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ドラマ「精霊の守り人」 堂々完結

無事最終回を迎えました。







いろいろ思うことはあるけど、一番印象的だったのは、ラウルがボッコボコにされたことかなあ。
今時の、挫折を知らない子、それでいて世間を斜に構えて見てるような子が、滅多打ちにされて、メンタルぼろぼろにされちゃったみたいな、そんな「うう~ん?」な気持ちにさせられました。
ずっとずっと冷たく綺麗だったラウルが泥まみれになるのは良かったけど、何気に今風だったかな。

原作で年月かけてやったことを一気にクーデターでまとめたところも「展開早っ!」って驚きました。
でもさすがにタルシュにそこまでかけられない。
全てを原作通りに終わらせたところは感心したけど、枠はギリギリだったですね。

行く末が原作通りじゃないのはガカイだけかな?
ガカイ、なぜかギャグ要員に。
決して笑いをとる役どころじゃないのに、吹越満のせいでなぜかギャグ風に。
別に責めてなくて、むしろ微笑ましいくらいに思ってるんだけど、最初から最後まで根本が見えてない人だったのが徹底してたなあと、あれはあれで「なるほど」なキャラでした。

ガカイって面白くて、原作とアニメとドラマ、それぞれでキャラが全然違うんですね。
ある意味使い勝手の良い人物というか、シュガの対極として描かれる人ってことなのかなあ。
シュガをどういう立ち位置にするかで変わるってことかもしれません。
ドラマのシュガはトロガイの弟子になっちゃったし、ドラマのガカイがあまりにも目先のことしか見えない人になったのも、ある意味仕方なかったかも。

トゥグムはどうなるんだろ?と思いきや、まさかの「きれいな」トロガイ大活躍で、ここは高島礼子だということを知っていればこそのニヤリと笑える場面でした。
まさかこのためだけに彼女を起用したわけでもないんだろうけど、良いシーンでしたね。
最終回はそういった、ちょっと「ぷっ」って笑えるところも結構あって、なかなか良かったのではないかと思います。

帝の藤原竜也はお疲れ様。
一番難しい役だったと思います。
原作では徹底して表に出ないことで聖性を表現しましたが、ドラマは演技で聖なる存在であることを示して、なおかつ人間であることも表現しなければいけませんでした。
悲哀の人物なんだけど、本人が悲哀の根本を自覚してもいけないという、絶妙な繊細さが要求される役でした。

ああいう性質の帝にしたのは、ドラマでは今の聖導師のせいってことになってたけど、原作では初代聖導師ナナイのせいだし、個人的にはドラマももっといろいろナナイのせいにしていいんじゃないかと思いました。
「大洪水の運命がわかっていながらナナイはなぜ?」のくだりで、シュガはナナイにいいように解釈してたけど、あそこは「ナナイは冷徹な人」ってことでよかったように思う。
まあ、ナナイを人でなしにしたら新ヨゴ皇国の存在意義が怪しいことになってしまうのでしょうがないんだけど、個人的には「ナナイは頭が良すぎて冷徹」っていうのが、正しい見方ではないかと考えてます。

まあ、帝にはそうは言えないけどね……。
あー、うん、やっぱりシュガはああ言うしかないかな。
でもドラマのシュガは本人も心からそう思ってそうで、そこはちょっとどうかなあって感じでした。
シュガはもっと真理に突き進む描写があってもよかったかもしれない。
トロガイの弟子の面とは別の、星読としての本領全開の描写。
最初の頃のようにナナイの記録を読みまくって、そこから洪水や国家の寿命についての解明にたどりつくところがあってもよかったんじゃないかと思います。

そうそう、ガカイが水浸しの国を見てビックリしてたけど、あれは私もビックリしました。
ああいう風に水が「溜まる」のは想像してなかったなー。
もっとこう、流されるって感じのイメージで捉えていました。

あそこは山の中だったし、川がせきとめられてダムみたいになっちゃったのかな?
都は水の底に沈むというより「流された」に近いと思うんだけど、にしても大量の水でしたねえ。
初めてドラマの王宮を見た時、高いところにあったから、「最後流されないのかな?」と思ったんだけど、全然そんなことありませんでしたね。
なんだか雲から落ちてきたって感じの、万年雪が溶けたというより、まさに異世界からの大洪水でした。



うーん、なんだかんだ言い出したらきりがない(苦笑)。
原作とドラマは別物だと思ってるけど、かなり原作テイストに忠実に作られてたし、終わってみれば着地点はピタリだったので、そこに辿りつく過程についてああだこうだと話がはずみます。

ただ、ドラマってやっぱりギュッと圧縮されてるというか、誤解を恐れずに言うなら、原作のダイジェストって感じではある。
世界観はきちんと表現できてたと思うけど、ナユグの描写はもっと踏み込んでも良かったような気がするし、前にも書いたけど「山の王」の正体も明らかになってたら嬉しかった。
ただ、そこを頑張ると、それこそもうホントにキリがないんだろうなあ。
原作がイマジネーション羽ばたきまくりの物語というのも悩ましいものですね。

うん、ドラマ化できただけでよしとすべきなのかな。
しかもきちんと作られてた。
皆さんお疲れ様でした。
特に主演の綾瀬はるか、ホントにお疲れ様でした。
筋肉痛をほぐしてあげたい気分でいっぱいです。




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by teri-kan | 2018-01-29 16:13 | ドラマ | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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