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「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」(2011)

ガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」の第2弾。
今回は連続爆破事件の黒幕との戦いです。



完璧な娯楽映画。娯楽用としか言いようのない娯楽映画。
映像は面白いし、笑える場面もハラハラする場面もたくさんある。
しかしどういう層をターゲットにしているのかなあという疑問は観ている途中でもちょっと感じる。
特にホームズだから観にきたとしか思えないような年配のおじさん方にはどうだったんだろう。
往年のシャーロキアン、アクション好きの人、ミステリー好きの人、ホームズとワトソンの友情に燃える人、萌える人……様々なファンに受け入れられそうな映画だけど、それよりももっと基本的な好みで合う合わないを選んでしまう映画という気がします。

まあそれにしても不思議な作品です。
19世紀が舞台なのは確かだけど、前作以上にパラレルワールドに来た気分です。
ロンドン内に留まらず、パリ、ドイツまで出かけていってスケールは更に大きくなったし、ドイツは……ドイツっていつもこんな役回りですよね。なんでいつも悪人の巣窟みたいに描かれるんだろ。で、なんでいつも一度入ったら簡単には出られない国なんだろ。
勝手にそんなイメージがこびりついてるだけかもしれないけど、なんかいつも悪役を割り当てられてますよね。ドイツ人は平気なんだろうか。

パラレルを感じるのは風景や兵器の描写のみならず、スピード感の表現によるところも大きいかな。
ホームズの存在した19世紀って、馬の蹄のパカパカという音の速さが人間の営みのスピードのはずなんですが、この映画はパカパカを遥かに超えた高速感があって、その速さと目に映るレトロな19世紀の風景とのギャップが面白かったです。
でも一番速いのはホームズの脳内なんですよねー(笑)。
凡人に天才の頭の中は想像することもできませんが、あそこまで映像化してくれたら、ちょっとは具体的にイメージできるかな。

モリアーティ教授とそういえば最後はああなるんだったよなーと、あの場面を観るまですっかり忘れていて、それまではどうやって完全勝利を掴むのかばかり考えていたので、既にこのホームズは自分にとってホームズであってホームズでないものになっていたようです。ホントに新しいホームズものって感じ。
でもこんな風に明るいタッチにしてくれるならいいかな。
どうせ改変するなら明るいのがいいですよ。皆で楽しめる娯楽作品になるもん。

といった「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」でした。
第3弾はどうかな。さすがにもうないか。
このホームズとワトソンを観たいという人はいるかもしれませんが。

そうそう、この映画はホームズのワトソン愛がすごくて、そこは微笑ましかったです。
第1弾以上にワトソンのことが好きなようで、それが妙にピュアに見えるところが絶妙でした。
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by teri-kan | 2012-03-29 11:18 | アメリカ映画 | Comments(0)

坊主率上昇中

大河ドラマ「平清盛」。
先週の鳥羽院に続き信西も出家。
明雲他僧兵もわらわらと出てきて、坊主率がここ数週間で一気にアップ。

ホントにツルツルした人が増えたなあ……。

にしても何だろうね、髪を剃り落とすと容貌がかえって生臭くなるというのは。
髪の毛というフタがなくなったら頭頂から欲望があふれてダラーッと顔を覆ってしまうのかと言いたくなるくらいギラギラ度がアップするんですよ。
信西はうさんくさそうな雰囲気が上がったし、明雲なんて肉いっぱい食べてそうな雰囲気だし、なんていうか、目力のある坊主ってコワイ。威圧感のある坊主コワイ。桜求めてフラフラしてる美しい坊主が見たい。(西行は一体いつ登場するんだろう。)



今回は「夫婦もそれぞれ」といった回でした。
清盛も義朝も忠盛も家盛も鳥羽院も。

義朝、鳥羽院ご所望の水仙ひっさげて京の都にカムバック。
初登場時に比べて若干老けた?っぽい由良御前に向かって、東夷(あずまえびす)丸出しの求婚をしておりました。
内親王に仕えていると聞いてキランッと顔が変わるのがよかったですね。あからさますぎておいおいって感じだけど、朝廷や平家と僧のズブズブ関係を思えば、むしろ爽やかに思えるほどの野心です。
ドラマ的にはこの義朝の単純さに救われてるところ、結構あるよなあ。

清盛と時子は……まあ明るい夫婦になりそうでいいわね、と。
問題は時子の弟・時忠か。
頭は悪くないけど浅はかそうな感じがなんともね……。



璋子がとうとう亡くなりました。
死の床でどれだけわかっていたのか、水仙を胸に抱いて逝けて、とりあえずはよかったと言うべきなのでしょう。
ドラマ的にもここは大きな区切りで、王家の愛憎パートはこれでほぼ収束かな。これからは皇位継承のゴタゴタや駆け引きといった政治面に大きく舵を切ることになると思います。

耳にタコが出来るくらい「人を愛しく思う気持ち」のセリフが繰り返された鳥羽院と璋子とその周辺、三ヶ月かけて視聴者にさんざん植えつけたのだから今後も無視できないテーマになるのは必至です。
理性や意志ではどうにもならない人間の理不尽な感情、愛すればこその欲、好きか嫌いか、快いか不快か、そういった情念がこれからは王家内に留まらず摂関家も武家でも発揮されて、それらがもろに政治の行く末を決めるようになるのでしょう。で、その中で清盛はどう立ち回るのか。

清盛は相変わらず暴れん坊だし自分中心男だけど、社会を成り立たせているものとか政治の仕組みとか、ゆがんだ平安システムをおぼろげながらですがその経験から徐々に把握してきています。
しかもそれは結構的確っぽいです。
まだ完全に言語化することはできてないし、多分この先もできないだろうけど(既に病巣を特定できる時期は過ぎ、平安システムは末期の断末魔状態。これを渦中の人間が完全に把握するのは無理でしょう)、でも、その中でのし上がっていく清盛は見所十分だと思います。

できれば期待に大いに応えてもらいたいものですが……。
頑張っておくれ製作陣。



まあそれはいいとして、今週登場の出家者の中で最も目立っていた鳥羽院ですが、先週も思ったんだけど、なんかすごいきらびやかですね。すごく鮮やかなお衣装です。
ですが衣装に反して中身は凄まじくて、璋子に頬ずりする顔とか扉にすがる表情とか、なんか、いやあ、俳優ってすごいね(笑)。もう尊敬しちゃう。
表情イッちゃってるし、振る舞いも無様だし、璋子への執着がイヤになるほどわかるのはいいんだけど、なんていうかなあ、8時台のお茶の間に綺麗な自分を届けたいという気持ちはこの人にはないのかなあ。綺麗な男なのになあ。
あ、この人というのは三上博史のことで、鳥羽院はどれほどみっともなかろうが「璋子璋子」と叫び続けたと思います。思うけど、いやあ、三上博史、熱演を通り越して快演だよね。こんな鳥羽院演じちゃったら、次にドラマなり映画なりでやる人は大変だ。

と言いつつ、鳥羽院には最後までこのまま生々しく突っ走ってもらいたい。
三上鳥羽、やっぱり好きだなあ。
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by teri-kan | 2012-03-27 10:57 | 大河ドラマ | Comments(0)

「オリエント急行の殺人」

イギリスで製作されているシリーズもののドラマ「名探偵ポワロ」の1作。
新作の一つで、先月初めてNHKで放映されました。

デヴィッド・スーシェのポワロはとても好きで、このシリーズはほとんど欠かさず観ているのですが、「オリエント急行の殺人」は有名な映画があることから、自然と映画との比較になりました。
他にも映画化された作品のドラマ化作品はありますが、「地中海殺人事件」や「ナイル殺人事件」はそこまで映画の影を感じずに観ることができたんですよね。
でも「オリエント急行」は事情が違って、映画のポワロが強烈なキャラクターだったためもあってか、それとの比較でどういう解決の仕方をするのか、映画のようにとりあえずめでたしで終わるのか、観る前からそこが気になっていました。

映画版はここの感想でも書いたけど、音楽がとても優雅で、もう呆れるくらいなんです。
事件自体も「豪華列車と常ならぬ大雪が見せた幻」っぽい感じで、実際に起こったことじゃないみたいな、優雅な雰囲気なのです。
ま、実際に起こったことじゃないってポワロが結論づけたからそういう印象を持つのは間違ってないんだけどさ。

とまあいろいろあって、このドラマを観るとどうしても映画との比較になってしまうのでした。

では、ここから下はネタバレ有りで。

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by teri-kan | 2012-03-23 10:49 | 海外ドラマ | Comments(0)

もののけの行方

大河ドラマ「平清盛」の「もののけの涙」について、更に少々思うことを。

ドラマ内で清盛が崇徳帝に対して「白河院の子であることなど気にせず生きればいい。自分もそうしてる(要約)」と意見する場面が出てくるのですが、ネット上で確認する限り、どうもこれに納得がいかない視聴者が多いらしい。
自分もそのシーンは「ありえん」と思ったし、今でも「もっとどうにかならんかったのか」と思ってるけど、しかし45分全体を観るとあの場面が意味するところが理解できるのも確か。
かなりわかりにくいし、かなり問題があるけれど、「もののけの涙」は、まさしく「もののけ」をキーワードにしている回だということなんでしょう。

というわけで、続きはこちらから
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by teri-kan | 2012-03-21 16:39 | 大河ドラマ | Comments(0)

エキセントリックもののけ

今週の「平清盛」は「もののけの涙」でした。

「もののけ」と一言で言っても意味はいろいろ。
そのためイメージは漠然としていて、でもそれが何を指しているかはわかる。
かつての璋子は鳥羽院にとってもののけで、かつての白河院は信西(阿部サダヲ)にとってもののけで、自分と違う思考回路を持つ理解しがたい不気味な人だったり、自分の感情のままに振る舞って災いを振りまく人のことだったりしました。

このドラマではもののけの根は白河院にあって、その血を清盛もひいているというのが物語の根底にずっと流れてるのですが、愛に対してあそこまでエキセントリックになる清盛は、うん、確かに王家の血筋かも。
天皇のお仕事は、乱暴な言い方してしまえば結局「愛」で、誰を寵愛し、誰に子を生ませ、誰を立太子させるか、それらが極めて重要で、その仕事はどうしても「愛」に左右されるものだから、院や帝が過剰に愛に支配されても無理からぬことではあるのです。
そして清盛は確実にその血をひいている。
家の繁栄のために結婚した忠盛や家盛には、ここまでの破壊衝動は理解できないかもしれないですね。

忠盛の目が怖かった……。
それまで舞子の子であったはずの清盛が、あの瞬間に白河院の子になってしまったか。
叔父・忠正の危惧は大当たりだったかもしれないという展開ですね。

璋子の方は愛を知ってもののけじゃなくなったんだけどな。
白河院の呪縛から抜け出せてやっと人間になれたのに。
時既に遅しだったけれど。



今回も出てくる子供が皆よかったですね。
近衛帝、超カワイかったー。
なごめたのはお子様が出てきたシーンくらいかな。あとはもういくつもの小さな川が合流地点に向かって速度を増してる感じで、王家も平家も源氏も摂関家も、荒れる急流の川下り開始間近です。

義朝……立派なヤクザになって……(感涙)。
でもそれでいい。家来の邸は自分のもの。家来の娘は自分のもの。源氏は兄弟仲の悪い子だくさんのイメージがあるけど、それもさもありなんという種のばらまきぶりだ(笑)。
純愛一直線、妻一筋の清盛とは大違いで、ワイルド玉木の「愛?和歌?ナンだそれ。食えねーし」的な即物的行動はよかったですね。

崇徳院は……もうお気の毒としか言いようのない境遇で、ほんの少しかいまみせたアグレッシブ崇徳院がかえって哀れを誘うくらいの騙されっぷり。
コケちゃうんだよ、御簾の内とはいえ臣下の前で(涙)。無様にすっ転んで、口惜しさに身を震わせて、「なーーりーーこーーおおおお」(涙)。
しかもこんなのまだ序の口で、これからもっとお辛い目に合われるという……。
ああ、もう、お可哀想にねえ。
どうすりゃいいんだか、本当に。
ナンマイダブナンマイダブ。



というわけで、今週で明子退場。
残された子供達と清盛が可哀想な回でした。
清盛と明子、いい夫婦だったし、好きだったな。
明子といる時の清盛の好き好き幸せオーラがほとばしってる様が好きでした。

来週はいよいよ璋子かあ。
白河院が死して尚存在感を際立たせていたのは、ひとえに彼女の存在があったせいですが、これでまた情勢が変わりますかね。
政治的に変化はなくても、鳥羽院はどうなってしまうのか。
なんかますます権力の権化になりそうで怖いなあ。
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by teri-kan | 2012-03-19 15:18 | 大河ドラマ | Comments(0)

「平安京遷都」 シリーズ日本古代史5

川尻秋生著、岩波新書。

最近岩波が出した日本古代史シリーズ6巻のうちの第5巻目。
大河ドラマ「平清盛」のおかげで久々に平安時代モードに突入しているため、順序はバラバラだけどとりあえず「平安京遷都」を読んでみました。

内容は多岐にわたっており、桓武の父・光仁天皇の即位に至る事情から、桓武の治世、当時の政変、皇位継承の変化、藤原氏以外の氏族排斥の過程等政治的な流れを中心に外交、交易、文化、仏教、庶民の暮らし、当時の東北地方の状況など、内容は盛りだくさん。
平安時代自体は400年の長きにわたるため、当然これ1冊におさまるはずがなく、代名詞と言える摂関政治については第6巻でまるまる費やしているほどですが、平安時代の概要は本書でかなりつかめるんじゃないかと思います。
興味を持ったところは、別途それ専門に書かれた本を読めばいいかな。
個人的には「穢れ」の考え方についてもう少し深く知りたいと思ったので、それが発生した頃の宮中事情とか、そういうのをわかりやすく書いてある本があればいいなと思います。

個人的に面白かったところは武士が生まれたくだりですかね。国司の土着の仕方とか、平将門や藤原純友の乱といったところは、大河ドラマ「平清盛」につながるタイムリーな話題だと思うし、興味のある方にはオススメだと思います。
家職の説明、特に武芸の家としての家職には、ドラマを観てる人には「へー、なるほどー」ではないかなあ。



あとがきに書いてあるのですが、平安時代って実は資料が少ないのだそうです。
日記や物語、和歌集などが豊富にあるから一般人にはピンとこないけど、いわゆる公式文書と言えばいいのでしょうか、そういったものがあまり書かれてないそうで。
考古学的にも後世までずっと都として存在していたために掘り返して調査ということも出来なくて、まだまだ不明なところが多いのだそうです。
だからかなあと思うのですが、本屋さんの歴史コーナーでも平安時代関連のスペースって小さいんですよね。飛鳥や奈良時代の方がよほど大きい。鎌倉以降は武士の時代で、これまた事情は変わってくるし、言われてみればホントに平安時代って文学方面はいいとして、歴史方面ではパッとしてないのです、本屋でも。

でも本書を読んだらやはり面白いと思うわけです。平安時代に生まれて今につながっている風習や制度もあるわけで、特にお公家さん達は明治維新まで平安時代の様式そのままに生きてきたわけで、明治的価値観で不遇を見たとはいえ、今はもっと平安時代にスポットを当ててもいいんじゃないかなあとは、私も読んでて感じた次第です。



ところで、平安時代にウジ(氏)の意味が弱まり、イエ(家)の単位が意味を持つようになってきたというけれど、確かに藤原氏はそうなるし、平氏も平家とか平家物語とか言われるけど、なぜに源氏は源氏のままなんだろう。源家とは普通言わないよね。
実はこれ、結構前からの疑問なんだけど、なんでなのかなあ。
一族殺し合いの歴史と関わってるのかなとも思うけれど、謎です。




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by teri-kan | 2012-03-16 11:11 | | Comments(0)

祝!男子サッカーロンドン五輪出場決定

フ~ッ、ヤレヤレ。

最終予選で日本はバーレーンに2対0で勝利し、ロンドンへの切符を無事手にすることができました。
いやー、よかったよかった。とりあえず一安心です。

途中シリアに負けて「なにやってんだか」な時もありましたが、マレーシア戦で奮起し、かなりな運も味方につけて、余裕を持って最終戦にのぞむことができたのが最大の勝因だったと思います。
大量得点が必要なマレーシア戦でその通りに出来たことが大きかったのは確かですが、今こうして笑っていられるのもひとえにバーレーンがシリアに勝ってくれたおかげ。
バーレーン様様。
せめて彼らには日本で居心地よく過ごして国に帰ってもらいたいものです。

にしても、なぜにシリアはバーレーンに負けちゃったんだろう。
日本との試合ではシリアはやたら強かったのに、バーレーン戦の最後の失点なんてホントお粗末なもので、中東同士は中東同士で、それぞれ外部からは計り知れない相性とか因縁とかあるんですかねえ。

シリアがコケたことで一気に情勢が変わりましたもんね。
ホント、やってみるまでわからないものです。



山口、扇原、清武のセレッソトリオは素晴らしい活躍でした。
この3人が本大会も中心でいいじゃんと思いますが、んー、どうなりますかねえ。
大学生だった選手達がこの春Jのクラブに入団しましたが、どれだけ試合に出られるのか怪しいもので、試合勘やコンディションを考えたら本選に向けての選手選考では厳しいことになるかもしれません。
これから3ヶ月、クラブでの活躍次第ってところ大きいですよね。

とにかくチャンスをものにして、活躍して、まあそれより先に何より怪我をしないことなんだけど、五輪行きの切符を手にした時点である意味やっとスタート地点なんで、ここから気持ちを新たに日々精進してもらいたいと思います。



まあ今はロンドンへ行けることをただ喜べばいいか。
なでしこに遅れをとらなくて本当によかった。
若い選手達のはしゃぐ姿は微笑ましいもんだし、今回もこれが見れてホッとしました。
うん、よかったよかった。
皆よく頑張りました。



なんか最後はばあさんみたいな感想になってしまいました……。
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by teri-kan | 2012-03-15 12:11 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

さらば義清

そして、こんにちは西行。
大河ドラマ「平清盛」、とうとう藤木直人の佐藤義清が俗世を捨ててしまいました。



私にとって西行の基本イメージは、出会いが百人一首だからしょうがないんだけど、坊主めくりの坊主、蝉丸と並ぶ坊主の中の坊主なんだよね。
大学時代にかなり修正されたとはいえ子供の頃のすり込みは根強くて、今もキレイなノリキヨと坊主めくりの坊主が結びつかなくて困ってるんですが、このたびめでたく(?)義清は西行に生まれ変わりました。
とはいえまだ麗しの23歳で、もうねえ、一体いつ枯れた坊主になるのやら。
あ、枯れないのか、この人。

ドラマ的には彼の出家の原因は次のようなものかな。
璋子に本当の愛を教えねばとばかりに関係を持ち、下世話な話になるがああいう女性なのでその時は璋子もノリノリで、すっかり義清は「愛を教えてあげられた」と満足してたんだけど、実は璋子が愛に目覚めたのは鳥羽院に対してであって、それに気づいた義清は「はあああ?ふざけんじゃねーよテメー!」と大逆上。
邪魔されなければ璋子を殺しかねなかった自分に、「今のなんだ?なんだオレ。オレが逆上?んなバカな」状態で、「もしかしてこれが嫉妬?これがホントの恋ってやつなのかー!」と、教えてあげたつもりになってた愛を実は知らなかったばかりか、教えてあげたはずの相手によって教えられていたという、二重の情けなさに愕然。
いつのまにか恋敵になっていた鳥羽院はなぜか自分を不問にして、首がつながって助かったやら恋敵の方が器が大きくてますます身の置き所がないやら、自分の所業が皆にバレて、名に傷もついて、折りしも季節は桜舞い散る春で、ああ、この小さな花びら一枚の美しさよ、なんという美しさよ……それに比べてオレは……オレは……醜い! もうイヤだ!出家する!
……って感じでいいのかね、表面的には。

ていうか、この人の衝動は璋子首絞めにしろ娘蹴り飛ばしにしろ、ギョッとするものばかりだなあ……。

内面的には「矢は的の真ん中に当らなきゃね、それがキレイなんだし」とか「歌の言葉はピッタリはまらないとね、それがキレイなんだし」といった「こうでなきゃダメ、だってキレイじゃないし」という幅の狭さが、あの政治闘争からはじき出されてしまった原因か。あの魑魅魍魎の世界で生き残れるタイプじゃないですね。
やっぱり芸術家で、自分のこだわりに負けちゃった感じがする。
まあそのこだわりがなんていうか、まだ23歳だし仕方ないんだけど、薄っぺらいっていや薄っぺらくて、そのペラい男ノリキヨを、藤木直人はその見かけのままにそこそこ上手く演じていたのではないかと思います。

世を捨つる 人はまことに捨つるかは 捨てぬ人をぞ 捨つるとはいふ

これを詠む義清は良かったです。上手くなかったけど、キレイに詠おう、カッコつけて詠おうという気取りがなくて、この歌は本心からのものなんだと伝わった。
義清の本気が見れた貴重な場面でした。
藤木、上手い下手はともかく、頑張ってたね。

西行はこれからの人生の方が長いんですよねえ。
20代の俳優ではなく40歳近い藤木を使ってるんだから西行はその晩年まで登場するんだろうし、自分の在り様に延々悶える西行をこれからも見せてもらいたいな。



今回は他の人も見所ありました。
摂関家の面々も動いてるし、源氏も平家もそれぞれ頑張ってるし、後白河は今様ノリノリだし、当代の秀才二人の暗記力比べもあったし、都は荒んでるし、猫はミケもクロも可愛いし、三上鳥羽は顔が男前すぎだし(義清を見る時の顔は良い)、いやあ、先週の濃さとは違ってても今週も濃い。

そして登場してないのになぜか感じる崇徳帝の存在感。
赤ちゃん九の宮を抱いてたっぽいけど、一体あの時帝はどんな顔をしていたのか。
唯一の理解者義清が出家してしまって、一体帝はどうなってしまうのか。
しかも出家の理由、あれだよ? 「母の振る舞いのせいで自分は鳥羽院に疎まれて……」ってあれだけ義清に愚痴ったのに、その母とふしだらな振る舞いをしてしまうなんて、帝にしてみれば裏切り以外何物でもない。
義清も最初は帝のためにとか言ってたくせに、もう、なんだかね、この本末転倒ぶりは。

ナルシスト君の本気の恋ってオソロシー。



ナルシスト、水仙の花言葉。
水仙については前にも書いたけど、鳥羽院と璋子をつないでいたこの花に愛の意味を持たせたのがナルシスト義清だったというのは、なんていうか、巡り合わせだったのかもしれませんねえ。

はあ。なんか溜息が出てきそうです。
みんな苦しいだろうなあ。
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by teri-kan | 2012-03-13 13:59 | 大河ドラマ | Comments(0)

あれから1年 ~2012年Jリーグ開幕~

黙祷と共に今年のJリーグが始まりました。
J2は1週間前に開幕しましたが、J1は週末に第1節が行われました。

新監督を迎えたクラブがゴロゴロいる中、新監督同士の対戦となったのが広島対浦和。
結果はチームの熟成度に一日の長……というには違いすぎる熟成期間の長さ(6年の長)を持つ広島に軍配が上がり、ペトロヴィッチサッカーに負けたペトロヴィッチ監督、といった形になりました。

家を建てるために土台から作らなければならないペトロヴィッチ監督と、既に出来ている家の間取りはそのままに補強や壁の塗り替え等を行った森保監督、といった感じかな。
どちらもまだチームとしてはこれからですが、出発点の違いがあからさまに内容に表れましたね。



開幕戦らしくロースコアの試合が多かったですが、柏対横浜は見ごたえある打ち合いで楽しめました。
柏にとっては気分の悪いドローだったでしょうが。
去年はあまりにも上手くいった年だったけど、今年の柏は一体どうなりますかね。

優勝候補の名古屋は相変わらずの試合展開で、なんだかんだで最後には勝ってる印象。
仙台も相変わらず勝負強い。
大阪の2チームはどうかなあ。今年はどちらも厳しそう。
ガンバは西野体制があまりに長かったんで、反動も大きいでしょうね。
選手は揃っているので今はアレでもなんとかなるんでしょうが。

昇格組は鳥栖と札幌がスコアレスドローに持ち込んでて驚いた。
というか、なんか磐田って開幕戦でいつも昇格チームとやってるようなイメージが。
FC東京は権田のセーブが面白かったー。
ここも新監督ですが、イケイケドンドンなサッカーやってた東京ならポポヴィッチ監督と相性よさそうなんで、今年は楽しいサッカーを見せてくれそうな予感。

うん、今季は例年に比べて新監督が多くて楽しいですね。
監督交代からまだ2年目というクラブも多いし、若い監督もずいぶん増えたし、いろんな成長が見える1年になったらいいなと思います。



当たり前にサッカーを楽しめる日々に感謝。
去年の今日は日本中が大混乱の只中にありました。
今も苦しんでいる人はたくさんいらっしゃいますが、だからこそせめてありがたいという気持ちは忘れずにいたいと、1年後のJリーグを観ていて思った次第です。

また1年、前に進んでいきましょう。
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by teri-kan | 2012-03-12 13:20 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

アルガルベカップ

なでしこジャパンは惜しくも準優勝。
決勝ドイツ戦の後半40分以降は漫画みたいな展開で、負けたとはいえ面白い試合でした。

なでしこジャパンの劇的さは折り紙付きというか、なんだろう、この毎度毎度のドラマチック展開。ただ単に「粘り」で説明できるものでもないと思うんだけど、これが上り坂を登っているチームの勢いというものなのか。

澤がいなくてもアメリカに勝てるとか、選手起用やポジションがテストだというのにドイツと競り合えるとか、なんかなでしこ凄くない?
決勝の4失点はいただけないけど、ドイツに3得点できたと考えればすごいことだし、若い選手が成長してるし、全体的にW杯よりかなり上手くなってるし、うーむ、もしかしてもしかして、オリンピックも結構いける?

実はドイツ戦の間思っていたことは、「W杯の時のなでしこエライ!」だったんですよねえ。
よくぞこのドイツの鼻先でオリンピックへの扉を閉じた!と、今更ながらなでしこの偉業をかみしめたんです。
アメリカにPK戦で勝ったことばかり言われるけど、ドイツの地でよくドイツに勝てたよね。女子サッカーでにドイツが出ないことは表彰台が一段空くということだから、本当にすごいことなんだ。

このドイツがオリンピックに出なくてホント助かりました。
純粋なサッカーファンとしては強豪国が見れなくて残念だけど、まあしょうがない。なでしこは金メダルをマジで狙ってるんで、ドイツ代表にはTV観戦してもらいましょう。



永里がいい活躍を見せてくれてホッとしました。
高瀬が得点してこれまたホッとしました。
高瀬はなんていうか、本田圭佑的に言うなら「持ってない」選手っぽかったので、アメリカ戦の立役者になれたことでこれからいい感じになればいいな。

残念だったのは海堀。
他の選手が軒並み成長している中、かなり停滞。
特に決勝戦の最後の失点は本人的にも思うところが大きいでしょう。
反省は当然として変に落ち込まなきゃいいんだけどね。

そんな心配してしまうほど4失点目はいろいろと最悪でした。
五輪本番じゃないから笑っていられるけど、本番じゃないからといってもあれはひどすぎだし、海堀には奮起を期待したいところです。



課題がたくさん見えた上に、収穫がはるかに大きかったアルガルベカップ。
いい大会ですね。
これくらい強化に有益な大会だったとは、おみそれしました。
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by teri-kan | 2012-03-09 12:06 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)