粛々と

話題の「粛々」。

「上から目線」と言われたということで、官房長官は今後使わないことを決めたそうですが、「粛々」という言葉自体に「上から目線」成分があるわけではなく、地位が上位にある人が使うからそうなってしまうというのが多分正しいと思うので、今後使わないからどうなるってことでもないような気がします。

政治家が多用する言葉って、言葉本人にしてみれば結構不憫ですよね。
政治家言葉で真っ先に思い浮かぶのは「遺憾」だけど、抗議すべきことにも謝るべきことにも「遺憾」を用いるという、政治家にとって超使い勝手の良い言葉になっているため、一般人にしてみれば嫌悪の対象にもなってるという不憫さです。

まあ今ではそういうのにも慣れてきましたが。
年食ってくると言葉の裏にある政治家の思惑なんかも少しは察することができるようになるので、表面上の文言だけを捉えて脊髄反射的に腹を立てることは減ってきますね。
でも「粛々」は、言葉にとってはちょっと気の毒かも。

「粛々と」は、静かに黙々淡々と、という感じでしょうか。
「粛」の意味を見ると「静まり返っているさま」「つつしみかしこまるさま」とあるので、それが二つ並ぶとなると、いっそう静かに、いっそう畏まって、厳かに、といった意味合いになるのでしょう。
それだけを考えれば、「これのどこが上から目線?」となるのだけど、現実に「上から目線」と言っているということは、「自分が下にされてる」と思ってるということで、平たく言ってしまえば「バカにされてる」「ないがしろにされてる」と感じさせられているってことですよね。

多分「粛々と」の「粛」が言葉としてかなり強いからなんだろうなあと思うんだけど、厳粛、静粛、粛清といったように、「粛」には問答無用の静けさを強いるような雰囲気があって、国のトップにある政治家がこの文字を使うと、なんとなく触れられない感じになっちゃうんですよね。
「うるさく騒いでも聞かないよ、静かにやるんだから」とバッサリ断ち切られるというか。
きっとその辺が「上から目線」なんじゃないかなあ。
「粛々と」の裏には「意見受け付けません」というのが、なんとなく感じられるというのが。

そういうのとは別に、「上から目線」の理由に、もしかしたらこれもなるかなあと思うのが、「しゅくしゅく」という音(おん)。
これはもう、なんとなくだけど。
「しゅくしゅく」という音は、もしかしたら「バカにしてーっ!」という怒りを呼び起こすのかもしれないなと、ちょっとだけ思わないでもありません。

ちょっとだけですが。

どちらにしろ沖縄の問題はそういうレベルの問題ではないので、言葉についてはそこそこで終わらせてもらいたいなあと思います。
言葉狩りのようなことになってしまっては絶対いけません。




[PR]
by teri-kan | 2015-04-08 17:29 | その他 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< 幕末と松陰のパワーとしんどさ 走る女の子 >>