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ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 作品25 / メンデルスゾーン

まさかメンデルスゾーンのCDを買うことになろうとは。
ピアノ協奏曲のマイブームなんてものが来なかったら、多分一生無縁だっただろうなあ。

メンデルスゾーンといえば、なんといっても「夏の夜の夢」。
協奏曲ならばバイオリン協奏曲ですね。
これらと比べるとピアノ協奏曲はかなり日陰の身。
でも、これがなかなか良い曲なのです。
聴く価値はあるのではないかという曲。

なんといっても品が良い。
メンデルスゾーンのイメージって優しくて品が良いといったものですが、期待に違わずこのピアノ協奏曲も品が良い。
毒気はなし。
ピアノ自体は普通の旋律って感じですが、美しいことには変わりなく、オーケストラと合わさるととても豊かに聞こえます。
なかなか素敵なピアノ協奏曲なのではないかと思います。

全体的に劇を見ているかのようで、嵐っぽく始まる第一楽章は、例えば事件が起こって皆が慌てている感じ。
第二楽章は事件の当事者である男女の夜の語らいの場面かな。静かに優しくしっとり。
第三楽章はドタバタしながらも軽快に大団円。楽しく終わってメデタシメデタシ。
イメージとしては舞台に中世の町の広場を作って、そこで繰り広げられるアレコレって劇かなあ。
太ったおばちゃんとか陽気なおじさんとか、老若男女入り乱れてワイワイやってる感じ。
そういった情景がこの曲は浮かんでくる。

ようするに、楽しい曲ってことです。
品よく、優しく、楽しい。
気品のある明るさはいかにもメンデルスゾーン。
ヨーロッパの良い文化の一面に触れてる感じがすごくします。

昔はこういった品の良さが退屈な感じにも聞こえたけど、今は年くったせいか心が安らぐ。
ギスギスした世の中にメンデルスゾーンの優美さと気品は良いのかもしれない。
疲れた心に優しさと美しさの栄養剤を。
メンデルスゾーンの美点を改めて知ることのできた曲でした。




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by teri-kan | 2015-10-02 10:45 | 音楽 | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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