「Big Little Lies」

エミー賞を受賞した海外ドラマ、「ビッグ・リトル・ライズ」。
「マスケティアーズ」のために入ったHuluで先日から配信が開始され、アラミスが出てるということで、さっそく観てみました。

なるほど、開始直後からグイグイ引っ張る面白さで、数々の部門で受賞しただけあります。
ハリウッド映画でお馴染みの大物女優はさすがの存在感。
特にニコール・キッドマンは体張ってました。
あの人はいつまでも綺麗だな。

男性陣がこれまたいいんですよ。
特にニコールの夫役の人。
ガタイも顔もすこぶるいいんだ。
「うお、いい男」と思ったら、映画「ターザン REBORN」のターザンの人だった。
そりゃ目の保養になって当然だよね……。

我らがサンティアゴ・カブレラ氏は、欲目もあるかもしれませんが、なかなかチャーミングな男性を演じておりました。
役柄としては、これまたとんでもないんだけど、やっぱり素敵。
アラミスの面影全然ない(笑)。
ヒゲもヘアスタイルもスッキリしちゃって、普通に現代人になってました。



とても面白い作品ですが、面白さの第一は、ミステリーが上手く出来てるところ。
大人のミステリーと子供のミステリーがいい感じに並行してます。
誰が殺されたのか、誰が殺したのか、事件はそもそも殺しなのか。
クラスでいじめたのは誰なのか、いじめられているのは誰なのか、そもそもなぜいじめが起きているのか。

子供の事件が大人の事件を呼ぶという形で事は起こるけど、ドラマの流れとしては二つは並行してるという、そこの作りが上手いなあと思いました。
情報の出し方が上手というか。
子供はうまく語れないから、それだけでミステリー。
大人は絶妙に核心を隠すから、謎と噂が先行する。
子供の事情と大人の事情が絡む、この謎だけで既に面白いんですね。

その上で、事件の背景となる人間関係が複雑……というか感情の絡み合い方が複雑で、ややこしい人達が集まってるんだよなあ(苦笑)。
夫婦関係、親子関係、友達関係、ホントいろいろ。

というわけで、ここから先はネタバレありです。







上記の謎に加えて個人の中にも皆それぞれが謎を抱えてて、その謎が初回から徐々に提示され、徐々に明かされていく過程が良かったです。
特にセレステがセラピストに内面を暴かれるシーンは秀逸でした。

マデリンの謎は謎のままみたいな描かれ方だけど、いまだに彼のオフィスに行ってたのは、感情としてはわかるかも。
甘えちゃってたんですね。
実際に浮気に走ることは理解不能でも、彼女の抱えてるものが何かを理解できる女性は結構いると思います。
ただ、これを言葉にするのはマデリンじゃないけど難しい。

そもそも抱えている問題を一言で言い表せられるほど、皆そう単純ではない。
多重構造だし複雑に絡み合ってるし自分一人で作り上げた問題でもない。
でも周りの目は厳しい。
周囲の人達の証言は本当に好き勝手です。

最終回はもう緊張の連続。
来たるべき破綻に向けてハラハラドキドキ。
そしてクライマックス場面は、「ああ、こうすればいいのか」って、胸が痛くなりつつも感動しました。

暴れる男に皆でよってたかって立ち向かっていくのだけど、その立ち向かい方が痛々しいというか、皆フツーの女性なので、CEOだろうがシングルマザーだろうが普段反目し合っていようが仲良しだろうが、女であるからこそ守るものを守るために立ち向かうんだけど、力のある男の前には数人がかりでも全然無理なのです。
悲しいくらいに無理なのです。

でもあの場面で何がいいって、友人同士の女性が意志を交わして戦うとか、そういうパターンではなく、皆考えるよりも先に本能で向かっていること。
本能だから協力できてなくて、バラバラなんです。
その分必死さが見ててすごいんです。
全然効いてなくて哀れでさえある。
でも虚飾をはぎとった紛れもない本能。
見ていて、「ああ、これだ」みたいな感じで、なんかもうねえ、変な話だけど、なぜだか急に「源氏物語」の宇治十帖を思い出してしまいましたよ。

あれも女性としての生きにくさがテーマで、最後には「女が人としてまともに生きていくためには、男と関わり合いのない世界に行くしかない」って結論になっちゃうんだけど、このドラマはそうじゃないんですね。
「男と関わるならこれだ」みたいな、まあ男と言っても千差万別で、言い換えるなら「自分達を苦しめるものに対抗するならこれだ」ってことなのですが、結局守るべきは人としての尊厳で、女同士対立し合っていても、いざとなるときちんと本能が発動するんだと、そのありようと言うか必死の振る舞いというか、それが感動的だったですねえ。

その感動とミステリーが明かされる解放感が合わさるのが、このドラマのいいところだと思います。
そして全ての発端は子供のいじめ問題だと思っていたものが、実はそれすら大人に原因があったということで、謎の輪が綺麗に円を描いたところも良かったです。
綺麗に閉じすぎかもしれませんが、ドラマですのでね、これくらいでいいと思います。

思ったことは他にもあるけど、やっぱり主要テーマとしては女性の個人個人の尊厳についてかな。
メインの三人に加えて、成功者ゆえに嫌われてるレナータ、作り上げた自分の世界でバランスをとってるようなボニーが、テーマを強固なものにしています。

ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンが製作総指揮だそうですが、このテーマはきっと彼女達自身の主張なのでしょうね。
男性が観ても面白いドラマだと思いますが、女性には特に訴えるものが多い作品だと思います。




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by teri-kan | 2017-11-13 16:53 | 海外ドラマ | Comments(0)
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