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神に救われなかった人達の「マスケティアーズ」

最終回第20話の感想第二弾!

ロシュフォールが救われないのは、まあいいのです。
そりゃそうだろうと思うので。

マルグリットについては、「俺が愛した女はみんな死んでいく」の「愛した」から外れていたから死なないと思っていたのに、まさかまさかの展開でした。
最も救われない人になっちゃった。

ルメイ先生はそれこそビックリと言うか、ほんまにありえん。
いまだにモヤモヤ感が残るのは先生のことがショックすぎるからなのですが、でも死後の安らぎは約束されているはず。
医師はリスキーだなあと、そっちの恐ろしさの方が身にしみたかなあ。

というわけで、救われない人達についての感想です。







まずは、教育係。マルグリット。

マルグリットねえ……。
彼女に対するアラミスの態度を「クズだクズだ」とさんざん言ってきましたが、マルグリットだってどうにかしようと思えばできたんですよね。
自分次第でこんな悲惨な目に合わなくてもすんだと思うのです。

ホントにアラミスのこと愛してたなら、バレたって別に構わないって態度で良かったんじゃないかなあ。
アラミスの浮名流しっぷりから察するに、噂になった女性の名前はいくらでもあるんだろうし、別にいいじゃん、その中の一人になったって。

「いやいや、父親のことがあるし、良い縁談話が来なくなるし」とあくまで言うのなら、早々に別れてりゃよかったんですよ。
そりゃ離れられなくなってるってのはあるだろうけどさ、でもそれならやっぱり「バレても構わない」って態度でいたらよかったんじゃないのかね。

とはいえ、そういった悩みは別に特別なことじゃないので、それについてマルグリットをどうこう言うつもりはないです。
問題はやっぱりロシュフォールに王妃の監視を命じられた時ですよ。
一番最初に命令された時。

この時王妃にロシュフォールのことを伝えることができていたら、その後の運命は逆になっただろうに、なんで言わなかったかなあと思っちゃうんですね。
脅されて抵抗するのは難しいだろうけど、でも自分の主人は王妃で、王妃はロシュフォールより上の立場の存在なわけです。
臣下として筋を通すためにも王妃に伝えるべきで、なんならその時アラミスのことを打ち明けたってよかったと思うのです。
この時は王妃とアラミスの関係に気付く前だったんだから。

あの時点でなら王妃もマルグリットに良いように計らってくれただろうし、仮に宮廷を辞することになっても、不名誉にならないようにしてくれたはず。
なにしろ「王妃を監視」というキナ臭い陰謀が阻止されるのです。王妃もマルグリットの働きに報いたはずなのです。
それが難しかったのなら、せめて脅す材料にされていたアラミスとの関係をとりあえず断つべきだった。
王妃と自分のために少しでも出来ることをすべきだったのです。

だからね、マルグリットは自身の色ボケで人生狂わせちゃったんだなあって思うんだ。
宮廷で王太子に仕える侍女、家柄と気質を見込まれての教育係のお務め、プライドをもって任に当たっていただろうに、なんで色ボケこじらせて自分の責任と王妃への忠誠を忘れちゃったかなーと思っちゃうんですね。

まあ忘れがちっていうのは、最初からそうだったんだけど。
王太子が泣いててもアラミスに夢中で知らん顔とか。
たとえばあそこでアラミスを放ってでも務めを忘れず王太子のもとに駆けつけていたなら、もしかしたらアラミスはもっとマルグリットに愛情かけてたんじゃないかなあ。
仕事をきちんとやってるご婦人は、アラミスは好きだと思うよ?

ちゃんと仕事と両立してればよかったんですよね。
なぜ自分がここにいるのかも自覚して。
そうしていれば違った道がきっと開けてた。
周囲の嘲笑に泣きながら死を選ぶなんてことせずにすんだ。
結局逃げちゃったけど、最悪の手で死んだからあの世でも救われない。
自殺だからね、中世キリスト教世界では地獄行き確定です。



まあ擁護するなら、とことん平凡で普通の女性だったってことなんだと思います。
アラミスの相手をするには荷が重すぎた。
アラミスの愛に足る女性じゃなかったってことかなと。
アラミス一体何様(笑)って感じだけど、実際アラミス自身にはどうにも出来ないこともあって、アラミスに深入りすると多分女性はこういうことになるんだよね。
逃げたイザベルはやっぱり賢かったんですよ。
愛してれば愛してるほど逃げるのが正解な人なんだ、アラミスは。

だからアラミスは幸せになれない人なのです。
神様には愛されてるけど、自分が欲しいものは得られない。
いつも何か不足してる。
不足してるから常に駆り立てられてる。

普通の女性じゃ無理なんだよね。
前にも書いたけど、王妃なら大丈夫なはずだから、できればなんとかして王妃とうまいこといってもらいたかったけど、王妃は王と信頼を取り戻すことが急務だし、アラミスは修道院行き決定。

銃士の皆さんが迎えにきてくれてるけど、どうなることやら。
来てくれたとして誓いはどうするんだろう。
王妃と王太子の安泰を確認して、アラミスの心はとりあえず満たされただろうけど、欲しいものが得られないことも確定されて、空洞が空洞のままあり続けることをイヤでも自覚しないといけない。
おそらく空洞と向き合うことがアラミスの信仰の実践になるんだろうなあ。

しんどいね。
シーズン3の画像を見た限りアラミスと王妃はまたいろいろあるみたいで、最終的にどういう形になるのかはともかく、それなりにアラミスは救われてるような感じに見える。

だから、シーズン3早よ。
神に愛されてるけど救われないアラミスを愛するファンに愛の手を。

そしてドラマの中の人達に代わってマルグリットの冥福を祈ろう。
ロシュフォールの共謀者として、審問の場で嘘の証言をしたとして、国王暗殺未遂事件において王妃を陥れる証言をしたとして、国家の大罪人としての扱いをおそらく受けるはず。
娘の恋愛関係の醜聞でさえ耐えられなかった親には、それこそ自殺ものの耐え難さでしょう。
親御さんには同情しかないな。




そして感想はまだまだ続く。
この回でロシュフォールについても書くつもりだったのに、マルグリットだけで終わってしまった。一体どういうことだ。


というわけで、続くのです……。




Commented by fansy2 at 2016-09-14 13:26
こんにちは!とうとう最終回も終わってしまいましたね~。。
S3の放送は本当いつ?(ってか地上波でやってくれるの?)という不安を残しながら(笑)

私の中では教育係=マルグリットはこの最期しかちょっと考えられなかったかな~と意外と納得しちゃっているんですよね。結局、愛か保身か?となったときに彼女は最終的に”保身”をとってしまったという風にとらえたので。
前半は、利用されているだけの存在で可哀想~と同情していたんですけど、おっしゃる通り、どこかで運命を変えることは彼女自身の選択によってできたはずなんですよね。

>マルグリットは自身の色ボケで人生狂わせちゃった
でも、これはわかる気がします(笑)
たぶん、親のいうことも素直にきいてきた女性にとって、アラミスみたいな男にアプローチされ、いつかはその関係が終わることを覚悟しつつも、やはり、自分からはなかなか別れは切り出せないような~みたいな(笑)
そもそも彼女がもっているものって、すべて親から与えられているもので、これまで自分から何かを決めるとかしたことないんじゃないかな~?
現実に自分で判断しなければならなくなったときに、結局自分に甘えてしまったんだろうな。。
でも、みんなの前で嘲笑されながら生きるほど強くもないのは、ロシュフォールに利用される姿をみていてもひしひしと感じられていたので。
そこがコンスタンスと明らかに違うところですが。
(だから、私もコンスタンスは大好き☆)

あと、王妃との関係性も親のいうとおりに育ったと考えると、あくまで自分とは別次元の目上の人ってぐらいに捉えていて、自分から距離を近づけようとか、忠誠心をもつような女性じゃなかったとしてもうなずけるというか??
(いやもともとは忠誠心はもっていたかもしれないんですけど)
もしくは、王妃との信頼関係もまだこれから育つはずだったとするなら、少しは同情できるかな~??

私も彼女の最期に思ったことは、
>親御さんには同情しかないな。
でした。。
Commented by teri-kan at 2016-09-14 22:27
fansy2様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

はい、終わってしまいました。
でも一応続きがあることになってるから、気持ちの落ち着け方が中途半端です。

マルグリットの最期は予想されてたんですねー。
私は「えええー」だったので(笑)、結構真面目にショックでした。
ショックな分、ああすればよかったのにこうすればよかったのにって、死んだ彼女にアレコレ言ってしまいました。

>現実に自分で判断しなければならなくなったときに、結局自分に甘えてしまったんだろうな。

自分に甘かったというのは納得です。
宮廷で生き抜いていくには、ちょっと流されすぎというか、仰る通り「これまで自分から何かを決めるとかしたことないんじゃないかな~?」ではないかと思います。

コンスタンスの強さとは正反対でしたね。
(コンスタンスの健全なたくましさは私も大好きです!)
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by teri-kan | 2016-09-13 22:32 | 海外ドラマ | Comments(2)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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