「友を選ばば三銃士」

ダルタニャン物語の第1巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

デュマの「ダルタニャン物語」は三部構成で、第一部が有名な「三銃士」、第二部が「二十年後」、第三部が鉄仮面エピソードの入った「ブラジュロンヌ子爵」となっているのですが、講談社文庫では全11巻のうちの最初の2巻が「三銃士」。
今回読んだのは、なので「三銃士」の前半部分ということになります。

半分とはいえ結構な分量で、なかなかの読みごたえ。
「ブラジュロンヌ子爵」はもっと大分量で、完結までの道のりを思うと気が遠くなりそうなのですが(笑)、第1巻から超面白かったので、もしかしたらサクサク進むかも。
このノリのよさは原文もさることながら、翻訳のおかげもあるのかな?
フットワークの軽い文章が笑えます。
このノリとセンスはとても好きです。



いやあ、ドラマの「マスケティアーズ」から、とうとうここまで来ましたよ。
またここから長い旅が始まる~。

というわけで、「友を選ばば三銃士」の感想です。
ダルタニャンの表記は、馴染みのダルタニアンでいかせていただきます。






最初はどうしてもドラマとの比較が入ってしまうんだけど、年代が早いので当たり前なのですが、ドラマより皆若いのです。
ダルタニアンなんか子供です。
子供というか、青年になりたての少年?
映画でよく見るダルタニアンって感じです。

で、三銃士の面々も若いというか、うーん、なんて言えばいいか(苦笑)、四人でつるんでるところとか読んでると、もうね、「男の子ってバカだよね~」としか言いようのないバカ。
アホの子四人組って感じ?(褒めてます)
特にポルトスはいいヤツぶりがドラマとは正反対の方向に向いてて脳筋。
かなり面白い。
アラミスはドラマと同じく神と恋愛に生きてるけど、方向が斜め。
出家の意志はドラマよりも強いのに、ドラマの方が信仰に真摯に見えるのはなぜだ。
アトスは黙ってギャグやるタイプなんですね。本人真面目だけど。
酒が入ったらドラマよりムチャクチャ。イヤだこんな飲んだくれ(笑)。
そして常にみんな金欠。
金回りの描写がやけに具体的で、若いビンボー銃士の涙ぐましさが笑えます。

細かいエピソードや何気ない描写に、「あ、これマスケでもあった」と気付かされることが結構あって、ドラマが原作のエッセンスをふんだんに取り入れてるというのはホントにそうだったんだなと思いました。
些細なことだったりするんですけどね。
でもそういうのこそが大事ですよね。

で、そんなこんなの四人の紹介エピソードの後に、いよいよ事件が起こるわけですが、うーん、ドラマには出てこなかったバッキンガム公なんですが、いやー、そのー、カッコよかったですね(笑)。
この1巻を見た限りでは非の打ちどころのない素敵な男性です。
パッと見アラミスと間違えるくらいだから、アラミスも似た雰囲気のカッコいい設定でいいと思うのだけど、となると映画「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」でバッキンガム公をオーランド・ブルームに、アラミスをルーク・エヴァンズにキャスティングしたのは、全く以て正しかったんだなあと思わざるをえません。
オーランド・ブルームの公は性格悪かったけど。
原作はいい人だったなあ。

ただ、公が仕事ができるカッコいいお人というのはよいとして、王妃を祭壇のようにして祀ってるのには結構引いた。
ロシュフォールと変わらんやんけってちょっと思った。
一歩間違えれば変態ですやん。
マスケには出て来なかったけど、公の真摯な愛はアラミスに、公の偏執的な愛はロシュフォールに、それぞれ反映されてたのかあと思いましたです。

事件の推移はハラハラドキドキ。
マスケでは無双な四人だけど、原作では結構ヤラれてるんですね。
本人達はふざけてるように見えますが、戦闘は荒唐無稽ではなかったです。



ところで、この本は最初に人物紹介ページがあって、そこを読んでびっくりたまげたのですが、ドラマのシーズン3でとんでもない悪人やってる人物の名前が、どう考えても銃士の味方としか思えない立場の人間の名前になっていたのです。
なんで!?

これはあれか? その人物は今は味方だけど、そのうち敵に変わるということなのか?
そうでなければドラマであんなインパクトのある役柄の名前にしないよね?
そう、しないと思うのだ。
でも……イヤだなあ……。
ホントに敵になったらどうしよう。
真相を知りたいやら知りたくないやら、今からそわそわしています。
だってドラマであんな悪人なんだから、きっと原作でも……ああああ~。
今はとってもいい感じなのに!

ネタバレでないことを祈ります。
ただ単に原作に出てくる名前を使っただけでありますように!



次は第2巻「妖婦ミレディーの秘密」です。
陰謀はこれからますます佳境に。
頑張れダルタニアン!



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by teri-kan | 2017-05-08 09:09 | | Comments(2)
Commented by 4703です at 2017-05-08 13:23 x
お久しぶりです。
コメントするのは、
でも、いつも拝読させて頂いてます。
あたしの中では、マスケティアーズ1と2で止まったまんまなんです。
王の死、隊長の死、受け入れられず迷走してます。本当は、一段とエロさを増したアラミスが、見たいし、何と言っても胸板と、そこはかとなく漂う背中のオーラ、引きずり込まれますよね。
これで、本当にマスケティアーズが終わるんだって思うと、やっぱり、見れないのです。
しかし、
あなた様の変わらず人を惹き付け、魅力ある素晴らしい文章だから、分厚くても、本は読んでみたいなって思いました❗

Commented by teri-kan at 2017-05-09 10:59
4703様、こんにちは、お久しぶりです。
いつも読んで下さってありがとうございます。

>マスケティアーズ1と2で止まったまんま

わからなくもないです。
3はちょっと雰囲気が違いますし、事前情報が入れば入るほど見れなくなってしまうものかもしれません。
終わってしまうのはその通りですしね。
でも未来に希望の持てる終わり方ではあるので、個人的には悪くないと思っています。

>何と言っても胸板と、そこはかとなく漂う背中のオーラ

シーズン3でも健在ですよー。
革にピッタリのステキな肩甲骨、ブラウスの上からでもわかるステキな胸板です(笑)。
でもエロさは……1と2の方があったかもしれませんね。
3のアラミスはかなり真面目なので。

原作は、さすが世界中で長く愛されてる物語だけあると思いました。
単純に面白いです。
かなりオススメです。
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