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「八点鐘」

8作の短編からなるアルセーヌ・ルパンの物語集。
とはいえルパンは偽名を使っており、本作では全く盗みを働いていません。1作目で自ら助けた女性と共に以降の事件を一作ずつ解決していくといった構成で、それぞれの解決方法の面白さを楽しむと共に、その女性と最後ちゃんと恋愛関係になるのかどうか、というのが読みどころとなっています。

この作品は子供の頃から大好きで、(子供版ではありましたが)繰り返し読んできました。それぞれに「おお!」と驚くようなトリックが使われていて、推理ものとしてかなり面白い作品だと思います。

インパクトがあるのは「斧を持つ貴婦人」で、これは大変怖い。ルパンが考えに考えて犯人を特定していくところはさすがの一言ですが、それまでは読んでるこっちもジリジリと焦ってくるような展開でした。

この「斧を持つ貴婦人」もそうだけど、「八点鐘」はルパンがとても騎士道精神にあふれており、人助け・女性助けに奔走しています。常に完璧で余裕があり、ちょっと出来すぎなくらい優雅で頼れる男性です。

大変出来が良い作品なのでオススメではあるのですが、アルセーヌ・ルパンものとしてはちょっと異色。なんといっても盗んでないし。
でも世間一般の「オシャレなルパン」「女性に優しいルパン」のイメージにはとても良く合っているので、そういう点で薦めてみるのはアリかなあと思います。
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by teri-kan | 2009-04-13 11:21 | アルセーヌ・ルパン | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


by teri-kan
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