNY編はいろいろとねっとりしてたな。
フェロモン濃かったですね、あの頃は。
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by teri-kan | 2013-06-20 11:40 | 漫画(SWAN) | Comments(6)
Commented by かのん at 2013-06-22 09:03 x
こんにちは。

真澄が精神的にも落ち着いてきたのは分かりますよね。
同じ様にレオンも真澄に対する不安要素は無くなってきてるのかな。

”アダージェット”の件は30号を読んでないのか、まだ私のなかでは今一つ繋がってこないんですが・・・^^;

気になったのは、レオンの結婚否定のような話で、、、
確か、モスクワからシュツットガルトにもどって数ヶ月後に結婚するんですよね!?
この数ヶ月後とは普通で考えれば2~3月後位?もっと??
だとしたら、気持ちの変化は何故?
デキ婚の可能性あり?・・・;;;

”アダージェット”の件も含めて気になりますね~^^
Commented by teri-kan at 2013-06-24 10:39
かのんさんへ

30号をご覧になってなかったらそうですよね、アダージェットのくだりはよくわからないですよね。
あれは先生と真澄とレオンのビミョーな関係がほのかに感じられて、とても良い場面だったのですよ。
で、覗き見してるっぽい人影も確かにあって、そういえばシドニーもそうだったけど、ロイヤルの人とはモスクワ絡みでなぜかいざこざが起こるんですね(笑)。

レオンの結婚観は生い立ち考えたら理解できる部分もあって、どっちかというと結婚して一児のパパになることの方が不思議なんですよね。
多分レオンを知る誰もが驚いたと思うんですが、それほどの内面的変化がレオンにはこれから起きるということで、それはこれからとても楽しみにしているところです。

おっしゃる通り時間的余裕がないので、まいあが先というのは大いにありえる展開だけど……。
デリケートな問題なのでこれに関してはうかつに予測をたてられないですね。
Commented by まるさん at 2013-07-01 14:31 x
はじめまして。いつも、拝見しています。内容に対する深いコメントがとても印象的だと感じています。
 モスクワ編も佳境なのかな~と思いつつ、新しいメンバーが意味深に暗躍していて何だか、飽きさせない展開です。
 実は一つ考えていた事があります。セルゲイエフ先生はボリショイを退団するつもりなのでは?と思ってます。リリアナの死と共にそれまでの人生の転換期を迎えているような気もします。アダージェットという作品を例の二人に振付けたとしたら、??? これは仰る通り、先生がらみの波乱の展開が待っていますね。
 真澄はこの年の十二月にはまいあを出産します。(四巻の時系列は1997年辺りだと思われます)また、彼女が「椿姫」を踊っているけど、それはもっと後年ですよね。彼女の今後はまだ、判りません。真澄が自分の事は自分で決めると言い切ったのはかっこ良かったけれど、以前の迷える彼女とさよならするのも少しさびしいなと思いました。
 長々と申し訳ありません。また、感想を楽しみにしています。
Commented by teri-kan at 2013-07-02 11:19
まるさん様

はじめまして。丁寧なコメントどうもありがとうございます。

私も新キャラの動向にヤキモキしつつも新たな展開にワクワクしています。
決まった未来をなぞっていくだけのモスクワ編では面白くないので、実は今の展開はウェルカム状態。先生も絡んでいるとあっては期待も高まるというものです。次号が待ち遠しいですね。

>セルゲイエフ先生はボリショイを退団するつもりなのでは?

それはすごく思います。
それがアダージェット疑惑と絡むのかどうかというのも大いに気になります。

>以前の迷える彼女とさよならするのも少しさびしいなと思いました。

その気持ちも一緒ですね。
いつまでも成長しない主人公じゃ困るし、成長してないのに世界で活躍するバレリーナなんてご都合的な主人公にもなってほしくないですが、壁にぶつかってウンウン言ってる真澄に親しんできた読者としては、立派になった真澄に寂しさを感じてしまいますね。
でもまだ「まいあ」の頃の完成形には程遠いですからね。
これからの成長も楽しみましょう。
Commented by choko at 2013-07-03 13:49 x
こんにちは。今月号、いい展開ですね~。
やっぱり、若い二人が今に満足せず、踊りについてお互い葛藤したり、人生を考えたりって絶対に描写が必要だと思われるし。。それがあってのSWANって印象なんですよね。

真澄も悩んで悩みぬいて一緒にいることを決意してほしいです。
レオンが60カットもありました。力の入りようを感じます。美少年がレオン狙いだったのも嬉しい展開。
セルゲイエフ先生は謎の一言ですね。再登場がドキドキします。違う名前だったらどうしましょう。でも離れそうな二人を一緒にさせるのに一役買いそうな気もします。

私は、最近の顔も違和感なくなってきました。本当はNY編後半が理想ですけど。
繊細で冷たい感じなのに汗と情熱とフェロモンがムンムンしてたあの描写、神がかってましたよね。30年経って、読者もフェロモン弱くなっているけど、筋書きやら絵柄やら、やたら注文の多い熟女になってしまって、作者も大変だなあ、、、と思います。それだけみんな期待大ってことですね。でも読めるだけで幸せです。

また、感想を楽しみにしています。
Commented by teri-kan at 2013-07-04 11:28
chokoさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

60カットですか(笑)。確かに今回はレオンの顔をたくさん見た気がします。
レオンは男に好かれるタイプなんですよね。男からカッコいいと思われる男というか、男の子から憧れられるタイプというか。

NY編後半の顔、確かにいいですよね。
体もよかったですよね。踊ってるところだけじゃなくてシャワーシーンとかも。

そうです、あれから30年。絵柄もフェロモン弱くなってるけど、こっちもいろいろ減退している。でも要望は増えててややこしい(笑)。

顔はまあ、そのうち慣れるかな。ていうか、デコ全開の真澄だけなんですけどね。
振り返ってみれば昔の真澄はしょっちゅう髪型変えてたんですよね。ポニーテールだったりツインテールだったり、結い上げるにしてもいろいろ工夫してたり……短くしてからホント髪に構わない子になりましたよね。
髪に手を加えだしたのはいい傾向だと思ってるんで、実は次号以降も髪型頑張ってもらいたいと思ってます。
レオンも一言くらいかけてやって、できれば誉めてあげてよねと思います。
(そういうの全然しなさそうですけどね。)
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