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実は歌が上手かった説

(「あまちゃん」最終回から2回分さかのぼります)

春子が鈴鹿さんの歌を聞いて「実は音痴のふりをしていたのでは?」という疑念を抱くけど、そう思わせてしまうだけのものが確かに鈴鹿さんにはあります。
奥に何かを秘めていて、普段はマイペースすぎるけど、全てを出してるわけじゃないんだろうなあって感じが。
でも歌に関しては春子の疑念に反してやっぱり音痴だと思います。
ちゃんと歌えるのなら呪いのだんご三兄弟はないですよ。
袖が浜の皆さんを笑顔にしたのに赤ちゃんを震えあがらせるなんてありえなさ過ぎる。
普段の鈴鹿さんはやっぱり基本音痴で正しいんだと思います。

でもステージに上がったら違う。
聴衆を前にしたステージに上がれば歌の能力のスイッチが入る。驚異の集中力で正しい音をとれるようになる。
鈴鹿さんのあれはそう考えるしかないような気がします。

きっと根っからの女優なんでしょう。
ステージの上、カメラの前、そういった場所に立った時こそ真価を発揮する。
歌うことについて過去を振り返って語っていましたが、それについても上手いなあというか、自分の見せ方を知ってますよね。どこまで意識的でどこまで無意識なのか、そこのところは謎だけど、才能としてそういうものを先天的に持ってるんだろうなあと思います。
ようするに、なるべくして女優になって、活躍するべくして活躍し続けてきた人って感じかな。

まあ、プロということです。
「あまちゃん」はアマを称えてるドラマだけど、プロのすごさをきちんと描いてこそアマの魅力もはっきりするということなんでしょう。
だから鈴鹿さんの対極はアキですね。
天野アキを最も上手く演じられるのは天野アキというセリフにあった通り、ステージの上でもなくカメラの前でもなく、普段から自分のままに自分を表現できる子。

鈴鹿さんとアキ、比較をすると面白いです。
ひどい音痴でチャリティリサイタルなんて出来るのかと散々心配された鈴鹿さんは本番で見事に歌いきって、満を持して復活お座敷列車に乗り込んだ潮騒のメモリーズZは、アキ曰く「いっぺえ間違えた」。
いやあもう、プロとアマここに極まれりって感じですが、アキとユイちゃんはこれからだからね、明日またがんばってけろって笑って言ってあげたらいいんだと思います。
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by teri-kan | 2013-09-30 01:10 | 朝ドラ | Comments(0)

がんばれ、女の子!

プラットホームは出発点だ!
通過点でもあり、この先続く人生で岐路に立った時再び降り立つ場所だ!

そうだよ。
たとえ今日いっぺえ間違えたとしても、君達には明日があるし明後日もある。
来年もある。
たとえ目の前で道がつぶれてしまったとしても、つながる時はいつかつながる。
行きたいところへいつだって行けるし、行かない選択をするならそれでもいい。
暗いトンネルは光へ続く確かな道だ。
一人で進むのは恐くても親友と一緒なら大丈夫。
がんばれ、アキ、ユイちゃん。
春子の呪詛(海死ね)を踏みつけて、好きなように走っていけ。
今日の北の海はとても綺麗だー!

……といった「あまちゃん」最終回でした。



最終週は大吉さんとあんべちゃんが復縁して、春子と鈴鹿さんが真に和解して、中年三組の結婚式もあって、なんかアキは脇役ぽかったけど、これをもってアキの親世代の熱い青春が終わったと考えれば、これからがアキとユイの時代ということになるんだと思います。
アキとユイの時代ということは、実はこれからが2人の正念場ということ。
二十歳にもなったしね、ここからは「あまちゃん」ではいられない。
親世代がアイドルへの道を敷いてくれて、グレて道を外しかけたところを救ってくれて、壊れた鉄道を逆回転してくれて、子供が一人立ちできる状況を整えてくれた。
だから正念場はここから。
もしかしたら人生はここから始まると言ってもいいかもしれない。
だから「あまちゃん」は終了。
熱くて、バカで、一生懸命で、甘でアマでもそれが魅力な時代は、実はいつまでもあるもんじゃない。
これから目指すのは、というか目指さなくてもなってしまうのは、大人と呼ばれる人生のプロ。
だからこそこの世代は宝石のようにステキなんだよねー。

結局私は春子目線だから、そういう風にアキとユイちゃんを見てしまいます。
2人とも愛すべき女の子で、ホントにこの2人のこと応援してました。
このドラマは2人を見つめる目線がずっとやさしくて、そういうところもすごく好きでした。
「アマの仕事だ、愛がある」は「あまちゃん」の中のセリフだけど、プロにも愛があるよなー。

ホントいいドラマでした。
半年間楽しかったー。

といったわけで、「あまちゃん」は無事最終回を迎えたわけですが、あともう一回くらい書きたいことがあるので、次もまた「あまちゃん」の感想になると思います。
なんかもう最近ずっと「あまちゃん」ばかりですね(笑)。
我ながらどんだけ好きなんだと思います。
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by teri-kan | 2013-09-29 02:51 | 朝ドラ | Comments(0)

海女と甘とアマの「あまちゃん」

(前回の「亡霊もどきの成仏」の続き)

そうそう。春子のマイクから電池が抜け出たシーン。
あれは若春子の仕業ですよね。
抜け出た電池はそのまま太巻に突き刺さってめり込むけど、あれはこの期に及んで再び春子に影武者やらせようとしてる太巻への若春子の鉄拳みたいなもんでしょうね。

でも太巻がこの策をとる気持ちはわかる。彼はどうしたって鈴鹿さんのプロデューサーだし、春子にしてもなんでまた影武者をやろうとしたかというと、今はもう鈴鹿さんの事務所の社長だから。
マネージャー、プロデューサー、社長、その他諸々スタッフ、プロである人達はお客様にクオリティの高いものを届けるのが仕事で、所属アイドル・所属女優のイメージを高めて守るのが仕事。
二十年前だろうが現在だろうが太巻のとる行動はこれしかなくて、どんなに心に呵責を感じようと彼はこうしかできない。
でも今回はそれを若春子と鈴鹿さんが見事に跳ね除けて奇跡を起こす。
ここはプロである大人の事情に屈しなかった、アイドルになりたかった若春子の純粋な夢や希望や、鈴鹿さんの「自分の歌で皆を元気にしたい」という心からの思いの勝利の場面で、そういった純粋な情熱は何にも勝ると言ってるんですね。

鈴鹿さんの早過ぎる前のりのなせる技ですよねえ。
18歳時点で止まったままの春子の部屋は大きかったよなー。
このドラマ、夢に挑戦すらできなかった子(ユイ)、夢に挑戦して破れた子(春子)、夢をかなえたけど中央を離れた子(アキ)の他にも、夢をかなえてそのまま第一線で二十年以上も活躍し続けた子(鈴鹿さん)がいて、プロ魂を持ってる鈴鹿さんのピュアな原点の部分って一体どんなものなのかな?っていうのもあったと思うんだけど、そこを見事に描いたなあって感じですね。

太巻が海女カフェを見て「アマの仕事だ、愛がある」と言ってたのがわかりやすいのですが、プロほどスレてなくて、かといって素人のようなやっつけ仕事じゃない、愛と情熱にあふれたアマの心意気を彼はベタ誉めしたんですね。かつて自分がしたいと思った仕事だったって。
で、アイドルになりたいと叫んでた女の子達の情熱もそこにある。
水口さんが出来上がった女優のマネージャーはつまらない、アイドルの原石の発掘と売り込みが楽しいって言ってたのがまさにそうで、そこに情熱の塊を見ちゃったんでしょうね。彼はそんな形も何もまだわからない磨ききられてない情熱を愛する人で、彼の原点のお座敷列車は、確かに愛と情熱の塊だった。

「あまちゃん」のタイトルってホントよく出来てると感心するんですが、「海女」でコツコツ働いて生活することの尊さを表わし、「甘」で若い子の未熟と成長を表現し、「アマ」で夢と情熱を語る。
よく考えたらこの三つって「生きる」ことそのものなんですよね。
しかもそれをドキュメンタリーっぽくとか悲劇っぽく語らず、笑いの中で表現して、いろいろあるけど生きるって楽しいよねという賛歌にしてる。
震災の後にこういうドラマが出てきたのは良かったなと思います。

まだ最終回じゃないけど、こうまで綺麗にまとめてあるのを見ると、「あまちゃん2」は難しいような気がしてしょうがない。
やってくれたらうれしいけど、なくてもいいという気になります。
期待の声は高いけど、どうなることやら。
スピンオフなら可能かなと思いますが。

で、実は今日の放送分はまだ観てないんだけど、鈴鹿さん、「潮騒のメモリー」は良かったけど他の歌は大丈夫だったんだろうか。
大丈夫じゃない予想をしてるので、今夜の放送が楽しみ。
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by teri-kan | 2013-09-27 00:03 | 朝ドラ | Comments(0)

亡霊もどきの成仏

「あまちゃん」、アキにだけ見える若春子の亡霊もどき。
前に書いた時は「春子のかなえられなかった夢の象徴」と思ったんだけど、それとは別に、
「歌われるべき人に歌われなかった潮騒のメモリー」という歌の象徴だったんですねえ。
もっと言えば「潮騒のメモリー」という歌に関わったアイドルとアイドルになれなかった女の子二人の心の象徴か。
どっちも辛かったし、どっちも割り切れないものを抱えてここまで来た。
でも春子がそれを吹っ切って、で、今回鈴鹿さんも吹っ切れて(鈴鹿さんの勇気はすごいと思う)、これでやっと若春子の亡霊もどきは真に成仏できた……ってことなんでしょうね。

で、なんでアキにだけ彼女が見えたのかというと、彼女がアキの生みの親みたいなものだからだろうな。「潮騒のメモリー」という歌がもたらした運命の絡み合いがなければ、アキはこの世に存在しない子だからです。
とんでもない因縁にまみれている歌だからこそ、歌そのものに念が残っちゃったみたいな感じ?
でもそこは春子のキャラクターのおかげでドロドロしてなくて、さわやか感すら漂っていて良かったですね。

にしても、この展開は驚いたなー。
太巻が大泣きするのも当然だ。
これでホントのホントに太巻も解放されるだろう。
鈴鹿さんの歌声はそれほどの威力がありました。

鈴鹿さん、さすが女優。
十回に一度以下の確率だったのに、本番で合わせるなんて本当にプロです。プロのアイドル、アイドルのプロ。
歌詞の替え方も感動的なまでに気がきいてた。
歌の意味、海女カフェで歌う意味、映画でアキの母親役を務めた意味、全てのことをきちんとわかっているからこその歌詞でした。

薬師丸ひろ子の歌、久々に聞いたけど相変わらず綺麗だったなー。
ドラマの最後にこの歌を歌うため彼女をキャスティングしたというのなら大当たりだ。
これ、キョンキョンと入れ替わってたらどっちも合わないしね。
ホントぴったりの配役になってると思います。

笑顔の若春子の真正面アップは昔のキョンキョンぽくてかわいかったですね。
思えばあれほどの若春子の笑顔、これまでなかったかもしれない。
彼女が心の底から幸せそうにしているのが印象深かったです。
こっちも幸せな気持ちになりました。
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by teri-kan | 2013-09-26 00:56 | 朝ドラ | Comments(0)

「ウネルヴィル城館の秘密」

新潮文庫の表紙の著者名は「アルセーヌ・ルパン」。
「えっ?」と驚いてしまいますが、これは実はボワロ=ナルスジャックによるパスティーシュ(模倣作品)。
ルブランの死後何十年もたった1973年発表の、アルセーヌ・ルパンが活躍するミステリーです。

子供の頃ポプラ社版で読みましたが(「悪魔のダイヤ」)、当然内容は忘却の彼方。
なので全くの新作感覚で読む事ができました。
なかなか面白かったけど、残念ながらルブランのルパンとは微妙に違うので、ルパンものとして感想を書くのはちょっと難しいかな。

殺人と謎のキーワードをめぐる歴史的事件を背景にした宝探しのお話で、その謎とか事件とか、ミステリー部分はいろいろ凝ってて面白いのですが、肝心のルパンのキャラの面で限界があるなあというのが正直なところです。
なんていうか、愛嬌が足りないんですよね。
ルブランのルパンに感じる愛すべきバカっぽさがないというか、お茶目さんじゃないというか、ムチャクチャやっても「しょーがないなーぼっちゃんは」とヴィクトワール目線で撫でてあげたくなるような、「あんたはアホか」とケリを入れて突っ込みたくなるような、そんな愛嬌が不足しているのですよ。

もともと私のルパンの読み方がそんな感じで、謎解きや事件は案外どうでもよくて、ルパンがどう冒険をするのか、お相手の女性とどういう関係を作っていくのか、それをメインに楽しんで読んでたところがあるんですね。
実際ブログに書いてきた私のルパンの感想ってほとんどそんなで、特に「奇岩城」なんてそうなんだけど、ルパンがその時その時にどういう心理状態でいるのかが、私にとってのルパンシリーズの重要ポイントなのです。
なのでそこの部分で「ちょっと違うな」というのが見えてしまうと、やっぱり本家とは違うよなーという感想が第一にきてしまいます。

ま、昔ポプラ社版を読んだ時はそんなこと全然わからなかったですけどね。



実はまだルパンのパスティーシュはあるので、次を読んでみたら印象は変わるかもしれません。
変わらなかったらボワロ=ナルスジャックのイメージするルパンと私の思うルパンはちょっと違っているってことなんでしょう。
それはそれでその違いを楽しむという読み方をすればいいだけです。

ちなみに本作はフランスで1973年度の「批評のミステリー賞」なるものを受賞したそうです。
良作であるとは確かに言えると思います。




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by teri-kan | 2013-09-25 10:45 | アルセーヌ・ルパン | Comments(0)

生きる糧と元気と夢と

♪ ウニはゼニーゼニー、ウーニーはゼニ~~ ♪

「あまちゃん」で橋幸夫の「いつでも夢を」に合わせて「ウニは銭」と海女クラブの皆さんが作業しながら歌っていたシーンがずっと残っています。
しみじみ「すごいなあ」と思って。

確かに最初から夏ばっぱは「ウニは銭」と言ってたんだけど、震災が起こってその言葉が持つ意味が俄然深刻になって、まさしくウニは銭、海女さん達の生きる糧だという事実を突きつけました。
辛い状況下で、正直に切羽詰った現状を歌にして、作業中に皆で歌う。
なんかもうきちんと労働歌というか、皆で歌って作業中の気持ちを共有。昔の田植え歌とかに近い? でもだからこそ「ウニは銭」は切実だとわかる。それでいてTVを観てるこっちは「フッ」と笑ってしまう。海女さん達の精神状態ギリギリのたくましさがわかって、なんだか切ない気持ちにもなってしまう。

ウニはドラマの最初から登場していて、美味しいし、観光の目玉だし、1個500円だかのれっきとした銭で、確かに海女クラブの皆さんの生活を支えるものとして描かれてきたんだけど、まさしく生きる糧だということがドラマのクライマックスで示されて、こうまで生きる、というか労働して生活するということを震災の後なのに笑いの中で描くってすごいなあと感心しました。
ウニは稼ぐ手段ということをストレートに表現しましたからねえ。

夏ばっぱは「働いて生活する」ということを体現してるキャラなんですね。
ではそんなばっぱと対立してアイドルを目指して家出した春子は何か。というか、この場合はドラマに出てくるたくさんの女の子が目指したアイドルとは何かと言う方がしっくりくるんだけど、こうなったらもう答えはこれしかなくて、アイドルとは毎日働いて生活している人達を元気にするもの、なんでしょうねえ。このドラマでいえばそういうことになるんだろうなあ。
で、アイドルとは別に芸能人になることだけじゃないんですね。
何年たっても橋幸夫が夏ばっぱを覚えていたように、人になんらかのポジティブな印象を残せる人のこともアイドルと言っていいんだろうな。あまりの可愛さに皆をポーッさせちゃうようなユイちゃんだってそう。
アキはキャラで勝負だけど、でもそれはいるべき場所にいればこそなんですよね。アキは東京にいる時は全然ダメだった。
でもそれは別にアキだけじゃなくて皆がそうで、輝ける場所がそれぞれにあるってことなんだと思います。
春子は多分東京の方が合ってるよね。

「あまちゃん」はいろんな切り口から語ることができて、鈴鹿さん一人でもたくさんあるんだけど、個人的には彼女の被災地との関わり方が身に沁みました。
自分が被災したわけじゃないのに落ち込んだり、台本のセリフに過敏になったり、ばっぱの家で被災の現状を聞かされても気のきいた言葉を返すこともできない鈴鹿さん。
それでいてこのドラマは菅原さんに「被災地だもの」と言わせたりとか、宮城出身者の脚本じゃないと無理なんじゃないかと思うくらいデリケートなとこにも触れていて、いやもうね、語ればキリがない。面白いドラマですホントに。



あと6回ですか。泣いても笑っても今週の土曜日まで。
まだもう一波乱、二波乱あるのかな。
喜劇らしい大団円を迎えてくれることを期待します。
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by teri-kan | 2013-09-23 01:57 | 朝ドラ | Comments(0)

「SWAN」モスクワ編 その25

「SWAN MAGAZINE 33号」を読んだのですが……。
ふーーーーーーーん、なるほどーーーーーーーー。
これは感想に困るーーーーーーー(苦笑)。

感想です
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by teri-kan | 2013-09-17 11:50 | 漫画(SWAN) | Comments(12)

「綱渡りのドロテ」

モーリス・ルブラン作。

アルセーヌ・ルパンは登場しないけどルパンシリーズにくっついて出版されていた作品。
本作で出てくるお宝がルパンの作品中でも触れられていることからそういう扱いになっていたのですが、内容は完全にルパンものとは別です。

主人公は女性(というか女の子って感じ)で、彼女は誰の助けも借りずに独力で敵と戦います。男に守られたり庇護されたりとか、そんなことは全くなく、自分の知恵と勇気と行動力だけで危機を乗り越えます。
だからルパン的ヒーローはお呼びじゃない。
むしろルパンは彼女で、先を読む力と決断力はアッパレなほど。
作中に出てくる頼りにならない男達が皆彼女の信奉者になるけれど、それも納得というほどこの主人公は圧倒的オーラを放っているのです。
だからまったくもってルパンはお呼びじゃない。
あんなのが作中に二人もいたらかえって暑苦しいかも。



子供時代に読んだポプラ社版のタイトルは「妖魔と女探偵」、偕成社版は「女探偵ドロテ」なのですが、原題は今回読んだ創元推理文庫の「綱渡りのドロテ」に近くて、「綱渡りの踊り子ドロテ」です。
こっちの方が断然本書の中身を言い表してて良いタイトルですね。
ドロテはタイトルになるのも当然なくらい綱渡りが得意なのですが、そんなことより何より彼女の生き方が綱渡り、取る行動選ぶ行動がことごとく綱渡り的で、一瞬でもバランスを間違えたら、あるいは集中が切れたら、そこで全てが終わってしまうくらい危うい綱を渡り続けるのです。
それは彼女のこれまでの人生に裏打ちされた自信と実力があってこそで、別に無謀な博打に挑んでるのではないんだけど、読んでるこっちはドキドキハラハラ、実際ドロテは危機に何度も陥ってるし、まさに「綱渡りのドロテ」なんですよねえ。

サーカス団をやってるってのがこれまた素晴らしくて、馬車一つで町から町へと渡る生活してるもんだから、基本的に腰が軽いんですね。当時の女性にしてはフットワークが軽すぎで、思いついたら即行動、自由気ままにあちこち駆け回るのです。
これで良いとこの出身っていうのが面白くて、だからメチャクチャやっても品性はきちんと保たれてる。美人だし、包容力あるし、こりゃ男共がメロメロになるのもしょうがないって感じの女性です。

そんな彼女だから本来ならお宝に縛られるなんて真っ平ごめんだと思うのですが、今回の事件に関しては自身の父と先祖が絡むとあって、当事者の中心として積極的に行動を起こします。が、後に微妙に当事者でないことがわかり、あっさりと全てを捨て本来の自分に戻る。
この辺の筋の通し方はいいですね。
非常に都合がいいストーリーになっていますが、何者にも縛られないドロテを描くなら、最後はあれでよかったと思います。



瀬名秀明の「大空のドロテ」は本作が元になっています。
昔読んだ「妖魔と女探偵」はすっかり忘れてて、これを読み直さなきゃ「大空のドロテ」には手が出せなかったんですよね。
というわけで、そのうち「大空~」の方も読む予定。
手軽な文庫本が出ないかなーと、のんびりと待ってます。
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by teri-kan | 2013-09-13 10:10 | アルセーヌ・ルパン | Comments(0)

グアテマラ戦とガーナ戦

グアテマラはともかくガーナはサッカーが強いのですが、残念ながら主力選手が来日しなかったため、両方とも対戦相手としてはちょっと物足りない感じになってしまいました。
が、これは仕方ない面があるかも。
この時期の強豪国との日本でのマッチメイクは難しかったと思います。どこもW杯予選は佳境、ヨーロッパはリーグ戦が始まったばかり、あちらから日本までわざわざ来るのは難しい部分があったでしょう。

その分秋の欧州遠征は楽しみですが。
新たにベルギーとの話も出てるようだし、来月以降は気合十分で臨まないといけませんね。



今回の2戦が全く無意味だったかとなるとそんなことはなく、海外組と東アジアカップ組の連携を高めていくことが、ある程度の日数の中で出来たことは収穫だったと思います。
その新しい布陣での戦術を確かめたいのならば、強すぎるチームはかえって良くないような気もするし、今回はこれでOKとみてもいいのかなという気はします。
ぬるい試合だったとはいえ、やはり課題は課題として残ってしまったし。
うん、あんなゆるい相手だったのにね……。

ガーナ戦、日本は久々に良い内容の試合をしたのですが、失点シーンはやはりお粗末でした。
不運もあったけど、リプレイを見るたび、なんか腹が立ってくる(笑)。
ボーッと立って見てるだけじゃん。全然反応できてないじゃん。
DFはボールが動いてる限り常に自分も動いてよー。反応してよー。もっと反射神経良くしてよー。

攻撃の方は、なんか、そうですね、懐かしの「決定力不足」の声がどこかから聞こえてくるようでした。
グアテマラ戦の時は「本田持ってるなー」だったのですが、ガーナ戦は目を疑いましたよ。
かといって清武はやっぱり清武だし、大迫は大迫だし、柿谷は可能性は感じるけど後もう一歩だし、あ、香川のゴールは良かったですね。香川っぽくて良かった。でも終わってみればガーナ戦で得点した3人はいつもの3人。グアテマラ戦では工藤が決めたけど、できればこの2戦で大迫か柿谷にはゴールを決めてもらいたかったですね。

個人的には柿谷にはもっとやってもらいたいんだけどな。
ていうか、本田が柿谷のことをすごく好きそうで、二人で話してるところがしょっちゅうTVに映ったりして、なんか笑ってしまう。
新たな可能性が見えるのかなあ、柿谷には。
私自身も期待してるけど、本田の柿谷への思いが見えて、この二人が一緒にいるところを見るのは楽しいですね。

とにかく、失っていた自信をそこそこ取り戻すことには成功した2戦だったと思います。
次は欧州遠征。
ここでまた木っ端微塵に砕けることなく、課題克服に向けて頑張ってもらいたいものです。
柿谷と大迫も呼ばれるでしょう。
これまでのレギュラー組に遠慮せず、是非ガンガン行ってみよう。
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by teri-kan | 2013-09-11 14:48 | スポーツ(サッカー) | Comments(0)

2020年東京オリンピック決定

昨日ニュースを見てビックリしました。
決選投票の相手はイスタンブールだったんですねえ。
一回目の投票から思いの他大差をつけて東京だったので、あんなにハラハラすることなかったのかなと、後から振り返ると考えちゃったりしますね。

まあ優勢が伝えられていたマドリードが結構ヤラかしちゃったらしいので、運には恵まれていたのかな。
イスタンブールは地理的にこれ以上ない開催候補地だったけど、その地理故の問題で厳しい側面があったのが残念でした。
シリア情勢がここまでひどくなってなければもう少し違っていたかもしれません。でも国内のデモの発生もタイミング悪すぎたな。
前回辺りで開催が決まっていたら良かったのかなあ。
5回も立候補して落ちるというのはトルコ国民にとっては悔しいでしょうね。



東京招致に尽力された方々には「おめでとうございます、お疲れ様でした」の言葉を送りたいです。そして東京は七年後を目指して更に頑張って下さい。
やはりいいニュースですよ。
世界最大のお祭りと言っていいイベントが日本で行われるんですから。
既に一回やってるじゃないかと言われても、私でさえ前の東京オリンピックは生まれる前に行われた昔話で、今の子供達にとってはそれこそオリンピックはよその国でやるものという印象しかなかったでしょう。
昨日からなんとなく日本全体が若返った気分になってる感じがするし、東京で開催されることになって良かったなと思います。

もちろん日本の皆が賛成歓迎してるわけじゃなくて、被災地の復興が先、汚染水の処理が先と言う方々は大勢います。
その気持ちは私も一方で思っていたことだから理解できるんだけど、オリンピックと復興を同時にやれるならそっちの方が絶対いいし、ここまできたらそれを目指すしかないと思います。
何よりプレゼンで復興五輪を掲げたくらいですからね、被災地の復興がなければオリンピックの成功もないわけで、絶対両輪でやってくれると信じたいです。

震災が起こっても東京招致を諦めなかった時には正直「なんだかなあ」と思いましたが、やるのならその行動力をあらゆる方面に波及させるやり方もあると思うし、放射能の問題は東京でこれからも存在し続けるので、案外オリンピックがある方が一般の人達の福島への関心は廃れずにすむかもしれません。
何事も考え方次第だと思うのですが、こうしてオリンピックが決まったのなら、それがどう被災地のためになるのか、原発処理の取り組みへの政府の本気度につながるのか、それに注目したいと思います。



とは言っても、被災地の方でもスポーツ好きな人はいいけど、スポーツに全く興味のない人は本当にオリンピックなんてどうでもいいでしょうねえ。
個人的には東京に決定してうれしかったけど、キツイ反対意見を目にすると複雑です。
ああいう大災害が起こったのだからしょうがないけど、意見が完全に割れてる感じですよね。
復興費をオリンピック開催費に回すって言ってるわけじゃないんだけど、そういう風にとられてしまう雰囲気があるほど被災地は過酷だということで、オリンピック決定を喜ぶのはいいけど、いろいろな問題も肝に銘じておかなければいけないなと、気持ちを新たにした東京オリンピック決定のアレコレでした。
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by teri-kan | 2013-09-09 16:07 | スポーツ | Comments(0)