2014年 11月 10日 ( 1 )

羽生のメンタル

フィギュアスケートのグランプリシリーズ中国杯、男子シングルフリー。
羽生が棄権しなかったことが物議を醸していますが、難しいですね。
実況解説も批判対象になってるようで、いやあ、ホント難しい。
ライブでTVを見てましたが、こっちも理性と感情がぐらんぐらん振れましたしねえ。

羽生激突動けない(私:頭真っ白)→ 羽生フラフラでリンクサイドに戻る(私:こりゃ棄権かも)→ 止めようとするオーサー(そうだ!無理するな!)→ リンクに出て練習再開する羽生(んなバカな!)→ 演技を始める羽生(大丈夫なのか?やるなら頑張れ!でも心配)→ 四分半後も氷上に立っていた羽生(君はやっぱりスゴイよ羽生クン!)→ 採点が出て号泣する羽生(よく頑張ったよ羽生クン!!)

こっちも脳内に変な物質出てて、演技中は心臓バクバクだし、コケて立ち上がる度に「よかった。立てた」と息つくような状態でしたからねえ。
解説者が美談にしすぎとか、棄権すべきだったとか、そういう意見を読んで「そういえば棄権すべきだったわ」と思い出したくらい、それほど羽生の精神力に圧倒されて思考が停止してました。
最後まで滑り切った安堵感にも支配されてましたしね。
なんかちょっと違った世界にいた感覚でした。

だから解説者が変なテンションになっていたのは理解できる。
プロなんだから冷静に指摘すべき事は指摘すべきだろという意見は当然だと思いますが、あの羽生を見て心が揺さぶられなかった人っているのか?
あれはそのくらい凄まじいものでした。

でも、羽生はあれを賞賛されたいわけじゃないと思うので、むやみやたらに褒める必要はないよね。
マスコミも美談にするべきじゃない。
オーサーは「ここでヒーローになる必要はない」と言って止めたそうだけど、はなからヒーローになりたくてリンクに向かったわけではないだろうから、そういう言葉はあまり彼には意味なかったような気がする。
むしろ「恩返しできるチャンスはまだある」とか、「責任を果たす機会は他にもある」といった言い方のほうが、羽生を止められる可能性は高かったかもしれない。
とは言っても、羽生は絶対出たでしょうけどね。
彼はあの強い精神力が震災を乗り越える原動力となり、オリンピック金を掴むほどの力となったわけで、この精神力が無理をするという悪い方向へ出たとしても、それもまた羽生だと言うしかないような気がする。



今回の羽生の精神力しかり、120パーセント出さないとダメだと語る町田や、会心の演技を高得点で評価され号泣した無良を見ても思うのですが、技術も音楽性も含めたフィギュアの表現は、精神的に攻めにいってこそ成しえるもので、精神的に攻めることがフィギュアそのものであるなら、立てて跳べる限り逃げる(棄権)という判断をすること自体フィギュア選手にはありえないんじゃないかという気がする。
技術を披露するだけじゃなく、表現するという要素があるスポーツという点で、フィギュアスケートは他の競技とは違うようなんですよね。精神の持ち方という部分において。
年間何十試合も出来る競技ではないし、直接相手と対決する競技でもなく、戦う相手は自分自身というスポーツ。
とことんまで自分と戦う競技で、だから今回なんとしてでも止めろ、止めるべきだったという声が多いけど、そんなことは多分不可能で、絶対誰にも止められない。もうそう考えた方がいいんじゃないか。

だから、そういう前提を踏まえてルール作りをするべき。
6分間練習の在り方は早急に改善すべきでしょう。
アクシデントが起こった場合の対処の仕方もはっきりさせた方がいい。

羽生の気迫は凄まじかったし、あれはあれで観ているこちらも稀有な体験でしたが、怪我をしてしまったことが残念で仕方ないんですよね。
もっと演技自体を楽しみたかったです。
最後の3人のフリーの内容はほとんど記憶にないし……。

あ、羽生のショートのプログラムは良かったと思います。
羽生とバラード1番は合ってましたね。
ナイス選曲&振付!と思いました。
ジャンプがことごとく失敗したのが残念でしたが。

できればNHK杯で完璧なショートとフリーを見せてもらいたいものです。
体が万全になっていたらの話だけど。
さすがに次は無理できません。
医者の言うことをきちんと聞いて、今度は体にとってベストな選択をしてもらいたいです。


(追記)
全治2~3週間だそうです。
しっかり治してほしいですね。
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by teri-kan | 2014-11-10 10:37 | スポーツ | Comments(0)