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赤い羽根運動はじまる

後白河院の御前で舞うならともかく、京の場末を真っ赤な羽付き衣装でウロウロしてたら目立つ事この上ないと思うんですが。

……といった感想を抱かずにはいられない今週の大河ドラマ「平清盛」でした。
まあ、その違和感が平家が力を持ちすぎている世の危うさを表わしているんだろうけどね。



そういえば日本の鳥でカラフルなのはいないんだよなあと、赤い羽根にワクワクする後白河院を見て思ったのでした。
そういうものを初めて目にした時の驚きと楽しさは現代人にも通じるものだし、だから「院が宋人と直に会うなんて前代未聞」とブルブル震える人達より院の気持ちの方が理解できる。
だけど、古い慣例に縛られてる人達を安易に笑えないというのもあって、物品でも習慣でも、古いものは古いものでいいものもあるのだということ、明治維新や敗戦で過去を簡単に捨ててきた日本人としては苦々しく思うこともあったりします。

伝統を守りつつ革新を続けるって難しいですねえ。



殿下乗合事件については、ドラマでは報復の黒幕は清盛ということになっていました。
あそこまで苛烈な報復(髻を切ったり)になったのは多分時忠のせいで、今回は妙に時忠の存在感が大きかったですね。
で、なにげに良い事というか恐い事を今回も口にしてるんだよね。
「正しすぎることがもはや間違い」とか。
いやー、時忠って政治家に向いてるんだなー。

といいつつ、重盛の信念もわからないではないです。
ていうか、今回の重盛見ていて思ったんだけど、急激に成り上がった棟梁の後を継ぐ人間としては、彼はまさに最適な人物なんじゃないかな。
重盛のこの政治スタンスで何年もやっていたなら、おそらく平家は貴族社会の一員として京で末永く存続することが出来たんじゃないかと思います。
そりゃ時には摂政の嫌味を聞いたり政治的な嫌がらせをされたり、いろいろ我慢をしなきゃならないこともあるでしょうが、社会で生き続けていくというのはそういうことだし、ましてや政治の中枢にあるなら筋を通すことは大事だしバランスを読む力は必須。

重盛がこの路線で摂関家とぶつかり合いながらもお付き合いしていけば、何代後かにはお互い相手があって当然の関係になったと思うし、京の貴族社会にしっかりとした根を張ることができたんじゃないかなあ。
平家ってさ、武士なのに貴族になろうとしたからダメだったんじゃなく、貴族社会の一員になれなかったからダメだったんだよ。で、貴族社会の一員として認められるには、重盛のやり方が多分最も正しかったんだよ。
相当イライラするし、とてつもない我慢が必要だけどね。
でもそうしなきゃ様々な怨念の染み付いた朝廷で、魑魅魍魎うごめく京の都で、一族が生き残ることは難しかったでしょうね。

……といった感じの今週の大河ドラマ「平清盛」でした。
いよいよ平家一門がおかしくなってきましたね。
他者への気遣い、どんどんなくなってるなあ…………重盛以外。
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by teri-kan | 2012-09-28 12:39 | 大河ドラマ | Comments(0)

「SWAN」モスクワ編 その19

「SWAN MAGAZINE」秋号は、真澄の「アグリー・ダック」の舞台のみ。
リリアナとは全く違う解釈と表現、真澄の舞踊を完全に確立して、終わってみれば大喝采の大賞賛。
「SWAN」という長い長いストーリーの到達点に辿り着いた瞬間でありました。

ちょっと昔を思い出しましたね。
小学生の頃、「SWAN」のどこに惹かれたのかという根本的なところ。
好きだったのは、やっぱり舞台で踊ってるシーンだったんですよね。セルゲイエフ先生のスパルタや日常シーンもいいんだけど、綺麗な衣装を着て森やお城をバックに優雅に踊ってる姿が、子供の私は何より心惹かれたのです。

だって問答無用で美しかったですもん。
ベタをバックにチュチュが透けてるのとか、そこから宝石がこぼれるようにキラキラ輝きが連なっているのとか、今でも人に「SWAN」を薦めるなら私はバレエシーンの美しさを挙げるけど、エドやレオンの肉体美にどっぷり惚れつつも、やっぱり基本はクラシックバレエの、物語も装飾も含めた美しさなんですよ。
モスクワでの「白鳥の湖」の勝負や「森の詩」の舞台なんて、バレエのストーリーと真澄のストーリーが見事にシンクロして、二倍美味しい劇中劇の楽しさも味わえました。
登場人物の葛藤や成長が見た目にキレイなバレエと共に進行して、そういうのとても好きだったなあ。

「アグリー・ダック」は「SWAN」本編後半から登場するバレエ作品では、唯一といっていいくらい物語性のある作品だし、自分の内面を旅するお話だけど暗いだけじゃなくて華やかな場面も美しい場面もある。
久々にキラキラしたバレエを真澄が踊っていることがとても嬉しかったですね。

やっぱね、バレエシーンですよ、バレエシーン。
えんえんバレエを踊っててもいいかもしれない。みんな踊りながらいろいろ考えてるみたいだし、その思考さえあれば、あとは踊りで物語を進めるだけで「SWAN」は成り立つ。
今から思えばコンクールは上手い見せ方でしたよね。いろんなバレエ作品のお披露目見本市。それでもって登場人物それぞれのドラマもあって。
東京コンクールはホントに楽しかったなー。

といった思い出話はここまでにして、今号の感想を。

そろそろ最終回かもしれません
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by teri-kan | 2012-09-24 11:00 | 漫画(SWAN) | Comments(2)

「ルパン、最後の恋」を読みました

これは是非学校図書館に収めるべきではないでしょうか。
フランスも是非是非!
それくらいここに出てくるルパンは素晴らしい。
今の世にも通じる、いや、今だからこそ大事だと思われる理念を、このルパンはテレもせず語り、大いに実践しているのです。

そりゃ若い頃のルパンは泥棒上等、詐欺上等、性格に問題大アリの大悪党です。フランスがお子様に読ませたくないというのもよくわかります。
が、だからといってそれまでの彼を否定して「ルパン、最後の恋」だけを薦めてもダメです。
初仕事からの彼の冒険を一つずつ噛み締めてこそ、この心境に到達したルパンに「ふおおおお」と感動するのであって、いやー、ホント、ルパンいいこと言うなあ。国家に対して個人が持つ根本的な不信感、嫌悪感、それとは対極に位置する個人の自由な魂、そこんとこに言及するクライマックス部分のセリフはね、ホントにとってもいいですね。

ていうか、ルパンファンはそういうのが好きな人達なのかもしれないな。だからルパンのファンなのかもしれない。
自分で言うのもなんだけど、ファンもきっとロマンチストなんだよ。
で、世の中ロマンチストは結構な数いるんだ、うん。



というわけで、ここからはそんなお話の内容の感想を。
以下はネタバレ大有りです。

感想はここから
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by teri-kan | 2012-09-20 10:51 | アルセーヌ・ルパン | Comments(0)

つるつる達の政治闘争

大河ドラマ「平清盛」、とうとう日本史に燦然と妖しげに輝く後白河“法皇”の誕生です。
清盛は先週お先に入道さんになってるし、ドラマ内はツルツルの坊主だらけです。
特に今週のメインは白河院さえ手こずったという山法師。
政教分離が全然出来てない時代の大変さがテーマでした。

今から思えば信長、秀吉、家康らの宗教対策は良くも悪くも見事でした。
仏教もキリスト教も今現在日本で政治的に揉める要因になることはまずありません。
日本在住の外国人にはそういった宗教フリーな雰囲気が居心地良かったりもするそうです。
しかしそうなる以前は日本も他国同様政治と宗教の関わり方に苦労をし続けてきたのでありました。

出家したとはいえ後白河院は顔がギラギラしすぎていますね。世の中のためなど微塵も考えていない、自分のための野望しかない顔をしていらっしゃいます。
信西も政治的野望が顔に表れていましたが、ドラマでの彼のエゴは世のため朝廷のためというもので、一方の後白河院は……自分の感情だけなんですよねえ、本当に。

松ケン清盛は出家してからの方がいいですね。前より幾分威厳が出ています。
実は出家後の方が断然いいだろうというのが師光改め西光。
最初は成親とどっちがどっち?みたいな印象でしたが、西光となってからはわずかな出番ながらも、なかなかの存在感を発揮しています。
はっきり言って若者だらけの俳優陣にあって、貴重な重さを感じさせる演技をしているのではないかと思います。
いいアクセントになってますね。



にしても、宮廷政治は大変です。一代で成り上がった清盛はともかく、その後を継ぐ人間の重圧はとてつもないものだったでしょう。
成り上がりはとかく忌み嫌われるもので、それでも成り上がるだけの才覚を持っている本人はいいけれど、二代目はホントに辛いだけだ。ましてやその跡継ぎの座自体が弟のせいで揺らいでいるときたら、本当に苦労ばかりですよ。

重盛、今からもう胃潰瘍になってそうだ。
いろいろと大変な立場だよな。
父がそばにいればかえって上手く威光を利用できただろうに、おとっつぁんは高すぎる理想を求めて海の近くで好き勝手してるし……。

重盛、ストレスたまりまくりでもしょうがないですね。
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by teri-kan | 2012-09-18 11:07 | 大河ドラマ | Comments(0)

玉石混淆「梅ちゃん先生」

こんな記事が出てました。

梅ちゃん先生 マスコミで好評もネットでは主婦が酷評の落差

「梅ちゃん先生」に感じていた、なんと言っていいかわからない違和感をそのまま表わしたかのようなタイトルです。
そうなんだよねえ。
「梅ちゃん先生」、面白いのに拭えない違和感がいつまでもまとわりついてるんだ。

面白いのは面白いんですよ。
視聴率が良いことを証拠とするのもなんだけど、駄作じゃないんです。たくさんの人に観られているように、良いドラマであることは確かなんだ。
でもネットで酷評というのも理解できる。
もうこれはドラマの初回からそうなんだけど、いいところと悪いところが微妙な感じでブレンドされてて、なんとも言えないまだら風味なんだよね。例えて言うなら白と黒の絵の具を混ぜれば灰色になるけれど、灰色になるまで混ざりきらずに真っ黒も真っ白も混在してるような感じ。
完全に灰色ならば「つまらないドラマ」と言い切ることもできるんだけど、白は白で輝いているからすごく面白いと思う時もあって、なんていうかなあ、その白黒加減が微妙すぎるんですよね。本当に評価するのが難しいのです。

まあ、綺麗ごとが多すぎるというのは朝ドラに関しては今更です。薄ら寒い綺麗ごとを「そんなんあるかー」とか「こういうのが理想だよね」とか、それぞれが思いながら観ればいいのだと思います。
綺麗ごとなら去年の「おひさま」の方が気持ち悪いくらいだったし、「梅ちゃん先生」の違和感はそれだけじゃないし、んー、面白いのは面白いんだけど、初回からどうやら最終回まで、違和感は抱えたままになりそうですね。

今更言うのもなんだけど、やっぱりSMAPだよなあ。
元凶は言いすぎだけど、違和感の筆頭はやっぱりSMAPなんだ。
今でも放送初回の主題歌が流れた時の驚きは忘れられないよ。
さすがに途中からは慣れたけど、習慣で慣れたからといって合わないものが合うようになったわけじゃない。
そこんとこ、どうもあちこちで上手くハマってないんだよね、このドラマ。



ていうか、個人的に「梅ちゃん先生」で物申したいのは坂田先生の扱いですよ。
なんだったんだー、あの突然の退場。
あれじゃもろにアンソニーじゃないか。アンソニーは役に立たない少年で坂田先生は役に立ちすぎる師だけど、主人公の成長のためにとことん人格者に持ち上げ、主人公の人生に邪魔になったら事故死させる。
やり方がまんまアンソニーじゃないかー。

いやね、坂田先生のカッコよさが他の人達を食い始めた頃から危惧してはいたんです。
どういう風に坂田先生の立ち位置を確定させるのかなって。
このまま先輩町医者としてドラマのすみっこで存在し続けるのか、何か用事や使命が生まれてどこか遠くへ行くのか、梅ちゃんにとって一体どういう存在になるのかなあとアレコレ考えていた矢先、いきなりのあれですよ。
もうビックリしましたよ。



突っ込みどころ、「梅ちゃん先生」は確かに満載なんだよね。
なんつーか、面白いんだけど変なドラマですよね。
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by teri-kan | 2012-09-14 11:20 | 朝ドラ | Comments(0)

ブラジルへ大きく前進!

成田行きの電車に乗れるところまでは来たんじゃないでしょーか。
次勝てば航空券まで手が届くかな。
W杯最終予選、ホームのイラク戦を勝利で終えて日本は4試合で勝ち点10。
ここまでは数字的には文句なしだと思います。

ま、試合の内容はイロイロありました。
昨夜も序盤の大ピンチを川島が防がなければ非常に厳しい展開になっただろうし、得点も決めるべきところで決めきれなくて、最後まで気を抜くことができませんでした。

清武はやっぱりゴール出来なかったなあ。
他は文句なしだし、シュート自体も悪くないのに、なんなんだろう、この何かもう一歩足りない感じがするのは。
料理でいうなら最後のコショウの一振りが足りないというか、醤油の一たらしが足りないというか、決めきるまで後一つ何かが不足してるんだろうなあ。
イラク戦はとうとう本田も清武病にかかってしまって、数あるチャンスがことごとく残念な結果になってしまいました。
本田に言わせれば「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないし、出るときはドバッと出る」だそうで、なんでたとえがケチャップなんだろうという疑問はさておき、取れない時は取れないもんだということなんでしょうねえ。
でも出ないケチャップが二人も三人もいたら試合的には大変苦しいので、最低でも一人以内におさめてもらいたいものです。ここんとこ清武はずっと出ないケチャップなんで、本田はちゃんと点を取って下さい。

イラク戦で特によかったのは守護神のお務めを完璧にこなした川島に、安心・安定のインテル印長友、中東勢に強い岡崎かな。
岡崎はいいですね。常にDFの背後を狙い続け、試合終盤でも守備に戻れる。
これくらい献身的に動く選手は見ていて気持ちいいです。前田のゴールへ繋がったプレーもとても良かったですね。



オーストラリアが大苦戦しているおかげで日本はグループ独走状態ですが、中東勢にも2位の可能性が大いにあるせいで、最終節まで揉めそうな雰囲気が出てきました。
個人的には日本とオーストラリアがさくさく勝って3位以下を大きく突き放し、2位以上を早くに確定させて最後の2試合くらいは完全な消化試合になる、っていうのを希望してたんですが、オーストラリアは最後までガツガツくるのが必至になりましたね。日本での試合が激しくなりそうです。

オーストラリア、世代交代があまり進んでないみたいですね。
もうずっと前から指摘されていたことだけど、そろそろ限界にきたのかなあといった印象です。
そうは言っても最終的には勝ち抜けるでしょうし、日本も気をゆるめずに頑張らねば。

というわけで、11月の中東アウェイ、なんとかして勝って王手をかけたいですね。
ちょっと気が早いけど、落ち着いた気分で正月を迎えたいものです。
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by teri-kan | 2012-09-12 14:56 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

遷都を夢見る

大河ドラマ「平清盛」、頭を丸めて田舎に隠居、かと思いきや、壮大な遷都計画ここにあり、な話でした。

福原京ですよ、福原京。
実現できていたら今頃どうなってたんでしょうねえ。



桓武天皇が都を京都に移してから今の清盛まで約380年。
そんなにも長い間都だったのに、よくまあ「移す」という発想が出てきたものです。
もちろん794年までの日本は遷都だらけで、歴史的に全然珍しくないことなんだけど、さすがに当時の人間にしてみれば380年も都が京だったのならこれから先もずっと都だという意識、当たり前のようにこびりついていたことでしょう。

例えば2012年の今から380年前っていったら1632年。
2代将軍秀忠が亡くなったのがちょうどその年だけど、現代人からしたらありえないくらい昔です。
そんな昔の秀忠死去からなでしこジャパンがオリンピックで銀メダルとるまでの期間、ずっと同じ都で天皇を頂点とした社会で、ずっと歌詠みながらお公家政治やってきたんだから、本当に気が遠くなりそうな年月ですよ。そんな時間感覚の中で生きていたら永遠にこのままなんだろうなーと思って当然だし、だから清盛の遷都計画はホントよく思いついたなあって感じです。

遷都って政治的になかなか良い方法で、旧勢力との決別を図るにはすごく有効。
古代は遷都だらけだけど、結局遷都も権力があればこそで、武士がそれを行えば幕府。
という風に過去を振り返ってみると、日本の歴史って政治の場所を変えて旧勢力の一掃の繰り返しなんですが、それでいくと今の東京は明治から数えてそろそろ耐用年数というか、権力構造としての消費期限が近付いてる雰囲気なんですよね。途中敗戦があったとはいえ権力の構図ってあんま変わってないし、マジでどうにかしないといけないのだと思います。

今のままで上手くいくならそれに越したことはないんだけど、既得権益ガチガチの閉塞感はハンパないし、東京は地震や津波のせいでいつまで首都でいられるかって問題もあるし、首都機能分散も含めて臨機応変に都のあり方を考えるっていうのは、日本の場合は必要なのかもしれないと思います。
今ある姿が唯一絶対だと思うのはさすがにマズくて、そこら辺はいろいろと清盛の発想に学ぶ必要があるのかもしれませんね。



といった感じの今週の「平清盛」でした。
ちなみにドラマの感想としては、弟はツライよ。
頼盛はいろいろと難儀な人生ですね。
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by teri-kan | 2012-09-10 16:48 | 大河ドラマ | Comments(0)

「アバンチュリエ」4巻

嫌がらせをさせたら世界一だよなールパンって。

ということをしみじみ感じた4巻でした。
ホントーに性格悪いよね(笑)この人。

なんだか小説読むより性格の悪さが三割増しになってるような「アバンチュリエ」のルパン。
でも相手がショームズですからね。遠慮はいらないぜ。
真面目で実直なガニマールがやりこめられるのは悲しすぎるけど。

4巻はとうとうホームズ、もといショームズとの全面対決。
金髪婦人をめぐる世間を巻き込んだ大騒動のお話です。

マンガはやっぱり楽しいですね。
「無念」の掛け軸とか、パスタを口から吹き出すルパンとか、いろいろと細かくて面白い。
レストランでエラソーに熱弁ふるってたのにショームズの姿を見た途端小さくなってるのも笑える。
汗ダラダラなのがいいね。
開き直るのは男らしいぞっ。

小説の方ではただの無能っぽい印象のウィルソン君がいい味出してて、レストランでもいい人っぷり全開で、ルパンの別れ際の言葉じゃないけど「こんな相棒がいて羨ましいですよショームズさん」でした。
まあ、ルパンはこの後まんまとウィルソン君を偽伝言でハメちゃうんですけどね。
あれを念頭において「こんな相棒がいて羨ましい」のルパンのセリフをかみしめると、ルパンの人の悪さがしみじみと感じられて、「ママはそんな子に育てた覚えはありません!」って言いたくなるくらいです。
ビクトワールの嘆きが聞こえてきそうだよ。坊ちゃんにも困ったもんだ。

なんでか知らないけど、「アバンチュリエ」のルパンを見ていると、いかにも若者だからかこっちが年くってるからか、どーも母のような気分になっていけません。
なんでですかね。ルパンの感情の上げ下げが激しいからかなあ。
表情が絵でわかるからというのもあるだろうけど、小説を読んでた時は、文体のせいもあってか、若いとはいえカッコいい大人のお兄さんって感じだったのに、「アバンチュリエ」のルパンはね、なんだかいろいろと心配で、気分は「おーいやりすぎるなよー」なのです。
初期作品はルパンも若いし、とりあえず普通の泥棒だからですかねえ。
これが「813」以降だとはっきりとした凶悪な敵が出てくるので、「遠慮せずにやっておしまいなさい」になるんだけど、この頃はねえ……宝くじの先生とかお気の毒すぎますもんねえ。

とにかく、4巻も楽しいルパンでした。「金髪婦人」に関しては原作より完全にこっちの方が好きかも。
5巻も楽しみだー。
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by teri-kan | 2012-09-07 10:24 | 漫画 | Comments(0)

ヤングなでしこ 0-3 ドイツ

ドイツ強かったー。
U-20なのに大人のチームみたいだった。
何から何まで歯が立たなかったし、こうまで差を見せつけられるとドイツと試合が出来てヤングなでしこはラッキーだったと思うくらいだ。
それくらいドイツ戦はとにかくインパクトがあった。

いやもうホントに課題だらけ。数え上げればきりがない。
同時にアダルトなでしこのやり方が正しいこともはっきりした。
パス回しと運動量と緻密な組織。
これが日本が世界と戦っていくために必要なことだというの、イヤというほど思い知らされました。

もうドイツの方がはるかに戦術的で組織的で、ボールを持った日本選手に二人三人と囲みにいってるところなんか、「これやらなきゃいけないのは日本の方だろー」って感じでした。
無理なドリブルでつっかけて取られるのは男子でも若い世代によく見られる光景だけど、この年代では仕方ないのかなあと思ったりする一方で、ドイツは若いから好き勝手にやってるってわけじゃ全然ないし、のびのびやらせるというのは聞こえがいいけど、組織がなってないのはやっぱり若くても絶対許されないですね。
特に昨日のようにパニックになってる試合では自分達が帰ることのできる基本組織がいると思うし、うーん、どうなんだ?この監督。3点取られても5点取って勝つっていう理念はトーナメントでは致命的じゃなかろうか。

5得点よりも3点取られてしまう守備の強化を早急になんとかしてくれー。
ドイツの守備はホント素晴らしかったんだ。フィジカルがー、身長がー、という以前にとにかく見習えってくらいに。
あれはさすがここまで無失点で来てるだけあったよねー。
本当に、なにもかもが上だったな……。

とまあ、そんな感じのヤングなでしこのドイツ戦でした。



試合後泣いてる選手が多かったけど、気持ちを切り替えて3位決定戦頑張ってもらいたいです。
ナイジェリア、ちらっと見たけど強いし、負ける可能性は大いにあるけど、せっかく準決勝まできて6試合やれるんだ。
経験する全部を血と肉に出来るよう最後までファイトです!
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by teri-kan | 2012-09-05 14:29 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

血が原因か環境が原因か

今回の大河ドラマ「平清盛」は、清盛の病気が引き起こしたアレコレがテーマ。
周囲の人間の様々な反応によって現状確認ができ、高熱にうかされた夢のおかげで過去のおさらいもでき、なかなかまとまっていた回なのではと思います。
今までしっかり観てきた熱心な視聴者にはちょっとダレるところもありましたが。



久々に白河院登場。
そして久々に聞く「もののけの血」。

そういえばそれが問題になっていた時期がかつてありました。
若かりし清盛の抑えきれぬ衝動、愛する妻を亡くした時の激情。
血は争えないという言葉は実生活でも実感させられることがありますが、確かに血がなせる技というのは出るところでは出るんですよね。

夢に白河院が現れて「もののけの血もののけの血」としつこく言ってるくらいだから、清盛の深層心理に未だそれがあることは確実だけど、清盛自身は自分の人生は血に動かされたのではなく自分の意志で選んだことなのだと信じていて、どうやらこれから先の決断も自分がこれまで体験してきた人生の上に成り立つものだと考えている。
言うなれば、血に導かれて位人臣を極めたのではない、自分の力と決断でその地位を得たのだということですね。

ものすごい自負心です。こういう精神はやはり武士。
そしてとてつもなく個人主義。
ここにいるのは強烈な個人で、あらゆることから独立した自我を持つ人間です。

おそらく当時では有り得ない自我というか、あの時代でこういう人間は他にいないんじゃないかな。(西行はいるけど。)
ドラマだから今風の人物像になってるのは確かとはいえ、清盛の業績が当時の価値観からかけ離れているのを考えれば的外れな人物造形ってわけでもないと思えるし、これはかなり考えて作られてるドラマなんじゃないかと思えてきます。
上手く表現できているかどうかは別として。



今回でなんとなくはっきりしてきたんだけど、平家一門は生きるも死ぬも皆一緒!と、事あるごとに清盛は口にするけど、実は当の本人がそういうのから逸脱しているというのが平家の悲劇だったかもしれませんね。
清盛自身は情にあつくて仲間を大切にする人だけど、一族郎党を率いる棟梁としての枠には収まりきれない人だったんですよね。

院政の原型は天皇家の家長の座に座り込んだ藤原道長で、そこから朝廷システムを超えた白河法皇という絶対権力者が生まれてくるわけだけど、その後太政大臣を辞して官位制度からフリーになった武士出身の権力者が出てくるという流れをみれば、清盛個人がどれだけすごいかというのは言わずもがな。
でも道長や白河院は血筋によって超越者の地位を得たけど、清盛は血に抗ったからこそそこまで辿りついたわけで、今後の彼の苛烈な行動を考えると、平家にとって超越者清盛は、残念ながらやはり一門の災いだったと言うしかないような気がします。

清盛の苛烈な言動が血ではなく個人の意志や決断の結果だとされてしまっては、彼と血でつながる平家一門にとっては辛すぎるんですよね。
血の結束が第一の武門の家において、実は内面で血に抗っている男が棟梁の座についたということ自体がそもそも間違ってるんだけど、結局それほど白河院の血は影響力がありすぎたということで、もののけの血はさすがもののけの血なんだ。
しかしじゃあなぜ清盛がそれに抗って生きていくことができたのかといったら、それはもう母親の血のせいだとしか言いようがなくて、結局血が強いんですよ。だから白河院も「もののけもののけ」って言い続けるし、母の子守歌「遊びをせんとや」の歌も何度も流れる。

血に支配されても、血に抗っても、清盛は実の両親の血の呪縛の中にいて、平家はそれに巻き込まれて滅亡の一途を辿る。
このドラマの行く末ってこうなんじゃないかな。
なんか恐ろしい話だけど、こうなるとやっぱり忠正叔父の直感は正しかったと言うしかなくて、なんだかなーって感じですね。



とにかく、血が本人に及ぼす影響について考えさせられた回でした。
ちょっとね、よくある犯罪者の言い訳とかを思い出しちゃいましたね。
犯罪者というより弁護人が言う言い訳ですが、育った環境が悪かったから罪を犯したのだ、環境が悪いから仕方なかったのだという、よく聞くあれ。
あれって環境が悪くてもまともに生きてきた人達に対して失礼極まりない言い草だよなと毎回思うんですが、今回の清盛を見ていて、結局血と環境の組み合わせ次第ってことなのかなと思った次第なのでありました。
血が悪いと言われたらショックすぎますけどね。
でも綺麗ごとばかり言ってるわけにはいかないこと、やっぱりありますよね。
平家なんて末路は海の藻屑だもんな……。
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by teri-kan | 2012-09-03 16:38 | 大河ドラマ | Comments(0)