カテゴリ:ハリーポッター原作( 26 )

メローピー・ゴーントの罪

何世紀にも渡って近親婚を繰り返してきたスリザリン直系の末裔。父と兄の暴力の中に育ち、惨めな生活を送ってきた。
彼女がマグルに魔法をかけて自分と結婚させたところからヴォルデモートの呪われた人生は始まっていたと言えるかもしれない。相手の意思を奪って結婚する方法がどれだけ魔法界でポピュラーなのかわからないが普通に考えたら酷い事である。相手が魔法使いならまだしもマグルならばその魔法が切れた時何が何やらわからなくて当然だし、全てを捨てて元の生活に戻りたいと思ったとしても責められるいわれはない。彼には彼の人生設計があったはずなのだ。捨てられたとしてもメローピーの自業自得としか言いようがないだろう。
ヴォルデモートの父親が性格の悪い青年だったのであまり問題にされないが、性格が悪かろうが意地が悪かろうがその人間の心を操作するようなメローピーのやり方には嫌悪感を覚える。結局ヴォルデモートに家族三人とも殺されてしまいリドル家にとっては災難だった。
なぜメローピーはこのような方法をとったのか。それほど好きだったからか、又はそれしかあの生活から抜け出せなかったからか。それともこのままではスリザリンの血が断絶してしまうと、体に流れる濁った血の怨念が彼女をそうさせたのか。
目的のためなら手段を選ばないメローピーはさすがにスリザリンの末裔である。哀れに思いこそすれ同情する気にはなれない。心をコントロールされ、結婚当時自分の意思を持ちようがなかった父、相手の気持ちを考えず偽りの愛を選んだ母。こんな二人の子供の誕生が祝福されるはずはないのだ。ヴォルデモートが全く愛を理解できなかったのは少なくともヴォルデモートだけのせいではない。
父と母から譲り受けたものが逆だった方がヴォルデモートの魂にとっては遥かに幸せだったろう。死に際にメローピーは余計な念をかけてくれたものだ。せめて容姿が美しくなければもっと違った人生を送れたかもしれないのに。
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by teri-kan | 2008-11-08 02:05 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

フィニアス・ナイジェラス

シリウスの曽曽祖父で史上最も人望のなかったホグワーツの元校長。嫌味なぼやきをしょっちゅう口にする純血主義者で、シリウスをろくでなしと呼び、ダンブルドアとは気が合わないと言い、元校長のくせに子供が嫌いだとハリーに堂々と言ってのける問題大有りの人物。故人でなければ心底うんざりするだろうが、現在はこちらに実害を与えない場所でぶつぶつ言っているだけなので、かえって面白いおじさんといった存在である。
思春期+反抗期のハリーに怒りを爆発させる場面ではフィニアスに同意できる部分が多く、だからこそ「やはりこの人は教育者には向かなかったんだな」と納得できた。彼のハリーへの苛立ちはスネイプが常日頃ハリーに感じている苛立ちと通じるものがあり、ようするにスネイプも教育者に向いていないといった確信を抱かせてくれることにもなった。(もっとも、スネイプがハリー親子を嫌うのは、あの二人に共通するカッコつけなところが気に入らないからだと思われる。)
スリザリン関係の教授はフィニアス・ナイジェラス、スラグホーン、スネイプの三人が代表的だが、なんだかんだで皆ヴォルデモートに最終的には対抗している。問題の多い人達とはいえ一応は常識人と言えるのだろう。
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by teri-kan | 2008-11-07 14:46 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

ネビルから読み取れること

作者の裏設定によると組分け帽子は彼をハッフルパフ寮に入れる可能性があったらしい。寮監はネビルの得意な薬草学のスプラウト先生、寮の場所も大地に近く、温和で辛抱強そうなネビルにはぴったりのように思われる。しかし物語の最後でヴォルデモート本人と直接対決した数少ない人物の一人となり、真のグリフィンドール生であることを自ら証明した。
巻が進むにつれたくましく成長、7巻ではダンブルドア軍団のリーダー格にまでなる。彼の行動にはゴドリック・グリフィンドールが称えた勇気とはどんなものか、「勇気ある者が集う寮」とはどういうものなのかが示されており、それは7巻のハリーに向けられた彼の言葉に集約されていると言ってよい。
臆せず声をあげること、困難な中でも抵抗の火が消えていないと示し続けること、そうすれば皆の気が挫けることなく心が一つになるということ、ネビルはその信念を持って先頭に立ちホグワーツで戦い続けた。
勇気を持ったスリザリン生は存在するし、その代表格はスネイプだろう。ヴォルデモートを裏切って死んだレギュラス・ブラックもそうかもしれない。しかしその勇気の示し方はグリフィンドール生とは違う。グリフィンドールの勇気は他の人々にも勇気を与える類のものだ。
ハリーが死んだと思われた時にヴォルデモートの前に進み出たのはよい例で、あれはスリザリンから見ればただの自暴自棄な無駄死に行為でしかない。しかしああすることで命をかけて最後まで戦うことを示し、ハリーの死にショックを受けて意気消沈しそうだった全員の心に火をつけた。無謀と言うのは簡単だが、実際のところ自分だけ前に飛び出していくというのは余程の勇気がなければ出来ない。もしこの性質が遺伝されたものだとするなら、彼の両親が人望厚い闇祓いだったのも頷ける。剛毅な祖母の教育方針の賜物だろう。
入学当時の少年スネイプは二つの寮の違いを「頭脳派」と「肉体派」とに言い分けたが、当たらずしも遠からずといったところか。スリザリンのロケット、ハッフルパフのカップ、レイブンクローの髪飾りに並ぶグリフィンドールの象徴が剣だというのは、魔法が本分の魔法使いにあって自身の肉体で勝負することもあった彼そのものを表しているのかもしれない。
しかしネビル自身は箒も苦手で決して肉体派とはいえず、ハーマイオニーもその意味でいえば頭で勝負するタイプである。彼女もレイブンクロー寮との間で帽子が悩んだそうだが、困難な時代が近付くのを察知してこのように決めたのなら、組分け帽子の勇気の見極め方は正解だったといえるのだろう。
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by teri-kan | 2008-11-06 14:25 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

セブルス・スネイプ考

純血とマグルの混血。マグルの父親が母と不仲だった上、貧困による差別を受けたせいもあってかマグル差別主義者に育つ。不遇な少年時代の彼の慰めは自分が魔法使いということだけで、リリーを知った時の喜びはまさに「最高の仲間を見つけた」というものだったろうが、彼女の姉に対する愛情を理解することは全く出来なかった。
ホグワーツ入学後、スリザリン寮という環境のもと闇の魔術にのめり込む。自らの力を存分に発揮できるタブー無しの魔法は才能ある彼には魅力的で、当時隆盛を誇っていたヴォルデモートの純血主義思想も彼の理想だったと思われる。しかしそれらはマグル生まれのリリーとは決して相容れないものであり、二人の決裂は時間の問題だった。
自分の志向するものとリリーとの埋めきれない溝についてどのように悩んだのかは描写がない。自分の主義主張が間違っているとは端から考えなかったろうし、かといって闇の魔術やマグル蔑視が絶対的に正しいと胸を張って言えたとも思えない。しかしなぜリリーが純血でないのか、せめて混血であったらという悩み方はしたかもしれない。血筋でなく本人の資質がその人の価値を決めるということを、リリーを通して既にスネイプは知っていたはずなのに、自分のプライドを優先させたがために最悪の言葉でリリーを傷つけ、結局彼は正道に生きるチャンスをふいにしてしまう。リリーとの断交後は死喰い人まっしぐらで、たくさんの人間をマグル・魔法使い問わず殺したことだろう。
これが彼の人生の前半部分で、後半生はダンブルドア側の二重スパイとしてヴォルデモート滅亡に協力し、全ての人間に誤解されたままヴォルデモートに殺害された。

以下、個人的感想
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by teri-kan | 2008-11-05 15:49 | ハリーポッター原作 | Comments(6)

ルーピンについて

人狼であるためあらゆる苦悩と辛酸を舐めた人物。そのため思慮深く、彼が登場するとえもいわれぬ安心感が漂う。
学生時代の四人組の中では一番の良識派。しかし友人のスネイプへの嫌がらせを諌めることはなかった。
スネイプ嫌いは学生時代の彼らに共通した感情だが理由はそれぞれ違う。ルーピンには彼を嫌っていた描写は特にないが、人狼であることを探られていたため関わりたくないという気持ちはあったろう。ジェームズは列車の中でスリザリン入寮希望者と知った時点でスネイプを敵と認識し、リリーの幼馴染というのも相まって積極的に攻撃した。シリウスはもっと冷たい。狼となったルーピンに襲わせようとした件などブラック家の残酷な資質が現れたと言えるほどに容赦なかった。
悪戯と呼ぶにはかなり悪質なこの事件はジェームズが止めたので事なきを得たが、実際にルーピンがスネイプを襲っていたならルーピンの精神的打撃は甚大だったろう。これには真にルーピンへの理解があったジェームズとそこまでではなかったシリウスとの違いが表れていると言ってもいいかもしれない。

幸福な学生時代を送れたのはジェームズのおかげだったと、父について悩んでいた5巻のハリーにルーピンがもっと強く教えてあげればよかったのにと思うのは、結局ルーピンとの関係にジェームズの善良なところが集約されているからだ。7巻でハリーはルーピンを責めたが(あれはちょっと責めすぎだが)、ジェームズも人狼であることにクヨクヨする友人を笑いながら、時にはきつく怒ったりしながら励ましていたことだろう。(6巻の回想によればジェームズは彼が人狼であることを本当に些細な事としか思っていなかったようである。)
あんな酷い言われ方をされながら最後までハリー(の直感まで)を信じたのは、ダンブルドアの言葉があったと同時にジェームズとの信頼関係によるところが大きかったような気がして、彼らの物語もまた読んでみたいものだと思うのである。
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by teri-kan | 2008-11-02 01:56 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

シリウス・ブラック

ブラック家に抗いながらもブラック家の人間であることから逃れられなかった人物。騎士団本部となった自身の屋敷を嫌いぬいたことが結果的に仇となった。
学齢前から家風を嫌っていたシリウスがジェームズと友人になるのに時間はかからなかったろう。闇の魔術への対抗を鮮明にしていたジェームズは身内以上に気が合う人物で、家出してポッター家に世話になるなど物理的な援助を受けた以上に精神的に大きく助けられたと思われる。大嫌いなブラック家、大嫌いな純血主義にまみれた家風、十代のシリウス少年にとってグリフィンドール寮やジェームズとの兄弟にも近い親友関係はそれらに対する反抗の象徴だったはずだ。
両親と純血主義双方への抵抗が半ば使命のようになっていた節があり、権威への抵抗こそ自分の本分と考えていたようなところがある。ハリーの慎重さを「ジェームズとは違う」と非難する辺りはまさに権威に反抗する永遠の若者そのもので、アズカバン暮らしが長すぎて大人として成長しきれていないというより、普通に暮らしていても根本は同じだったような気がしてならない。どちらにしても家に反抗し権力に反抗し、更にもっと大きな何かに抵抗するような人生を送ったことだろう。
ブラック家への抵抗と純血主義を掲げるヴォルデモートへの抵抗は、シリウスの中では根が同じものであったようだが、家への憎しみと闇の魔術への嫌悪を分けて考えることが出来ていたならもっと命を長らえたと思う。長生きできるタイプではなかったが死なすには惜しいキャラクターだった。ハリーとは理解し合えただろうし、名付け親云々というよりいい友人同士になれただろうから。
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by teri-kan | 2008-11-01 22:33 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

ジェームズ・ポッター論

ある意味最も偏った描写をされている人物。読者に与えられた「動く生身のジェームズ」の情報がスネイプ視点のものしかないため非常に印象が悪い。傲慢(というよりカッコつけ)なだけの人物でない事は他の記述で明らかだが、にしてもなぜニュートラルな目線で見た「動くジェームズの記憶」を物語上で見せなかったのか、かなり不満が残る。

人格者、又は善良だと思われる人間(ルーピン、マクゴナガル、ハグリッド等)が彼を惜しんでいるのだから、彼らの信頼を得るに足る人物であったという前提は絶対だと思う。それがあるからこそ「昔はイヤなガキだったんだなあ」とうんざりしながらも広い心で見ることが出来るのだ。でなければ描かれていないジェームズの成長とリリーとの結婚を想像することはできないし、そこを押さえていなければ物語そのものが破綻してしまうだろう。
対スネイプに関して言えば、二人は「お互いやり合っていた」(ルーピン談)とのことだし、スネイプの記憶の一部分だけを見て彼らの関係が「一方的ないじめ」と判断するのは性急と思う。当時いくつも呪文を作り出したスネイプの才能からしてやられっぱなしのはずはなく、むしろ作った呪文(もちろん闇の魔術系の呪文)を積極的にジェームズに試していた事も十分考えられるのだ。
ただ、ああいう見せびらかすようないじめの形をとったのはジェームズ側のみで、スネイプは人目のつかない場所で攻撃していたかもしれない。となると、その辺はシリウスなどに言わせれば「正々堂々としかけていたのは俺達であいつは陰険」といったところか。想像にすぎないがそう外れてはいないと思う。

更なる考察
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by teri-kan | 2008-10-31 13:59 | ハリーポッター原作 | Comments(4)

ジニー・ウィーズリー

兄妹でただ一人の女の子、しかも末っ子。家族中から可愛がられたのは疑いようがなく、となると六男のロンの影が家庭内で薄くなってしまうのはどうしても避けられなかったろう。この点7巻でロンの心の内を反映したらしいヴォルデモートの魂の台詞は、彼の心に潜在していた感情そのままであったと思われる。
実際ジニーはロンよりフレッドやジョージと気が合ったらしく、度胸の良さなど性格的に彼らの影響を受けていると思われる面が多々ある。頭の回転も早く、美人で人気者というより性格も含めての人気が高かったのだろう。
彼女とハリーが二人きりの場面描写はかなり少なく、恋人同士としての会話に至っては主人公の恋愛の割にはほとんど描写されていない。それでも二人はきちんと理解しあえており、会話を重ねても上手くかみ合わなかったハリーとチョウの場合とは見事に逆なのが印象的である。
一応そうなるべくしてなった二人ということか。
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by teri-kan | 2008-10-30 14:37 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

フレッドとジョージ

親も間違えるほど顔も性格もそっくりな双子。ホグワーツの生徒に大人気だが、おそらく読者にもファンは多いはず。陽気で爽快で本当に気持ちのいい青年達である。
優秀な兄三人の反動のように悪戯ばかりする子に育ち、特にパーシーの優等生ぶりに辟易したからか、どれだけ陽気に正道を外れるかが生きがいのようになっている。同じ趣向を持った人物が自分以外にもう一人いるのが双子の幸運なところで、おかげで卑屈にならずにのびのび育ち、よくロンが愚痴をこぼしている家の貧乏さもこの二人は明るく冗談にしているくらいである。
彼らの行動や発明品はアイデア豊富で機転がきいており、勉強は不真面目だが実際には兄達に匹敵するくらい出来のいい魔法使いと思われる。
双子はパーシーとなんだかんだで物語中でもよく会話をしており、小さい頃は普通に一緒に遊んでいたのだと想像する。7巻でフレッドを目の前で亡くした時のパーシーにそれが見て取れるし、彼の嘆く姿は悲痛であった。
フレッドが死ぬ必要があったのか、これは作者に問いたい箇所である。
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by teri-kan | 2008-10-29 10:50 | ハリーポッター原作 | Comments(0)

パーシー・ウィーズリーという青年

首席の長男、クディッチキャプテンの次男という優れた二人の兄(しかも二人とも人気者であったろう)を見てきた三男がガリ勉タイプに育ったのは面白い。二人の兄に負けじと頑張り、しかし好きな事を職業に選んだ兄達とは違って魔法省で権力を求めたというのは、本人の資質もさりながら自分自身の存在価値をそれで確認するしかなかったからとも読め、弟達に威張りちらして自分に納得していた姿には興味深いものを感じる。
権威に弱いというよりむしろ既存の秩序を重んじるタイプといった印象が強い。きっちりシステム化された社会では実力を発揮するが、兄妹達とは違って革命運動やレジスタンス運動には向いていなさそうである。
魔法省が闇の勢力に乗っ取られたのをきっかけに権威にすり寄っていた自分に気付き改心するが、(詳しい描写はないのでこれは想像だが)改心というより闇の魔術への嫌悪感が強かったから省を離れただけというのが実際のところではないかと思われる。権威好きという性癖が変わったのではなく、魔法省を支持していること自体は以前通りのはずだ。
ただ、余りにも周りが見えていなかったことに対しては十分反省していると思われ、省が堕ちた理由を省の体質にあったと理解できているなら、パーシーは今後よい官僚になるであろう。後に彼はやはり出世するそうだが、名家ウィーズリー家の代表として魔法界の重鎮になる可能性もあるかもしれない。
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by teri-kan | 2008-10-27 14:15 | ハリーポッター原作 | Comments(0)