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やっぱり「世界で一番君が好き!」

今週めでたくハッピーエンドで最終回となりました。
いやあ、なんだかんだでいろいろと楽しませてもらいました。

今回も23年前も初回を見てないので出会った時の様子がわからないんだけど、とにかく公次はことごとくタイミングが悪いんだな。押すなら押す、引くなら引く、押すにしても引くにしても物事にはタイミングっつーもんがあって、それが外しまくりなんだな。
女からしてみれば「はあ?もうわけわかんない」になるのもしょうがないわ。華のイライラの原因はそれだし、挙句妊娠騒動だなんて、公次の横っ面張り倒しても納まらないくらいだよ。
だからそれまでの全ての怒りがそこに集中するのは仕方ないんだけど、でもそれを万吉さんに指摘されちゃうとね、なかなか辛いものがある。
華は万吉さんにだけは強く出れないからなあ。

にしても、こうして改めて見てみると公次はいろいろと問題ありすぎる。
別に不誠実じゃないし、むしろ誠実であろうとしてるくらいなんだけど、なんていうんだろう、不器用と言うと語弊があるけど、なんか「持ってない」感がある。
こっちは三上博史の顔でごまかされてるけど、少なくともいい男じゃないな。もちろん気の毒な面もあって、運が悪かったところもあるんだけどさ。

このドラマ、三上博史が自分の気持ちを自覚してからの後半はやっぱり面白かったと思います。評価がイマイチなのは前半のアホ展開と工藤静香が原因ではないかと推測します。
アホ展開を引っ張った益岡徹自体は悪くないけど、話のメインが「ことごとくタイミングを外すグダグダ男の抑えきれない恋情」であることを考えれば、結果としてカオスなドラマだったと言わざるを得ないような。
浅野温子の大袈裟演技も顔とスタイルの良さで見れるものになってた感じで、あれが必要だったのか?という疑問は当然出てくるのだけど、華の置かれた立場は真面目に演じたらウジウジネチネチジメジメになるのは必至なので、あれぐらいパーッとしてたくらいでよかったのかもしれません。

ま、カオスなのは変わらないけどね。
真面目に見てないと何を言いたいドラマなのかサッパリだし。

でも真面目に最後まで見たら華がなぜ万吉さんに寄り添ったか、公次がちひろを受け入れたか、その心もわかるし、顔だけじゃなくてストーリー的にもそう悪いものではないと思います。

なんといっても悪人が出てこないのがいいですよ。
皆エゴイストだけど、でもちゃんと普通の人でした。
時代も明るかったし、気楽に楽しく見れてよかったです。
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by teri-kan | 2013-03-29 14:34 | ドラマ | Comments(2)

PK失敗しちゃあねえ

ワールドカップ最終予選のアウェー・ヨルダン戦。
引き分けでOKだったのに、引き分けすら出来ませんでした。

PK止められちゃったらねえ。
それだけが原因でもないけど、あれはちょっといけなかったよねえ。
まあそれを言うなら前半でさっさと点取れやって感じだったし、きちんとディフェンスしろやって感じだったし、清武自分で打てよとか吉田何しとんねんとか、いろいろとモヤモヤした試合でした。

風が日本に吹いてなかったなって印象かな。
でもその風を日本に吹かせないようにしたのは日本だったように思う。
決定力の問題は相変わらずだけど、これまた古くからの問題、高さやスピードといったフィジカルの弱さも露呈して、あっさりやられすぎだったように思います。

なんか軽かったなあ。
ピッチの問題が大きかったと思うんだけど、ヨルダンの選手が妙に大きく見えた分、軽かった印象です。
香川のゴールは切れ味鋭くてよかったけどね。



ま、これでホームでW杯出場を決めるチャンスを得たということです。たくさんのサポーターと日本で出場決定を喜び合うのもいいんじゃないかな。
……と、無理矢理ポジってみる。

それくらいしか前向きになれる材料がないですもんねえ。
せめて次戦が1週間とか1ヶ月後とかだったらなあ。
6月なんて遠すぎる。宿題を抱えるのはしょうがないけど、その時になったら宿題のことを忘れてそうな感じがするほど遠いです。

長友と本田、6月には万全で戻っていてほしいなあ。
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by teri-kan | 2013-03-27 12:38 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

「ニギハヤヒ 『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神」

戸矢学著。河出書房新社。

むーずーかーしーいー。
でも面白い。
でも理解が中途半端。
知識のある人が読んだらスラスラわかるんだろうなあ。

この著者の本を何冊か続けて読んだけど、上手く一つにまとまらないものですかねえ。
1冊1冊手に取りやすい厚さと価格ではあるんだけど、重なってる記述を整理すればもっと著者の歴史観が大きくわかりやすく読めるのではないかなあ。

最初に読んだ「三種の神器」はこれら数冊分の考察をバックに書かれていたもので、ある意味まとめみたいなものだったのかと思いました。三種の神器はヤマト建国に際して起こったあれやこれやの象徴というか、歴史そのものだったんですね。
でもその「あれやこれや」が二千年も前のことだから、特に本書なんてもうわかりづらくてたまらない。
敗れた側だから本来の名で祀れなかったとか言われちゃったら、本当に真実は藪の中。掘り起こすのは難作業です。

本書では隕石が詳しく取り上げられていますが、こないだのロシアのあれじゃないけど、ああいった現象に神を感じるのはごく自然なことだというのはわかります。それはいいんですが、その隕石の火の神様がいろいろな過程を経て現在某神社に祀られているというのが……そこに行き着くまでの過程というのが……なんかもう難しすぎて、今もって理解しきれていない。
一つ一つの考察はすごく面白いんですけどねえ。

紀伊国の「紀」と「伊」の話なんか「へえええええ」だったし(あの辺の地名の「伊」の由来は前々から疑問だった)、渡来した神々の農耕系と海人系の分け方も納得できたし(スサノオが海を統治するようイザナキから言われてるのとも合う)、そこら辺はいいのですが、ニギハヤヒさんとナガスネヒコさんとイソタケルさんとフツノミタマさんとヤタガラスさんとフルノミタマさんと、とにかく神話のお話と実際にあったことと現在祀られている神社との関係が、もう複雑すぎて整理が大変。
最後の最後で「ヒルコ」も理解が中途半端だったことがわかって、読んでる時は楽しいけど終わってみたら頭にきちんと入ってなかった状態なのを痛感しました。

自分なりの説を持っていたらかえって理解できるのかなあ。
全く知らないから読んでみたいというレベルでは難しいのかもしれません。
でも理解しきれなくても面白いのは面白いんだよね。
我ながらこの中途半端感にモヤモヤしてしまいますね。



縄文の神を祀っていた場所に、縄文の神を押しのけて弥生の神を祀る、あるいは神々を祀っていた神社を廃して、その場所に仏教のお寺を建てるという話には、「東も西も宗教事情は同じなんだな」って感じでした。
キリスト教もそうなんですよね。キリスト教会はヨーロッパにあちこち建てられていますが、古くからある教会はケルト人の聖地だった場所に上書きするように建てられていたりする。
宗教が変わるというのは支配者が変わる、政治体制が変わるということで、歴史は勝者のものなんだということを痛感するのですが、だからこそ敗者を日の当たる場所へ甦らせるのは本当に難しいです。
でも日本の神社の在り方はもう一度日の当たる場所へ引っ張りあげることができる装置かもしれないなと思うんですよね。名を変えて祀ることができたり、場所を変えても祀ることができたりしているならば。
日本人の遺伝子って超いろいろなタイプが混在していて、縄文系の遺伝子も現在まで残っていたりとか、征服者による遺伝子の支配が起こらなかったであろう証明になっているそうですが、本書で説明されている神社における神の祀られ方とそれは一致しているように思うので、過去の解明は全く不可能ってことじゃない気もします。
どちらにしろいろいろな分野での研究がもっと進むのを待たなければならないのでしょうが、本書の更なる考察は楽しみですね。




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by teri-kan | 2013-03-25 16:32 | | Comments(2)

「SWAN」モスクワ編 その22

「SWAN MAGAZINE 31号」を読みました。

感想です
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by teri-kan | 2013-03-19 11:31 | 漫画(SWAN) | Comments(12)

「怨霊の古代史」

戸矢学著。河出書房新社。

「ヒルコ」を読んでたら更にこの著者の本を読みたくなって、新たに2冊ほど購入したんだけど、これを読んでたら更に他の本も購読せねばならない気になって、いやー、この商売上手っ。
どんどん戸矢氏本が増えていく……。

きっと著者が神職の方だからでしょうねえ。神社や神様についての知識量と造詣の深さが面白くて、どんどん読みたくなってしまう。
神社に興味を持つと究極的に知りたくなるのはそれぞれの神社の由来と実際の歴史との関わりなんですが、誰を祀ってるのか、いつなんのために祀ったのか、この著者の本は長年漠然と抱いていたそれらの疑問にたくさん答えてくれるので本当に面白いです。
で、「怨霊の古代史」は特にその辺についての記述が核心的というか挑戦的というか、ホントなのかね?と思うところもあったりするけど、目の前が開けてくる気がしました。

本書は飛鳥時代の政争に焦点を当てた内容で、主に蘇我氏を扱っています。
三輪氏や物部氏、中臣氏についても触れていますが、メインは蘇我氏のルーツを明らかにし、蘇我入鹿暗殺の真実を暴くことです。
実はそれを題材にした本は巷にあふれてて、私もいくつか読んだことがあるのですが、本書でも指摘されている通り奇説というべき説もあって、読んだのを後悔するようなものも存在します。だから飛鳥時代絡みの本は結構避けてて、本書も最初は読む気なかったんだけど、読後の今は読んでよかったという気持ちが大きいですね。

というのも、本書で説明されている蘇我氏の真実がもし証明されたなら、蘇我氏と蘇我入鹿の名誉が真に復活するんじゃないかなと思ったからです。
私は歴史上の人物についてあまり思い入れがなく、良い説でも悪い説でもどちらでも構わないという感じなのですが、蘇我氏については気の毒だと思う気持ちが強くて、蘇我氏に都合の悪い説にはちょっと「やだな」と思ってしまうんですね。全然公平じゃないんだけど、それを言うなら日本書紀が甚だしく不公平だし、どうしても肩入れしてしまうんです。
入鹿暗殺や一族滅亡自体は普通に起こりえる権力闘争の一つといった感じで特別思うことはないんですが、業績や名誉を何もかも奪われてしまった感がアリアリなのがお気の毒で、1300年以上たった今なお殺されて当然みたいな評価をされているというのがね、本当に気の毒だなあと思ってしまうのです。

祖先神があの神様だというのは突飛でしたが、でも名前は確かにそうだし、個人的には正しい説であってほしいと願っています。蘇我氏の血筋の正しさの証明だし、「よみがえるわれ」と書いて「蘇我」というのはいい着眼だなあと思いました。
四天王寺と法隆寺についても、人間を動かす根源が恐怖心というのは今の世でも通じることなんで納得です。法隆寺の例の救世観音も日本史で最も理屈に合わない死に方をした人、長年隠されてきた仏像同様その真実を最も人々に知られていない人と考えれば、本書の説は筋が通ってると思います。

救世観音は聖徳太子怨霊説で有名ですが、聖徳太子と山背大兄王の人物像の分析は面白かったですね。
いやあ、深く考察もせずに高潔と決め付けるのはダメだねえ。本書で最も驚いたのは山背大兄王に対する著者の冷徹さかもしれないな。
山背大兄王は聖徳太子の息子だから「かわいそう」、蘇我蝦夷と入鹿は名前が悪いから「やられて当然」。
日本書紀から受ける安易なイメージは罪作りですね。



この本、内容はいいんだけど、もっとタイトルをどうにかできなかったものかと思います。
これじゃ巷にあふれてる本と一緒にされてしまいます。ていうか実際してたし自分。
この著者の他作品はタイトルも表紙も個性的で、「ヒルコ」なんていまだに本屋で異彩を放っていますが(だからずっと手に取るのをためらっていたという面もある)、その点だけが本書は残念ですね。
このタイトルと表紙じゃ本棚で埋もれてしまいます。




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by teri-kan | 2013-03-15 14:01 | | Comments(0)

「ヒルコ 棄てられた謎の神」

戸矢学著。河出書房新社。

戸矢氏本ブームが続いています。「三種の神器」「ツクヨミ」ときて、お次は「ヒルコ」。

ヒルコ。
記紀を知らない人がこの字ヅラを見たら何を連想するのか……。
記紀を知ってる人間なら、すぐに蛭の字をあてることでしょう。
蛭。ヒル。ぬめぬめで人に貼り付き血を吸ったりするまがまがしい生き物を表わす字。
でももし当てられた漢字が昼だったら?
昼子。お昼の子です。さんさんと太陽が輝いてる明るいイメージになります。

この場合不具として生まれたから蛭の字が使われたというのは理由にならず、なぜ神でありながらそのような状態で登場することになったのか、なぜ蛭の字が当てられたのか、問題はそこになります。
限られた手がかりからそれを解き明かすのが本書の目的で、最終的にはヒルコとは誰か、どこから来てどこへ行ったのか、それが明らかになります。

大変壮大な論です。
というか壮大にならざるを得ません。なんせあのヒルコの正体を明かそうというのですから、膨大な資料はもちろん想像力の助けが必要です。
しかし荒唐無稽とは感じません。こちらに知識がないのであまり言っても意味ないですが、少なくとも説得力はある。というか、不快感を呼ぶような論の飛躍はない。仮説をたてるにしても無理がなく、当時の世界情勢を考えたら「そういうものかもしれないな」と思うことができます。

ところで、以前にも書いた通り、私は神社に祀られてる人は基本的に皆存在していたと考えているのですが、同じようなことが本書にも書かれていて、自分の感じ方は間違ってなかったんだと安心しました。
著者はそれを自分が神道の人間だからと書いていましたが、それよりももっと、日本人だからこそ自然とそういうのがわかる人にはわかるんじゃないかという気がしますね。

というのも、菅原道真や徳川家康のように実在していた人物が神様になってる神社はたくさんあるし、ほとんどの日本人はそれに違和感を抱いていない。ていうか、現代の日本人は生きてる人間さえ祭神にしちゃったりすることもある。
野球の佐々木のハマの大魔神社なんてお遊びの神社だったけど、「佐々木が神様って」と笑う人はいても「なんで神様に?」と疑問に思う人はあまりいなかったと思うし、何か際立ってるものや際立ってる人を神様にして祀っちゃうのは、おそらく日本人は遺伝子レベルで「そういうもんだ」と思ってるところがあるんじゃないかな。
今でさえそうなんだから400年前に家康が、1000以上年前に道真が神様になったのなんて全然普通だし、それなら1500年前だって2000年前だって日本人は死んだ人を神様にして祀ったんだと思うんですよね。

ただそれを本書のように神道だけで語られると、現代はちょっとそぐわなくなってるように思う。今の日本人の先祖崇拝は仏教に組み込まれててて、十七回忌も三十三回忌もお世話になるのはお寺さん。
まあ日本人の先祖崇拝を組み込んだから仏教は日本で発展したといえるのかもしれないけど、身近な我が家の仏教の先祖崇拝と、地域の歴史に関わる神道の先祖崇拝と、二段構えで日本には宗教が存在してるのかなって感じですね。

それを考えるとキリスト教が日本に定着できなかった理由もよくわかる。
個人しか救わないとなると日本人には無理な部分が多いですよ。家族に恵まれなかった人には良いですが、「改宗した本人しか天国に行けません、ご両親やご先祖は別です」と言われたら、日本人はクリスチャンにはなかなかなれないですよねえ。

とまあ「神道とは」という根本的なことまで踏み込んだ内容でもある「ヒルコ」。
蛭の字をあてたくらいだから記紀成立時にはタブーに近い人だったに違いなく、とはいえ全く載せないわけにはいかないほどの功績を残した人物でもある。
本書の結論は面白いです。
ヒルコ一人からずいぶん世界が広がりました。




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by teri-kan | 2013-03-13 10:49 | | Comments(0)

あれから2年

東日本大震災から2年。

年を重ねてくると1年2年なんてあっという間ですが、震災に関しては「まだ2年」と思う方が大きいです。
私でさえこうですからね……被災された方々の重い2年は想像を絶します。

被災地から遠い場所で、特に関わりある仕事等をしていない場合は、日常で震災を感じることはほとんどありません。
情報はほぼテレビのみで、まだ復興が進んでないんだなとか、それでもなんとか頑張ってる人達がいるんだなとか、見るたびに思うくらいです。

テレビには幻滅することが多いのですが、被災地の情報を発信するという役割はテレビがしっかり担わないといけないと感じるので、この点だけは頑張ってほしいと思います。
福島第一原発も一緒ですね。原発こそ知らない間に解決してたらいいなと願わずにはいられないものですが、それは無理だし許されないです。

福島のニュースには毎度絶望しか感じられないので本当に辛いんですけどね……。
でも日本人として共有しなければならない問題の最たるものだし、遠い場所に住んでるからこそ知らなきゃいけない。
せめて知るくらいやらないと……。

でも震災がすでに日常から薄れてきているというニュースもあったし、意識を持ち続けるって難しいんですね。
あれから2年がたちましたが、更に重い課題を抱えているように感じます。
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by teri-kan | 2013-03-11 12:35 | 事件・出来事 | Comments(0)

いまさら「世界で一番君が好き!」

今更ですが月曜日に録画したものを今日観ました。
もう「キタキタキタキターッ」って感じ。

そうそう。こんな展開でしたね。
で、ここからまたイロイロあるんですよね。簡単にはくっつかないんですよ。

にしても2人ともキレイな顔してるなー。
三上博史も浅野温子もつくづく綺麗だわ。
美形はやっぱり目にいいですね。
あー、眼福眼福。


万吉さんは可哀想だけどね……。
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by teri-kan | 2013-03-10 01:13 | ドラマ | Comments(0)

「ツクヨミ 秘された神」

戸矢学著。河出書房新社。

「三種の神器」が面白かったので同じ著者の作品を購入。
アマテラスとスサノオの兄弟ツクヨミについて書かれた本で、他の兄弟に比べ記紀の記述が極端に少ないこと、祀られている神社の数も極端に少ないこと等の理由を解き明かし、その背景を語るといった内容です。

本作は「三種の神器」とセットで読んだ方がいいかもしれません。あれを読んでいたらこっちの理解も深まるし、こっちを読んでいた方があっちの理解も深まる。
一部内容が重なってるところもありますが、ある意味仕方ないかも。2冊をまとめたものを出してもいいんじゃないかなーとは思いましたけどね。

さて、ツクヨミと言えば月。ツクヨミのお姉さんは太陽神アマテラス。
月と太陽。陰と陽。陰と陽といえば陰陽道。
実は本書はツクヨミに深く関わる陰陽道を細かく語っている本で、どのようにそれが日本で成立したか、日本の社会にどれだけ深く浸透しているか、といったことを詳しく説明している本でもあります。
そしてそれに欠かせないのが天武天皇。
というか日本の陰陽道は天武天皇ありきであり、天武天皇なくしてありえない。さらに天武天皇なくして日本はない、というくらい重要で、それについてはかなり熱くペンを走らせている印象を受けました。
当時の月についての認識を紐解くなら、月を読むことを得意とした人について解明しなくてはならないって感じかな。
ツクヨミと天武天皇の関係は面白かったですね。

で、その天武天皇。
日本古代史における最重要人物の一人であり、しかしどこか謎に満ちた人物。
その謎は壬申の乱以前の事績が全くないことによるもので、昔からそれを指摘している方は結構な数いました。
私自身本書で否定されていた「舒明天皇の子ではない説」を昔読んだことがあるし、「実は百済の人だった」とかいう小説風の本も読みました。実際そういった類の本を続けて読んだせいで、すっかり「天武天皇はどこかうさんくさい人」というイメージがついてしまって、実は天武天皇関係の本はしばらく避けていたことがあったんですね。
天武天皇に限らず、「実は誰それの子ではない」とか「実は存在しなかった」とか、そういう系統の本って結構つまらないんですよ。
まあ最近は「書いてあることを素直に読めばいいんだよ」って本にめぐりあうことが多いので、いろんな説があれどそれぞれ読んでて楽しいのですが、そうなるとじゃあ天武天皇の前半生の空白は一体何?ってことになるんですよね。
で、本書はそれにきちんと回答を与えてくれるわけですが、うん、そう言われてみればそうかもしれないなという気は確かにする。
よくよく考えれば、前半生がまるで謎ということ自体がおかしいのです。日本書紀が天武天皇を最大限称えている歴史書だというのは誰も異論がないと思うけど、そうでありながら前半生に何も言及していないこと自体がおかしいんですよね。うさんくさい出自ならば創作したキラキラしい前半生を書き入れててしかるべきだし、良いも悪いもきれいさっぱり何もないというのは、やはり何らかの作為が後に働いたからという見方は正しいような気がします。

そこのところの論は面白かったですね。特に草薙剣は天皇にこそ祟る、だから天武の素性は正当であるというところ。
「三種の神器」でより詳しく草薙剣について分析されていますが、三種の神器についての認識の甘さというか、神道や道教といった古代社会を成り立たせていた思想や哲学を知らずして当時のことを知ろうというのは無理なんだなということを教えられた感じです。

まあ肝心のツクヨミの影が仕方ないとはいえ薄くなってしまったのはどうかと思いますが。
ツクヨミのことを知りたくて読んだけど、終わってみれば天武天皇と陰陽道について詳しくなっていたというのがなんだか変な読後感です。




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by teri-kan | 2013-03-07 11:04 | | Comments(0)

ペトロヴィッチ監督

2013J1開幕戦、広島対浦和戦後の記者会見で、浦和の監督ペトロヴィッチが次のようなことを口にしたそうです。

「広島は私がつくったチーム」

いやいやいやいや。確かに広島の戦術を作ったのはペトロヴィッチ監督だけど、森脇を引き抜いて広島の戦術を壊したのもペトロヴィッチ監督でしょ。一体何言ってんのよ。
……なんてことを思ったんだけど、森脇を奪っておきながらこういうことを監督自身に言わせた理由を考えると、去年自分がいなくなった直後に広島が優勝したのが相当悔しかったのかなとか、ちょっと思っちゃいますね。
まあ普通は広島のような規模のクラブがリーグ優勝するなんてありえないからね。まさか本人も浦和の監督を務めていながら広島の後塵を拝するなんて考えてもいなかっただろう。
しかもたとえ今年リーグ優勝しても同じ戦術をとる広島に先を越されて優勝されている限り二番煎じ感は拭えない。最低でもリーグ優勝を含めた二冠がノルマになるだろうし、でないと予算規模で広島の成果とは釣り合わないわけで、監督にかかるプレッシャーは相当なものなのだろうなと想像します。

もともとペトロヴィッチサッカーは選手層の薄いプロヴィンチアには継続していくことが難しい側面があって、だから広島にいる頃からビッグクラブでの采配を見てみたいものだと個人的には思っていたのだけど、まさか広島でのサッカーを選手ごと移植するとは思ってなかったので、なんとも複雑なものがあります。
いや、移植自体はいいんだけどね。ミランがウディネーゼからザッケローニ監督以下得点王を含めた3選手を一気に引き抜いたことを振り返れば、切羽詰ったビッグクラブがこの方法を取るのは十分アリだし。
ただ、ウディネーゼがそれで大金を手にしたのを考えるとね……日本の状況は辛いものがある。
広島をJ2に落としながら5年半かけて作り上げた戦術をポッと選手ごと移植して晴れやかにされてる一方で、ペトロヴィッチ時代の赤字にヒーヒーいってる現状はしんどすぎて辛いわー。

とはいえリーグ優勝という歴史は何にも変えられない。一度や二度のJ2落ちでもお釣りがくるぐらいの広島の輝かしい歴史です。
こういう点一つ見ても広島と浦和の置かれている状況は全然違うんですよ。なので広島と浦和の因縁をことさら煽り立てるような開幕戦の組み方とかもうやめてもらいたいです。浦和が勝って当然なんだし、そもそもこれまでの数年間浦和が勝てなかった方がおかしいんだから。

で、広島は早く怪我人治してチーム全体のコンディションを上げれ。
さすがにゼロックス、ACL、リーグ戦の3連戦をこの選手層でやるのは厳しかった。全然走れてないのも苦しい。
さすがに守備の崩壊はないだろうから残留は大丈夫だと思うけど、でもよそ様はどこも強そうだしねえ。
もしかしたら夏に補強が必要かもしれませんね。
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by teri-kan | 2013-03-04 11:21 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)