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「めまい」(1958)

高所恐怖症の元刑事が、学生時代の友人に彼の妻の尾行を頼まれるという物語。
その妻は大変謎めいていて、その危うさと美しさに元刑事はいっぺんに惹かれてしまうのだけど、そこには大きな裏事情が……といったお話です。
監督はアルフレッド・ヒッチコック。

初めて観た時は、やはりその謎に心惹かれたものでした。カリフォルニアの歴史に絡めたオカルトとも言えるミステリーは、そりゃあ刺激的で魅力的でした。
でも謎を知った上で観た二度目の時は、もう恋愛映画にしか見えませんでした。こんなにも最初から甘い雰囲気に支配されてたっけ?っていうくらい、とにかく元刑事(ジェームズ・スチュワート)がとことん恋に囚われた男でした。

冒頭の事故のせいで警察を退職してしまった彼だけど、それでも序盤はとても明るい人だったのに、ストーリーが進むにつれどんどん心を病んでいって、最後あんな風に彼女を糾弾してしまって、見ていて気の毒というか、なんかやりきれないものを感じましたね。
もちろん彼女に囚われるのは理解できるのです。で、同じような格好させたりするのも、彼女を見てたらそりゃそうしたくなっても当然だと思うのです。
現恋人に元カノと同じ服を着せるとか同じ髪型をさせるとか、普通だったら「フザケンナ!」ですが、彼女がそれに対して怒れる立場じゃないというのもね、これまたツラいんですよ。

どっちにも不幸な恋だったよなあ。



音楽が甘甘でロマンチック。ヒッチコックでは毎度おなじみバーナード・ハーマン。
映像はかなり変わっていて、いろんなチャレンジしてたんだなーという感想が素直に出てきます。

はるか昔に地上波でこの映画を観た時、キム・ノヴァクが髪を結い上げるのをバックから映していたシーンがありました。確かにあったと思うのだけど、この度BSで観たらそんなシーン全然なくて(近いシーンはありました)、もしかしたら記憶違いなのかもしれません。
「この髪型はこうやってまとめるのか」と初めて知った映画だったので印象に残ってたんだけど、「めまい」でなかったとしたら一体どの映画だ?
金髪は間違いないはずなんだけどなー。
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by teri-kan | 2010-05-31 09:26 | アメリカ映画 | Comments(0)

「BASARA」その1

久々に懐かしマンガでも。

田村由美の代表作といえばやはりこれでしょう。大変膨大な長編少女マンガですが、中だるみすることなく、設定もほとんど破綻することなく、最後まであふれんばかりのパワフルさで突っ走っていく、とても情熱的な大作です。

舞台は文明崩壊後の未来の日本列島。
生活レベルが極端に低下したこの国を支配するのは新たに出現した国王家で、何代かの世襲の後、現在は四分割された地域を王の息子達がそれぞれ治める状態にあります。
が、既に政治は腐敗し、各地の王の搾取・横暴・弾圧に、あちこちで不平不満がうずまいている。
物語が始まるのはそんな状況下の中国地方で、西日本を治める王子の一人“赤の王”に村を急襲され家族を殺された一人の少女が、体制転覆のための戦いに立ち上がる決心をする、というところからスタートします。

ここで「ん?これはどっかで読んだ話だな」と思うのはナシで。その後の展開は大変面白いので、出だしがありがちなのは目をつむりましょう。この作品の長所は物語の背景の設定にあるので、そういった特異な荒れた社会とそれに翻弄される主人公の女の子、彼女をとりまく人達のそれぞれの戦いを楽しんだらいいのだと思います。

関門海峡の渡り方とか、その際のエピソードとか、とても面白いと思いました。20世紀文明の遺産の使われ方は見所の一つですね。
沖縄が日本と一線を画しているのも良い。西日本が砂漠化し、東京は水没するというのも正しいし、熊野の在り方はその通りだし、日本のそれぞれの地域の特徴を上手く物語に生かしていると思います。

国王一家との戦いに絡み合うようにしてもう一つ語られるのが主人公の恋愛なんですが、これがなかなか因縁深いというか運命的というか、うん、まあ……やっぱり気付かないものかな。
昔母親に「おもしろいから」と言ってこのマンガをすすめた時、「双子の兄の顔を見てるんだから正体がわからないはずはない」「兄と同じ顔なのに全然わからないなんてありえない」と言われて結構意気消沈したのだけど、それだと物語が根本から成り立たないんですよねえ。でも今読んだら私の感想も違ってくるかなあ。

とはいえ根本的に面白いのは変わりません。
ハッピーなだけじゃないし、人の思いがいろいろとうごめいていて結構ハードなんだけど、その分ストーリーの長さに見合った重量感のある作品になっています。
絵柄に好き嫌いが分かれるかもしれないけど、ページ数対満足度は保証できる。
なかなかオススメの一作です。
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by teri-kan | 2010-05-28 11:48 | 漫画 | Comments(0)

「失われた近代を求めてⅠ 言文一致体の誕生」

橋本治の近代文学論。というか日本文学論。文学史論。小説家論。といったようなもの。
朝日新聞出版社。

第Ⅰ巻とあるように、これはまだ続きます。そういう意味での中途半端さは確かにあるのですが大変面白い。
語る対象があちこち飛ぶのがいかにも橋本風で、言文一致体を説明するのに「古事記」と「日本書紀」、それから慈円の「愚管抄」、二葉亭四迷の「浮雲」「平凡」、そしてなぜか田山花袋の「蒲団」と、扱う作品も広範囲にわたります。

取り上げられた作品の内容と背景を語ってもらうと、なぜこれらを取り上げたのか意図が理解できるのですが、ようするに日本文学は、輸入した書き言葉と会話としての日本語とのぶつかりあいの産物で、日本語を文章化する際にそれぞれの作家に起こった葛藤について理解する事が不可欠なんですね。古代に導入された漢文、明治の西洋文学、話し言葉として何千年も日本人に語られ続けてきた日本語、それらが作り上げてきた日本文学の流れについての考察は、ホント、並みじゃなく面白かったです。



本作で最も大きく取り上げられている作家は二葉亭四迷で、それはこの本のタイトルからして当然なんですが、それでも一番面白く、というか笑いながら読んだのは田山花袋の「蒲団」についての考察。
橋本治の「蒲団」解説はこれだけでも人にこの本を薦めたいくらい素晴らしいんですが、花袋の内実を解く筆はともかく、「蒲団」の主人公に対するツッコミは、絶対ニヤニヤしながら書いただろうと思わずにはいられない程とにかく可笑しい。

実は私は「蒲団」は読んだことなくて、「若い女が使ってた布団に入って女の残り香を嗅ぐヘンタイ中年男の話」という認識しかなかったんだけど、その認識は今回少し変わりました。残り香を嗅ぐ行為自体は、まあよく考えたら普通にある行為で、むしろ「蒲団」のヘンタイ加減は、主人公の頭の中のあり様にあるんですね。それと、そのヘンタイ主人公と花袋との距離の近さに。
「蒲団」と共に解説してくれた花袋の「少女病」の主人公も、もうどうしようもなさすぎて頭がクラクラしそうで、ちょっとねえ、ホントに笑えるくらいどうしようもなかったなあ。

まあ、その笑いの奥に隠された花袋の真実を語るのが橋本治の目的ではあるのだけど、「蒲団」の主人公があまりに強烈すぎて、そしてその強烈さを語る橋本治の筆が面白すぎて、「蒲団」の主人公のヘンタイさの方が結局印象に残っているという、なんともいえない読後感です。


「蒲団」にしろ「浮雲」にしろ「愚管抄」にしろ、文学史の年表の中でしか触れたことのない作品がなぜ文学史上燦然と輝いているのか、日本文学史の捉え方の難しさの理由とか、橋本風解釈を本作はとても丁寧にうねうねと説明してくれます。
二葉亭四迷、はっきりいって名前しか知らなかった作家だけど、面白い人ですね。
「二葉亭四迷」「浮雲」「言文一致体」は三単語セットで習ったけど、ホントに単語以上の知識はなかったし、今回は本当に勉強になりました。

ここで疑問が一つ。
日本は作家の自殺者が多い印象があるのですが、外国人作家の自殺者ってどうなんですかね。やはり多いのか、それとも少ないのか。
外国人作家と比較して日本人作家の自殺者の割合が多いというなら、本作で指摘されている「蒲団」から始まる日本文学の不幸は、本当に不幸なものなのかもしれません。
なんかね、作家は自分の全人格をかけて作家活動に身を捧げないといけないっぽいんですよ。心の中のもの全部さらけ出して。
確かにこれはちょっとしんどいかもしれないな。

まあこの辺は第2巻に期待です。
早く出してもらいたいものだと思います。




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by teri-kan | 2010-05-27 09:35 | | Comments(0)

伊達がサフィーナに勝ちました

ものすごい快挙です。
第3セットで伊達の脚が動かなくなってきて、「ああ、またか」と諦めていたら、それから驚異の粘り腰。
やっぱり伊達は上手かったですね。でもってものすごい精神力。
本当に見事な逆転勝利でした。

でも……私は第3セットの5-5までしかTVで観れてないんですよー(涙)。
ニュースで知って嬉しかったけど、なんかすごく悲しい。
残念な気持ちでいっぱいです。明日またWOWOWで放送してくれるかなあ。

サフィーナはやっぱりサフィーナというか、彼女も怪我とかあったらしいんだけど、それにしても相変わらずの自滅パターンです。この人はメンタルをどうにかしないといけないんでしょうね。
あんまり好きなプレースタイルじゃないんで、彼女が早期敗退することは別に構わないんだけど、なんとなくこの脆さが気になって、なんだかんだで試合をみてしまう選手ではあります。
逆に伊達のテニスは面白い。こんなに見ていて楽しい選手、最近は本当に少なくなりました。
できれば2回戦も勝って先に進んでもらいたいけど、脚の状態によるでしょうね。無理してひどくしちゃったら元も子もないし。



昨日の錦織といい今日の伊達といい、日本勢頑張ってます。
まあ日本勢といってもこの二人だけだけど。

やっぱりテニスって才能次第なのかなー。
強い人は強いけど、そうでない人は絶対にそうでないのね。
まだ若い錦織はいいとして、伊達はいつまで出来るかわからないし、有望な女子の出現が本当に待たれます。
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by teri-kan | 2010-05-26 01:05 | スポーツ | Comments(0)

日本vs韓国 0-2

期待してなかったとはいえ、あまりにひどすぎた日本代表。
いやあ参ったね。これはどうすりゃいいのかね。

なんでこんなに怪我人が多いのだ?という疑問は置いておくにしても、それでもこのスタメンは如何なものか。
トゥーリオが出れないなら岩政じゃないの? 内田が出れないなら駒野でしょ。
この期に及んでまだテストをするのかと思って、イヤーな気持ちで試合を観ていたら、案の定ですよ。まるで初めて顔を合わせたかのような連動性のないプレー。
一体この人達今まで何をやってきたんだ。

どのみちW杯が終われば惨敗の責任をとって協会内部も刷新されるだろうと思ってたけど、気持ちとしては今すぐしてくれって感じ。2002年からの無策のつけがここにきて一気に噴き出したと思わずにはいられなくて、韓国の出来のよさを見るにつけ残念で仕方ありません。

W杯はとにかくコンディションを上げることだけ考えてくれ。動けないなら俊輔と遠藤はベンチでもしょうがない。中盤が死んだら全てが死ぬのはわかりきってるんだからホント頼むよ。
で、W杯後は優秀な外国人監督を招聘して(ペケルマンの名があがってるけど、受けてくれたらうれしいな。アルゼンチンサッカーっぽくなるのかな)、ユースの監督もいっそのこと外国人にして(この世代の監督がボロクソなのが日本の一番の問題だと思う)、そして客寄せ金儲け親善試合はもうやめにして代表はアウェイでどんどん試合をする。見込みのある選手が香川や内田に続いて海外に出るなら、アウェイの代表の試合も組みやすくなるしさ。

国内ではベストメンバー規定を廃止して、せめてナビスコカップくらいは若手選手に出場機会を与える。これまでの育成方法は失敗だったと厳しく受け止めて、若い選手を伸ばす方策を何より優先して考える。
先日行われたトゥーロン国際大会のU-21の悲惨な成績は、ある意味今日の敗戦より重大ですよ。
はっきりいって日本代表に未来はないってはんこ押されたようなものじゃない?。
いやもうね、何から何までサッカー協会の責任は重い。本当に何から何までひどすぎる。

まあ今回のW杯については、カメルーン戦までなんとか修正して、きちんとチームとして見れる状態になってたらそれでいいかなあ。(だんだん期待が低くなっていくなあ。)
とにかくコンディションを整えて、せめて動けるようになってもらいたい。
それが出来てたらもういいよ。



全然関係ないけど、ローランギャロスの錦織の逆転勝利はとても素晴らしくて、日韓戦でくさくさしていた気分がだいぶ和らぎました。
いやあ、錦織すごかったですよ。よく第3セットをモノにしました。続く第4、第5セットもよく頑張った。
こういう試合はいいですねえ。

全仏観たりW杯後のこと考えたり、我ながら現実逃避してるなあと思うんだけど、代表のこと考えてたら精神衛生上よくなさそうなんで、今夜はあまり考えないことにします。
なんだかんだいって代表を応援はしたいので、今夜はテニスを観て頭を冷やします。

つーか、マレーやばい。
1回戦でガスケとなんて大変そうだけど、もうちょっと頑張らないとこのままじゃ1セットも取れないよ(只今観戦中)。
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by teri-kan | 2010-05-25 01:26 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

「はぴまり~Happy Marriage!?~」を立ち読み

最近、 というよりもっと前からだけど、書店のマンガ売り場で人気作品の第一話だけを自由に読めるようにしてあるお店があります。
「続きが読みたければ単行本を買ってネ!」ってな感じで。

これは上手い宣伝ですね。どのマンガが買うに値するほど面白いのか案外わからないものだし、人気があるからといって自分の好みに合うかどうかもわからないし、新しくマンガを買うのって結構難しいものなんです。
そういう人間にとって第一話だけでも読めるシステムというのは、なかなかいいんじゃないかと思います。

そういった感じで本屋で初めて読んだ円城寺マキの「はぴまり」。
実はそこまで内容を語れません。なぜなら無料の第一話とここふた月の雑誌掲載分しか立ち読みしていないから。(正直言って単行本を買う気はない。)
でも結構面白かったので取り上げます。

ジャンルとしてはいわゆるラブコメ。
タイトル通り「結婚」のお話なんですが、普通と違うのは主人公カップルが「出会って」「愛を育んで」「結婚する」の真ん中部分「愛を育んで」を省略して結婚してしまうところ。
なんでそんなことになるのかというと、まあよくある「借金帳消しのための愛のない結婚だから」なんですが、本作がこれまた普通と違うのは、イヤな成金オヤジが若い女の子を無理矢理嫁にするんじゃなくて、若くてイケメンで優秀で王子な性格の男が結婚相手という、あまりにも女に都合のいい玉の輿だということです。

もうね、絶対にマンガなんですよ。読んだらわかるんだけど、結婚までの成り行きはあまりにも都合のよすぎる少女マンガなんですよ。
でもこれこそ少女マンガなんですよ。で、かつて少女マンガ好きな少女だった私は、今でも結構こういうのが好きなんですよ。

彼らはもちろん同居をするわけですが、いろいろあってイケメンダンナは嫁に手を出しません。かといって女慣れしてない男ではもちろんありません。少なくとも私が読んだ箇所のダンナはとてもいい男で、女の方だって可愛らしい女の子です。
反発し合いながらも既に第一話から「この二人絶対うまくいくだろ」と思われるくらい相性がよさそうで、本作は彼らが「結婚する」の前に省略した「愛を育む」をどういう風に結婚後にするのか、それを語るお話なんですね。第一話で二話以降が簡単に想像できるほどトキメク要素が満載で、いやほんと、これは上手いと思いました。この第一話は荒唐無稽な設定を上手に描いてて、この設定だけでほぼ成功ですよ、このマンガ。



現在も連載中の本作品、先日本屋で最新号を立ち読みしたんだけど(こんな雑誌を立ち読みするのは何年ぶりだろう……)、あまりにステキな展開すぎて、今号で最終回かと思うくらいでした。

うん。結構この先も楽しみかもしれない。
しかしこれからずっと雑誌を立ち読みし続けるのも難しい。
かといって単行本を買う気にはなれないし(買ったらきっと後悔する)、まあ気長に読む方法を考えたいと思います。
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by teri-kan | 2010-05-24 01:15 | 漫画 | Comments(0)

「007」とは一体なんだ?

「慰めの報酬」を改めて観て思ったんだけど、こうしてまとめてシリーズ全作を観ると、ダニエル・クレイグの荒んだボンドも十分アリなような気がしてきました。公開当時は「これを007と言ってもいいんだろうか?」みたいなことを正直感じたけど、そんな感想が小さく思えるほどボンドの器はデカい。
「007」シリーズは非常に懐の深い映画でしたね。

ボンドはその時代や社会情勢によって、洋服を着替えるようにそのスタイルを変えるんです。でも中身がボンドというのは変わらなくて、更に面白いのは、俳優が変わったとしても纏うボンドのスタイルは変わらないこと。
面白いキャラクターだなあと思いますね。



実はピアース・ボンドを4作まとめて観るのは今回が初めてだったんだけど、新たにわかったこともあって面白かったです。
彼はとてもカッコいいのだけど、ちょっと演技が軽いというか、人物にあまり説得力がないのですよね。
だから映画が終わった後、残るものが少ない。
昔はそれが脚本や演出のせいかなと思っていたけど、どうもこれはピアース自身のせいっぽい。

でも彼に求められたボンドのイメージってたくさんありすぎて、軽い印象はそのせいもあるかもしれないとも思うのです。
ティモシー・ダルトンよりソフトで、かつユーモアがあって、そこそこワイルドで、何よりオシャレで、人々が思うボンドのイメージを幅広くピアースは体現してました。ロジャー・ムーアやショーン・コネリー時代には出てこなかった「ボンドの感情をゆさぶる敵」ばかりを相手にして、心のあるボンドも表現した。感情のあるボンドでありながら、ティモシー・ダルトンのように重くなりすぎず、「007」らしい軽さも保って、皮肉もあって、だからかなあ、ピアース・ボンドはとてもカッコいいけど、どこか定まっていない感じがある。ダニエル・クレイグのボンドが明確にあるテーマのもとに描かれているのと比べると違いがよくわかります。



まあそんなことより、現在の最大の問題はこれです。
MGMの買収話、続報は出てないのかな……。

次回の第23作目については、「いつか作ってくれるならそれでいいや」では済まないので、こんな事態は困るんですよね。もしも「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」に繋がる話になるのなら、今すぐにでも撮影に入ってもらいたいんだけど。

ダニエル・クレイグがあんま年取らない間にお願いしたいものです。
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by teri-kan | 2010-05-21 09:43 | イギリス映画 | Comments(0)

「007 ダイ・アナザー・デイ」(2002) 

記念すべき第20回目の「007」。
過去の作品へのオマージュもちらほら見られる内容で、熱心なファンにはそういったところでも楽しめる「007」映画です。

今回はオープニングがショッキング。これまではどんな状況でも無事逃げおおせて悠々と主題歌に入っていたのに、今回はまんまと捕らわれちゃって、なんとマドンナの歌声と同時に流れる映像はボンド拷問のシーン。
長きにわたる監禁拷問生活のせいで、歌が終わった時にはとうとうピアースは髪と髭ボーボーになってしまいました。

まあ、いろいろ突っ込みどころはあります。毛はボーボーでも筋骨たくましくて、獄中でいいもん食べさせてもらってたんだなあとか。
もちろんそれ以外でも突っ込みたいところは山のようにあって、もともと「007」はそういうのが満載の映画なんですが、本作は特に多いのですよ。もうね、アイスランドのシーンとか、あんな軽装で大丈夫なのかなあとか、そんなことがいちいち気になってしょうがなかったです。しもやけとかあかぎれとか凍傷とか、絶対なってるよね。

人も車も、外見が外見通りでない映画で、いろいろと面白かったけど、やっぱりちょっと無理があったかな。人も建物も車も武器も全てが超ハイテクだったけど、観ていて一番燃えたのはフェンシングクラブでの喧嘩チャンバラだったりするし、やっぱりハイテクと肉弾戦のバランスって大事だと思います。

北朝鮮が舞台というのはとても現代的ですが、北そのものを悪く描いている話ではありません。今回はもっと個人的な戦いで、ボンドのスパイとしてのプライドに関わる物語になっています。
そこら辺を考えていくと、裏切り者とか二重スパイなんてものはロクでもないなあとどうしても思ってしまうわけだけど、まあそれが彼らの日常なんですよね。
やっぱり堅気の人間がする仕事じゃないよなあと今更ながら思います。
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by teri-kan | 2010-05-20 10:50 | イギリス映画 | Comments(6)

「グインサーガ」その2

作者死去の後に発売された何冊かの新刊を、先日まとめて読みました。

まあ、なんといいますか、せめてタイス編をさっさとすませていたら少しは話が進んだだろうにと、やっぱり思ってしまいましたね。
はっきりいってこれからが本番じゃないですか。なんかもうつくづく残念です。

あとがきに別の誰かが続きを書くとか書かないとか書いてありましたけど、事情が許すなら是非書くべきだと思います。熱心なファンの中には「別の人が書いたグインサーガなんてグインサーガじゃない」って人もいるようですが、この作品をこれからの人にも読んでもらいたいと思うなら絶対に続きは必要でしょう。

外伝も合わせたら150巻にもなるという「全然終わってない話」を、新たに読みたいと思う人間がどれだけいるのか、結局はそういう話なんですよ。
少なくとも私なら読みたいとは思わない。きちんと完結してる話、又は完結に向かっている話の方を優先して読むし、実際そういう人がほとんどじゃないかと思います。

個人的には「グインサーガ」がここで終わっても構わないといえば構いません。作者がいないのはもうしょうがないことだし、まあ今まで楽しませてもらったし、読み返して理解を深めるという楽しみ方だって既に読んでいる読者にはある。
でもそれじゃ「同時期に生きた人間のための本」でしかないですよね。

そういうのって作家の心情的にはどうなんでしょう。作家の内面を想像するのは難しいですが、普通は自分が死んだ後も世代を越えて読み継がれていくことを願うものなんじゃないかなあ。
で、私は「グインサーガ」がそうなるためには、やっぱり続きが必要だと思うのです。違う作家だろうと物語が完結すれば、栗本薫自身が書いた部分も生きる。

ま、いろいろ難しそうではあるけれど。
特にグインの記憶喪失については問題がありすぎるし。



にしても、今回読んだヤガが舞台のあれこれはなかなか面白かった。
スカールはいいですね。さしもの作者もスカールの心情はサクサク書くしかないらしい。同じ思考の中をぐるぐる回る人物が多い中、スカールの明快さはとても快適です。

作中で出てきたサイロンの怪異って具体的にどんなだったっけと、外伝1を箱からひっぱり出して今読んでるところなんですが、昔の印刷は文字が小さいですねー。今と全然違う。
ていうか作者が晩年にこれを書いたなら、きっと1冊では終わってないですね。もしかしたら4冊ぐらいになってたかも。
「七人の魔道師」や「ノスフェラス編」の圧倒的な分量とスピード感と力強さは、若さゆえのエネルギーのたまものだったんだなあと、今回改めて思って、ちょっとしんみりしてしまいました。
病床にありながら強靭な人だと感心していましたが、もともと持ってるパワーが大きな人だったんですよね。
いろいろな意味でもったいなかったなあと残念に思います。




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by teri-kan | 2010-05-19 12:05 | | Comments(6)

エフゲニー・キーシン

かつて神童といわれたピアニストです。1971年生まれだから今年39歳。
当然だけどまだ若い。ずいぶん昔から聞いてた名前なんで年取ったベテランと錯覚してしまいそうですが、本当にまだ十分若いピアニストです。

私はなぜかこの人のピアノを今までまともに聴いたことがなかったんですが、昨日TVで彼の弾くショパンを聴いてびっくりしました。本当に素晴らしくて、ちょっと泣きそうになってしまって、今かなりヤバイ。CDが欲しくて欲しくてたまらない。ショパンだけじゃなくていろいろ欲しい。
本当に、今からかなりの出費を覚悟しなければならないような状態です。

TVで放送された番組はワルシャワで行われたショパン生誕200年のガラコンサートだったんですが、キーシンが演奏したのは「ピアノ協奏曲第2番」「革命」「ワルツ 嬰ハ短調」そして「ワルツ ホ短調」。
どれも良かったんだけど、中でも「革命」はダントツ。まあ他の曲をそこまで詳しく理解できていないせいもあるけど、「革命」は本当に素晴らしかったです。(「革命」は昔ピアノの発表会で弾いたことがあるから一応私でも細かいとこまでとりあえずわかる。)
左手の、あの低音のうねりの音の深さが、なんかもうすごくて、「神童はホントに天才だったんだ」と、今更ながら思い知りました。もうドラマチックでダイナミックで、何より美しい音で、ショパンのこの曲にぶつけた絶望や激情まで伝わってくるようで、ホントに感動的だったのです。

いやー、もうすごい。
ホントにすごかった。
コンサート行きたい。
その前にCDが欲しい。

もう再放送はないのかな?
せめて今年いっぱいは何回か放送してもらいたいなあ。
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by teri-kan | 2010-05-18 10:38 | 音楽 | Comments(0)