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「アバンチュリエ」3巻

ノッてきました。
非常にいい感じです。
これはルパンファン以外にもいけるのではないか。
加速しつつある良い勢いがビシビシと紙面から感じられます。

収録されているのは「ハートの7」の解決部分と「おそかりしハーロック・ショームズ」「赤い絹のショール」の計3編。
どれもそれぞれに面白いのだけど、まずは「ハートの7」。

犯人の顔が秀逸です。
個性的なおっさんの絵がホントに上手いですね。
ギャグ入った悪人顔のおかげで深刻さが軽減されてるのはルパンものに合ってるし、ルパンのシャレのきいた悪辣さと良い対をなしてると思います。
ルパンは夫婦の危機も救ってあげたし、ズルしてでも女性の名誉を大事にしてくれるイイ男ですね。

「おそかりし~」の方は、小説が絵になるとわかりやすくていいなあとしみじみ思ったお話。
おフランス史がふんだんに盛り込まれたストーリーで、「ハートの7」のシャルルマーニュのモザイクもそうだけど、フランスの豊かな歴史と文化がマンガだとよく理解できます。
ショームズにネガを撮られる場面は、ホントーにカシャッカシャッと撮られた絵でおかしかったです(笑)。私が原作を読んで想像していたイメージは、ショームズの脳裏に白黒反転した文字通りのネガが、服やかつらを取っ払った状態で写し撮られてるってものでした。こういう違いは読んでて面白いですね。

名場面であるネリーとのバッタリ再会シーンも、想像していたよりもルパンがカッコ悪くて良かったです。
ていうか、あそこまでカッコ悪かったっけ? あれじゃ唐草模様じゃないだけで日本のドロボウと大差ないんだけど。
なんなんだろう、あの斜め結びスタイル。ダサすぎるにもほどがある。
宝石を盗んだからというよりも、あの格好だけでダメだ(笑)。ネリー気の毒すぎ。

原作を読んだ時は、いたたまれない恥ずかしさは当然としても、もうちょっとスマートな姿だと思ったんですよねえ。
スマートであるべきだという願望が生み出したイメージだったのは認めますが、にしても絵になったら全然容赦なくて、ここは見事に幻想を打ち壊してくれた場面でした。

「赤い絹のショール」も原作が大変面白いのですが、マンガでは謎解き部分もさることながら、ルパンとガニマールの因縁がすごかったです。
因縁というか、ルパンの性格の悪さというか、ルパンがあまりにヒドすぎて、読んでてガニマールが気の毒で気の毒でしょうがなかったです。

ルパンはさ、あの愛嬌と女性へのやさしさで目が眩んでしまいがちになるけど、性格すごく悪いんだよね。本当にかなり悪いんだ。
それなのに魅力的だから困るんだけど、悪いヤツほど頭がいいってのを見事に地でいってる人ですよね。
何でも出来ちゃうし、先のこともやすやす読めてしまうし、だから平気で他人をバカにするし、これの成れの果てが「813」の、人をただの駒としか見ないあのブラックルパンで……。

あー、恐い恐い。

本当に、3巻のルパンはそれまでと比べて随分悪人ぶりに磨きがかかりました。
絵も洗練されて、顔はよりシャープに、男っぷりも上がってます。
だけどとんでもないヒトデナシ。
「おそかりし~」のお人よしお坊ちゃんがしみじみなごめるくらい、3巻のルパンはヒトデナシでした。

フランス人が学校図書館にルパンシリーズを置かないことも納得です。
今までも納得してたけど、更に納得できました。



ホント、悪人だよなあ………………好きだけど。
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by teri-kan | 2012-04-27 16:32 | 漫画 | Comments(0)

「日本の歴史をよみなおす(全)」

著者、網野善彦。ちくま学芸文庫。

現在本屋さんの文庫コーナーに新刊っぽく並べられていますが、最初に刊行されたのが1991年と1996年、2つを合わせて文庫化されたのも2004年と、実は結構昔の本です。
なのに「全ての日本人が読むに値する数少ない本です!」「いま読んでる本を止めてでも」と帯に新刊っぽく書かれていたので、つい手にとってしまいました。

内容は、南北朝の動乱期に日本の社会は大きく変化しており、その時に生まれたものが現在までつながる日本のもととなっている、というもの。
そんな中世に起こった変化を、庶民の識字率や経済活動、宗教、社会的弱者のあり方、といった様々な面から膨大な資料にあたって読み解いていく、といった内容です。

私は日本の歴史に興味はあれど読むのは古代モノばかりだったので、こういった中世の話はとても新鮮でした。下手な先入観なく読めたと思うし、庶民の生活ぶりには成る程と思えるところが多かったです。
非人と言われる人々がどのように差別される階層となっていったかも興味深く読みました。
非人や女性といった虐げられていた人達の救済に鎌倉仏教が尽力していたということも。

一方で、この本を読むのがちょっと遅かったかなあという気も起こりました。
例えば、江戸時代の女性の地位については、NHKの「お江戸でござる」なんかで女性の立場が結構強かったことは聞いていたし、明治以前の日本が海洋国家だったことも、詳しいことは知らないにしても、そうだったということくらいは今はもう結構認知されてると思います。
江戸時代までの日本は80~90%農民の国だと言われていたがそれは誤りだ、というのも、普通に国内旅行したり紀行番組見たりしていれば薄々わかることで、江戸時代に商工業で栄えた町が全国にざらにあることを考えれば、「教科書は建前しか教えてなかったんだな」と、なんとなく察することはできるんですよね。だから「日本は昔から経済が発達していたのです」と言われても、今は驚くというより「まあそうだよね」と納得するって感じじゃないかな。

そもそもそうでなければ明治にいきなり近代国家に、なんて無理だったでしょうしね。
明治の急速な発展や戦後の急速な経済成長が「江戸時代が終わるまでほとんどの人間が農業しかしたことありませんでした」って国民に出来るかといえば、それはちょっとねえ、やっぱり難しいんじゃないかと思いますもんね。

……と、経済ド素人の人間が感覚だけで語っていますが、そういうわけで、だからこの先生が書いてることは成る程と思える事が多かったです。
多くの人が事実と思い込んでる建前と、実際に起こっていたことと、その間にある差を明らかにして日本の歴史を別視点から捉えなおすというのは、確かに面白いものでした。

で、そういうのはまあいいんだけど、本書にはどうもいろいろと微妙なところもあって、それについては読みたい方だけどうぞって感じで続きに置いておきます。
自分で書いててなんですが、日本人にとってデリケートな話題ということもあって、全然楽しい話じゃないのでご注意を。





続き
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by teri-kan | 2012-04-25 13:19 | | Comments(2)

いつもの大河ドラマのようだった

今週の「平清盛」は「さらば父上」。
しめっぽい展開になるのかと思いきやあまりそんなことはなく、粛々と世代交代に向けて話は進んでいきました。
忠盛の死というドラマ的大事件が起こる割には案外つなぎの回で、全体的に出来事の羅列といった印象かな。
そういったところがなんとなく普通の大河ドラマっぽかったです。
なんていうか、つっこみどころがあまりないって感じ。

それも含めて「平清盛」的にはいろいろともったいなかった回だと思います。
このドラマは当時の政治状況や経済状況は極力簡潔にして、人の感情の方をより表に出して描こうとしていると思っていたのだけど、今回はそれが随分適当な印象。
特に家成邸を襲った頼長への報復に駆り出されそうになった時の平家一門は、もうちょっとそれぞれの思いを掘り下げてくれたら面白かったのになあと思います。

忠正は可愛がっていた家盛を引き立てた頼長に対する思い入れがあったでしょうし、家盛と頼長の間に起こったことを頼長本人から聞かされた忠盛は、息子の敵討ちに近いことが院のお墨付きを得て出来るということで、引き受ける受けないは別にして、心はかなり揺れたはず。
平家一門として院の言葉は聞くしかないが頼長への思いもある忠正と、頼長邸を襲って摂関家を敵に回す愚は避けたいものの、家盛を愚弄された恨みをわずかでも晴らせるかもしれないという忠盛と、ここは個人の感情と政治との兼ね合いが忠盛と忠正の兄弟でもかなり違うということを示せる機会だったのに、清盛のセリフでうやむやになっちゃって、結構もったいなかったな。
忠正が頼長を支持する理由はどうせいずれ出るのだから(理由は家盛がらみと個人的には予想)、ここで忠盛のわだかまりに絡ませても面白かったと思うんですけどね。

せっかく家盛と頼長の大名演があったのに、あれをとことんまで活用しないなんて惜しすぎますよねえ。
頼長が家盛をネタに忠盛をいびって忠盛がキレて終わり、だけじゃせっかくの決死の男色シーンがもったいなさすぎる。
兄を敬愛していた忠正でさえ兄との間に埋められないものがあった、いわんや清盛兄弟をやって展開までもってこれれば、忠盛が清盛達に「兄弟力を合わせて」と言った重さもまた増すだろうに。

ま、それでも平家は源氏の兄弟のように血生臭くはないですけどねー。



安芸の国の海の幸山の幸が豪勢で笑いました。
厳島神社はまだまだしょぼくて、これまたいい味が出てました。
本格的に海に乗り出す前に都のゴタゴタをなんとかしないといけませんが、まずは次回、そろそろ保元の乱に向かって一直線のようで、今回がアッサリ風味だった分、濃いドラマを期待したいと思います。



というわけで、さらば忠盛。
偉大な父がこの世から去って、清盛も少しは大人になれるかな。
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by teri-kan | 2012-04-23 15:45 | 大河ドラマ | Comments(0)

ドラマの音楽

大河ドラマ「平清盛」のオープニング曲は吉松隆作曲。
大変良い曲で、去年はオープニングを早送りしてビデオを観ていたけど、今年はきちんと毎週聴いています。

不安定なリズムが平安末期を強く感じさせてくれます。
繊細でありながら力強く、前向きでありながら一寸先は闇といった調子です。
雅と野卑がまざり合ってて、でも格調は高い。

映像も美しく、黒、白、赤、青、金、緑、という色彩の変化は特筆ものです。
この色の移り変わりは、めまぐるしく移ろう当時の社会や権力の行方を表わしているかのようです。
投げられた賽をバックに浮かび上がる鳥羽院の名前もGOODです。
今後は後白河の名がその役を務めそうですが、嵐を招く人物、あるいは嵐を呼ぶ人物といったところでしょうか。
闇に落ちていくあのサイコロの行方は、深く考えるとかなり厳しいものがありますが。

初見で感じた人の多さは、見る回数を重ねていくほど良い背景になっています。
どんな景色よりもCGよりも、動く人間は飽きずに綺麗と感じることができるということかもしれません。
武士の鎧装束も当たり前ですが人が身につけてこそ美しく、時代を変える原動力となる武者行列はスロー映像でも迫力があります。
揺らめく松明の向こうに鎮座する公卿連中は座して衰退するのみ。
念ばかりが強そうな禍々しさは平安時代の闇そのものです。
はい。確かに子供の笑顔くらい映さないと、救いがなさすぎるかもしれませんね。

これほどまでに音と映像がピッタリあった、素晴らしいオープニング曲もないのに、なぜドラマ本編の音楽の使い方はあそこまでダサイのか、不思議でなりません。
以前から気になってはいたのですが、前回の「嵐の中の一門」はマジで問いただしたい気分になりました。
どういう意図があってああいった表現になったのか。
センスを疑う音楽の使い方でした。

ドラマ内で使用されるメロディはわかりやすいものが多いので、多用しすぎると押し付けがましいものになります。ダサイを通り越してうっとうしいと思われかねないので、もっと工夫してもらいたいものです。
「タルカス」の使い方は良いと思いますが……。
あ、公家パートの音楽もいいと思います。
やはり平家パートですかね。極力そぎ落とすくらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。
もうちょっと空白の美というか、無の美というか、ないことによって掻き立てられる感情というものを大事にしてもらえればなと思います。
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by teri-kan | 2012-04-20 15:03 | 大河ドラマ | Comments(0)

タカラヅカの「銀河英雄伝説」

いよいよ宝塚が「銀英伝」をやるそうです。

以前「銀英伝」の舞台について書いた時、宝塚にも触れましたが、とうとうと言うかやはりと言うか、宝塚に向いてると思ってる方は多かったってことなんでしょうね。待ってましたという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、いざ宝塚で「銀英伝」!と具体的に想像してみると、なかなかいろいろと問題もありそうです。
恋愛部分を増やさないといけないのは確かだろうけど、宝塚で向いてそうで思いつくのってアンネローゼとキルヒアイスくらいしかないような。
ラインハルトの恋愛はドラマチックとは程遠い代物だし、彼は恋愛とかけ離れたところで全精力を政治と軍事に傾けるのが良いところだったし、国取り途中の彼が女の子に恋するのはあまり想像できないんですよねえ。
でも主役がそれじゃ宝塚的にはイマイチでしょう。他の人で華々しくやるにしても。

ま、ロイエンタールの女関係は大いにやってもらいたいところですけどね!

とまあ、恋愛面どうなるんだろ、と思いつつも帝国側の想像は簡単にもくもくと膨らむんだけど、同盟側は難しすぎる。こっちはあからさまに宝塚に向いてないような気がする。
大体軍服が華麗じゃないしなあ……。
フレデリカもひらひらドレスじゃないし。

同盟側、特に大好きなイゼルローンの人達のノリは、なんていうか、体育会系というか部活のノリというか、年代に関わらず「男の子!」って感じがして、そこが面白くて好きなんだけど、宝塚でそういうのってどうなんだろう。出来るんだろうか。
宝塚風の同盟軍でもいいけれど、それで上手くいくのかどうか不安なところがありますね。



……なんてことを舞台もまだなのにアレコレ考えた宝塚の「銀英伝」でした。
いつかテレビでやってくれないかな。
WOWOWとかでタダで見れたらうれしいんだけどな。




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by teri-kan | 2012-04-18 11:09 | | Comments(0)

歴史は歴史、ドラマはドラマ

先週、まんまと頼長に踊らされた家盛。
苦しんで、幼き日を懐かしんで、失意のうちに命を落とした家盛。
そんな家盛を惜しむシーンから始まった今週の「平清盛」は、やたら登場人物の多い回で、それぞれに言いたいことはいろいろあるのだけど、とりあえず見終わって最も印象に残っているのがこのお方。

よーりーなーがーーーーー。

サイテー、あんたサイテー。
忠盛をいびって暗い喜びをたたえる目、酷い言葉を吐くことを至上の喜びとしているかのような口は、もう爬虫類だよ爬虫類。
ヘビ? トカゲ? なんでもいいけど、白いヌメヌメ感がたまらんわ、頼長。
山本耕史、よくこの役を引き受けてくれた。
キャスティングした人も、ありがとう!

頼長は悔しいんだろうなあ。
家盛が死んでも生きててもどっちでも構わなかったろうけど、死んだことで平家がしおしおとしてくれれば万々歳だったのに、忠盛も清盛も仕事に邁進して、気がつけばなぜか公卿寸前。
なんでこう上手くいかないんだキイィィィィーー!と思ってるのは明白なんだよね。

彼が他人をいびればいびるほど、オレの言うこと聞けよ、摂関家なんだぞ、左大臣なんだぞ、エライのはオレなんだぞコラ、という本心が透けてきて、彼の器の限界まで見えてくるところが面白いです。
結構小者なんだよね。今後を想像するに、彼はこれからますます他者への嫌味と侮蔑を垂れ流して生きていくのではないかな。

そんな左大臣様(今回出世しました)に死んだ息子を侮辱された忠盛ですが、よくあそこで立ち上がっただけで済みました。打たれ慣れているとはいえ、あれは父親にはキツかったでしょう。
しかし、「ボクと家盛はデキてたんだぜ」発言を聞いて驚いた忠盛はどう解釈すべきか。
現実の院政期を考えるなら、頼長に重用されるということは体の関係アリでしかありえないので、忠盛が驚くにはあたらないし、それを言うなら忠盛だって……って話になる。
でもこのドラマではそういった権力闘争と男色のセットは一般的ではないらしく、平家に楔を打ち込むために家盛をタラしこむというやり方は、それはそれは卑怯で滅多に見られない手段といった風に描かれているのです。
言ってみれば、頼長があの時代の唯一のホモのような描写になっているのですよ。
卑怯な唯一のホモ、といった描写に。

ドラマ的には面白いからいいんだけど、現実の頼長さんにしてみれば、「ちょっ、それっ、違っ」って感じじゃなかろーか。「他の皆もやってたじゃないかー」じゃなかろーか。
もしかしたら今頃「あんな日記書くんじゃなかった」とか思ってませんかねえ。
いや、むしろ21世紀まで自分の日記が散逸せずに残っていることに驚いてるかも。ていうか、やはり日記が残ってることを誇りに思ってそうだ。
……と考えるなら、うん、まあいいか、日記から想像を膨らませて頼長のキャラを今風に描くのも。唯一のホモでも、嫌味垂れ流しの小者でも。彼の無念に今の人間が思いをはせるなら、有名になった理由がアレでも頑張って生きた甲斐があったというものだし。
……と思ってあの世から見ててくれないかな。
ま、摂関家自体は何をどうしたってダメダメだけどねー。



宗子を救ったのが丹精尽くした曼荼羅だったというのは良かったと思います。
大きな仏様、美しい仏様、美しい景色、美しい花、普段見られないそういったものを目にした時、人の心は一瞬でも無になったり透明になったりすると思うのですが、その一瞬が悲しみに支配されている人の身には救いだったりします。
曼荼羅の仏様に家盛を見ることができて宗子には良かったです。
宗子は本当に本当に苦しかったと思うのでね。

そして、とうとう毛のない西行登場。
彼が清盛に与えたアドバイスは、平家一門内の清盛のはみ出し具合を理解できているからこそで、それは西行が都システムから出てみないとわからなかったことかもしれません。
都人でありながらシステムに属さない出家人だからこそ、平家の人間でありながら血のつながらない清盛の出来ること出来ないこともわかるのでしょう。
朝廷や都社会を傍観者として見ることができている西行というのも、彼のアドバイスからは感じられました。
西行の存在は今後ドラマでかなり重要になりそうですね。

にしても、鳥羽院だの信西だの明雲だの、ここんとこ肉や魚の匂いがしてきそうな濃い坊主ばかりを見てたので、西行の爽やかぶりはなんとも心地良いです。
西行は髪を剃って普通に軽くなってますもんねえ。剃ってますます野心の釜をかき混ぜてる人達とは全然違います。
今回登場した絵師のお坊さんと歌人の西行。
芸術に身を置く出家者は、この政治劇の中では手を合わせたくなるようなありがたさですね。

政治や社会とかけ離れた場所で二人ぼっちでいる崇徳院と後白河もいい感じでした。
出家したわけじゃないのに世の中に見捨てられたお二人です。
和歌の好きな兄院と、今様狂いの弟宮。
悪いコンビじゃないのに……これから先を思うと世の中って恐ろしい。
兄弟って難しいな。

この時代、ホントに混沌としてるんですよね。
歴史って結果でしかないんだと思うと、混沌の中で生きてる人達には誰にでもガンバレのエールを送りたくなります。
来週も皆さんには頑張ってもらいたいものです。
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by teri-kan | 2012-04-16 16:25 | 大河ドラマ | Comments(0)

「SWAN」モスクワ編 その17

2012春号、読みました。
さすがに物語がぐんぐん動いています。
人の死がもたらす影響は大きいですね。

感想です
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by teri-kan | 2012-04-12 10:39 | 漫画(SWAN) | Comments(11)

行きゃあいいってもんじゃない

サンフレッチェ広島のミキッチのコメントが反響を呼んでいます。

安易な海外移籍決断に異を唱える、広島・ミキッチのJリーグ主義。

彼の主張をかいつまんで言えば、
「強いクラブから声がかかって移籍するのはわかるけど、なんで弱小クラブにわざわざ行くわけ? そんなクラブよりJリーグの方がレベル高いし運営もきちんとしているし、なのにヨーロッパならどこでもいいって意味わかんねー」
というものです。

ミキッチの意見はもっともだし、最近の伊野波や槙野といった日本代表クラスのJ出戻りの事情があまりにアレだったもんだから、「そうだそうだ」の声が高くなるのは、まあわかる。
海外移籍礼賛が根強い日本の状況下であまり口に出せなかった分、「外人選手から見てもやっぱりおかしかったんだ」とおおっぴらに議論もできる。
ただ、それでも「どこでもいいからヨーロッパへ」という思いが沸き起こってくる選手を止めることはこれからもできないだろうと思う。
クロアチアリーグだってドイツの2部だって本場ヨーロッパサッカーのはしくれ。
極東に生まれた者の悲しさを抜きにしては語れない事情というものが日本にはあって、「本場の匂いをかいでみたい」という日本人の本能は理屈でどうにかなるものではないのです。

でもシビアなことを言ってしまえば、能力がそこそこの選手はヨーロッパに行ったからってそう簡単には成功できないんだ。
行けば成長できるってもんじゃない。
そこの見極めだけはしっかりやってもらいたいなあ。
伊野波なんて、「なんでクロアチアのハイデュク・スプリト?」って感じだったし、案の定給料未払いの末の帰国。
ヨーロッパって昔からしょっちゅう給料未払い問題が起きていて、わかっていてなんであんなクラブに移籍するのかわけわからんかったけど、結局そんなクラブからしか呼ばれないのが現実なんですよね。そこのところはやっぱりきちんと考えてもらいたいです。

まあそれでも試合に出てた伊野波はマシで、槙野の場合は肝心の監督に受け入れてさえもらえませんでした。
私はゼロ円移籍は日本国内でさえ改善した方がいいと思ってる人間なんですが、槙野は「ゼロ円なら欲しい」とさえ言われなかったばかりか、現地のテストさえ不合格で、フィンケのおかげでケルンに入団できたものの、まともな扱いされないのは当然といえば当然だったんですよね。
あの時も思ったし今も思うけど、なんであそこまで自分を安売りしたかなあ。
でもそれでも彼はその道を選んで、それほどドイツでやりたいのなら死ぬ気で頑張れって送り出して、でもやっぱりダメでしたからね。
本当に、ただ行きゃあいいってもんじゃないんですよ。



ミキッチはクロアチア人として伊野波の移籍したリーグとクラブの現状をよく知っているし、槙野のチームメイトとして彼の移籍の経過もよく知っているし、だからこそ今回の苦言となったわけで、言ってみればこのことを訴えるのに最適の人物だったと思います。

傾聴に値すると思いますよ。
ファンとしては海外で成長してもらいたいと思うと同時に、無駄にキャリアを潰してほしくないとも思っているわけで、海外移籍はよくよく考えて選んで行ってほしいですね。



とかなんとか書いていたら、川崎の相馬監督解任のニュースが。
うーん、仕方ないとはいえこのタイミングかあ。
こりゃ未だ未勝利の5クラブには結構プレッシャーかもしれないな。
元ガンバ監督の西野さんとか元清水監督の健太とか、優良監督が今フリーだから争奪戦になりそうな予感。

にしても、4月の時点で監督解任候補が何人もいるなんてありえんのだけど……。
こんなんでW杯最終予選を落ち着いて迎えられるのだろうか。
結構心配。
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by teri-kan | 2012-04-11 13:19 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

チャレンジャーだなあ

「家盛決起」はホモ回にあらず、微妙なすれ違いが生んだ悲しい家族の物語である!

……と宣言しても、インパクトの強さは如何ともしがたく、頼長と家盛シーンに話題をかっさらわれるのは仕方ないんだろうなあ。
まあ確かにすごいんだけどねえ。
ホント、よくこんなの電波に流したなあ、NHK。

去年の大河ドラマも、家康の伊賀越えに江が同行していたのには「チャレンジャーだなあ」と思いましたが、今回のチャレンジはあれとは比較になりません。
ありえないことを創作するのは、失敗してもバカにされるだけで済みますが、タブーと思われていること(男色シーン)や触れない方がいいんじゃないかと思われている事実(院政は男色がフツー)を放映するのは、批判もシャレにならないものになる可能性が大なわけです。
「平清盛」スタッフはそこに堂々と挑んだわけで、いやー、さすがにこういうのは避けるだろうと思っていたものだから、こっちもビックリしました。変に曖昧にせずきちんと描写していたし、うん、これなら今後戦国モノでも出来るんじゃないかなあ。案外ドラマ表現の幅も広がるのではないか。

まあそれはいいとして、山本頼長、恐かったですねー。
陰険貴族の底意地の悪さ全開で、さすがロクでもない手段で他氏排斥を何百年にも渡って延々やってきた一族の血を引くご子息でありました。
ネット上では真意を明かすのが早過ぎると言われてましたが、あれはあれでいいんでしょう。
真実を知って苦しむ家盛をいたぶるのは彼の趣味だろうから。
嫌がりながらも自分の言うことを聞くしかない相手から財産を搾り取るのがいいのだから。
それこそが摂関家の威光を相手に知らしめるということなのだから。

基本摂関家の人間は皇族と摂関家以外はどうでもいいし、武士なんてそれこそ人間として見てないし、自分の仕掛けた罠でもがき苦しむ姿に「ケケケケケ」って袖の向こうで笑えればOKで、言うなればそれだけ彼らは絶対的な力を持ってるってことなんです。
目をつけられたらその時点で終わり。「家盛が一門を売った」と頼長が言えば、その通りにしかならない社会的現実があの時代には確固としてあるのです。
頼長からお声がかかればそれだけで平家一門大喜びの、飼い主と犬とでも言うべき、決して埋められない力の差が。

可哀想になあ、家盛。

頼長からお声がかかってもただ一人尻尾を振らない清盛の器の大きさ(決して妬みだけで喜ばなかったわけではない)を、家盛はかなり正確に知っていたんじゃないかな。
幼い頃から兄上大好きだった家盛は、清盛の美点を最もよく知る人間の一人で、兄のようには振る舞えない自分というものもわかっていただろうし、だからこそ己の出来ることをしようと一門の益となることをすすんでやってたと思う。
でもそれが完全に裏目に出てしまったよね。
しかも兄を愛した家盛の存在こそが平家の要になっていたということを、肝心の父と母がわかっていなかったのが彼にとっては不幸だった。

可哀想に。

父・忠盛には三つの側面があって、舞子を愛した男の部分と、社会の壁を破って国政に参加するという大望と、平家の棟梁・家族の長としての責任と、この三つが彼の理性の下で並立してるんだけど、宗子は妻として夫の過去の女がどうしても気になるし、清盛は父の大望と自分を重ねることしかしないし、家盛は平家一門の中での立ち位置ばかりを考えて、忠盛を中心にこの三者がまとまらなければならないのに、肝心要のそこがバラバラなんですよ。
忠盛はそもそも無茶なことをその身に抱えていて、でも大望に近付くことが平家栄達と重なっていた時期は上手くやってたんです。いずれ清盛が棟梁になれば公卿にもなれそうだし、そうなれば平家繁栄も約束される。そういう夢が見られるうちは忠盛も理性で生きていけた。
でも今や清盛は社会的にも平家内部的にも排除されつつあって、望みが潰えそうになってしまえばさすがに忠盛の心も揺れる。家盛が跡継ぎになりたいと言うなら「それもいいかな」なんてブレてしまう。

簡単に言えば、老いちゃったんだろうな。
姿には見えねど老いが入ってきたというか。
鳥羽院の覚えめでたい清盛だったけど、それがダメになるなら頼長の寵を受ける家盛という手もあるなと、うっかり思っちゃったところが父は昔の父ならず、ってところなんでしょうね。
忠盛がその大望を抱いたきっかけは清盛の存在にあったはずなのに。

宗子は宗子で舞子より愛されない自分の悲しさを「家盛が哀れ」という言葉でごまかしちゃって、これはちょっとね、本当に家盛が哀れすぎだ。
母親は息子を哀れがり、息子は笑わない母を哀れがる。
ババを引いたのは「なんとかせねば」と先に動いた息子の方。
母親としてはたまらないだろうな……。



とまあ、ホントのテーマはここにあるんだけどね、「家盛決起」。
でも頼長とのアレがやっぱり話題になるよね。
まああれは個人的にもいいシーンだったと思います。
頼長の優雅な猛禽類と獲物家盛、という図は、単純に美しかったです。



平家も源氏も摂関家も、微妙に親子間、兄弟間の軋みが生まれつつあって、ドラマとして非常に良いところにきていると思います。
次は平家内部は大嵐っぽいし、崇徳院も出るっぽい。

来週もとっても楽しみです!
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by teri-kan | 2012-04-09 15:19 | 大河ドラマ | Comments(0)

キリンカップのなでしこジャパン

アメリカチームが被災地訪問してくれたことに感謝しつつ迎えた女子のキリンチャレンジカップ。
なでしこ対アメリカは正直ちょっと飽きたというか(笑)、試合内容も「お互い手の内は知っている」といったものになりましたが、対戦を重ねたおかげでアメリカに対する恐れは随分と薄まってきている感じがします。
決して甘く見てはいけない相手だけど、アメリカに対して日本はいい状態まで持ってこれたのではないですかね。

ブラジル戦は4-1の圧勝。
ただ、ブラジルの日程を考えれば、今回の彼女達のあれが本当の力とは考えられない。
前半は相手の技術になでしこの方が翻弄されましたが、おそらくブラジルがコンディション万全ならば、あれが後半もずっと続くのではないかと想像します。今回の点差だけ見て「いける」とは、あまり考えない方がいいでしょうね。

でもそれはブラジル側の事情で、なでしこの現状だけを考えれば、正直にホクホクしてもいいじゃないかと思います。
それくらいなでしこは、我らがなでしこジャパンは……層の厚い良いチームに成長し続けています。

なんかねえ、なんだろう、このあまりにも上手くいきすぎてる感覚は。

澤はピンチだし、マイナス材料だってあるはずなのに、様々な懸念を吹き飛ばすかのようななでしこ対ブラジルでした。4点目が入った時は「相変わらずマンガだなー」と、感心するしかなかったです。

新たに出てくる選手がどんどん活躍してくれるのはいいんですが、サブのメンバーはあまり詳しくないのでこっちも名前をしっかり覚えるところから始めないといけません。
うれしいことだけど、でもポジション争いは熾烈そう。
ワールドカップで活躍したからといって全然ロンドンへ行ける保証なんてないですもんね。
みんな大変だ。
でもオリンピックはますます楽しみだー。



ところで、松木さんって今までなでしこの解説したことあったっけ?
あまり覚えてないんだけど、今回ブラジル戦の松木解説を聞いて結構感心したんですよ。
「あ、ちゃんと解説やってる」って。

男子の時はあの人完全にサポーターですからね。
「PK!PK!」「これからですよ!諦めちゃだめですよ!」ってテレビ視聴者の代弁者、あるいは励まし隊。
あの味はあれでいいんだけど、今回は大竹さんに遠慮してた感じでした。
うるさくない松木解説ってのもあるんだなーと、感心したブラジル戦でもありましたね。
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by teri-kan | 2012-04-06 15:53 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)