<   2012年 02月 ( 11 )   > この月の画像一覧

カツゼツの問題も大きいと思うんだ

大河ドラマ「平清盛」。

保元の乱に向けて着々と役者が揃ってきてますが、今回登場した山本耕史の頼長は良かったですね。
まろメイクでもお笑いになるどころか大変美しく、摂関家の冷徹秀才ぼっちゃんを品良く演じていました。

彼は声の質の良さもあるんだろうけど、セリフが聞きやすくてよかったです。
「平清盛」って滑舌がイマイチな俳優さんがちょっと多いような気がして、個人的には画面が暗いとか粉っぽいとかよりも、そっちの方が気になっていました。
安心して聞けるのは梅雀、和久井映見。忠盛、鱸丸も大丈夫かな。
家盛もわかりやすい。院や帝、璋子、堀河のようにゆっくりしゃべる人もOK。

早口になると、特に普段使わない単語が出てきた時なんか辛いし、もうちょっとどうにかならないかなあと思うこと結構ありますね。
効果音とかぶったりとか、背景の音とのバランスがイマイチなこともあるんで、もうちょっとその辺工夫してもらいたいものです。



今回はかつて生き方について語り合った義朝と義清と清盛が、それぞれの人生を歩んでいるのが感慨深い回でした。
「強く生きたい」と語った義朝の、東国・相模の原野で従者一人を連れて野人のように生きてる姿には、「強くなる前にアンタ死ぬで?」と言いたくなるほどサバイバル感に満ちていました。
「美しく生きたい」の義清は、その美しい和歌と察しの良さがアダとなり、天皇家の愛憎ドロドロの泥沼に腰まで浸かってもう大変。
一方新婚さんの清盛は一族連れ立って博多で楽しくお買物。
いかにも「面白く」生きていて、やっぱりこの三つの中では「面白く生きたい」ってのが一番楽しそうでいいなあって感じです。

まあその後を考えたら複雑ですけどね。
本人のその後も、後世の評価も。



崇徳天皇が既にヤバい領域に入ってるようで、登場シーンはかなり緊張します。
義清との雰囲気も、なんか、そこはかとなくホモ感が漂っていて、これでいいのかどうなのか、まあ彼らの関係がどうであれ、切羽詰った帝の様子にはほっとけないものがありました。

井浦新の崇徳帝、良いですね。どうにも出来ない悲しみを抱えて、でも受け入れがたいそれらをなんとか受け入れようとなさって、静かに耐えていらっしゃる。
白河、鳥羽、崇徳と、ここまでの帝はそれぞれ個性的で、ドラマのキャラとしての特徴をきっちりと表現していて、皆文句なしだと思います。

来週はいよいよ後白河登場。
個性という点では歴代の中でも空前絶後と言っていいであろう帝。
その若かりし頃が見られます。

いやもう楽しみです。
どんだけはっちゃけているのか、今からワクワクです。

(なんか毎週次回が楽しみと書いてるような気がするけど、まあいいか)
[PR]
by teri-kan | 2012-02-28 11:39 | 大河ドラマ | Comments(0)

槙野ショー

サッカー日本代表対アイスランドの試合は、リーグ開幕前の親善試合としてはなかなか良い試合だったと思います。
お酒片手にのんびり観れる試合というか、アイスランドのハンドスプリングスローに素直に感嘆できる試合と言うか、ま、言ってしまえば開始早々の得点が精神的余裕をもたらす大きな理由となった試合でありました。

槙野の前向きポジティブな「オレはやるぜ」精神が実った1点目だったと思います。
ま、この明るい前向きさが槙野の一番の長所なんだから、明るくプレーが出来てる時点でドイツからの帰国は正解だったということなんでしょう。
ただ、1アシスト・1ゴール・1PK献上って、DFとしてどうよ?とは思います。
槙野の適正って結局どこなんでしょうね。
得点は喜べばいいとして、PK献上はDFとして大いに反省すべきだし、ドイツにはCBとして行ったはずなんだからドイツの成果はやっぱり守備で見せてほしいと思うし、でもサイドもセンターも出来るところを証明すれば、代表には必ず呼ばれる存在になるだろう。

というか、本人はCBで大成したいんだよね?
それならペトロヴィッチのチームには行かない方がベストだと思うんだけど、声をかけてくれたのが日本では浦和しかなかったのかどうか、守備についての考え方が特殊な監督の元に舞い戻ったのでは、あの時なぜ広島を出たのか、その意味もなくなってしまうよね。

まあ恩師のもとに戻ってきて、自信は取り戻したのは確かなんだと思う。それがこの試合の1アシスト1ゴールにつながったんだろうし、移籍シーズン時に最も不足していた「自信」を考えれば、ペトロヴィッチのチームに入るという選択につながったのは納得できます。
でもここからどれだけ積み上げが出来るのかな。
槙野は本当にこれからが勝負だと思いますね。



アイスランド戦の全体的な内容としては、フィジカルコンディションが十分でない上、初めてのメンバーも多いということで、選手の距離間だったりパスのタイミングといったところで「えー」なところが目につきました。
その中でも藤本はよかったと思います。ようやく代表に馴染んできたって感じ。
柏木はまだまだかなあ。あの位置の選手にしてはTVで名前を呼ばれる回数も少なかったですよね。

あ、TVで名前といえば、やたらと槙野の名を口にしてましたね、実況。
今年は槙野押しなんですかね? 
まあ浦和だし、海外にいるより更に話題にしやすくなった感はあるけど。



ま、本番はウズベキスタン戦です。
シーズン真っ只中の海外組とそうでない国内組のバランスが心配ですが、どういう布陣で臨むのか今から楽しみです。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-26 03:08 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

「陰陽師」

平安時代がエンターテイメントとして成り立つということを教えてくれた作品、と言っていいと思います。
特に映画で成功したのは平安時代モノとしては珍しいのではないでしょうか。野村萬斎の力によるところがほとんどだったとはいえ。

というわけで「陰陽師」。
夢枕獏の原作は読んでないし、映画は2作品とも内容を忘れているので、ここでは岡野玲子の漫画でいきたいと思います。

久々に読み直して初期の感動を思い出したのですが、そういえば初めて読んだ時に何に感動したかというと、子供の晴明が百鬼夜行に出くわす場面なのでした。
あれは魅力的な妖怪行列だったよなー。

陰陽師が主人公の話だから鬼や妖怪がわんさか出てきて当然なんだけど、でも岡野玲子の「陰陽師」を読み進めていくと、そういうのが途中からわからなくなってくるんですよね。
いつのまにか違う世界につれていかれて、宇宙の理とか万物の法則とか、凡人では理解できない内容に終始するのです。
で、それが本当に理解できないんだ。頑張って読むけど、わかったようなわからないような、中途半端感いっぱいのままで終わってしまうのですよ。

いやもう、バカでごめんねって感じ。
巻末の資料や解説を読めばいいのかもしれないけど、本編を読んだ時点で疲れ果ててそこまで手が回らないってのが正直なところで、最終的にはギブアップ。
内裏焼失くらいまでは大丈夫なんだけど、今では良いも悪いも評価というものがうまく出来ない作品となっています。

でもね……「陰陽師」の魅力は、やっぱりあやかし退治にあると思うんだよね。
ちょっとエロくてちょっとグロい黒川主の話とか、桃園のお話とか、ああいうの好きだったな。

中盤までは平安時代バリバリの空気感で、ストーリーもわかりやすいし、誰にでもオススメしたいくらいなのです。
闇の表現がいいんですよ。いかにも人工灯がない時代というか、江戸時代の町中とかよりもまだまだ闇の方が多くて、闇の中に人間がいるって感じが。
物理的に暗いのもそうだけど、精神的にも暗闇がすぐ近くにあるんですよね。怨霊もそばにいたりするし、まだまだ得体の知れない暗闇に囲まれて生活してるってとこがいいんです。
平安時代って雅で、でもホントにおどろおどろしいんですよねえ。

本当に絵はきれいで、雰囲気十分で、どう考えても良い漫画なんだけど、とにかく終盤が微妙。
終わりごろは人工灯どころか、世界生成の灯り?とでもいうようなものが燦燦と輝いたりするので、同じ人物が出てるけど違う漫画といっていいくらいに最初と最後では違う雰囲気です。

まあ、それでもやっぱり絵は美しいんですけどね。
話はわからなくても絵だけでいけるといえばいけます、あの終盤さえも。
絵はね、ホントのホントにきれいだと思います。



現在連載されている続編「陰陽師 玉手匣」は本編終盤のようにシリアスでなく、明るくて読みやすくてよいです。お子様も可愛いし。
今度は仏教なのかな。
これも突き詰めればキリがなさそうですが、できれば凡人にもわかるようなストーリーでお願いしたいものです。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-24 16:09 | 漫画 | Comments(2)

日本文学万歳

幅広く 受け入れられぬ 大河なら  ネットの端にて 応援ぞせん (詠み人自分)

出来栄えや怪しい文法は大目に見ていただくとして、気持ちとしてはこういう感じです。
大河ドラマ「平清盛」を楽しんでる少数派の人間が、せめてどこが楽しいのかを表明せねば、ただ視聴率が低いだけのドラマで終わってしまう。
それはかなり残念だ、微力ながらここで更に清盛を取り上げねば、ということで、今回ちょっとばかし歌を詠んでみました。
添削はどうかお手柔らかにお願い致します。



今週はついに時子が登場。
二位の尼と言った方がピンとくる女性ですが、「源氏物語」好きの可愛らしいお嬢さんが、後にああなってしまうというのは、かなり悲しいものがありますね。
平家をメインで扱うというのは、そういう時代と政治の荒波に揉まれた末の、男性女性それぞれの末路に触れるということで、せめて今はまだのん気な気分でいたいものだと、初恋にうつつを抜かす清盛を見ながら思うのでありました。

「源氏物語」にキャーキャー言ってるお嬢さんもいいし、明石の君ばりに琵琶を弾き鳴らすお嬢さんもいいし、せっせと恋文を贈る男の子も良いものです。同僚のノリキヨ君の代筆というのがいささか残念ですが、形から入るという戦法が間違っているわけではありません。
美しい季節の花や小枝に歌が結ばれて届けられれば、態度はともかく心の中はときめかないはずがありません。平安時代は見た目ほど美しくも平安でもない時代ですが、こういった歌の遣り取りは雅の極みと言っても過言ではないでしょう。

今回は「瀬をはやみ~」も出てきて、既にお気の毒な状態であらせられる崇徳帝のお声も聞くことができました。いつもはクールな藤木ノリキヨ君も帝の御前に召されてドキドキです。
一体崇徳帝の御歌に何を感じたのか義清。
なんだか璋子への興味がますます募っていきそうで恐ろしいです。

このドラマ、毎週濃い登場人物が新たに登場しますが、来週はとうとう悪左府頼長が出てきます。
そのキョーレツな人柄とキョーレツな日記で、一部の人間から絶大な支持を得ている頼長。
彼の登場で摂関家パートも増えるでしょうし、いよいよ朝廷のドロドロ本領発揮といった展開になりそうです。

これは希望ですが、是非頼長の日記を書いてるシーンを見せていただきたいものです。
別にプライベートについての記録中でなくてもいいのです。「今日の朝議」でもなんでも、とにかくせっせと筆を走らせてる貴公子頼長を見てみたい。
せっかく人間味あふれる(?)日記を残してくれている人物です。モラル的に如何なものかというのはさておき、彼がここまで人気があるのは、日記のおかげで人間性が手にとるように伝わっていることなのですから、日本の日記文学に敬意を表すためにも、彼がうれしそうに日記を書いているシーンを是非お願いしたいものです。

歌も物語も日記も万歳。
「平清盛」はこういった文学・文芸もきちんとすくい取ってくれているから楽しい。
歌謡の「遊びをせんとや生まれけん」がドラマの根幹をなしてることからしてそうなんだけど、日本人の精神性と文学の結びつきを、歴史の底にきちんと置いてくれてるのがいいですね。特に西行を中心として歌のことをきちんとやってくれてるのは好印象です。
荒れる時代の底に流れる精神性を、藤木西行には是非表してもらいたいので、これからもどんどん歌を詠みまくってほしいと思います。



一方の平家。
清盛と明子の結婚は平家一門にとってかなり微妙で、忠盛と舞子の件を知ってる人間は、だからこそ反対したいが、だからこそ反対できないという、非常に苦しい心うちを顔に出していました。
これは上手い展開だと思います。

うん、ますます来週が楽しみ。
更に入り乱れる人間関係を楽しみにしていたいと思います。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-21 14:34 | 大河ドラマ | Comments(0)

日本人が好きな洋楽アーティストBEST20

週末のスマステで、10代~60代の年代別、男女別の集計も合わせて、日本人が好きな洋楽アーティストのランキングが発表されました。
20位から1位までは以下の通りです。


20位ワム! 19位ABBA 18位シンディー・ローパー 17位クイーン 16位アヴリル・ラヴィーン 15位オリビア・ニュートン・ジョン 14位バックストリートボーイズ 13位セリーヌ・ディオン 12位オアシス 11位サイモン&ガーファンクル

10位エアロスミス 9位ビリー・ジョエル 8位ボン・ジョヴィ 7位ホイットニー・ヒューストン 
6位スティービー・ワンダー 5位マライア・キャリー 4位マドンナ 3位マイケル・ジャクソン 
2位レディー・ガガ

1位はビートルズでした。



「日本人が好きな」ということからいくと、概ね妥当なランキングといった印象です。
世代や性別が反映されているところも真っ当な順位と言えるのではないかと。
旬のガガが2位にいるのも、いかにも現時点での結果といった感じで信頼性が置けます。
ホイットニー・ヒューストンが7位に入っているのも現時点だからこそだし。

グループでのランキングが多い男性アーティストと比べて、女性のソロシンガーの多さが目立ちます。
あとはやっぱり映画やドラマの影響力。
エアロスミスは「アルマゲドン」がなければかなり順位を下げてるはずだし、セリーヌ・ディオンもマライア・キャリーもそれは言えるかも。
ボン・ジョヴィは……もうちょっと固定ファンがいそうな感じがするな。彼らと日本の関わりはかなり深いから。

4位のマドンナからビートルズまでは、さすがトップ4といいますか、音楽とか芸能に収まらない強烈なムーブメントを起こした人達で占められています。社会活動と切っても切れない人達といいますか、まあここに挙がってる人達は慈善事業に熱心な方々ですが、となると疑問に思うのはU2がランキングに入ってないってことになるんですよね。
これはもうU2と一般日本人との馴染みのなさが原因としか言えないのでしょうが、もしかして楽曲自体が日本人にあまり好まれないタイプなのかなあ。



この企画はホイットニーの急逝を受けて急遽行われたものだそうです。
私も訃報を知った時は驚きましたが、彼女に関してはここ何年も悪質なゴシップニュースの方が多かったし、いろいろと仕方なかったのかなと思います。
ただ、彼女が輝いていた時期の輝きっぷりは本当に見事だったので、個人的にはそっちの方の印象がやはり強いです。
なんてきれいで、なんて歌の神様に愛されてる人なんだろうと当時は思ったものです。手足の長いスラリとした容姿も伸びやかな声も、天は何物も与えるんだなあと感心するほどでした。
その時の輝きがあまりに尋常じゃなかったからですかね……転落した時の悲惨さも絵に書いたようでした。
本人はずっと苦しかったでしょうね。



で、「好きな洋楽アーティスト」ですが、個人的にはこの中ではマドンナを挙げます。
やっぱり年代が出ますよね。一番影響を受けてるアーティストです。
あとは、20位内に入っていないけどデヴィッド・ボウイ。
最近ではとんと見なくなったけど、元気で長生きしてくれればもうそれでいい。
強烈なアーティストは早世する人も多いけど、ボウイはしわしわのおじいさんになってもしぶとく生きてもらいたいですね。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-20 15:09 | 音楽 | Comments(0)

「日本古代史 正解 纒向時代編」

大平裕著、講談社。
久しぶりに古墳時代関係の本を読みました。

「古代ってどんなだったのかな」という軽い気持ちと、「どうせ事実ははっきりわからないんだし」といった適当な気持ちと、二つの理由からこの手の本の著者名をおよそ気にして読んだことがないという私ですが、本作に出てくる津田左右吉の名には覚えがありました。
名前どころか引用されてる津田の文言もはるか昔に読んだはずなのにバッチリ覚えていて、記紀批判は自分にとってとてもインパクトがあったのだということを、今更ながら思い知らされた感のある本作でした。

著者の大平氏はその津田の論への批判を文中でかなり厳しく行っているのですが、まあ、難しいよね。「○○で××だからこの天皇は存在しない」と言われた時は「なるほどー」と納得したし、「存在する、なぜならば△△だからだ」と言われれば「それもそうだよねー」と思うし、詳しくない人間にはどっちが正しいとかどちらの方がより正しそうとか、全然見当もつきません。

ただ、今回読んで思ったんだけど、存在するという前提に立った方がやはり楽しいんだよね。
というのも、例の津田左右吉の記紀批判を読んだ時、「あ、実在しないのか」と、ほとんどといっていいほどそこで興味を失っちゃったんですよね。「いない」と言われたら、そこで終わっちゃうんですよ。
専門家じゃないしさ、いないものに関心は持てないし、ウソを書いてると言われたら、そういった本(日本書紀とか)にも関心は、そりゃあまり持てない。
でも「いる」と言われたら興味がわくし想像も広がる。古代人の営みが多少なりとも具体的になってくる。
現在では考古学の発見の方が進んでいて、例えば「大袈裟に記述した」と言われてた出雲大社の大きさだって実際その通りだったことが証明されたし、現在の常識が当てはまらないからウソと決め付けるというのは、やはり慎重になった方がいいのかなあとは思います。

どうせ素人なんだし、楽しんだ方が勝ちだよね。
まあ、かといって小説家の奇想天外ストーリーと事実をごちゃ混ぜにしようとは思いませんが。


本作では卑弥呼の扱いが面白くて、卑弥呼=天照大神説に関連するあれこれは楽しめました。初めて邪馬台国に興味が出てきたといっていいくらいに楽しかった。
今までの邪馬台国のイメージって、日本なのに日本でないような、実体のない伝説といった感じだったのですが、本作のようにここまでヤマト王権、大和朝廷と関わりを持たせてくれたら、俄然興味もわいてきます。
現在につながる歴史の中にこうやって関連付けてくれたら、自分達のご先祖といった感覚も出てくるというものです。天照大神も実体を感じられたし、ホントに面白かったなー。
(個人的に、神社に祀られてる人(神様)は実在していただろうと、基本的には考えています。)

「欠史八代」の解説も面白かったし、個人的にも最大のネックだと思っていた各天皇の寿命についても、いわゆる二倍暦(?)で計算すればクリアできるそうだし、それならそっちの方がロマンがあるし、専門家はロマンで論文は書けないだろうけど、古代はロマンを感じてなんぼみたいなところもあると思うんで、そういった意味では面白い本でした。

多分この考え方は学界では全然主流じゃないでしょうが、古事記・日本書紀はできる限り素直に読みたい派からすれば、楽しめるのではないかと思います。
今年は古事記編纂1300年なので、とことんロマンに浸ればいいんですよ、うん。




[PR]
by teri-kan | 2012-02-17 11:11 | | Comments(0)

からっぽ璋子と空白を抱える西行

今日も「平清盛」話。



藤木“西行”義清がさっさと堀河とデキてて感心しました。
しかも堀河の方がメロメロで、乱れた髪が色っぽかったですね。

西行はこの時点で既に璋子の心が空っぽって気付いてるんですね。
そうなると以前予想した展開とはちょっと違う方向に行きそうだな。
まあ一介の北面の武士が院の中宮の中身が空っぽとか目が空っぽとか、そんなの絶対わかるわけないと思うんですが、両者の間にあるはずの仕切りがこのドラマではないので、こういうこともあるんだろうと納得しました。
実際平安時代のやり方でやったらかったるい進み方になるだろうし。


西行が璋子を「からっぽ」と言ってるのを聞いて、橋本治の「小林秀雄の恵み」を思い出しました。
これによると西行は空白を抱える人物で、その「空白」とは西洋では神によって埋められるのだけど、日本には向こうの神に該当するものがないため、その「空白」を埋めようと自己が思いっきり頑張るしかない。そうなると「自分」が充満して自意識の塊のような人間になってしまうのですが、日本で初めてその「空白」を見つけて大変苦しんだのが西行、となるのだそうです。

西行のその苦悩は近代人にもつながるもので、だからこそ西行は日本人に人気がある歌人なのですが、とても面白いその辺の詳しい内容は本を読んでもらうとして、この「西行は空白に気付いた人」というのは、結構このドラマでもキーになるのではないかと、「璋子様からっぽ発言」から感じたんですね。
そして、そうであるならこれからの藤木西行はかなり面白くなるのではないかと。



いやー、正直なところ「なんで藤木?」と最初は思ったんだけど、こうなると藤木直人が西行役というのはかなりナイスなキャスティングかもしれません。確かに端正な顔は外せないポイントですが、「顔だけ俳優」っぽい彼の軽さがここではかなり重要になるように思います。

これは彼の演技を見たことがない私の勝手なイメージなんですが、藤木直人って中身がどういう人なのかイマイチわかりにくいのです。中身があるのかないのかよくわからんって感じで、あんまり考えてない人なのかと思いきや、実は頭がよくて努力家だとか驚きの経歴で、案外顔がよすぎるのがアダとなってるのかもしれないけど、しかし、それでもやっぱり印象は軽い。中身に裏打ちされたキャラクターがないイメージなんです。(我ながら酷いこと言ってるな。)

しかしそういう彼なら自らの空白に悩む西行はいけるかもしれない。
藤木直人の中身不明の年に合わない若々しい外見は、空白に悶える永遠の苦悩青年がピッタリ合いそうだし、埋められない何かを埋めようと何かを探す当てのない人生を選ぶきっかけになるのが空っぽ璋子との逢瀬だったら、これはとても良い展開じゃないでしょうか。
……ま、あまりにも不毛だが。

居場所探しに人生を費やした西行の行き着いた先は「願わくは花の下にて春死なん」なのですが、同じく居場所探しに苦しんだ清盛と彼は、あの時代の表と裏のような存在なんですね、きっと。
多分ドラマはそういう風に描こうとしてるんじゃないかな。
性格も送った人生も真逆の二人ですが、妙に馬が合う表現になってるのは、そういうことなんだと思います。



というわけで、藤木直人がんばれ。
これまでの演技を見たことないから上手いのか下手なのかなんとも言えんけど、西行はそのままでいけそうな気がするから頑張っておくれ。

いや、ホントにね、中身のよくわからない俳優さんだよね。
まあ、デビュー以来ずっと顔しか見たことない自分も自分なんだけど、もしかして歌とか聴いたら理解できるのかな。
ていうか、デビューの頃からずっと印象の変わらない人だよね。
それが誉め言葉になってるかどうかは自分でもビミョーだけど、とりあえず頑張ってほしいです。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-14 13:29 | 大河ドラマ | Comments(0)

瀬戸内海と海賊とウサギ

忠盛を助けにきた清盛の、「朧月の兎丸なら、餅でもついておれー!」が妙にツボにはまって、その後の清盛のいいセリフの時も笑いが止まらなくて参った。
「西海の海賊王」はちょっとマンガっぽかったけど、見所たくさんの回でした。

兎丸のせいで父を失ったというのは、まあわかりますね。
現実に父を殺されたのは兎丸の方で、本来なら食う心配をせずにすむだけ清盛は兎丸より断然恵まれてるんだけど、朧月の息子であることが確固とした兎丸のアイデンティティになってることと比較すると、清盛は確かに気の毒かも。

熱田神宮での玉木の義朝と比較するとわかりやすいんだけど、「八幡太郎義家が曾孫、源義朝!」と誇らしげに自己紹介する義朝の、あのブレのなさは自身の血筋がはっきりしてるからに他ならないんだよね。
自分が何者であるかが定まっていてこそ己のすべきことが決まるという、当時の生き方から考えていったら、義朝は実はとても楽に生きてるんだ。

現代では「親の職業が自分の職業」なんて時代錯誤も甚だしいけど、当時は親があって祖先があって一族があって、その上で自分がいるのだから、そこがしっかりしてる人としてない人では、忠盛の言う「心の軸」の持ち様も違ってきたんだろうと思います。
叔父の忠正は平家第一が心の軸だし、鱸丸は自身がどんな立場になろうと清盛第一だし、「おのれ平氏、我らは八幡太郎義家のーっ」の源氏親子も軸まっすぐだし、こういう風に道がはっきりしてる人はよかったんだなあと思います。



番組最後に出てきた広島県の「忠海」ですが、以前からどういう由来の地名なんだろうと思っていたのですが、忠盛が付近の海上で海賊退治をやったからというのには思わず「へーなるほどー」でした。
瀬戸内海沿岸は平家にまつわるものがやっぱりいろいろありますね。

でも広島人でそれを知ってた人は少なかったと思う。
後の世で平家がいまいち好かれてなかったからかもしれないけど、平家との関わりとか、平家由来の場所とか、そういう歴史の教育がどうもしっかりしてないんだよね、広島県って。
厳島神社や音戸の瀬戸は形として残ってるから教えてくれなくても知ることができるけど、どうも地元に淡白なイメージがあるよなー。最近は少しは変わってきてるのかもしれないけど。

忠海の沖にある大久野島は現在ではウサギの島として有名で、「だから兎丸なのか?」とちょっと聞きたいくらいなんだけど、実は大久野島にうさぎが住むようになったのはここ20年くらいの話。900年前にはいなかったんです。
でも兎丸率いる海賊があの辺を荒らし回ってたってのはよくわかります。広島県沿岸は特に島が多くて、その分船も隠れやすかったと思うから。

加藤浩次の兎丸は結構よかったと思います。なんか、まんま加藤って感じだったけど。
これから彼も出世していくけれど、これからも瀬戸内海がたまにでも出てきてくれたらうれしいかな。
海は清盛の重要ポイントですからね。
是非ともよろしくお願いしたいです。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-13 15:02 | 大河ドラマ | Comments(0)

ロンドンオリンピックの団体競技

参加できるのって女子サッカーだけになったりして。
いや、女子バレーは行けるかな。
でも男子は一種目も参加できないかも。
他はともかくロンドン大会で男子サッカーが出れないとなると、残念極まりないですね。

ちょっと愚痴っぽくなってます
[PR]
by teri-kan | 2012-02-09 11:35 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

視聴率

大河ドラマ「平清盛」の視聴率が悪いらしい。

悪くなるのは題材が平清盛に決まった時点でわかっていたから悪いこと自体は驚かないけど、程度については議論されるべきなのかもしれません。
TV離れの著しい時代とはいえ大河ドラマで16%とはどうなのか、許されないほど酷いのかどうなのか、特に今年はオリンピックがあるから夏場に低下するのは避けられないので、先を考えると厳しいものがあるのは確かな気がします。

せっかく面白いのにねえ……。
もったいないよねえ……。

いろいろ考えてみたんだけど、視聴率アップにつながるような案って難しいですね。
わかりにくい人物関係を説明するためにオープニング曲前に図解で説明するとか考えたんだけど、鳥羽院と崇徳院の関係を系図にしたら身も蓋もなくなりそうだし、藤原氏同士の利害関係を説明してもますますややこしくなりそうだし、源氏がなんでこんなに落ちぶれてるのか真面目に説明したら源氏に対する一般人の目が変わりそうだし、なんていうかなー、こう、やっぱりわかりにくい上にタブーが多いんだよね。タブーというか、知らないですむなら知らなくてもいいんじゃない?って感じの、ドロドロ歴史の暗い部分が。

そういうこと知るとこれまでの評価や価値観がひっくり返ってしまうのかもしれないけど(例:平家は悪で源氏はヒーローみたいな見方)、そもそもこのドラマは歴史的に悪者になってる清盛の評価を覆そうという意図で作ってるはずなので、そこら辺はガンガンいっていいと思うんですよね。思いっきり身も蓋もないことを説明してしまえばいい。
それに引く人はいるだろうけど(既に鳥羽院の閨シーン連発で引かれてるかもしれない)、視聴率低いなら低いでタブー破りに賛否両論巻き起こすくらいのチャレンジャーであってほしいかな。変に気にして路線変更とかやめてほしい。

うーん、低い視聴率を誰か有名人がネタにしてくれんものだろか。
皆が読めるように理由を分析して発表してくれればいいのに。(もちろん分析は好意的に。)
今までと違う大河ドラマになってることは確かなんで、そこら辺を上手く世の中に知ってもらえないかなあ。

清盛の人物像についても批判されてるみたいだけど、こちらについては今はまだ何もわかってない若造時代だし、ドラマなんだからいちいちうるさく言うのはどうかなあって気がします。
史実と物語の間のどこを取るかは難しいけど、戦国時代並みにドラマ化されれば「今回はこういう解釈だね」「今回はこんな人物像なんだね」といったように余裕を持って楽しめるようになると思うんで、ここは堅苦しく「こうでなければ」なんて見方はやめた方が賢明かと思います。

どちらにしろメジャーじゃない人物というところが大きいんだよね。
視聴率狙いならそもそも源平時代なんて選ばないし、高齢者に知られてない松山ケンイチも選ばないし、こんな映像の作り方もしないと思うし、幅広い高評価は期待してないとしか思えないんで、コアな固定ファンをとりあえず大事にして、これからもそこはあまり外さないようにしてもらいたいですね。



変な路線変更だけはホントに勘弁。

壮大な古代の終わりを、精一杯生きた人達のドラマで見せてもらえることをこれからも期待します。
視聴率低くてもがんばれ。
[PR]
by teri-kan | 2012-02-06 16:51 | 大河ドラマ | Comments(0)