御嶽山の噴火

九死に一生を得た方々の話が本当に恐ろしい。
たくさんの映像が地獄さながらの話を補完して苦しい。
何をしたら助かった、しなかったから助からなかった、という話じゃない。
生きるも死ぬもただの運、ただの巡り合わせなだけで、それでこれだけたくさんの人が亡くなったということが、本当に辛い。







よりによって、なぜ紅葉シーズンの土曜日の正午なんだと、タイミングの悪さを呪いそうになるけれど、御嶽山にしてみれば、そんな人間の都合なんか知らないですよね。
「せめて平日の夜なら」なんて言っても、週休二日制なんてそれこそ山には関係ない。

百年や千年単位で活動している火山にとって、土日なんてものは人間にとってのコンマ何秒みたいなものでしょう。
スケールが違いすぎるのです。
人類が生まれる何百万年も前からある山が、人間に理解しきれるなんて全く思わないし、だから火山の噴火が神の怒りの表れってのは、やっぱり違うんじゃないかなあと思う。
噴火を神の懲罰と考えるのは噴火を矮小化しすぎてるんじゃないか。
今回の御嶽山を見ていると、人間の心の都合なんてひたすら山には無関係だと思わされる。
神なんて、所詮人間の脳内にしか存在しないんだよ。

でもこういう考え方は宗教は究極的には人を救わないということになるのでしんどい。
しんどいけど、今回噴火で亡くなった方々は因果のせいで死んだとは全く思えない。
だから宗教で魂が救われるような気が起きてこない。
もちろん冥福は祈るし、お経は唱えてほしいし祈りの言葉も連ねてほしいけど、それはそうするしか人間にはできないからするだけであって、この死を遺族の方々が消化するのは難しいのではないかという気がしてしょうがない。
なんとかこの悲劇と折り合いをつけようと思っても、ちょっとやそっとじゃ無理なんじゃないだろうか。

住宅地とか集落とか、文明の中で起こった災害なら、そこに住んでいたから被災したという考え方もできるんだ。そしてそれ故の対策の仕方も考えられる。
先日の広島の土砂災害にしろ東日本の大津波にしろ、予測だの警報だの避難路だの、人間としての抵抗をわずかながらでも見せることができるんだけど、今回の噴火は人間の無力さを明らかにしただけで、原始の時代から何一つ変わってない人と自然との関係性をはっきりさせただけなんですよね。
これは結構堪える。
プロの登山家や火山研究を生業にしてるわけではない一般の人達が地獄さながらの状況の中に置かれたというのが本当に堪える。
火山に登ったから噴火にあった?
そういう理由じゃ納得なんてできませんよ。



昨今の日本は大津波あり火山の噴火あり、まるで生きながらにして聖書の中にいるかのようだけど、それでいくなら日本は有史以来聖書の中を生き続けてきたようなものです。
日本の神道に聖典も教えもないことの理由、なんとなくわかってきたような気がしますね。
聖典なんて所詮文字に書かれた過去のこと。
現在起こってる津波や噴火ほど雄弁に語る教訓はない。
日本では後付けで「人間が悪いことをしたから神の怒りが表れた」なんて理由づけられるほど神は遠くないし、神の意思をあれこれ忖度するほど近くにもいない。
ていうか、神の意味がまるで違うんだろうな。
唯一神的考え方でいたら、多分日本人はこの地にまともな国は作れなかったんじゃないだろうか。

ただ、これはしんどい。
ハイリスクハイリターンの国土というのは本当にその通りで、良い面でも悪い面でもこれだけ刺激のある国はそうそうないだろう。
日本が文化的に豊かなのは間違いなくその刺激のおかげではあるんだ。
でもこれは辛い。
おそらく御嶽山の死者は増えるだろうし、灰に埋もれて行方不明のままになってしまう人も出てしまうかもしれない。
辛すぎますよ。
「人がいようがいまいが関係ない、噴火したいからした」と言わんばかりの山に、下界からの人の祈りが届くのかどうかも疑わしいし。

自然は無情とか非情とかいうより、何も通じない次元の違うものという感じですね。
そんなものと相対して心の中で折り合いをつけなければならないというのはキツイし、そんな大変なことを日本人はずっとやってきたのかと思うとため息しか出ない。
しかも、これからもやり続けなければいけないとなると、なんかねえ、ホント、人間同士で殺しあってる場合じゃないって話ですよ。
イスラム国とかなんなんだって感じ。



捜索活動に携わっている方々には本当に頭が下がります。
どうかまず自分の命を第一に、その上で任務を全うしてほしいと思います。
まだ行方の分からない方々の一日も早い救出を祈っています。




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by teri-kan | 2014-10-03 14:34 | 事件・出来事 | Comments(0)
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