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玉木のヴァルモン

「危険な関係」
原作:ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ
脚本:クリストファー・ハンプトン
演出:リチャード・トワイマン
主演:玉木宏

只今東京で上演中。
来月は大阪で上演予定。



見てないし見に行く予定もないのですが、できれば見たい気持ちはある。
玉木のヴァルモン。
いいじゃないですかー。
これぞ玉木の色気の正しい使い方。

玉木を「日本のジェラール・フィリップ」と勝手に思ってる身とすれば、ヴァルモンを玉木が演じるのは至って正しいことなのです。
なぜ玉木をジェラール・フィリップと言うのか?というのは、できれば以前の記事をご覧下さい。
そこでも書きましたが、玉木の色気は人々を幸福にするものなのです。
とても質が良いのです。
古典作品の男前を演ずるのにピッタリなのです。

もちろん玉木は現代日本人なので、ラクロの描いた18世紀末の貴族でもなければ、ジェラール・フィリップの演じた50年代のパリ上流社会の人間でもありません。
しかし現代風のエロさを表現しつつも(写真と映像をちらっと見たけど、かなりサービスよさそうだ)、確かな品があるのです。
ていうか、舞台を観てないので完全な憶測だけど、品があるはずなのです。
やってることは下品だけど品があるという男。
ヴァルモン玉木、きっと良いと思います。

映画はジェラール・フィリップとジャンヌ・モロー出演のものも、グレン・クローズとジョン・マルコビッチ出演のハリウッド版も観ましたが、昔すぎて内容を覚えていません。
原作も読んでません。
だから玉木がヴァルモンに合うはずだというのは、ホントに「ジェラール・フィリップがやってたから」という理由だけです。

で、今回改めて思ったんだけど、ジェラール・フィリップは玉木の今の年齢よりも前に亡くなっちゃってるんですよね。
ホントに早すぎる死でした。
「危険な関係」は亡くなったその年の作品なのです。
「ああ、この時はもう病気だったんだ、もう死は近いんだ」と思いながら映画を観た気がします。

それと比べると、玉木は公開ゲネプロの映像を見る限り元気いっぱい。
あの体で元気じゃないって言われた方が驚く。
健康なのはありがたいことです。
玉木の色気はありがたいものだから、観に行けない人のためにも津々浦々お届けしなければ。

というわけで、いつかテレビでやってくれないかなーとか思ってみてみたり。
無理を承知で言ってますけど、放送してくれたらうれしいな。

もちろん舞台自体がつまらなければダメですが。
肝心要はそこなので、好評だったらいいなあと、切に願っております。




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by teri-kan | 2017-10-16 11:55 | その他のエンターテイメント | Comments(2)

伝説いろいろネールの塔

前回の続きになります。

参考にしたのはギー・ブルトンの「フランスの歴史をつくった女たち」第一巻。
物事は人の感情(愛)で動かされる、というのをテーマにしている歴史書なので、かなり詳しいんだけど一部物語風で、多分にフィクションも入ってるな、と思わされる本。
でも信憑性はありそうだ、といった本。

フランスがアムールの国だということを念頭に置いて読むべきで、ネールの塔の伝説についても、その視点での見方になります。
夜な夜な若者と情事にふけって殺してポイッ、をしていた王妃様はどの時代の誰だったか、というところから、なんかもう「へええええ~~」。

というわけで、ネールの塔にまつわる伝説は、まずは次のようなお話から始まるのでした。(私風にアレンジした文体でまとめています。)





皆色と欲の話が好きなんですよね
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by teri-kan | 2017-10-04 16:19 | | Comments(0)

おどろおどろしいネールの塔

デュマの作品には小説の他、戯曲がいくつかあります。
彼はもともと劇作家で、名を売ったのも戯曲からでした。
その中に1832年発表の「ネールの塔」があるのですが、このネールの塔というのがすごいので、それについて今回は書いてみたいと思います。

場所としてはパリ6区、セーヌ川沿いの、現在フランス学士院があるところ。
1380年の地図でいうと、シテ島から下にちょっと進んだところに、セーヌ川に鎖を渡してる箇所がありますが、鎖がつながれてる右側の塔がネールの塔になります。(スクロールして大きくして下さい。)
ちなみになぜ地図が1380年のものかというと、この事件が1312~14年に起こっているので、近い年代の地図の方が雰囲気がわかりやすいかなと思って。

おどろおどろしい伝説こそドラマになる、ということだとしても、ネールの塔は本当におどろおどろしいのです……。





皆おどろおどろしい話が好きなんですよね
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by teri-kan | 2017-10-02 16:26 | | Comments(0)

「モンソローの奥方」その2

アレクサンドル・デュマ著、日本図書刊行会。
予定外に長くなった感想の続きです。





三アンリの戦いの時代の人々
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by teri-kan | 2017-09-27 16:11 | | Comments(0)

「モンソローの奥方」その1

アレクサンドル・デュマ著、日本図書刊行会。

時は聖バルテルミーの虐殺から6年後?の、アンリ3世の御世。
カトリックとユグノーの争いが続く中、一人の女性をめぐる男達の愛と執念が、政治情勢まで動かしていく……といったお話。
いかにもデュマ!な、ロマンあふれる歴史小説です。

いろいろといろいろあるお話なので、感想はネタバレ盛大です。
核心部分も大バレですので、今後読む予定のある方はご注意下さい。





勇者ビュッシー・ダンボワーズ
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by teri-kan | 2017-09-25 14:21 | | Comments(0)

「セルヴァンドーニ街の奇怪な事件」

コメント欄でお薦めいただいたウンベルト・エーコの「小説の森散策」(岩波文庫)から、デュマの「三銃士」について書かれたところだけ先に読んだので、そこの部分の感想を。

この本はエーコがハーバード大学のノートン・レクチャーズで行った文学講義の記録で、全6回分が収められているのですが、「セルヴァンドーニ街~」はその第5回目。
それまでの流れもあっての内容なのだけど、とりあえずそこだけ読んだ印象としては、いやー、面白かったですけど、作家先生は細かいなあ(笑)。

いろいろと勉強になりました。
「三銃士」のセルヴァンドーニ街に関して、自分の読み方は人と違っていたということもわかりました。
読み方というか、パリの街の見方ですね。
パリの街に不案内な人間だったからこそ、エーコのような思索に向かわず、「あれはデュマのミス」で簡単に片づけちゃったところもあったかなと、ちょっと思わされました。

というわけで、その辺のことをつらつらと。





古い人とつながる感覚
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by teri-kan | 2017-08-18 11:42 | | Comments(0)

牢獄・刑場・墓地ツアー

「三銃士」でボナシューがバスティーユに投獄されて、その後わけもわからず馬車に乗せられどこかへ連れていかれるという、大変気の毒、かつ笑える場面があるのですが、そのボナシューの恐怖の道のりを、古地図を眺めながら辿ってみたいと思います。

またまた前回と同様の地図を使用します。
今回は川の真ん中のシテ島から地図で右に進んだところ、赤と緑の線上にある有名なバスティーユ(La Bastille)が起点になります。
バスティーユは元は要塞ですので、当時は城壁(赤と緑の線)にくっついていました。
すぐ上にあるのがパリに出入りするための東の門、サン・タントワーヌ門(Port S Antoine)。
ダルタニアンが上京した際にくぐった門ですね。





おどろおどろしいパリの右岸
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by teri-kan | 2017-07-26 10:35 | | Comments(0)

三銃士が西に東に活躍したパリ

以前パリの古地図が欲しいと書いたことがありましたが、ネットが発達した世の中ってのはありがたいですねえ。
使い勝手のよい貴重な地図がタダで見られる。
なんと素晴らしいことでしょう。

いろいろ探した中で一番のお役立ちはこの地図でした。→ 1716年のパリ
現在のパリと重ねることができるスグレモノ。
なんと右上に古地図と現在の地図を入れ替える機能がついているのです。
航空写真と地図は左上で調節できます。

1716年はルイ14世没年の翌年ですので、1625年から物語が始まる「三銃士」の時代とは離れてるのだけど、革命以前のパリなので雰囲気は十分伝わります。
通りが現在よりシンプルな分、登場人物の行動も理解しやすい。

というわけで、これを駆使してさっそく第一巻の四人を想像しましょう。

(原作では「フォッソワイユール街」というように「街」とあるけれど、ここでは現在の地図に合わせて「通り」を使用します。
地名の単語は古地図から拝借してるので、現代の綴りとは違うところがあります。読みにくいところは適当に書いてるので、違っていたらすみません。)





若々しいパリの左岸
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by teri-kan | 2017-07-24 11:07 | | Comments(4)

「ダルタニャン物語」の出版事情

これから読んでみたいと思われた方へのアドバイスになればと思います。
第一部「三銃士」だけを読むなら簡単なのですけど、第二部・第三部となると、現状途端に困難になるので。





改善要求!
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by teri-kan | 2017-07-21 12:55 | | Comments(0)

「ダルタニャン物語」と「マスケティアーズ」

同じだけど違う、違うけど同じな、原作とドラマの愛すべき四人について。
彼らは永久に不滅です!
(原作とドラマ両方のネタバレありです)




キャラクターのつくりかた
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by teri-kan | 2017-07-19 10:38 | | Comments(2)