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「アルスラーン戦記」のこれまで

14巻発売にあたって、13巻までをふりかえりました。








「アルスラーン戦記」は10巻までは文庫本で、11巻以降はノベルズ版で出版されたのですが、若い頃何度も読み返した甲斐あって、文庫本時代のストーリーはかなりはっきりと頭の中に入っています。
が、11巻以降は記憶がこころもとない。
というか、はっきりと忘れている。
12巻が出たら11巻から読み直し、13巻が出たらやはり11巻から読み直し、ということを繰り返して、この度久々に発売された第14巻。
やはり私はすっかり忘れてしまった物語をたどるために、11巻から読み直すということを今回もやりました。
やってる途中で、「そういえば13巻はブログに感想を書いたな」ということを思い出し、12巻を読んでる途中で昔のブログ記事を確認したのですが、はっきり言って見なきゃよかった(涙)。ホント見なきゃよかった。
すっかり忘れてたよ、エステルのこともドン・リカルドさんのことも。
なんで見ちゃったんだろう。
ネタバレされてすごくショック。

ザラーヴァントの結末は覚えていたんですよ。衝撃だったから。ものすごく残念で悲しかったから。
しかしエステルとドン・リカルド……なんで頭から抜け落ちていたんだろう。
どうせ覚えてなかったのなら、読み直しが新鮮に感じられて二度おいしい思いもできたはずなのに、なんだって自分のブログの感想を読んでネタバレに泣いてしまうのか。
我ながらアホすぎる。

で、13巻の読み直し後に改めてブログの13巻の感想を読んでみたんだけど、うん、次々と大事なキャラが死んでいったショックが見てとれますね。なんか変な感想です。
キャラの死を現実的に覚悟して読む再読とではやはり心理的ダメージに違いがあるようです。初読時にあのエステルとザラーヴァントはやっぱりきつかったんだな。
しかも自分、エステルは最後まで生き残ると長年漠然と思っていたようで、彼女の死を夢うつつに近い感じで受け止めていたらしい。現実味があまりわかなかったのではないのかな。
だから記憶からも抜け落ちたのでしょう。アルスラーンに元気に悪態をつく騎士見習いのイメージは強烈に残ってるのに。

11巻以降が覚えにくいのは、「王都奪還」以前よりも同時進行の周辺国描写が多いからだと思うのですが、個人的にはナルサスとダリューン成分が少ないというのもあります。
読み直してつくづく思ったんだけど、ダリューン、出番がホントに少ない。イルテリシュはあんなに出てるのに。
まあダリューンの出番が多いということはアルスラーンとパルスが大危機に陥ってるということだから、あの人がヒマそうにボケッとしてればしてるほど世界にとってはいいってことになるんだけど、しかしそれじゃあ面白くないんだ。活躍してくれなきゃ困るんだ。
でもダリューンが活躍するまでに16人が15人に減り、14人、13人……一桁、となっていくんだろうなあ。
ああ、つらい。

「皆殺しの田中」と呼ばれていた作者ですから、それなりに覚悟はしてるんだけど、やっぱり嫌ですよねえ、味方キャラが死ぬのは。
なんとなく雰囲気的にエラムが最後まで生き残るのは確実っぽいんだけど、それで思い出されるのが何を隠そう「銀河英雄伝説」。
あれも「アルスラーン」のエラム的ポジションのユリアンが最後まで生き残るんですよね。でもあれを参考にすると肝心のアルスラーンも早死にすることになっちゃう。
で、案外そのパターンもあるかもしれないなと、イヤな予感がじわじわとしているのです。

どうもね、良い感じに終わらないっぽい匂いがしてしょうがない。
そりゃ最終的にはザッハークには勝つだろうけどさあ、なんてったって「解放王」だし。
でもその代償がどれだけつくのか想像もつかない。ザッハーク後のパルスにアルスラーンがどんな形でいるのかも想像がつかない。
個人的には独身だろうとなんだろうと、じいさんになるまで王様やっててほしいんだけどさー。相談役としてやっぱり年とったエラムを従えてね。
でもそれはきっと儚い望みなんだろうなあ。

蛇王ってパルス以外には全く悪さしないのかな。
パルスより新しく建国された国はパルスの歴史に詳しくなくてもしょうがないけど、過去のパルスの暗黒時代ってあまり外国には知られてないのかな。
パルスって5か国くらいと国境が接しているけど、蛇王が君臨すればそれこそ他国の侵略の心配は皆無になるわけで、逆に言えばパルスの版図は蛇王の力が及ぶ地域そのものといえるわけで、なんていうか、蛇王の時代はろくでもない苦痛の時代だけど、それでもパルスの歴史であることには変わりないんだよねえと、ちょっと思ったりしました。
パルス人からしたらとんでもない悪魔だけどね。



というわけで、13巻が終わったのでこれから出たばかりの14巻にかかります。
ヒジョーに楽しみ。
どーか誰も死んでいませんように!
イケイケドンドンでみんなが活躍していますように!




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by teri-kan | 2014-05-28 09:23 | 本(小説) | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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