「神道と風水」

戸矢学著、河出書房新社。

以前「富士山、2200年の秘密」の感想でも書きましたが、日本の歴史を知ろうと思えば風水の知識が不可欠である、ということで、とりあえず戸矢氏の風水についての本を読んでみました。

うん、風水とは、なんだか思いっきり科学です。
はるか古代に成立した科学。
ちょっとついていくのが大変な分野。
もちろん難しいという意味でついていくのが大変なだけで、オカルトちっくでついていけないという意味ではありません。
迷信俗信によって現代では随分ゆがめられてしまった風水の、そもそもの意味を知ろうということで、発生時期の中国から詳しく解説してくれてます。
古代中国の思想なので読んですぐに理解できるものではないけれど、とにかく「そういうものだった」と知るというのは、日本のことを考える上でも必要だと思います。

例えば、青龍、白虎、朱雀、玄武の四神相応についても、なぜその方角にその動物なのか、その根拠となったのは何かとか、根本的なところから説明してくれてます。
その辺は面白かったですね。
陰陽五行説についても読んでて楽しかったです。



著者の本をいろいろ読んでて思うのですが、結構重複が多いというか、同じことを繰り返して語ることが多いので、最初の頃は「まとめてどーんと総合的な古代歴史本を書いてくれないかなあ」と思っていました。
が、何冊か読んでその度に同じ記述に触れていると、記憶力の悪い私でさえ自然と著者の神社観が頭の中にすり込まれて、神道の知識がなんだかそこそこ身についちゃうんですよね。
いやー、恐ろしい(笑)。
洗脳とまではいいませんが、もしかして著者の出版の究極の目的は、神道が実際はどういうものであるのかを世の中に浸透させることなのかと思ったりしますね。
「○○○神は実は×××のことだった!」という歴史ミステリー風味の、世の中に数多く出回ってる出版物とは違って。

まあ、古代の神の正体を暴くというのも大事かと思いますが、そういうのはちょっと面白い読み物程度で終わったしまうことも多いのですよね。
でも戸矢氏の本は、神道とは何かとか、むしろ神道における信仰や思想のあり方を第一に伝えたいのかなという感じ。
それぞれの本の重なる記述は、そう考えると納得できます。

で、その中でもこの本は著者がメインで訴えたいことなのかもしれないなあと思うわけです。
今後古代史の謎を解明するためにも、解明したい人にはこういう視点が必要だということで。

まあ実際のところはわかりませんが、個人的にはそんな風に思いました。
古代人の信仰と思想、哲学を知るということがどれだけ大事か、戸矢氏の歴史観が正しいかどうかは別として(自分には判断つかないので)、氏の歴史へのアプローチは共感できます。
これからも面白い本を出してほしいものだと思いますね。




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by teri-kan | 2015-03-06 14:09 | | Comments(0)
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