「スリーピーホロウ」(1999)

アメリカ東部の、森が大きな役目を持った映画を続けます。
とはいえインディアンはもう出てきません。彼らは既に西へ去り、映画でいうなら「西部劇」の時代も終わりにさしかかる時期に当たります。


舞台は中世的な面影を残すオランダ人開拓者が開いた村。1800年を間近に控えた先進的なニューヨークとは全く別世界の、同時期に存在しているとは思えない程おどろおどろしい村。

そこで起こった殺人事件を捜査すべく都会からやってくるのがジョニー・デップで、彼は村に伝わる伝説や因習に揺らがされることなく科学的捜査を行っていくのだが、次第に伝説はただの作り話でないことを体験し、科学を信じながらも超現象にマジで怯える羽目に陥ってしまう。

その辺りのジョニーがとても笑えるのだが、ベッドで震えながらも直後に復活するところなどは思わず吹き出した。この人ホントに上手いなあと思うし、それを言うならティム・バートンはやっぱり上手い。

科学と伝説と、近代と中世が、いい具合に混ざり合って、どちらも存在するしどちらも信じられるという、とてもいい感じの雰囲気が出来上がっている。だから妙に騎士がリアルで、本当に実在しているかのように思わされてしまう。
あの村にならいる。
そう思えるだけの説得力があるのである。

生きてる人間の怨念と死人の機械的な執着の絡み合い方も面白い。死んだ騎士こそ有り得ない物の代表、論理を超えた存在なのだが、彼の行動は非常にシステマティックで理に適っており、こちらとしては因習に囚われた村人達より余程わかりやすいくらいだ。(もちろんその分怖いけど。)

そして頭脳だけの人かと思っていた捜査官のクライマックスでの頑張りようには思わず力が入る。「がんばれっがんばれっ」とスクリーンのこちらから声援送りたくなるくらい。
あんた都会でこんなことやったことないだろうに、愛だね愛、の世界ですよ。


本当に面白いのです。いろんな要素が入ってるのにどれもが輝いて、かなり悲惨な話なのにバートン風のシャレに包まれてて顔がニヤける。
凄惨なお話なのにねえ。最後木に入っちゃうところなんか「うえええええっ」て感じなのに、鑑賞後の表情はなぜか笑顔。

やっぱり最後は文明圏に戻れるからかな。19世紀を迎えたニューヨークは輝かしいの一言で、森のない建物だらけの街の風景に心底ホッとしたものでした。
もう暗闇から、木々の間から、何かが襲ってくることはない。
それがどれだけ安心できるものなのか、結構身に沁みた作品ですね。
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by teri-kan | 2009-01-19 01:56 | アメリカ映画 | Comments(0)
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