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生きる糧と元気と夢と

♪ ウニはゼニーゼニー、ウーニーはゼニ~~ ♪

「あまちゃん」で橋幸夫の「いつでも夢を」に合わせて「ウニは銭」と海女クラブの皆さんが作業しながら歌っていたシーンがずっと残っています。
しみじみ「すごいなあ」と思って。

確かに最初から夏ばっぱは「ウニは銭」と言ってたんだけど、震災が起こってその言葉が持つ意味が俄然深刻になって、まさしくウニは銭、海女さん達の生きる糧だという事実を突きつけました。
辛い状況下で、正直に切羽詰った現状を歌にして、作業中に皆で歌う。
なんかもうきちんと労働歌というか、皆で歌って作業中の気持ちを共有。昔の田植え歌とかに近い? でもだからこそ「ウニは銭」は切実だとわかる。それでいてTVを観てるこっちは「フッ」と笑ってしまう。海女さん達の精神状態ギリギリのたくましさがわかって、なんだか切ない気持ちにもなってしまう。

ウニはドラマの最初から登場していて、美味しいし、観光の目玉だし、1個500円だかのれっきとした銭で、確かに海女クラブの皆さんの生活を支えるものとして描かれてきたんだけど、まさしく生きる糧だということがドラマのクライマックスで示されて、こうまで生きる、というか労働して生活するということを震災の後なのに笑いの中で描くってすごいなあと感心しました。
ウニは稼ぐ手段ということをストレートに表現しましたからねえ。

夏ばっぱは「働いて生活する」ということを体現してるキャラなんですね。
ではそんなばっぱと対立してアイドルを目指して家出した春子は何か。というか、この場合はドラマに出てくるたくさんの女の子が目指したアイドルとは何かと言う方がしっくりくるんだけど、こうなったらもう答えはこれしかなくて、アイドルとは毎日働いて生活している人達を元気にするもの、なんでしょうねえ。このドラマでいえばそういうことになるんだろうなあ。
で、アイドルとは別に芸能人になることだけじゃないんですね。
何年たっても橋幸夫が夏ばっぱを覚えていたように、人になんらかのポジティブな印象を残せる人のこともアイドルと言っていいんだろうな。あまりの可愛さに皆をポーッさせちゃうようなユイちゃんだってそう。
アキはキャラで勝負だけど、でもそれはいるべき場所にいればこそなんですよね。アキは東京にいる時は全然ダメだった。
でもそれは別にアキだけじゃなくて皆がそうで、輝ける場所がそれぞれにあるってことなんだと思います。
春子は多分東京の方が合ってるよね。

「あまちゃん」はいろんな切り口から語ることができて、鈴鹿さん一人でもたくさんあるんだけど、個人的には彼女の被災地との関わり方が身に沁みました。
自分が被災したわけじゃないのに落ち込んだり、台本のセリフに過敏になったり、ばっぱの家で被災の現状を聞かされても気のきいた言葉を返すこともできない鈴鹿さん。
それでいてこのドラマは菅原さんに「被災地だもの」と言わせたりとか、宮城出身者の脚本じゃないと無理なんじゃないかと思うくらいデリケートなとこにも触れていて、いやもうね、語ればキリがない。面白いドラマですホントに。



あと6回ですか。泣いても笑っても今週の土曜日まで。
まだもう一波乱、二波乱あるのかな。
喜劇らしい大団円を迎えてくれることを期待します。
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by teri-kan | 2013-09-23 01:57 | 朝ドラ | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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