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「謎の修道僧」

ダルタニャン物語の第4巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

第二部「二十年後」の中巻です。
マザランが支配する宮廷と、市民の代表のようになってる高等法院の対立が激化し、とうとうフロンドの乱が勃発します。

高等法院とは法服貴族によって構成されてる機関で、ドラマ「マスケティアーズ」ではシーズン3の第2話に出てきた判事が、おそらくその法服貴族。
捕らえた難民の死刑について王族のパリ総督と対立してた人ですね。
「総督も法に従うべき」と強硬に主張してました。

あと、第9話で摂政人事について貴族の反発を懸念してた人も。
法服貴族は官位を金で買えたので裕福な市民出身者が多く、従来の宮廷貴族とは対立傾向にありました。
王妃が評議会に怒りまくってたけど、ああいった対立の図式が悪化したなれの果てがフロンドの乱と考えれば、案外わかりやすいのではないかと思います。

といった背景を押さえたところで、「謎の修道僧」の感想。




因果は巡る
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by teri-kan | 2017-05-22 08:58 | | Comments(0)

「我は王軍、友は叛軍」

ダルタニャン物語の第3巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

ここから三巻にわたって第二部の「二十年後」です。
「二十年も後の話かい!」って突っ込みたくなるけど、読むとそこまでブランクを感じないというか、普通に第一部「三銃士」の後日談ぽかったりします。
二十年を現代の時間で捉えたらダメですね。
17世紀のお話ですから、今でいえば数年という感覚でよいかと思います。

とはいえ二十年は二十年なので世代は替わってる。
政治の実権を握ってるのはリシュリューではなくマザラン。
三銃士+1もそれぞれの場所でそれぞれの人生を送ってる。
イケイケ時代とは違い、酸いも甘いもかみしめた、もういい大人。

そんな二十年後の、新たな彼らの冒険スタートって感じです。




気前の良さは美徳
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by teri-kan | 2017-05-17 11:12 | | Comments(0)

「妖婦ミレディーの秘密」

ダルタニャン物語の第2巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

第一部「三銃士」はこれで完結です。
最後は大団円。
いろいろあるけれど、とりあえず大団円。




ミレディすげーっ
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by teri-kan | 2017-05-15 09:27 | | Comments(2)

「友を選ばば三銃士」

ダルタニャン物語の第1巻。
アレクサンドル・デュマ著、鈴木力衛翻訳。
講談社文庫。

デュマの「ダルタニャン物語」は三部構成で、第一部が有名な「三銃士」、第二部が「二十年後」、第三部が鉄仮面エピソードの入った「ブラジュロンヌ子爵」となっているのですが、講談社文庫では全11巻のうちの最初の2巻が「三銃士」。
今回読んだのは、なので「三銃士」の前半部分ということになります。

半分とはいえ結構な分量で、なかなかの読みごたえ。
「ブラジュロンヌ子爵」はもっと大分量で、完結までの道のりを思うと気が遠くなりそうなのですが(笑)、第1巻から超面白かったので、もしかしたらサクサク進むかも。
このノリのよさは原文もさることながら、翻訳のおかげもあるのかな?
フットワークの軽い文章が笑えます。
このノリとセンスはとても好きです。



いやあ、ドラマの「マスケティアーズ」から、とうとうここまで来ましたよ。
またここから長い旅が始まる~。

というわけで、「友を選ばば三銃士」の感想です。
ダルタニャンの表記は、馴染みのダルタニアンでいかせていただきます。




みんな若い
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by teri-kan | 2017-05-08 09:09 | | Comments(2)

「ダルタニャンの生涯 史実の『三銃士』」

佐藤賢一著、岩波新書。

「マスケティアーズ」から始まったフランス文学&フランス史の旅は、肝心の「三銃士」を読まないまま、デュマとブルボン朝の周辺を行ったり来たり。
シーズン3を見るまでは!と原作を棚上げにしてきたけれど、いよいよ無理がきたと言うか、とうとう手に取ったのがこれ。

原作未読で読むのはどーよ、と思いましたが、しょうがないので読む。
読みたいのだー。

ダルタニアンの生涯。
映画とドラマと多少のフランス史の知識だけで実際の彼に近づいてみました。




フランス男万歳
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by teri-kan | 2017-02-24 11:20 | | Comments(0)

「カンパン夫人 フランス革命を生き抜いた首席侍女」

イネス・ド・ケルタンギ著、ダコスタ吉村花子訳。
白水社。

マリー・アントワネットの首席侍女を務めた女性の人生を綴った本。
生没年が1752年から1822年ということで(アントワネットより3歳年上)、ルイ15世のブルボン王朝から革命を経て、ナポレオンの帝政、王政復古までが時代背景となっています。




感想です
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by teri-kan | 2017-02-17 16:43 | | Comments(2)

「赤い館の騎士」

アレクサンドル・デュマ著、復刊ドットコム。

副題は「マリー・アントワネットを救え!」で、舞台は革命期のパリです。
幽閉されている王妃を救おうとする人達と、革命の熱狂に支配された共和派の人達が織りなす人間模様のお話です。

実はこれが初デュマ。
「カンディード」を読んだ後、物語らしい物語が読みたいと思い、これを選んでみました。
面白かったですね。
主人公とその親友の関係性が良かった。
もちろん恋愛もあります。
というか、メインはそれだと言っていいくらい、主人公の恋心が事態を動かしています。
それと並行して描かれるのが王妃救出の作戦。
結構ハラハラもので、だれることなく読み進められます。

物語として面白い小説ですが、個人的には描かれている時代背景に、より興味がわきました。
悪い意味でハイテンションのパリと、凶暴的なまでに革命に熱狂中のパリ市民。
ルイ16世の処刑約一ヶ月半後からアントワネット処刑後あたりまでが描かれているので、革命の狂った空気感がどういうものだったかがよくわかります。

というわけで、本作の感想もその辺のことが中心になります。




デュマ自身のこととか、いろいろ
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by teri-kan | 2017-01-18 16:52 | | Comments(4)

「カンディード」

ヴォルテール著、光文社古典新訳文庫。
1759年の小説です。

どこかで聞いた題名だと思ったら、バーンスタインの曲でした。
バーンスタインのミュージカル「キャンディード」の原作なのだそうです。
佐渡裕が司会をしていた時期の「題名のない音楽会」のテーマ音楽ですと言えば、「ああー、あの勇ましい曲」とわかっていただけるかと。
あれは序曲ですが、景気のいいワクワク感あふれる楽曲です。
ちなみにミュージカル「キャンディード」を見たことはありません。

マスケから始まったフランス文学マイブームは一応まだ続いてて、でもなんでここでヴォルテールなんだ?って感じで、自分でも変な方向へ行ってるなーと思うんですが、これを選んだ第一の理由は、単純に背幅が薄かったからでした(笑)。
手軽に読めそうだなーと。
あと外せないのは、やはり王朝時代のお話だということ。
ここはこだわってます。
でも17~18世紀が舞台のフランス文学って限られてるんですよね。
しかも「カンディード」は舞台がフランスではない(笑)。
ヴォルテールがフランス人ってだけです。
でもヴォルテールだからまあいいかと。
シャルリ・エブド襲撃事件以降、ヴォルテールの名言「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」が改めて見直されたりしてるし、敬遠せずに読んでみりゃいいじゃないかと、このたび購読してみたのでした。

で、うん、面白かったけど、すごい話でしたね。
カンディードの冒険、すさまじかった。
というわけで、ここから先はお話の感想。




カンディード君は大変だった
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by teri-kan | 2016-12-23 01:46 | | Comments(0)

「マノン・レスコー」

アベ・プレヴォー作、新潮文庫。
有名なフランスの恋愛古典小説です。



「マスケティアーズ」から出発したフランス文学の旅は、なぜかマスケからどんどん離れて「マノン・レスコー」へ。
持ってる本から選んでるのでしょうがないのです。
マスケとつながってるのは、もはや「愛」だけ。
フランスはやはり「愛あればこそ」。

物語の年代は本文中に書かれてないけど、刊行されたのが1731年なので、その頃のお話と考えてよいと思います。
「マスケティアーズ」からちょうど100年後、ルイ14世の孫のルイ15世の時代。
ルイ15世も戦争にあけくれた王様でしたが、本作が出た頃はちょうど平和な時期で、かなり繁栄していたとのこと。
実際物語に戦争の匂いはしないし、そういったものに引き裂かれる理不尽さといったものもありません。
政治の匂いもしない。
ようするにホントに恋愛しか出てこなくて、愛に突っ走る様のみとことん描かれてる話。
そしてそんなことが許される人、そんなことが出来る人となると、主人公はもうこれしかなくて、まだ十代の男女なんですね。
マノンは物語終了時点でまだ二十歳そこそこなんじゃないかなあ。





お話の感想とアメリカについて
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by teri-kan | 2016-11-18 11:06 | | Comments(0)

「タンド伯爵夫人」

ラファイエット夫人作、岩波文庫。
文庫本「クレーヴの奥方」に収められている三作のうちの第三作目です。
超短編。

物語のスタート時期はカトリーヌ・ド・メディシスの摂政最初の年ということだから、前作「モンパンシエ公爵夫人」と同じシャルル9世時代とはいえ、あれより何年か前のこと。
ユグノー戦争勃発前年ですね。
そこから数か月から数年?のお話なんですが、状況説明は最初の2ページで完了(笑)。
感心するしかない簡潔さです。
簡潔なのに人間関係がよくわかるのにも感心
そこからどう事態が動いていくのか、といったお話です。





感想
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by teri-kan | 2016-11-14 09:26 | | Comments(0)