「天鳴地動」アルスラーン戦記14

「アルスラーン戦記」14巻、「天鳴地動」を読みました。
いろいろありすぎて文章がまとまらん……。








まあ、とりあえず言いたいのは、死にすぎ。
13巻のザラーヴァントで覚悟できてたとはいえ、1巻につき一人くらいかなーという予想はあっけなく覆され、三人もの勇将が奮闘虚しくあの世へ。
いや、奮闘といっていいのかどうか……トゥースなんてさ、地震で死んじゃうんだよ?
殺しても死なないタイプのキャラだったグラーゼは海上どころか空から石畳に落ちてお亡くなりになってしまうし、ジムサは「海が見たい」というイヤな予感しかしないセリフを吐いて、その帰途であんなことに。
トゥースはまあ、死に方に「えええ?」という思いはあるけど、いかにも作者に殺されてしまいそうな位置にいたのでそれなりに受け止められるし、ジムサもまあ仕方ないかなあと納得できるんだけど、残念でしょうがないのはグラーゼ。
好きだったんですけどねえ。
パルスがどんなことになろうと海で頑張るんだろうなあってずっと思ってたから結構ショック。
作者、容赦ないな。

外国人に国を乗っ取られる寸前でそれを回避できたミスルはいいとして、外国人どころかまともな人間じゃないものに乗っ取られてしまったチュルク、お気の毒でした。
イルテリシュ、精力的に働いてるなあ。
しかも結構いい仕事してるよね。蛇王の蛇の首を叩き切った時は「ブラボー」って感じでした。再生した時はガックリきたけど。
でも申し訳ないがイルテリシュがどれだけ活躍しようが個人的にはどうでもいいんだよ。
どうせならまともな頭脳の残ってる人間をたくさん描いてほしいんだ。
そしてまともな敵という意味では最良だったキャラ、ヒルメス。
実はパルスの三将の死以外で今回最も驚いたのはヒルメスの急転直下の落ちぶれぶりなんですが、うーん、なんて言えばいいんでしょうねえ。ヒルメス、どこに行ってもこのパターンだなあ。残念すぎる。

なまじ有能なのがいけないんでしょうね。事を上手く運びすぎて周囲が追い付くのを待たずに尖った先まで行ってしまう。
既存勢力を壊すのは上手いのに、構築するところがダメなんだなあ。構築のことまで考えて壊すことができればいいんだけど、まあミスルではそれをやろうとして黄金仮面に計画をぶち壊されたわけで、なんていうか、運がないというか、まあ結局どこに行ってもよそ者なのが彼の不幸なんでしょうねえ。
物語の最後には彼、どうなるのかなあ。

愛人フィトナは面白かったです。
あの情の薄さ、彼女こそタハミーネの娘だろと思いたくなるような振る舞いでした。
権力への執着も、絶対アンドラゴラスの娘でしょ、と言いたくなるようなものでした。
ヒルメスとフィトナ、恋人同士としては溝があったとしても、野心という点では波長はバッチリ。
ホサイン三世殺害における二人の行動の息の合い加減なんて、さすがパルス王家直系の血を引く叔父と姪のなせるわざですよ。そう見た方が無理ないですよ。
だって例の腕輪を持つ後の二人はアンドラゴラスとタハミーネの娘にしては精神が健やかすぎるもん。レイラは変な血を飲まされる前はアルフリードと仲良しだったし、パリザードは見ての通りだし、旧いパルス王家の血をひいてるようにはあまり思えないんだよね。
まあタハミーネの娘がミスルにいるままじゃお話にならないんで、ストーリーの展開的にはその辺がネックだけど。
レイラの体の頑健さもアンドラゴラスゆずりと考えるのが自然だけど。
実はパリザードが、となると驚きが一番大きくてお話的には盛り上がるけど。
でもそういう盛り上がりはもういらないかな。
ただでさえ物語の風呂敷たたみ、大変そうだしね。

マルヤムはヒルメス対ギスカールになるのでしょうか。
チュルクはイルテリシュに乗っ取られてご愁傷様です。今はまだいいけど、完全に魔人に掌握されたらパルスにとっても最悪です。
ミスルは今回のあの人がかなり有能そうなので今後あなどれない。シンドゥラも冷徹で残酷そうな将軍が出てきたし、陽気なばかりのシンドゥラじゃなくなってあなどれない。
内側にザッハークとその一党、東と西に有能な人材が現れたミスルとシンドゥラ、ザッハークとつながってるイルテリシュが東北から北にかけてウロウロ……。
パルス、これからホントに大変だ……。
みんな戦わなきゃいけないけど、十六翼将の残りの皆さん、できるだけなるべく死なない方向でお願いします……。

にしても、チュルクのカルハナ王が殺されて、パルスとその周辺国はこれで全て王が変わったことになりましたね。
ルシタニアの侵攻がもたらしたものは甚大でした。
シンドゥラの代替わりはどうせそのうちなされることだったけど、他の国はいい迷惑だったなあ。



次も「アルスラーン戦記」に関する感想が続きます。




[PR]
by teri-kan | 2014-05-30 11:17 | | Comments(2)
Commented by おおつき at 2014-11-12 11:32 x
こんにちは。通りすがりに失礼いたします。先日14巻を読みました。一大決戦でたくさん亡くなるのとは違い、櫛の歯が欠けるようにぽろぽろ亡くなるのが地味に精神に来ます。ジムサとブルハーンの兄弟に泣かせられました。ブルハーンお兄ちゃん好きすぎじゃないのと。こんなイイ兄弟がどうして敵同士に分かれたのか。誰のせいだ!あ、ナルサスか。
15巻が気になりますね。クバードに死臭が漂っているのは気のせいでありましょうか。ほんとうに最終章に向かっては痛い展開が続きそうですね。いきなりのコメント失礼いたしました。
Commented by teri-kan at 2014-11-13 09:19
おおつき様

こんにちは。
コメントありがとうございます。

ジムサがあんなことになったので、ブルハーンは最後まで生き残るような気がしています。
いつかジムサの最期の様子が伝わってくれればいいなという期待も込めて。

クバードは気のせいではないと思います。
偉い地位に就いた時から私もイヤな予感がずっとしています。
彼が亡くなったら読者的にもパルス国民的にも損失が大きすぎるので、なんとか踏ん張ってほしいですが。

決戦の時に歯の欠けた櫛で戦うのはしんどそうですよねえ。
これからますますいなくなっていくのだろうし、犠牲の大きさが簡単に想像できて、覚悟してても辛いですね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< 長期中断期間を抱える長期連載モノ 「アルスラーン戦記」のこれまで >>