王と家族

「マスケティアーズ」の、愛すべきバカであり罪深き善人であった王様について思うこと。
あまりバカバカ言ってはいけないのだけど、銃士隊は王に振り回されっぱなしで大変だったのだー。

ちなみに史実のルイ13世は二つ名を「公正王」というらしい……。






シーズン3で最も印象に残ってる王の場面って、実はフェロンの亡骸に寄り添う王なのでした。
肉親の血しか王にはすがれるものがなかったんだなあって、哀れな気持ちになりました。
兄弟といっても謀反を考えてた兄弟なのにね。
でも王は前科持ちのガストンさえ信じようとする。
哀れだったなあ。

もともと甘いところのある王で、シーズン1でも胡散臭さぷんぷんの母后に簡単に籠絡されてましたが、家族に弱いんですね。
というか、家族の愛に飢えてるんですね。
親の愛に恵まれなかった分、血に過剰な期待を持ってしまった面があるかなあ。
王家の血に自負を持つのはわかるけど、王家だからこそ血は諸刃の剣なんですけどねえ。
王太子が実の子でなかったことでなおさら血縁者に執着しましたが、んー、まあ、政治家としては失格でしたね。

ミレディとの関係が面白くて、ずっと未練を残していたというのが、王の内面の理解にとても役立ちました。
ルーブル追放を命じたのはただの一時の感情だったんですね。

自分の意向に沿わないところがあると、ホントにこの王はそれだけで機嫌を損ねる人なんだな。
だからその時の感情だけで自分にとっても致命的な発言をしてしまう。
「死ねばいいのに」(S1E9)とか、「宮殿から出ていけ」(S2E6)とか。
やっぱバカだよね。

あの時のミレディの何が気に入らなかったといって、自分を置き去りにしたことですよね。
今ならよくわかるんだけど、あれは王には相当ショックだったと思う。
この人、置き去りにされることが多分とても嫌い。
んでもって、自分の意見が聞き入れられないと自分を全否定されたかの如くに思ってしまうタイプ。

あの時の王の希望は、「恐いわ」なんて言いながら最後まで寄り添ってくれることだったように思います。
運命共同体になってほしかったというか。
王が思う通りの女性らしく。
だから男装なんて以ての外で、助けるために先頭きって賭けに出るとかも以ての外で、んー、やっぱり最後まで一緒にいて同じ恐怖を共有することが、王の寵愛を失わないためのあの時の正しい答えだったかもしれません。

あの後王は引き籠りになってしまって、シーズン2を見た時はマルミオン事件のトラウマで外に出られなくなったと考えましたが、最終回まで見てしまうと、ミレディ追放の影響も大きかったのかもしれないと思えてきます。
アトスと一緒ですね。
ミレディがいなくなってドン底に落ちてしまった男その2って感じ。
王はあの時のこと、ずっとずっと後悔したんでしょうねえ。
なんだか何をしても上手くいかない王様でしたねえ。

まあ、王太子のことに関しては王妃が悪いので、それについて王が文句を言うのはわかるのだけど、だからといってフェロンとガストンを信じるというのはないわ。
自分本位過ぎて、王太子にとってのベストを考えられていないですよね。

シーズン2のDVDを順番に見ていて、父王について語ってるところも改めて見てみたんだけど、結局不運と不幸を嘆いて終わった人生だったかなあ。
王一人の責任ではないんだけどね。
でも王たるもの、不運すら糧にして王の責任を真っ当しなければいけなかったと思うし、いろいろ残念すぎる人でした。



ところで、原語版と吹替版の違いって、王に関してはシーズン1はそこまで感じなかったのに、シーズン2は印象が違うところが結構あって、ちょっと戸惑っています。
多分シーズン1はホントにただのバカでいけたんだけど、シーズン2は複雑さが増したんでしょうね。
演技の複雑さに吹替が追い付いてないのかも、というような気がしています。
吹替版はやっぱりバカ王で、原語版だと結構真面目というか、黒いものも感じられるというか。
細かく聞き比べたわけじゃなから断言できないけど、なんとなくそんな印象。
シーズン3の吹替を聞いたら、また感想も変わるかも。

映画の吹替よりドラマ(ていうかマスケ)の吹替の方が字幕版との差が大きく感じると前に書いたことがあるけど、それってお話の内容にもよるのかもしれません。
もしかしてアメリカとイギリスの違いもあるかなあ。
イギリスの方が表に見えるものとは別の腹黒さがあるというか。
よくわからないけど、とにかくますます「吹替版と字幕版は違う」と思い知らされている今日この頃です。

王は特に複雑だ。
単純に見えて複雑。
よく破綻しなかったなあ。



次はアラミス。



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by teri-kan | 2017-04-10 10:24 | 海外ドラマ | Comments(0)
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