カテゴリ:フランス映画( 15 )

ヴァンヌから広島へ

「ダルタニャン物語」の第三部「ブラジュロンヌ子爵」を読んでるところなのですが、若い頃聖職者志望だったアラミスは、第8巻現在でヴァンヌの司教を務めております。
只今「地図と物語の照らし合わせ」にハマっているワタクシは、そんなわけでヴァンヌについてちょっと調べてみました。





心にうつりゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれ~
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by teri-kan | 2017-06-14 14:40 | フランス映画 | Comments(0)

「ラ・セーヌの星」とチューリップ

このブログって日本以外の事だとフランスに関する記事が多いなあと、前々から過去記事を振り返って思っていたんですが、「マスケティアーズ」にハマって改めて自覚しました。
私はどうやらフランスが好きらしい。
少なくとも他のどの外国よりも。

まあアルセーヌ・ルパンが好きなので自然とそうなってしまうんですけどね。
実はルパンは私にとって理想中の理想。理想のフランス男。
女に優しい弱者の味方。
女たらしでありながら正義の人。
「マスケティアーズ」のアラミスは、だからまんまタイプ。
ハマってしまうのも、これはもう小学生以来そうなんだからしょうがない。
私はこういうのに弱いのです。(但しフィクションに限る。)

もう一つのフランス好きの原因は、まあベタですが「ベルサイユのばら」。
華麗な文化とドラマチックな歴史。ドラマチックな人間模様。
これに心惹かれない女子がいようかってものです。
なんだかんだでフランス史は面白い。

まあそういう感じで、この二本柱が私のフランス好きの基本かなあと考えたのですが、ふと思い出したんです。
そういえば「アルセーヌ・ルパン」と「ベルサイユのばら」のいいところを併せ持ったアニメがそれ以前にあったよなと。
自分は元々それが好きで、フランス好きの原点を求めるならむしろそっちの方だよなと。

そのアニメこそ「ラ・セーヌの星」。
革命期のフランスを舞台にした、とある少女を主人公にしたアニメです。

主人公は夜になると剣を持って悪と戦う花屋の女の子。
しかしその正体はフランス王妃の腹違いの妹。
本人それとは知らず権力を憎み、事実を知って苦悩するも、最後には和解。
和解っていうか、フランス革命だからね、王妃は断頭台へ、本人は姉の思いを胸にパリを離れる。
それがもう劇的。最後の場面は今でも忘れられん。
私はしばらくマリー・アントワネットには妹がいると思い込んでいました。

彼女には「黒いチューリップ」という義賊の味方がおり、それがまたイケメンの男子。
彼の正体がこれまた文句なしで、良い生まれなのに義賊、とことん正義の人という、おいしいところしかない男。

当時このアニメが大好きで、シモーヌ(主人公)には心底憧れたものでした。
主題歌も歌いまくってました。
「良いフランス男とは、男前で女に優しく弱者に優しい」という刷り込みは、アルセーヌ・ルパンを読むよりも随分前、「黒いチューリップ」からきていたのでした。
後に読んだ「ベルサイユのばら」で似たような人が登場して、「まるで黒いチューリップだー、フランスってこういう話がたくさんあるんだー」なんて思ったものでした。
黒いチューリップ、ホントに素敵だったんですよ。
女の子が憧れるのもしょうがないというくらい。

まあ今見たら、「え!?こんな絵!?こんな顔!?」ですが。
古いアニメですのでね、それはしょうがないです。
1975年ですよ、75年。
私が見たのは再放送ですが、それでも随分昔です。



ところで、「黒いチューリップ」で検索をかけると、デュマの作品が出てきます。
義賊の話ではないようですが、心惹かれるタイトルです。
アラン・ドロン主演の映画(1963)もあります。
デュマの原作を元にしていますが、だいぶ内容は変わっていて、こちらはホントに義賊の話。
解説には「フランス革命迫る動乱の時代を背景に、貴族を罰し庶民を助ける神出鬼没の快盗“黒いチューリップ”の活躍を描いたアクション」とあります。

「ラ・セーヌの星」はこれを参考にして黒いチューリップのキャラを作ったのだと思われますが、にしてもフランスにとってチューリップってなんなんだろうと思わされます。

「黒いチューリップ」の監督であるクリスチャン・ジャックがそのまた昔に監督した映画、ジェラール・フィリップの「花咲ける騎士道」の原題が「ファンファン・ラ・チューリップ」で、やっぱり「チューリップ」なんですよ。
「ファンファン・ラ・チューリップ」はもともとフランス民謡で、少年の武勇を語ってる歌らしいんだけど、でもやっぱりなんでチューリップなのかがよくわからない。
フランス人にとってのチューリップのイメージってどういうものなのか、ちょっと知りたいです。

花だけど男性と結びついてるんですよねえ。
男性というより男の子。せいぜい青年。
チャーミングな若者というイメージですね。
そんな男の子が戦ってるのが、なんでか知らないけど「チューリップ」。
一本でスッと立って、鮮やかだけど花弁がシンプルなのがイメージに合ってるのかなあ。

とりあえず言えることは、フランスには明るいチャンバラがあるということ。
弱者に優しい正義の戦いがある。
ひたすら女に優しい正義の男がいる。
時代背景が暗くても、だから陰鬱なだけじゃない感じになる。
ドラマチックで、やっぱりイキイキしてるんです。

これが今でもフランスがいいなあと思う理由の一つではあるかも。
応援したくなるフランス男です。
ルパンとかファンファンとか「マスケティアーズ」のアラミスとか、憎めない感じのフランス男はずるいなあと思います。
みんな大きな欠点を持ってるんだけど、愛嬌がハンパないんですよね。
この手の男は「俺の愛した女はみんな死んでいく」というパターンもあって、ますます応援しなきゃならない羽目になる(笑)。
やっぱりずるい気がします(笑)。




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by teri-kan | 2016-06-15 09:06 | フランス映画 | Comments(0)

「地下室のメロディー」(1963)

出所したての老ギャングとチンピラ青年の、カジノの金庫破りのお話。
老いた大泥棒はジャン・ギャバン、若いチンピラにアラン・ドロン。
この二人がとても素晴らしい犯罪映画です。

描かれているのは徹底的に「老」と「若」。老獪と軽薄、重厚と軽快さ。経験豊富で幾多の修羅場をくぐってきたであろうジャン・ギャバンの渋さもいいし、アラン・ドロンが軽くて悪い子なのもいい。
二人の役割分担は至極もっともで、ギャバンの知識とドロンのフットワークの軽さの融合は泥棒行為にとても効果的なんだけど、でも結局は、
「若けりゃ一人でやっている」
ギャバンのこのセリフに尽きるんだろうなあ。

ドロンの仕事は若くなければ出来ないことで、彼は若い体にまかせて必死こいてカジノの地下まで辿り着くのだけど、その地下室で外から引き入れたギャバンのどーんとした姿には、なんか哀愁を誘うものがありました。
それまでキビキビと頑張ってたドロンを見てたからその落差に愕然。しかも札束をカバンに入れる動作が、動作が……遅すぎるー!
遅すぎてのろすぎて、でも本人的にはスピーディなつもりで、これが演技なんだからジャン・ギャバンすごいなあなんですが、ここはカメラもしつこいくらいにのろいギャバンをじっくり映してるもんだから、もうこっちはイライライライラ(苦笑)。早くカバンに詰めてさっさと逃げろー!って叫びたくなるくらいでした。

うまく作ってるなと思います。特に後半の緊張感はすごい。犯罪が成功するかどうかの緊張感と、ギャバンとドロンの間に流れる緊張感の両方とも。
あの二人の関係は仕方ないよなー。ドロンの心情はわからなくもない。
ただ、最後の手段は驚いた。フランス映画って一筋縄ではいかないラストを迎えるものが多いけど、この映画の終わり方もすごかったです。

嗚呼これが人生、って感じ?

でもドロン演じる青年は後々自分のこの行動を絶対後悔すると思うな。
あの遊び人がこれしきで真っ当になれるとは思えないし、何か金が必要になった時絶対後悔するに決まってる。100フラン賭けてもいい。

ていうかドロン、ツメの甘い悪党の若者役がホントーにピッタリだよなあ……。

この映画もドロンは最高に美しく、神が彫刻刀で彫り彫りしたお顔を堪能する喜びを存分に味わえるのですが、いよいよ地下室に突入するという場面、彼は目出し帽を頭からかぶってしまうのです。
「ああ、顔が隠れるう!」とショックを受けるも、目出し帽姿のアップが映って別の意味で大ショック。
目出し帽から覗くドロンの二つの目は、ありえないくらい美しく壮絶なのです!
確かに彼の瞳は美しくてシャープで影があって厳しくて力があるのですが、鼻とか口とか排除した目だけのドロンは本当にすごかった。

あの目だけで殺せるよねえ、ドロン、女を。
さすが(元)世界のハンサムだー。

ちなみに「地下室のメロディー」は音楽も良いです。
この頃のフランス映画はカッコよくてオシャレな音楽が多いですね。
モノクロ映像にジャズ、悪徳を描いた映画にジャズ、小難しい「これも人生」的な映画にジャズ。

オシャレだなー。
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by teri-kan | 2011-11-04 16:15 | フランス映画 | Comments(4)

「男と女」(1966)

現在フランスのドーヴィルでサミットが行われています。
ドーヴィルと言われて思い出すのは「男と女」。
ダバダバダ~♪の歌声で有名な、とても素敵なフランス映画です。

夫を亡くした女と、妻を亡くした男が、寄宿学校に預けている子供を通じて知り合い、恋に落ちるという物語。
その恋自体をあれこれ語るのは野暮というか、理屈っぽく語れる映画ではないので、観てただ浸ればいいのだと思うのだけど、まあなんて言うかなあ、そこに男と女がいるから、と言いますか、いやあ、恋愛っていいですねえ。

フランス映画ってステキだなと感心したものでした。
大人の恋愛の描き方もだけど、この作品はとにかく絵的に美しくて、どのシーンを切り取っても美しい絵になりそうなくらいに良い。
今でも印象に残ってるのは白黒の場面かな。セピア色もいい色だったけど。んでもってその色の中の主人公二人がとても雰囲気があるんだ。
アヌーク・エーメはさすがの美しさで、ジャン・ルイ・トランティニャンはシブくて大人の男ーって感じで。

うーん、やっぱり素敵だ。すごく綺麗。



サミットのニュースを見てるとたまに海が映ったりするんだけど、映画でも最も印象的なのは砂浜の場面です。

やっぱり砂浜ですよね。
カップルには砂浜ですよ砂浜。若くてもそうでなくても。

本当に素敵な恋愛映画です。
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by teri-kan | 2011-05-27 10:50 | フランス映画 | Comments(0)

「山猫」(1963)

ヴィスコンティの、イタリア統一戦争時代のシチリア貴族を描いた大作。

大変美しい映画で、豪華絢爛な貴族の館、舞踏会、シチリアの風景、何もかもが綺麗で、画面を観ているだけで目の保養になる。
目の保養といえばアラン・ドロン。クラウディア・カルディナーレも超キレイ。
とにかく何もかもが美しい。

そんな美しい映画は、時間が進むにつれじわりじわりと変化していく両シチリア王国の貴族社会を丁寧に描いて、それでも毅然としている主人公の内面と合わさって、なんとも静かなエンディングを迎える。
イタリア統一“戦争”とかいうけれど、お貴族様はこんな風に結構穏やかに追われていったんですねえ。

今年はイタリア統一150周年なのですが、この映画はちょうどその時期を描いた作品で、ガリバルディとか教科書でしか知らないような人も(確か名前だけだったけど)出てきます。
イタリアの歴史といえばローマ時代かルネッサンス期くらいしかTVでも取り上げられないけど、日本人にとってあまり知ることのできない統一運動時期のイタリアを手軽に知ることができる映画として、「山猫」は結構貴重なのではないかと思います。

しかし、こういう映画が作れるのって、やっぱりヴィスコンティだからなんでしょうねえ。
ヴィスコンティ家はイタリアでも有数の名門貴族ですが、時代から追われていく身のやるせなさは、わかる人にしかわからないものなのかもしれません。
特に主人公のように年齢もいっている人ならば。

一般庶民の若輩者には、おそらく完全には理解しきれないものだと思いますが、それでもこの映画を観ていたら、そういった葛藤や感情もなんとなくわかる。
それはやっぱりヴィスコンティだからこそなんでしょうね。
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by teri-kan | 2011-01-17 01:56 | フランス映画 | Comments(0)

「パルムの僧院」(1947)

スタンダールの原作をもとに作られた文芸映画。

故郷パルムに戻った美青年が、とある事件を起こして塔に幽閉されるも、愛の力で脱出するという物語。
……とまあ、こう書くとあまりにおおざっぱだけど、細かいことを説明しても仕方なかろう。この映画は出てくる人物みな愛ゆえに動かされ、愛ゆえに己の行く道を決めている。

主人公の青年はジェラール・フィリップ。
大変美しい。
ストーリー自体はなんてことない本作も、ジェラール本位で見れば楽しめることウケアイ。
見目麗しく、本作ではアクションもこなす肉体派。キレイー、ステキー、と溜息つきながら観ればそれでOK。

彼の伯母の公爵夫人が印象的です。大人ーって感じ。
甥の養母でありながら、甥を本気で男として愛しちゃって、なんかいろいろ大変。ていうか皆いろいろ大変。

フランス人(イタリア人?)にとって(肉欲とセットの)愛は大事なんだなーという映画ですね、はい。
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by teri-kan | 2010-12-01 01:12 | フランス映画 | Comments(2)

「ルパン」(2004) その2

この作品については一度書いた事があるのですが、ルブランの原作を読み込んだ後に観たら感想も変わるかもと思い、先日BSで放送されたものを再鑑賞。
でもやっぱり変わらなかったですね。ていうか、ますます「こりゃあかん」という気持ちになりました。

致命的に暗いんですよ。なぜ暗いのかは「カリオストロ伯爵夫人」でも触れたのですが、殺人の扱いがきつすぎるのです。
21世紀の人間が観ても楽しめる映画にしようという心意気の表れではあるのでしょうが、カリオストロのあの殺人鬼ぶりは、個人的には結構ひく。あの短刀での殺し方は「813」をイメージしてるのだと思うけど、あの犯人をカリオストロに取り込んじゃうのは、ちょっとやりすぎのような感じがします。

クラリスも21世紀向けにしてるんだろうけど、本来の彼女は、それこそ「カリオストロの城」のクラリスのような女の子なんだよね。エヴァ・グリーンは売れてる女優さんだし、彼女を使いたかったというのはあるんだろうけど、キャストそのものがやっぱり違うという感は否めない。

パパはとんでもない極悪人だし(涙)、ママははっきり言ってルパンのせいで死んじゃうし、妻もルパンのせいで殺されちゃうし、息子は立派なテロリストだし、映画のルパンの人生は悲惨極まりなく、こんな目に合うほどの何を一体彼はやってしまったのだ?と問いたいくらい。

原作のパパはもっと小者で、ルパンにとっては頑丈な体を自分に与えてくれた人といった程度の人でしかなく、大事なママは最期を楽に迎えられるように子供ながらお金を工面してあげた。妻も運悪く出産で死んでしまうまでは幸せに過ごさせてあげたし、息子は一人でも立派に育った。
本来のルパンはこんな人生で、パパと息子はともかく、ママと妻には決して悲しい思いをさせないよう、それだけは最後までやり遂げたのです。
だからこその女の庇護者でもある。ていうか、これがベースにきちんとないと、その後のルパンの活躍は有り得ない。

盗みや冒険の改変はともかく、肝心要のルパンの家族背景をこんなにも変える必要があったのか、そこのところは大いに疑問。
これじゃ続編は無理だし(まあ、はなから作るつもりはないのだろうけど)、こんな人生背負ってる男じゃ恋愛だって荒んだものになるでしょう。冒険のたびに真面目な恋愛を楽しくやってるルパンなんてとても描けないと思います。言っちゃなんだがよっぽど三世の方がアルセーヌ・ルパンらしいよ。



どうしてこんな救われないお話の映画にしたのか、あまりに不思議なんで自分なりに考えてみたのですが、これは勝手な推測ですが、以前のルパンのTVドラマがあまりに明るくて軽薄だったからかもしれないなあという気が、ちょっと最近してきています。

ルパンのTVドラマ、昔スカパーで観たことがあるのですが、結構残念な作品なのですよ。あまりに残念すぎてあまり覚えてないのがこれまた残念なのですが、印象としては軽薄って感じだったんですよね。で、その反動で映画はあんな真面目な、ていうか暗いお話にしたのではないかなと。
まあ勝手な推測ですが、私としてはドラマと映画の中間くらいのルパンが良かったなあ。

でもこの映画もルパンだと思わなければ結構いけると思います。
変装の得意な違う誰かだと思えばいいのではないかと。で、小ネタはルパンシリーズから拝借、みたいな感じで。

そう考えればいいのだと思います。
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by teri-kan | 2009-10-28 10:25 | フランス映画 | Comments(0)

「王妃マルゴ」(1994)

フランス・ヴァロア朝末期、新教と旧教が対立する時代の、王家の陰謀ドロドロとマルゴの奔放な愛の生き方を描いた物語。
ザ・中世、これぞ中世といった感のある、この時代が好きな人にはたまらない歴史映画です。

マルゴとはフランス王アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシスの娘で、名君だったアンリ4世の最初の妃だったマルグリット・ド・ヴァロワのこと。
教養のある淫奔な美女というイメージの彼女をイザベル・アジャーニが演じるというのは、あまりにハマりすぎて文句のつけようがなかったですね。彼女の演技は素晴らしく、そして圧倒的に美しかった。
この人の美貌は本当に悪魔的。こっちが生気を吸い取られそうです。

他のキャストもイメージに近くて良かったです。カトリーヌ・ド・メディシスの貫禄、アンリ(4世)の容貌、そしてヴァンサン・ペレーズはやっぱり綺麗な顔だったなー。


サン・バルテルミーの虐殺はこうして起こり、こういう状況だったのかと、世界史の教科書が一気に血の通うものとなりました。
あれはえげつない。そしてマルゴをめぐる状況もえげつない。
カトリーヌ・ド・メディシスはいろいろな逸話を持つ女性ですが、彼女は怖いし彼女の息子らはロクでもなかったな。中世って生きづらそうと、つくづく思い知らされました。


キリスト教の歴史についてある程度知らないとついていきにくい作品ではあるかも。完璧に理解するなど到底不可能な世界ですが、でも結局政治なんですよねー。ホント、キリスト教は政治なんですよ。

そういった陰謀ドロドロの対極にあるのが愛。
渦中にあった王女のマルゴは可哀相でしたね。
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by teri-kan | 2009-04-25 03:11 | フランス映画 | Comments(0)

「肉体の悪魔」(1947)

戦時下のパリ郊外の町での、新婚の人妻と高校生との不倫物語。

ラディケの原作はもっとすごいらしいのですが、タイトル通り「肉体」に支配された男と女の話なんでしょうか。

映画の内容と「肉体の悪魔」というタイトルは、ちょっと合わないですね。映画の二人は肉体に突き動かされているというより魂が求め合っているという印象の方が強いですから。
でもそれは綺麗すぎる主演二人のせいかもしれません。ミシェリーヌ・プレーヌはとにかく可憐だし、ジェラール・フィリップは年上殺しの可愛さ爆発させてました。


この作品を観て驚いたのは周囲の反応&当事者二人の振る舞い。
アパートの大家さんは陰口叩いてるし、双方の親も苦々しい思いでいっぱいなのだけど、とりあえず黙認してるというのがすごい。少なくとも日本じゃありえない。
夫のいる女の母親に向かって怒鳴って張り合っちゃう愛人高校生ってどうですか。堂々と青空の下で、しかも近所でベタベタデートするってどうですか。

不思議といえば子供が出来て喜ぶ男子高校生というのも不思議すぎる。相手は人妻ですよ?彼女の立場どうするの?それを言うなら17歳の愛人の子供を妊娠して喜ぶ人妻も人妻なんだが、あの辺の感覚があまりにかけ離れすぎて驚く以外にない。
もしかしてカトリックだからかなあ。子供を授かるのはその愛を神が祝福しているからとか。
にしても今後あんた達どうするのよって聞きたくなるような展開なんですよねえ。

恋愛に勝るものはないんですかね、フランスでは。
大家さんも文句言いながら「戦争が終わってダンナが帰ってくるまでのこと」って割り切ってるようだし、ダンナに告げ口する様子もないようだし、なんだかんだいって基本的に寛容なんですよね。

すごいわ、フランスって。
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by teri-kan | 2009-03-05 10:13 | フランス映画 | Comments(2)

「ルパン」(2004) 

私はアルセーヌ・ルパンが大好きなので、この映画の公開をとても楽しみにしていました。
でもちょっと、というかかなり残念な作品でした。

時代背景とか雰囲気とか、そういうのは原作通りだったのですが、肝心のルパンが……ルパンの顔が……。
まさか孫の顔に合わせたのか?

もちろん顔以外の問題もあります。というかそちらの方が大問題なのですが、この映画、ルパンの人生を追ってしまっているのですよ。少年期から老齢の手前まで、家族の確執やら愛の喪失やらで翻弄されるルパンの人生がテーマになってて、原作とはかなり趣が違うのです。

原作でもルパンは(父親のアレはともかく)確かに映画通りの人生を生きていて、幸せとは程遠いのですが、でも普段はそんなものおくびに出さずに元気に泥棒やったり冒険やったりしています。恋愛もたくさんして、まさにオシャレな怪盗紳士です。
で、そんな爽快な活躍をする彼がふとした時に不幸の影を見せるのが良いのであって、終始深刻なルパンなんて、ちょっとイメージ違うんですよね。

映画からはルパンの活躍も散漫な印象しか受けません。「カリオストロ伯爵夫人」やら「奇岩城」やら、いろんな原作のエッセンスを抽出してごった混ぜにしてますが、「何かを成した感」がどうもいまいちなのですよ。財宝探しに加えて父親現るとか息子誘拐とか、もういろいろいっぺんに起こりすぎ。

ルパンってさ、もっと壮大な謎とか歴史的な秘密を暴くための
“冒険物語”
じゃなかったかなー。

そういう痛快さを期待して見に行った原作ファンにはお気の毒な作品でした。
あの時代のフランスの雰囲気は見ていて楽しかったのですけどね。
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by teri-kan | 2009-02-04 13:25 | フランス映画 | Comments(0)