「出雲大社の謎」

瀧音能之著、朝日新書。

そういえば、出雲大社は縁結びの神社なのでした。
古事記や古代史本を集中して読んでると、そういうことが頭から飛んでいってしまうのですが、出雲大社は古代への興味を掻き立てるものであると同時に、ご利益を求める現代の一般人にも大いにありがたがられている神社なのです。

縁結びの神社として若い女性が数多く訪れる。
日本中の男女の組み合わせを相談するため、日本中の神様が出雲に集まる。
でも出雲だけが10月に神在月になるのは、実は古代からのならわしではなく、案外歴史は浅い。
浅いと言っても中世から近世のことのようだけど、でも出雲の歴史の長さでみれば超浅い。

出雲大社が日本で確固たる地位を築いたのに貢献した人達(御師)の記述なんかを読むと、人の努力なくして神社の繁栄はないんだなーと思っちゃいますねえ。
努力といっても、営業努力というか売り込みというか、悪く言えばお話捏造というか。
出雲大社のことを考える時、どうしても古代のスサノオやオオクニヌシ、国譲りばかりになってしまいがちだけど、信仰という面で考えればそれ以後の出雲も重要だよなあと、なんだか今更なことを思わされました。

といったように、これは出雲大社をいろんな角度から考えられるようになる本です。
日本海沿岸の地形と縄文時代の巨木文化の関係には「なるほどー」だったし、なんであんなデカい建造物を造ろうと思ったのか、その発想の源までこれまで考えることなかったけど、巨木文化の流れを汲んでると言われたら超納得というか、自然で無理がなく、そのことを思うだけでも当時の文化が急にイキイキしたものに感じられます。

出雲の歴史を出雲大社だけで見るのではなく、他の神社との関わり方やそれぞれの神事の変遷の仕方とか、出雲を多角的に考察するためのポイントがいろいろ書かれてあって、とても勉強になる本です。
事実と歴史と信仰と、出雲を知るための切り口は多岐に渡っていて、出雲を研究するって大変そうだなあと思わされたりもしますが、とりあえず出雲と出雲大社についていろいろ知りたいという方には、この本はとても良いものではないかと思います。
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by teri-kan | 2015-04-15 16:36 | | Comments(0)
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