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「地下室のメロディー」(1963)

出所したての老ギャングとチンピラ青年の、カジノの金庫破りのお話。
老いた大泥棒はジャン・ギャバン、若いチンピラにアラン・ドロン。
この二人がとても素晴らしい犯罪映画です。

描かれているのは徹底的に「老」と「若」。老獪と軽薄、重厚と軽快さ。経験豊富で幾多の修羅場をくぐってきたであろうジャン・ギャバンの渋さもいいし、アラン・ドロンが軽くて悪い子なのもいい。
二人の役割分担は至極もっともで、ギャバンの知識とドロンのフットワークの軽さの融合は泥棒行為にとても効果的なんだけど、でも結局は、
「若けりゃ一人でやっている」
ギャバンのこのセリフに尽きるんだろうなあ。

ドロンの仕事は若くなければ出来ないことで、彼は若い体にまかせて必死こいてカジノの地下まで辿り着くのだけど、その地下室で外から引き入れたギャバンのどーんとした姿には、なんか哀愁を誘うものがありました。
それまでキビキビと頑張ってたドロンを見てたからその落差に愕然。しかも札束をカバンに入れる動作が、動作が……遅すぎるー!
遅すぎてのろすぎて、でも本人的にはスピーディなつもりで、これが演技なんだからジャン・ギャバンすごいなあなんですが、ここはカメラもしつこいくらいにのろいギャバンをじっくり映してるもんだから、もうこっちはイライライライラ(苦笑)。早くカバンに詰めてさっさと逃げろー!って叫びたくなるくらいでした。

うまく作ってるなと思います。特に後半の緊張感はすごい。犯罪が成功するかどうかの緊張感と、ギャバンとドロンの間に流れる緊張感の両方とも。
あの二人の関係は仕方ないよなー。ドロンの心情はわからなくもない。
ただ、最後の手段は驚いた。フランス映画って一筋縄ではいかないラストを迎えるものが多いけど、この映画の終わり方もすごかったです。

嗚呼これが人生、って感じ?

でもドロン演じる青年は後々自分のこの行動を絶対後悔すると思うな。
あの遊び人がこれしきで真っ当になれるとは思えないし、何か金が必要になった時絶対後悔するに決まってる。100フラン賭けてもいい。

ていうかドロン、ツメの甘い悪党の若者役がホントーにピッタリだよなあ……。

この映画もドロンは最高に美しく、神が彫刻刀で彫り彫りしたお顔を堪能する喜びを存分に味わえるのですが、いよいよ地下室に突入するという場面、彼は目出し帽を頭からかぶってしまうのです。
「ああ、顔が隠れるう!」とショックを受けるも、目出し帽姿のアップが映って別の意味で大ショック。
目出し帽から覗くドロンの二つの目は、ありえないくらい美しく壮絶なのです!
確かに彼の瞳は美しくてシャープで影があって厳しくて力があるのですが、鼻とか口とか排除した目だけのドロンは本当にすごかった。

あの目だけで殺せるよねえ、ドロン、女を。
さすが(元)世界のハンサムだー。

ちなみに「地下室のメロディー」は音楽も良いです。
この頃のフランス映画はカッコよくてオシャレな音楽が多いですね。
モノクロ映像にジャズ、悪徳を描いた映画にジャズ、小難しい「これも人生」的な映画にジャズ。

オシャレだなー。
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by teri-kan | 2011-11-04 16:15 | フランス映画 | Comments(4)

「鳥」(1963)

映画史上非常に特殊な映画。
カテゴリーとしては恐怖映画?
サスペンスじゃないよね。んー、スリラーとか?
とにかく特殊で、映画史の中で「鳥」といったら「鳥」としか言いようがないほど、他の作品とは一線を画している作品です。

うちの母親は公開当時この映画を観て、「なんで襲われるのかよくわからなくてつまらなかった」のだそうです。突然鳥が襲ってくる、だから何?というか、それのどこに意味が?みたいな感じがしたのだそうです。
まあね、今観てもホントにストーリーないもんね。エモーションをかきたてる音楽もなしで、この物語性の欠如に入り込めない人がいたとしても、まあ仕方ないかなという気はします。

もちろんその理由のなさが恐怖の根源であって、やっぱり人間って理由を求めたがるものなんですね。
日本の近年の例でいえば、「たくさんの熊が人里に下りて人を襲う、それは何故か?木の実の成りが悪いせいもあるけど、もともとは人間が森を伐採しすぎたからだ」……という風に結果と原因が結びつけば、人間ってとりあえずは冷静になれる。たとえ熊が人を襲う現実に変わりはなくても。
でも原因や理由がわからなければ、それはもうただ恐ろしいだけの状況でしかない。で、そうなった時、人は勝手に理由をこしらえて、あの女のせいだ、魔女だ、とわめきちらして自分の心を納得させようとする。

そういった「鳥」の登場人物の恐慌状態は非常に理解できて、わけわからないものに恐怖する根源的な恐れをきちんと表現したヒッチコックは、やっぱり上手い監督さんなんだなあと思います。

個人的に恐ろしかったのは鳥かごの中のラブバードかな。
いつ人間に対して牙を剥くのか、外の鳥たちと共闘されたらオシマイだとか、ずっとそんなこと思っていました。
思いっきり獅子身中の虫というか、最後もしっかり連れていっちゃってさー、あー怖い怖い。

ティッピ・ヘドレンが最後とうとう魂を失った状態になってしまって、あれも恐ろしかったですね。
歯向かう気を喪失させる。
これ以上の鳥の勝利はないんじゃないかと思いました。




実はこの感想、ずっと昔に書いていたのにUPする機会を失ったままお蔵入りになっていたものです。
最近古い映画(というか映画自体)の感想を書く事が減ったけど、好きな映画はまだまだあるんですよね……文章に出来るほど内容をしっかり覚えてないだけで。

なんかねえ、自分の記憶力のなさに愕然とすること最近多いですねえ。
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by teri-kan | 2011-10-04 16:21 | アメリカ映画 | Comments(0)

「男と女」(1966)

現在フランスのドーヴィルでサミットが行われています。
ドーヴィルと言われて思い出すのは「男と女」。
ダバダバダ~♪の歌声で有名な、とても素敵なフランス映画です。

夫を亡くした女と、妻を亡くした男が、寄宿学校に預けている子供を通じて知り合い、恋に落ちるという物語。
その恋自体をあれこれ語るのは野暮というか、理屈っぽく語れる映画ではないので、観てただ浸ればいいのだと思うのだけど、まあなんて言うかなあ、そこに男と女がいるから、と言いますか、いやあ、恋愛っていいですねえ。

フランス映画ってステキだなと感心したものでした。
大人の恋愛の描き方もだけど、この作品はとにかく絵的に美しくて、どのシーンを切り取っても美しい絵になりそうなくらいに良い。
今でも印象に残ってるのは白黒の場面かな。セピア色もいい色だったけど。んでもってその色の中の主人公二人がとても雰囲気があるんだ。
アヌーク・エーメはさすがの美しさで、ジャン・ルイ・トランティニャンはシブくて大人の男ーって感じで。

うーん、やっぱり素敵だ。すごく綺麗。



サミットのニュースを見てるとたまに海が映ったりするんだけど、映画でも最も印象的なのは砂浜の場面です。

やっぱり砂浜ですよね。
カップルには砂浜ですよ砂浜。若くてもそうでなくても。

本当に素敵な恋愛映画です。
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by teri-kan | 2011-05-27 10:50 | フランス映画 | Comments(0)

「山猫」(1963)

ヴィスコンティの、イタリア統一戦争時代のシチリア貴族を描いた大作。

大変美しい映画で、豪華絢爛な貴族の館、舞踏会、シチリアの風景、何もかもが綺麗で、画面を観ているだけで目の保養になる。
目の保養といえばアラン・ドロン。クラウディア・カルディナーレも超キレイ。
とにかく何もかもが美しい。

そんな美しい映画は、時間が進むにつれじわりじわりと変化していく両シチリア王国の貴族社会を丁寧に描いて、それでも毅然としている主人公の内面と合わさって、なんとも静かなエンディングを迎える。
イタリア統一“戦争”とかいうけれど、お貴族様はこんな風に結構穏やかに追われていったんですねえ。

今年はイタリア統一150周年なのですが、この映画はちょうどその時期を描いた作品で、ガリバルディとか教科書でしか知らないような人も(確か名前だけだったけど)出てきます。
イタリアの歴史といえばローマ時代かルネッサンス期くらいしかTVでも取り上げられないけど、日本人にとってあまり知ることのできない統一運動時期のイタリアを手軽に知ることができる映画として、「山猫」は結構貴重なのではないかと思います。

しかし、こういう映画が作れるのって、やっぱりヴィスコンティだからなんでしょうねえ。
ヴィスコンティ家はイタリアでも有数の名門貴族ですが、時代から追われていく身のやるせなさは、わかる人にしかわからないものなのかもしれません。
特に主人公のように年齢もいっている人ならば。

一般庶民の若輩者には、おそらく完全には理解しきれないものだと思いますが、それでもこの映画を観ていたら、そういった葛藤や感情もなんとなくわかる。
それはやっぱりヴィスコンティだからこそなんでしょうね。
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by teri-kan | 2011-01-17 01:56 | フランス映画 | Comments(0)

「アパートの鍵貸します」(1960)

有名すぎる映画。
アカデミー賞で作品賞や監督賞など6部門受賞しており、今でも人気のある作品。

監督はビリー・ワイルダー、主演はジャック・レモンとシャーリー・マクレーン。
ラブホテル代わりに自分のアパートを上司に時間貸ししている男が、会社の女の子に恋するものの、当の彼女が上司の浮気相手だった……というお話。

とてもオシャレな映画ですが、よく考えたら非常に不道徳で倫理的に如何なものかという映画。ストーリーだけをなぞれば非常にドロドロで深刻なのに、それをこうもハイセンスな作品に仕上げるところがビリー・ワイルダーの力ってことなんでしょう。

ジャック・レモンの身の軽さがいいんですよね。シャーリー・マクレーンの、ちょっと考えの軽いところもいい。その辺の軽さ加減、深刻さと軽さのバランスの絶妙さが見所。

ワイルダーって本当に上手いんだと思います。
やっぱりオシャレ。
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by teri-kan | 2010-11-29 00:40 | アメリカ映画 | Comments(0)

「華麗なる賭け」(1968)

超金持ちの実業家でありながら大掛かりな銀行強盗の黒幕という男にスティーブ・マックイーン、保険調査員で犯人を早くから彼だと見抜いた女にフェイ・ダナウェイ。
二人の駆け引き、関係性の変化が大変スリリングな、まさしく華麗な大人の物語です。

スティーブ・マックイーンの笑った顔がキュートすぎて困る作品。まさかこんなチャーミングな男だとは思わなかった。彼に注目して観れば本当にとことん楽しめる映画で、ちょっと冗長かなと思われる場面でも、表情や行動の意味を探しながら観たら全然飽きることはありません。

大ネタバレあり
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by teri-kan | 2010-11-17 01:21 | アメリカ映画 | Comments(0)

「ゲッタウェイ」(1972)

刑務所を裏取引で出所した男が、その条件として犯した銀行強盗のため妻と共に追われてしまうという物語。
主演はスティーブ・マックイーン。妻役には共演後本当にマックイーンの妻になっちゃったアリ・マッグロー。「愛とは決して後悔しないこと」で有名な映画「ある愛の詩」の可憐な女の子だった彼女ですね。

実は私、若い頃(二十歳くらいかな)スティーブ・マックイーンの顔がちょっと苦手でした。ギラギラして男くさくて、顔にきざまれた皺が苦みばしりすぎて、あまり長く見ていたいという顔じゃなかったのです。(同じ男くさい顔といっても、チャールズ・ブロンソンとかはかえって「ああいう顔」と割り切ることができたんだけど。)
でも以前偶然TVをつけたら「ゲッタウェイ」のクライマックス部分が現れて、そこで銃を撃ちまくってるマックイーンがえらくカッコよく見えたんですね。もうどうしようかと思うくらいカッコよくて、これはちょっと真面目に彼の主演映画を観るべきではないかということになって、遅ればせながら先日マックイーン特集でやってた「ゲッタウェイ」を鑑賞したのです。

で、カッコよすぎて困った(笑)。この人はすごいね。

この映画では顔がギラギラどころか場合によってはアッサリしてるくらいで、時々ジェームズ・スチュワートに見えたりもして驚いた。
アメリカ人はこういう顔が好きということでいいんでしょうか。いやまあ私も結局こういう顔は好きってことになるんだろうけど。

「ゲッタウェイ」は犯罪逃走ストーリーですが奥さんとの絆ストーリーがメインで、いやもう嫉妬の仕方とか、愛情表現とか、マックイーンの一つ一つが素敵でした。
銃の扱いは上手いし、修羅場慣れして頭も切れるけど、普段の彼は結構ヌケてておっちょこちょいだったりするんだろうなあとか、そういうところも出てたりして、最高に魅力的な主人公でした。
本当にカッコよかったなあ。

まあそれはいいんですが、この作品の最大の問題はアレでしょう。ハロルドでしょう。
本作に於けるあれの意味は一体何だ?
主人公夫婦の絆と対比させてるとか? んなバカな。

ハロルドがかわいそうすぎて、彼なんて忘れればいいのに忘れられん。
ハロルド、あまりに哀れだ……。



ラストはかなり好き。夫婦物語だからこそあのエンディングなんでしょうね。
若い恋人同士だったら多分別の終わり方で、まあその手の有名な映画は既に存在しますが、実はハッピーエンドとバッドエンドの2パターンを撮影して、高評価だった方を採用したのだそうです。で、最終的にこの結末になったのだとか。

夫婦としての辛い出来事を傷つけ合いながらも受け入れてきた二人の行く末は、このエンディングでいいんじゃないかと私も思います。
二人とも犯罪者なんだけどね。
でもこれでいいんです。
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by teri-kan | 2010-11-16 00:59 | アメリカ映画 | Comments(4)

「タワーリング・インフェルノ」(1974)

豪勢なパニック映画。
スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フレッド・アステア、フェイ・ダナウェイ、ジェニファー・ジョーンズ……etc。いやもう豪華絢爛。

「ダイ・ハード」が登場するまで高層ビルを舞台にした映画といえば個人的にはこれでした。
まああれはテロで「タワーリング・インフェルノ」は火事ですが。
「ポセイドン・アドベンチャー」の高層ビル版ですね。ビル自体が凶器で、何の罪もない人が不運にもどんどん死んでいく映画です。

「ポセイドン・アドベンチャー」が天災による事故ならば、本作はれっきとした人災による火災。
だから「ポセイドン~」に神父さんが出てくるのに対して、本作は消防士というプロフェッショナルな職業人が重要になる。人間同士の立場のぶつかりあいとか、お金の話とか、そういった諸々も出てくるし。
落成式のパーティー会場が舞台なので着飾った女の人もたくさん登場しますが、こういう映画はやはり男の独壇場。
皆カッコよかったです。唯一娘婿がクズだったくらいで。
一番カッコいいのは断然スティーブ・マックイーンですね。すべきことを成すプロの男は、まさしく男の中の男でした。

この映画は消防士一人一人が抱えてるストーリーは何も語らないんだけど、マックイーンが半分死を覚悟して爆弾しかけてる時、左手の薬指に結婚指輪があるのがバッチリ映るんですよね。そのシーンだけで閉じ込められてる客だけじゃなく、命をかけてる消防士にもそれぞれ家族があることがはっきり示されるわけだけど、そこをグダグダ映画の中で語らないのが、マックイーン自身も何も喋らないところがいいんだ。
昔の映画は映画自体がストイックでカッコいいですねえ。



最後、マックイーンが予言めいた警告を口にしてこの映画は幕を閉じるのですが、どんなに防火対策を施し安全にビルを造ったとしても、9.11のように超高層ビル自体が凶器となり地獄の場と化すことは起こるわけで、どちらにしても人間次第ということなんでしょう。

この映画の警告はいろんな事柄に対して通じるものかもしれませんね。
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by teri-kan | 2010-11-15 09:43 | アメリカ映画 | Comments(0)

「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)

先週TVで放送してました。
1~2年に1回くらい?放送頻度。
個人的にはちょうどよいペースかな。

宮崎駿の描くルパンが「正しいルパン三世か否か」という問題は確かにあるけど、この作品のクオリティの高さの前にはそんなのどうだっていい。観てるこっちが楽しけりゃいーんだよ、ということで、もう好きで好きでたまらないこの映画、TVで誰かが「無人島に1枚DVDを持っていくのならこれ」と言っていたけれど、私も1枚だけと言われたら絶対に「カリオストロの城」を選ぶ。

もうね、最高ですよ。何度観てもいい。というか何回観ただろう。TVとビデオとDVDと合わせたらとんでもない回数いってるかも。

この映画について書いてたらキリがないんだけど、一個だけ魅力を挙げるならば、やはりカリオストロの「城」でしょう。
キャラクターの素晴らしさとか、ストーリーの巧みさとか、どれもいいけれど、最大最強の魅力はやっぱりお城。本作の舞台となっているお城に溢れるロマンはものすごいです。
この映画のタイトルは、全く以って正しいのだと思いますねえ。



ところで、今更ながら「カリオストロの城」を取り上げようと思ったのは、この映画から本家本元のアルセーヌ・ルパンに興味を持った方がきっと今もいるに違いないから。
もしいたならば、是非是非本家の本も読んでもらいたいからです。

というわけで、前にもちょっと触れた事があるけど、この映画の元ネタをいくつか紹介。

どうかアルセーヌ・ルパンに興味を持って下さい!!
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by teri-kan | 2010-10-20 01:05 | その他の映画 | Comments(2)

「スター・ウォーズ 新たなる希望」(1977)

記念すべき第一作目。でありながらエピソードⅣ。

個人的にシリーズの中で一番好きです。これには冒険ものの基本が、仲間との友情が、愛と勇気と希望が、全編にわたって描かれています。

子供でも楽しめるストーリーですが、結構残酷で結構容赦ない。おじさん夫婦がああいう目に合ったのにはものすごくショックを受けたし、オルデラーン攻撃もそりゃあショックでした。
帝国ってなんてヒドイ奴なんだ!って心底思いましたよ。おかげで最後デス・スターが木っ端微塵になった時はこっちも「ヒャッホー!」でした。

最も気楽に、ただ悪を倒してハッピー!って気分になれるのは、多分6作中でこの作品だけですね。だからこれだけは難しいこと考えずに楽しんで観たらいいんじゃないでしょうか。
さすがに77年作品だから古さはあるし、テンポもところどころゆっくりではありますが、それでも色あせない輝きがこの映画にはあります。

やっぱり単純に楽しいんですよ。お姫様救出物語も、戦闘機バトルシーンも。
ゴミ圧縮機の一件も思いっきりベタですが観るたび楽しい気分になる。本作は主要登場人物がドロイド2体も含めて非常にキャラが立っていて、動いてるのを見てるだけで楽しいんですね。

これが新三部作だとねえ、破滅に向かっていくのが確定してるから幸せな場面を見ても、
「フッ、所詮かりそめの幸せ……」とかどうしても思ってしまうんだけど、旧三部作は本当にその点シンプルです。



ところで、エピソード123と観た後に続けて本作を観て一番に思ったことは、
「ベイダー、あんたあれから20年近くもずっと皇帝に真面目に仕えてたのか……」
ってことでした。

結構感心しました。いやあ、一口に20年っていっても(正確には19年らしい)これはとんでもない長さですよ。特に全てを失ったアナキンにしてみれば果てしなさすぎる長さですよ。
この長さを生き抜くにはベイダースーツと同化して心も機械化するしかなかっただろうなあとか、ちょっとしんみりしちゃいました。
まあ20年たっても戦う時はイキイキしているようですが。

オビ・ワンを倒した時、ベイダーは何を思ったんでしょうね。
まだ顔のあるアナキンが最後に発した台詞は「あんたを憎む!」だったんですが、あの台詞、実は結構深いんですよねえ。いろいろ深読みできていろいろ解釈できるんです。
どちらにしろアナキンの「世界最強ジェダイになる!」という目標をぶっつぶしたのはオビ・ワンだから、オビ・ワンを倒したベイダーが何らかの感慨を持ったことは間違いないけれど、にしてもかつて自らを滅ぼすほどに自身の激情に翻弄されていたアナキンです。欠点も多かったけど感情豊かな青年だった彼がその感情が全く見えないベイダーマスクをかぶり続けているっていうのは、やっぱり辛いものがあります。

エピソードⅠから続けて観ると、どうしてもベイダーの20年間に思いを馳せてしまいますねえ。そして改めてエピソードⅢの最後のベイダーの横顔を思い出します。
あのマスクの下の表情はどんなものだったのか。
少なくとも隣の皇帝と同じような顔はしていなかっただろうと考えると、ホント、可哀想な青年だと思います。
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by teri-kan | 2010-07-22 10:31 | アメリカ映画 | Comments(0)