「The Musketeers」S3E10 Part2

シーズン3、第10話の感想続き。
ラストシーンについてのあれこれ。






シーズン2、第3話の感想で「マスケのテーマは父親だ」と書いて以来、折に触れて銃士と父親について思うことを書いてきましたが、今回の最終回はそのままズバリな内容になっていて、「父」についてのエピソードが満載でした。

そしてラストシーン。
父親を絡ませて考えたとしても、幾通りかのラストがあっただろうなと思えるのですが、最終的にああなった理由を、ドラマのテーマに合わせて考えてみたいと思います。



S3E10はシーズン3の最終回であると同時にシリーズ全ての最終回でもあるので、S1E1の冒頭との整合性をとるパターンでもよかったのではないかと、ちょっと考えたんですね。
父を失って銃士隊へ殴り込みに行くダルタニアン、という始まりだったのだから、妻と共に銃士隊長として銃士隊再建に頑張るダルタニアン、という終わり方でもよかったのではないかと。
銃士隊という組織をメインに置くならむしろそうすべきで、マスケの楽しい世界観を大事にするならこれは大きくアリなラストだったのではと思います。

でも父を失った青年がパリを目指したという観点から見れば、新たに父親になった男が妻と共にパリを離れた、という終わり方でもしっくりくる。
問題になるのはそれがなぜアトスかってことで、結局父親になることで最も激変するのが彼だからってことになるのだけど、このアトスの激変ぶりがなんともいいんですね。
やっと自由になれたんだなあと見ていてわかるので、彼がパリから去るのは納得なのです。

あの人、今までずーっと檻の中にいましたからね。
檻の中の鳥だったのが、シルヴィに出会って子供も出来て、やっと外に出られたという感じ。
実の息子がいる理由で宮廷に入ったアラミスとは全く逆ですね。
アラミスはわざわざ窮屈な世界に身を置くことになっちゃったわけですが、でも彼の場合はこれでいいんです。アラミスは止まれる枝がなくて始終飛び続けていた別の意味で可哀想な鳥だったから。
しかも今止まってる枝は止まっていてさえスリルが向こうからやってくるエキサイティング&デンジャラスな豪華な枝。
多分彼にとっては結構居心地良いと思います。

これから王妃とアラミスが宮廷で力を持つはずだから、今後外交は大きく和平へと傾くでしょう。
有利な条件を得るためポルトスには前線で頑張ってもらわねば。
パリの治安は市民目線のしっかりあるダルタニアンがきちんと立て直してくれるはず。
銃士隊はゼロからの出発だけど、戦争が縮小されて前線から兵士が戻ってくれば、隊の編成は早く進むのではないかと思います。
彼らの政治と軍事の実力の見せ所が今後もきっと続くでしょう。

……といった未来図を描けるのも、ひとえにトレヴィル隊長がパリを守ったから。
パリを戦火から守る、暴力から守るというのが、振り返ってみればシーズン3の隊長と銃士隊の一貫した目標でした。
シーズン3は初回からパリの遠景が出てくるし、民衆の暮らしぶりの描き方を見ても、パリという街自体が影の主人公、テーマのようなものになってたと思います。

なのでパリの遠景でドラマが終わるのは納得。
視聴初回で感じたことは、「ああ、隊長が守ってくれたパリの街だ……」でしたし。
ただ、そういう内容だとテーマは銃士隊からちょっと外れる。
ナレーションもとても立派だし、強くイメージにある「愉快な銃士隊」がどこかに行っちゃった気がして、ちょっと落ち着かない気分にもなってしまう。

でもパリを守った隊長が銃士隊の父親だったことは、最終回冒頭で徹底的に語られて、その隊長の父親像とかあるべき男性像みたいなものがここにきてすごいことになる。
陸軍卿の職を受けるかどうかで悩むアラミスへのアトスのアドバイスがとても素晴らしいのだけど、父親の役割はどうあるべきかということが隊長を絡めて語られていて、ここの場面はとてもいい。
さすがアトスはトレヴィル隊長時代も陸軍卿時代も隊長の片腕ポジションやってただけありますね。

隊長の影響力、すごいのですよ。
四銃士全員隊長の後継者です。
形は違うけど、それぞれ継ぐべきものを受け継いでる。
シーズン2で三銃士の自身の父親との確執はそれぞれ十分見て取れて、彼らにとっての隊長の存在の大きさはよくわかったのだけど、それを受けてのシーズン3の展開と結果でしたね。

三人は隊から離れてあるべき場所に巣立っていく。
父の壁を越えてそれぞれの形で父になる。
四人これからも隊で力を合わせようではなく、ダルタニアンの独り立ちも含めて巣立ちがテーマ。
「これがアトス?」って感じの超すっきりした顔はその象徴でもありました。




実は最終回を見たその夜、夢に隊長が出てきたんです。
敵を欺くために死んだフリをしていたんだって、お葬式の後に生き返ってるの。
ものすごくうれしかったんだけど、目が覚めて「ああ、違う~(涙)」。
我ながらあの死はショックが大きすぎたみたいです。

隊長が死んで、銃士隊は国王の銃士隊じゃなくなって、市民の銃士隊になったからには臣従の誓いもなくなって、古き良き時代の騎士道的な価値観は多分どんどんこれから薄れていく。
それがはっきりとドラマの中で語られてしまって、正直とても寂しい。
でもどうせ終わるならきちんと終わってほしいので、この最終回は受け入れる。
受け入れられる出来の最終回だし、やはり良いドラマだったと思います。

と言いつつ、「ミレディ・ド・ウィンター」のセリフの後に「完」を出して終わらせてくれてたら楽しかったのになー、という気持ちは消えない(笑)。
良かったですよね、あの場面。
やったー、シーズン1のミレディだ!でした。

ホント、ミレディだけ従来の「三銃士」「マスケティアーズ」。
さあ、このワクワク感がほしければ、シーズン1にレッツゴー!
そしてシーズンの123をぐるぐる回るのだー!

うん、ありがとう、ミレディをこういう形で出してくれて。
女優さんの事情はちらっと聞きました。
アトス&ミレディファンには受け入れがたいものがあったかもしれません。
でもこのミレディは私は好き。
ワルやってるミレディは潔くてホントいい。
シーズン3の悪者はホントにゲスだったのです。
ゲスの一人をミレディが殺っちゃうってのは、なんとも素晴らしい演出でした。



寂しいような、納得したような、悲しいような、でも幸せな終わり方だったなあ。
とことん楽しいドラマでした。
堪能したわー。
BBCありがとー。
そしてNHK、早くシーズン3を放送するのだ。
放送が始まったらまた楽しむからさ。
何卒よろしく!



毎日更新はここで一旦終了して、しばらくしたらシーズン3全体の感想を書きたいと思います。



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by teri-kan | 2017-03-19 01:00 | ドラマ | Comments(0)
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