「将軍と二つの影」

ダルタニャン物語の第6巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

いよいよ第三部「ブラジュロンヌ子爵」スタートです。
「二十年後」から十年後、「三銃士」から三十年後、いよいよ五十代の彼ら登場。
「三銃士」の時には影も形もなかったルイ14世が、「二十年後」ではただのお子様だったルイ14世が、ここではとうとう立派な若者になって登場。

そう、「仮面の男」のディカプリオ君が出てくるのです。
頭の中で若き王は完全にディカプリオ君です。
ブイブイ言わせてたイヤなルイじゃなくて、おとなしそーなかたわれの方。

アトスはジョン・マルコビッチとトム・バークが微妙にブレンドされた風貌になっています。
ジョン・マルコビッチよりは小奇麗なのです。
ダルタニアンはガブリエル・バーンのように全然重々しくも立派でもありません。
ルーク・パスカリーノ君をそのまま老けさせた方がしっくりきます。
それはなぜか。

……といった感じで始まる、「将軍と二つの影」の感想です。






なんだかんだでいつまでもダルタニアンは若々しいルーク・パスカリーノ君。
だってダルタニアンってば、未だ副隊長なんですよ!?
今回何に驚いたって、ダルタニアンがやっぱり万年副隊長をやってることですよ。
隊長になる話はどうなったんだ。
ていうか、なんでまた副になっちゃったんだ。
マザラン恐ろしや~。

とはいえ、「二十年後」から十年たっていますので、他の皆はいろいろ変わっています。
少年の成長ぶりは眩しいな。
ラウルもルイもキラキラな若者です。
ルイはマザランにいいようにされて鬱屈してるけど。
ラウルも想い人との交際を親に反対されてちょっと元気ないけど。
親ってアトスのことだけどね!
息子の恋人の身分を気にするアトス……ちょっと「ほほう」って感じです。

アトスとダルタニアンがそれぞれチャールズ2世のために一肌脱ぐのだけど、やり方がホントにそれぞれで、アトスは真っ当で正攻法で、ダルタニアンはほとんどヤクザ(笑)。
結果的には二人がそれぞれの役割を果たしたからこそ王は復位できたわけだけど、どっちもまあ無茶なことやるなあと、読みながら「なんなんだろうこの人達」でした。
アトスも真っ当っていや真っ当だけど、やっぱり浮世離れしてるよね。
こっちがハラハラしてしまう。

ダルタニアンにいたっては、いやー、うーん、いろいろと「ダメだろこいつ」みたいなところもあって(笑)、なんていうか、ホントにいつまでも若いね。
相変わらずペラペラと出まかせばかり言ってます。
感心しかありませんよ。ホントすごいわダルタニアン。
でもプランジェのことだけは心から信じようよー。
プランジェにさえ払い惜しみするなんて人として終わってる。
いいヤツじゃないかプランジェ、その昔からずっと。
ざっくざくの金貨に喜びで気を失うヤツは微笑ましかったぞー。
ダルタニアンはもっと従者孝行すべき!
まあ現金な人なので、結局プランジェと一緒に金貨の前でキャッキャウフフなんですけどね。

とかくケチなフランス宮廷ばかりを見てきたので、チャールズ2世の太っ腹が眩しすぎました。
ダルタニアンじゃないけれど、こっちもヒヤヒヤしました。
せっかく手にいれた大金なのに盗られたり失くしたりしたらどうしようって。
ダルタニアンがあまりにも大金に慣れてないのが丸わかりで、こっちもそわそわ。
人間、持ち慣れてない物を持つもんじゃありませんね。

この巻はアラミスとポルトスが出て来なくて、それがちょっと物足りなかったかな。
彼らの従者はしっかり出てきて、それぞれ出世してたり予想通りの体調ぶりだったり、相変わらず楽しく読んだのだけど、一体あの二人は今どこで何をしてるのだろう。
というか、アラミス、なんとフーケとお友達。
これまたややこしいことになりそうです。



巻の最後は死を前にしたマザランのエピソードが続くのだけど、面白いって言ってはいけないのだけど、いつまでもお金に執着してるマザランがおかしかった。
特に面白かったのが懺悔。
内容がいちいち細かかったですね。
それに対する教導師の返答も面白くて、カトリックって大らかだなあ、ユルユルだなあと、ちょっといいもののように思えてきました。
最初から最後までマザランは本当に「カネ、カネ、カネ」だったなあ。

思えばこの巻は皆が皆「カネ、カネ、カネ」でした。
フーケとコルベールが出てくるのだから、ホントにこれから「カネカネカネ」なお話になるのかなと思うけど、ホントにおカネの話が具体的な「ダルタニャン物語」。
「プリンプリン物語」の「世界お金持ちクラブの歌」が歌いたくなります。
お金さえあれば~なんでも手に入る~♪
謹んでダルタニアンにこの歌を捧げよう。
手に入れたお金で何を手に入れるのか、じっくり見させてもらおう。



次は第7巻「ノートル・ダムの居酒屋」。
第三部はタイトルから中身を推測するのが難しいな!
でもいかにも舞台はパリって感じで、楽しみなタイトルです!



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by teri-kan | 2017-06-02 10:23 | | Comments(0)
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