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「ロスト・シンボル」

「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」に続くラングドンシリーズの第三弾。
作者はダン・ブラウン。角川文庫。

映画化がもう決まっているそうですが、結構視覚的にグロそうです。
そういうのに弱い人は本を先に読んでから観にいった方がよいかも。
まあグロいといってもスプラッタとかじゃないですが。
でも本で描かれてるような刺青はあまり目にしたくないなあ。

フリーメイソンにやたら詳しくなれます。
そういうのに興味がない人にはつまらない作品かもしれません。
最終的には人間と神との関わりとか、かなり哲学的な会話も出てきます。
オチはまあ……こういうことかあって感じです。

本作はある意味宝探しのお話ですが、アメリカってやっぱり歴史の浅い国なんですよね。
浅い国というか人工的な国。
探し求める宝は人間の許容量を超えるもののはずなのですが、そこに辿り着くまでの過程がやっぱり人の作ったものって感じ。
人というか、現代人に近い近代人。
遠く離れた古代人じゃないんだよなー。

まあアメリカが舞台だからそうなんだろうけど、古代の古代、はるか古代の人類の知恵がなぜ超新しい国のアメリカにあるのかなとは、結構しょっちゅう思うことではある。
アメリカ人、古いものに憧れとかやっぱりあるのかね。
旧世界のお宝を新世界に持ってきたとか、どれだけ本当の話なんだろう。



いろいろな科学技術が出てきて、どれがホントなのやらフィクションなのやら、ホントにそうならスゴイけど、にしても「ええー、そんなのアリ?」みたいなのも出てきて、自分の無知をひしひしと感じました。
書かれてあること全て真に受けても大丈夫なんでしょうか。
それとも最先端科学に素直に感嘆していればいいのでしょうか。

「思考には質量がある」と言われて真っ先に思いついたのが、「ドラゴンボール」の「オラにみんなの元気をわけてくれ」は可能なんだな、というレベルなものでねえ。
元気玉の元気って精神力みたいな感じでしたよね? 念じた気というか。
地球上のみんなの気を集めて膨大な質量の元気玉を作るっていうの、だから可能なんですよね? まあ集める方法が問題ですが、思考に重さが存在するなら出来ないわけではないような。

なんか、そんなことがやたらと気になりましたね。



ワシントンDCを訪ねたことのある人には楽しめる話ではないかと思います。
そうでない人間には写真や地図の助けなしにはちょっと難しいかも。
映画はその辺の問題がクリアになるので映画向きではあると思います。
これまでの2作品はバチカンとルーブルが舞台でイメージしやすかったけど、ワシントンDCは観光地としてそこまで有名なわけではないし、ニュース映像くらいなものですからね、雰囲気を想像する材料が。

日本人にはちょっと遠いお話だったかな。
日系の人は出てくるんだけどね。




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by teri-kan | 2013-01-15 13:33 | | Comments(0)

「銃・病原菌・鉄(下)」

「銃・病原菌・鉄(上)」の続きなんですが、なんていうか、妙に長かったというか、上巻と比べると文字数以上に長かったような……。
感想もちょっと、なんと言えばいいのか、なかなか難しい。

まあ結論は結論でいいとして、そこに至るまでの過程が長い道のりでした。
無駄に、という言い方は適切じゃないけど、しかし無駄と言って言い過ぎではないだろうというくらい、無駄にニューギニアの歴史に詳しくなった感がありますね。
本書におけるニューギニアの意義については理解してるつもりでありますが、しかし、もうちょっと簡潔にしてくれたら読みやすかったのになあ。
途中、向かってる先を見失いそうになりましたよ。

とにかくニューギニアが、人種から習慣から何から何まで塗り替えられる征服を免れた稀有な地域と言われれば、なるほど、あの民族の特殊性はだからなのかと納得できます。
逆に言えば、他の地域は全て民族のオリジナリティがなくなってるか薄まってるかしてるってことで、地球の歴史、っていうか人類の歴史は、均質化・同質化の歴史なんですね。
今更な感想なのかもしれませんが。

ニューギニアやアフリカの歴史は全く知らなかったので興味深く読んだのですが、日本についての記述には首を捻りたくなるところもあって、自国民の認識と外から見る目ではいろいろと違うものなのかなと思いました。
日本が江戸時代に銃を放棄したのはとりあえず正しいとして(完全に放棄したわけじゃないけど)、放棄した理由が刀の方が武士の象徴だからというだけではちょっと説明不足なような気が。
とはいえ、周囲に脅威となる国がなかったから銃の放棄という武装解除ができたのだというのはわかります。技術の放棄は自分達だけの都合では成しえないこと、現在の原発是非論が外国の存在抜きにして語れないのを見ても明らかだし。

結局のところ人間社会は他者との関係性によって発達するし滅びもするし、人が存在する限りその軋みは存在し続けるってことなんですかねえ。
でもって軋みがある限り核なんかも存在するということで、人間社会は膨張の果てに自爆するしかないんじゃないかと、読んでてイヤな気分にもなりました。

中国ではなく欧州が世界の覇権を握った理由には納得。
多様性がある方が発展するのは確かだし。
ただ、より発展した国が遅れた地域を征服するのは歴史の必然だとしても、アフリカやアメリカの先住民に対する大々的な殺戮、奴隷化、アジアの植民地化は、何をどう言い訳しても犯罪と言っていいと思います。
欧州が力強く発展したのは結構なことなんだけど、人種的に劣っていたから征服されたわけじゃないと言うのもいいんだけど、やりきれなさが残りますね。

みんな仲良く、とは絶対にならないんですよねえ。
これから先も膨張と発展の先の自爆を免れたとしても、大きな犠牲は避けられないんじゃないかって気がしてしょうがないし、歴史を知るのは楽しいけど、知って未来が不安になるのもなんか悲しいものが。

というのが読み終わっての大体の感想でしょうか。



にしても歴史を綴るって難しいですね。
あらゆる分野の科学的数値や定説・新説をもとに昔の社会を頭の中で築いていくというのは、よほどの知識と知性がないと出来ないことだなあと感じました。
その頭の中の社会も、築き方は学者一人一人によって違うし、かといってあれもこれも読むほどこっちも余裕があるわけじゃないし、いろいろ読んだってより事実に近いのはどれなのか自分じゃ判断できないし、知りたいのは知りたいけど、限界がある頭の持ち主には悩ましいものがあります。
ホントにね、タイムマシンでササッと過去を確かめに行けたらこれ以上のことはないんですけどね。

仮に過去に行くとしたら、1000年前とか1500年前とかがいいな。
新大陸発見以前は地球がバラエティに富んでて楽しそうだ。
日本では漢字が入ってき始めた頃、日本語の話し言葉に文字を当て始めた頃が見たいし、世界中を回ってそういうのを見ることができたら楽しそうだな。

うん、いろいろあるけど、歴史を知るのは楽しいのだということを、たくさん感じさせてくれる本ではありましたね。




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by teri-kan | 2012-07-04 11:23 | | Comments(0)

「銃・病原菌・鉄(上)」

著者はジャレド・ダイアモンド。訳者は倉骨彰。
草思社文庫。

文庫本が発売されて早々に買ったはいいものの、なかなか読めずにここまできました。
下巻読了まで待ってたら上巻を忘れてしまいそうなので、とりあえず(上)のみの感想を。



本書のテーマは、なんで現在の世界はこのような世界になっているのか、です。
なぜヨーロッパが他の地域を支配することができたのか、その逆はありえなかったのか。南北アメリカ大陸の先住民が旧世界に征服されたのは、人種的にヨーロッパ人より何かが劣っていたからなのか。
……いや、そうではない、それは地形的条件、気象的条件などの自然環境がもたらしたものなのだ、というのが著者の言いたいことで、様々な分野の研究からそれを解析していくといった内容になっています。

たくさんの人間を食わせる社会を作れる環境にあったかなかったか、の違いなんですね、戦争に勝って支配者になるか隷属する側になるか、を決める条件は。
だから何千年も前から畑を作れる環境にあった方が強くなる。農業に向いてる野生植物が多く自生していた地域の方が、家畜化できる野生動物が多くいた地域の方が、そうでない地域より技術が進む。

乾期がある場所でないと農業が生まれにくいというのには「へえー」でした。
一年草でないとダメだというのも、理由を知れば「へえー」。
植物の説明のところは知らないことだらけで面白かったです。いやもうなんか、こういうことって人間として最低限勉強してないといけないことじゃないかって感じです。
現代人って漫然とスーパーで食材買って適当に料理して食事してるけど、食物は人間を社会で生きる一員として成り立たせる根本だということ、もっと肝に銘じておかないといけないんじゃないかと感じさせられましたね。

病原菌の話はすさまじかったです。
ていうか、アメリカ大陸の先住民がヨーロッパ人にやられてしまったのって病気を持ち込まれたからだったんですね。今まで武力のことしか考えてなかったです。
でも病気の方がたくさん人を殺したというはかえって悲惨な気がします。
これじゃヨーロッパ人は完全に悪魔の使いじゃないか。

実は常々疑問には思っていたんですよね。いくら武力で制圧されたといっても、あまりにあっけなく支配されすぎじゃないかって。
でも持ち込まれた病気に対する抗体が全然なかったからと言われればなるほどなあって感じで、例えば村の人間が謎の病気でバタバタと死んで生き残りが自分を含めてほんのちょっとだったりしたら、そして周囲はいつのまにかヨーロッパ人だらけになっていたとしたら、想像するだけで恐ろしすぎなのですが、もう何もかも言いなりになってしまっても仕方ないような気がします。
わけわからないうちに根底から破壊されたって感じでしょうし、気の毒極まりないですね。



欧米の白人さんって、いまだにヨーロッパ以外の地域がヨーロッパのように進化しなかったのは、その地域の住人が白人よりも劣っていたからだ、とか思ってるわけ? もしくはそういう人がまだ多くいるとか。
実はそういう人がいることを前提とした言い回しをしてる箇所が結構あって、読んでてそれが目についたんですよね。もっと事実を淡々と記述してくれるだけでいいのにって感じでした。
まあ本書の意義がまさしく「人種の優劣ではなく自然環境の違いがその差を生み出したのだ」ですから、そこのところをしつこく言うのは正しいのでしょうが、しかししつこく言わなければいけない現状が歴然としてあるということも感じさせられて、なんだかなーって気分になりました。

でも全体的には大変楽しく読めた本でした。
普通の馬は投げ縄で捕まえられるけど、シマウマは絶対に輪が首にひっかからないとか、日常レベル(?)の小ネタが、実は世界の勢力図の行方まで関わっているという、そういう一つ一つの話は面白かったですね。
確かになんで馬は家畜化されてるのにシマウマはされてないのかとか、疑問に思ってもよさそうなもんですよね。シマウマがアフリカの人達に飼い慣らされて乗りこなせるようになってたら、白人のアフリカ侵略だってそうは簡単にいかなかっただろうに……。
まあ、アフリカ先住民がシマウマ乗ってる姿を想像するのも変な感じですが。
シマウマに乗ってね、サバンナの遠くまで駈けてって、狩りも馬上から行うんですよ、手作り弓矢とか吹き矢とかで。
……んー、やっぱりピンとこないかな。



とまあ、そんな上巻でした。
下巻は文字の誕生から始まっていますが、これまた長くかかりそうです。




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by teri-kan | 2012-05-23 14:54 | | Comments(0)

「ふしぎなキリスト教」

社会学者の橋爪大三郎と大澤真幸による、対談形式キリスト教解説本。
講談社現代新書。





微妙な宗教のお話とか感想
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by teri-kan | 2011-08-02 11:32 | | Comments(0)

「大聖堂」前半までの感想

現在NHK-BShiで絶賛(?)放映中のドラマ「ダークエイジ・ロマン 大聖堂」
とりあえず全8回放送のうちの4回までを観ました。

いやあ、ザ・暗黒の中世って感じで、ホント「ダークエイジ」。
毎回毎回アッパレなほどドロドロですねえ。

実は欲と陰謀の話は嫌いじゃない。それがあってこその人間ドラマだし。
あまりに見せ付けられてもウンザリするけど、金銭欲や権力欲こそ他の動物と人間の違いの最たるものだと思えば、「ほほーなるほどー」と、欲が暴力に直結するドラマもなんとか観ることができる。
「痛いぃ!」と言いたくなるような拷問シーンや残酷シーンがあったとしても。

しかし、その人間の欲を「神のご意思」とか言っちゃうのは勘弁してよって感じ。
だから嫌いなんだよキリスト教。……って言うか、このドラマはキリスト教のネガキャンドラマなのではなかろうかと思うほど、その辺容赦なく描かれてるのがすごい。

リドリー・スコットは、そういえば「キングダム・オブ・ヘブン」でもキリスト教に甘くなかったし、事実は事実としてニュートラルな目線で見ることのできる人なんですかね。
と見せかけて、実は「牛やカンガルーはいいけどイルカやクジラは知能が高いから殺してはダメ」という生き物の序列化思考がこびりついた人だったら残念極まりないですが。

まあとにかく「大聖堂」は人間の持つ欲を、より汚く見せるドラマとしてはなかなか素晴らしいのではないかと思います。
キリスト教のエグさがしっかり描かれているとはいえ、内輪の世界でアレコレやってる時代の分まだマシだし、一般庶民は観ていてもホッとできるものがあります。

第5回はまだビデオに録ったままですが、これから後半はどうなっていくんでしょうか。
ていうか、第4回なんて主人公のはずなのにトムが全然出てこなくて「え?」って感じ。
ジャックの父親が誰かっていうのもあるし(まさか王子のウィリアム?)、どっちかというとドラマ的にはこれからが本番。ドロドログチャグチャもいいけれど、そろそろ少しは救いというか、皆が喜んでるところを観たいものです。

こうなったら最後には是非「正義は勝つ!」のベタな終わり方でお願いしたい。
悪者はやっぱり悪者らしく身を滅ぼしてくれないとね。
これまでいかにも「おぬしも悪よのう」という描き方で来たのだから、最後まで悪者の使命を全うしてもらいたいものだと思います。
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by teri-kan | 2011-03-07 13:40 | 海外ドラマ | Comments(0)

「大聖堂」

先週の土曜日からBSで始まった海外ドラマ。
製作総指揮はリドリー・スコットだそうです。
リドリー・スコットはこの頃のイングランド作品が続いてますね。去年「ロビン・フッド」も公開されたばかりだし。(観てないけど。)

「大聖堂」の原作を読んでないのではっきり言えないのだけど、ヘンリー2世が登場するくらいまでの期間を描くのかな? いや、大聖堂を完成させるまでとなると結構年月がかかるか。
主人公のトムはカッコいいですね。魔女扱いされてしまうエレンも男前で良い。
悪人はホントーに悪人で、これから毎回「キーッ、腹立つうううう!」と思いながら見ないといけないようです。

イングランドのジメジメして陰気くさい雰囲気がしっかりとかもし出された、とてもいい映像だと思います。王朝の陰謀にピッタリ。
イングランド王家ってホントどの時代も血まみれですよねー。どんよりした天候も関係してるんじゃないかと思うくらい陰謀ドロドロ。
でもそのおかげで物語になりやすいとかあるのかもしれませんね。

NHKはこのドラマを結構宣伝してたように思うのですが、原作を読んだ事ある人、この時代に興味を持ってる人しか対象にしてなかったのですかねえ。もしくは王家の血縁関係をそこまで詳しく知らなくても主人公トムをメインに鑑賞すれば無問題と考えたのか。
政治背景の説明を少しでもしておいた方がわかりやすかったのではないかというか、児玉清が大絶賛してたので見てみた、といった程度の方々には、この第一回はわかりにくい場面も多かったと思います。登場人物の整理が必要だったのではないかな。

にしても、イングランドの民衆にとってこういう上の人達の争い事ってどうだったんでしょう。
イングランド人でない外国人の王様でも、王様は王様で良いのかどうなのか、日本人の感覚としてはよくわからないところがあります。
民衆は英語を話してるけど宮廷内はフランス語とか、そういうのって如何なものか。
最後にイングランド人がイングランド王だったのって千年以上前ですよね?
ヨーロッパ人の王の感覚って本当によくわかりません。

まあドラマの本番はこれからです。
状況は第一回で大体描かれたと思うので、物語としてはこれからが見せ場だと思われます。
楽しみですね。
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by teri-kan | 2011-02-12 03:25 | 海外ドラマ | Comments(0)

系図マニア

私はかなりの系図好きで、各国王家や名家の系図を自前でいくつか作っています。
縦に長いのより横に広がる系図が好きで、特に婚姻関係の繋がりを見るのが楽しい。昔は外国も日本も結婚は政治ですから、家同士の関係は即政治状況の説明なんですね。そういう系図を自分なりに作ると当時の社会や(ヨーロッパの場合だと)国際情勢が理解しやすくなってとても楽しいのです。

系図好きになったきっかけは源氏物語で、大量に出てくる登場人物を整理するために始めたのが最初なのですが、源氏の登場人物は「なんで皆こうやってきちんと線で繋がっていくんだ?」って感心するくらい何らかの血縁関係で結ばれていて、狭い社会の中で皆誰かと夫婦だったり兄妹だったり親子だったりするのです。これでもかってくらい徹底されて皆親戚なのですよ。
「まあ道長だって娘を四人も入内させたしなあ」とか思いつつ、そのうち源氏物語の世界だけでは物足りなくなって、とうとう実際の平安王朝の家系に手を出すことになるのですが、これがまあ物語なんか比較にならないほど複雑怪奇で、はまりこんだら抜けられない(苦笑)紙が足らない(笑)きりがない(笑)。
檀林皇后ってカッコいい名称だなあとか、桓武天皇のお母さんは渡来系の人なのかあとか、井上廃后って何よ、皇后が廃されるなんてことがあったの?とか、楽しく調べつつ、書いた本人しかわからないような入り組んだ系図が何枚も出来上がって、でも「うん、上手くまとめた」と悦に入っていたウン年前……。


地味に楽しんでたあの頃を、橋本治の「権力の日本人」は思い出させてくれます。
あれに載ってる複雑な系図はまさに私が作っていたのと同じもので、そして二作目の「院政の日本人」でとうとうその説明がきたのでした。著者がどのようにしてあの系図を作るに至ったのかという成り行きというかいきさつの説明が。

橋本治が天皇家の系図を書いていくにあたって、どんどん遡って継体天皇や応神天皇まで行き着いてしまったという話には、僭越ながらその気持ちがわかるような気になったものでした。誰が何をしたかは置いておいて「この人の父はこの人で母はこの人」ってことばかり調べてたというのもすごくよくわかる。

でも自分のような凡人と違って、彼は自分が作った系図から様々なことが読み取れるんですね。読んでる資料の量が違いますし、目的をもって系図を作ってるから当然なのでしょうが、にしてもこの辺の作業、本人すごく楽しかったんじゃなかろうかと想像します。

読んでてこれだけ楽しいのだから、書いてて(というより考えていて)さぞかし楽しかったでしょうねえ。




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by teri-kan | 2009-08-12 11:59 | | Comments(2)

「カペー朝 フランス王朝史1」

佐藤賢一著(講談社現代新書)。

タイトル通りフランス・カペー朝歴代の王について書かれた本。
王様一人一人について性格、成し遂げた事柄等が当時の状況と共にわかりやすく書かれていて、大変面白い歴史本です。

読んでてつくづく思ったのは、君主にとって何より肝心なのは長生きすること、しっかりと男系の子孫を残すこと、それに尽きるんだなあということです。
ハプスブルグ家の繁栄も結局はそれ故なのですが、そういった生命力の強さが人の上に立ち続ける家門の条件の最たるものだというのは非常に納得できますね。

とはいえカペー朝のように、こうまで見事に父から息子へと王位継承がなされているというのは、筆者によれば奇跡的なことなのだそうです。言われてみればその通りで、以前ヨーロッパの歴史の勉強をする時、人を中心に見ていった方が流れが理解しやすいからと自前で各王朝の系図を作ったことがあるのですが、確かにフランス王家はとても書きやすかったのですよ。
これがスペイン、イギリスだとそうはいきません。ドイツなんか最悪です。おかげでドイツの歴史は覚えにくい(苦笑)。対立王とか、どこの家のフリードリッヒさんかハインリヒさんか、頭の中で整理するのが大変なのです。
その点フランスはわかりやすく、勉強しやすい。ヨーロッパの歴史を知りたいと思う人は、とりあえずフランス史から入るのがやっぱりいいような気がします。


本作で一番面白いと思ったのは、後書きでフランス王国を個人商店にたとえたところ。
あれは妙にわかりやすくて笑ってしまいました。
テンプル騎士団撲滅の呪いのせいで直系男子が絶えたという噂も、いかにもな話でウケました。
ていうか、タンプル塔ってテンプル騎士団の本拠地だったんですね。「あ、そうかー、そういやタンプルかあ」って、今更ながら納得しました。



次はヴァロア朝です。戦争、陰謀、発狂、グチャグチャのドロドロ王朝。
カペー朝の王よりも既にたくさん本などに書かれている王達が出てくるので、より面白い作品を期待したいところです。




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by teri-kan | 2009-07-29 10:36 | | Comments(0)

「中世世界とは何か」

佐藤彰一著(岩波書店)。
ヨーロッパ中世初期について書かれている歴史書。発行は08年11月ですが、先月本屋で初めて見つけて購入。思ったよりも早く読み終わることができました。



面白かったー!

もー、こういう本を待っていたんですよ。ヨーロッパがヨーロッパであることの基本というか、どういう風に今のようになったのかその原点というか、それが知りたくてこの時期について書かれた本をいくつか読み続けてきたのだけど、ピンとくるものにはこれまで出会えなくて、なんとなーくモヤモヤしたものをもう何年もずっと抱えていたのですね。

でもこの本でいろいろなことを初めて知ることができました。
ゲルマン人の王の定義、貴族の成り立ち、それから修道院の成り立ち、帝政ローマ衰退からゲルマン国家形成までの混沌とした時代のあらましetc.。
ゲルマン人(というかフランク人)の歴史や思想がわかりやすく書かれていて、いやー、読んでて楽しかったですねー。


私は歴史についてはただの趣味で、専門に勉強したわけじゃないのだけど、これはそんな人間にも読みやすい本だと思います。
もちろんある程度の流れや人物名、地名はそこそこ知ってないとダメだけど、あの辺の時代に興味がある人なら絶対楽しめると思います。


あと数回は読み込んで、全部が全部は無理でもきちんと自分なりに理解できるようにしたいな。
今はまだ上っ面なぞってるだけだし、もうちょっと頑張りたいと思います。




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by teri-kan | 2009-07-08 10:31 | | Comments(0)

「天使と悪魔」

只今映画が公開中のダン・ブラウンの原作本。
映画を観にいくにあたって急遽原作を読みました。

本屋に置いてあったアンケート結果があざとくて、あれのせいでどうしても「ダ・ヴィンチ・コード」と比較して読まざるをえなかったのですが、一体あのアンケートは何だったんですかねえ。ああまでして「ダ・ヴィンチ・コード」を貶めないと「天使と悪魔」の映画を見に来てくれそうな人がいなかったんでしょうか。
「ダ・ヴィンチ・コード」の映画は確かにつまらなかったけど、あのアンケートはないわ。商売根性が見え透いていて不愉快の方が勝る。

で、結局本作の感想も比較した感想になってしまうのです。





ほんのりネタバレあり
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by teri-kan | 2009-05-23 23:24 | | Comments(0)