「私の日本地図6 瀬戸内海Ⅱ 芸予の海」

宮本常一著。未来社。
宮本常一著作集別集より。

だいぶ前に感想を書いた「古代史の謎は「海路」で解ける」を読んで思い出した本です。
古代以降の芸予(広島と愛媛)の瀬戸内海沿岸に生きた人々について書かれており、21世紀の今ではほとんど失われつつある昭和中期の風景や漁師文化など、貴重な記述満載の一冊となっています。

地元のことだからと本屋でパラパラ立ち読みをしていたら、それだけでは済まなくなって結局購入したのだけど、このシリーズはこんなのが15巻あるそうです。
おそらくどれも面白いのだろうけど、結構いいお値段なので買うとなるとフトコロ的には厳しい。
でも興味のある土地は他にもあるので、何かの機会に読めたらと思います。
特に海関係の巻は気になりますね。
瀬戸内海だけでも他にまだあるし。

この本は芸予といっても呉辺りから福山付近まで。広島湾は入っていません。
だからちょっと地味かもしれないけど、だからこそ初めて知る沿岸の漁師の歴史には興味をそそられました。
小早川氏が漁師の生活にそこまで大きく関わっていたのかと、言われてみれば「なるほどー」の世界。
小早川は中世から特に戦国時代にかけて、瀬戸内海で力を振るった武家ですが、確かに地元の漁師の協力なしには海上を押さえるのって無理ですよね。
でも協力した漁師も抵抗した漁師もいたということで、その影響が現在まで続いていたというのは、結構ズッシリくるものがありました。
やっぱり長いモノにはまかれろ?
権力者の言う事聞いてた方が便宜ははかってもらえるのは確かですよね。

漁師は漁師のネットワークがあるというか、船という交通手段を持ってるのは大きいというか、積極的に外に出ていこうという気概はお百姓さんよりはあるのかも。
昔はそれこそ船が重要な移動手段・運搬手段でしたが、そういった足を持ってる方々の生活や歴史は随分と面白いものだったんだなあという印象です。
うちの御先祖は瀬戸内海沿岸に住んでいたとはいえ、漁師とは無縁でしたから、地元とはいえ初めて知ることばかりで、それでいて知っている場所満載で、とてもおもしろく読ませてもらいました。

名もない民衆の普通の生活と歴史が著されています。
興味のある方はそれぞれの地元のものをとりあえずご覧になってみてはいかがかと。
写真もたくさんありますし、とってもオススメです。




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by teri-kan | 2015-06-23 15:42 | | Comments(0)
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