「浦島太郎の知られざる顔」  

桐山士朗著。ミネルヴァ書房。

本屋さんでふと「浦島太郎」の文字が目についたので手に取ってみました。
目次を見て興味をそそられたので購入。
しかし中身は想像していたのと違って、いろいろとすごいものでした。

竜宮城に3年滞在した浦島太郎、海神の宮殿に3年滞在した山幸彦、3年たっても足が立たなかったため棄てられたヒルコ、竜宮城で3年過ごしたはずが実は300年たっていた浦島太郎、およそ300年にわたって歴代天皇に仕えたとされている武内宿禰。

それらの3年300年が、実は全て関連していることだとしたら、確かにそれは面白いことだと思うのですが、その関連しているという本書の証明の仕方が、うーん、ちょっと、うーんって感じなんですよねえ。

記紀を編纂する際、一人の歴史上の人物の事績を、年代や人間をいくつかに分けて書いたということは十分ありえるし、個人的にはかなりそういう手法は使っただろうと考えています。
例えば皇子が兄弟で争ったという実際に起こった事件を、山幸彦海幸彦の神話にも反映させるとか、そういう考え方は普通にあると思うんですが、ありとあらゆる事柄をその方式でつなぎ合わせていくという方法がね、なんかすごいとしか言いようがなかったです。正直ついていけんかった。

ただ、ここまで記紀の記述の組み立て直しをされると、それはそれで突き抜けてるので、こういう自由な発想から何か生まれる可能性もあるのかなあという気にはなってくる。
記紀の記述が全てその通りなんて思ってないし、むしろ実際にあったことをどういう風に脚色して書いたのか、それをこそ知りたいとずっと思っているので、ここまで大胆に書いてくれた方が発想の転換のヒントにはなるかなあと思います。

とはいえぶっ飛びすぎた内容なんですよね、本当に。
よくここまで自由な想像の翼を広げられるなあと思うくらいに。

古事記も日本書紀も罪作りというか、こういう風にどうとでも取れる、真実にもたどり着けるし逞しいフィクションの世界も構築できる、といった風に書き上げたというのが、ホントにすごいですよねえ。
さすが年月かけて編纂しただけはある。
日本の古代は全くもって迷宮で、入り込めば入り込む程ぐるぐるぐるぐる。
知りたいと思えば思うほどトンデモ本に行き当たり、ますますぐるぐるの迷宮の中に落ちていく。
で、そのぐるぐるに疲れて、「やっぱり書いてあることを素直に読もう」と思って元の位置に帰る。

なんか終わりがない。
やっぱり考古学かなあ、考古学的発見。
日本中掘り返して、古墳の中身もとことん調べて、いろいろ明らかにしてほしい~。




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by teri-kan | 2014-10-24 11:16 | | Comments(0)
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