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「クリスタル・ドラゴン」その5

ところで、25巻であんなことになってしまって、タイトルこのままでいいんだろうかと思うのは私だけではあるまい。
まあ、アリアンの杖にもいるんだけどね一応……。








現在のアリアンの戦いに過去のレギオンの戦いは無視できません。なぜなら過去も現在も「同じ闇」が敵だからです。バラーに巣食った闇がパラルダのことを「昔自分が喰らった者」と言っているのだから、それは間違いないでしょう。

その昔パラルダは自身を喰った「闇」を「人が大地の均衡を崩して出来た瘴気」と言いました。「自分を正気にとどめるためには人を殺して国を減らすしかない」とも。
人が増えて大地に傷ができる。傷口が膿んで悪化した箇所が出来れば、そこから「穢れ」とか「闇」とか呼ばれるものが湧き出てくる。それらを退治するためには「闇」そのものを封印するか、それらが出てこないよう大地に傷を作らなければいいのだけど、後者は人間がいる限り無理なことだから、当時のレギオンは「闇」を封印して解決を図ったのでしょう。
どういう方法でかはさっぱりわからないけど、少なくともアランは大活躍したはずで、しかもサールの語ったご先祖話では「大きな戦」ということだから、多くの精霊をもまきこんだ戦いだったのかもしれません。

しかしこの推測でいくとエラータが封印を外して呼び出した「闇」は、レギオンとアランが封じた闇ということになる。デ・ダナーンの封印じゃない。そう考えるとアリアンにも思っていたより楽に退治できそうな感じがして希望が持てるのだけど、当のバラーが「竜の杖」の持ち主でもあるというのが話を難しくしているんですよね……。

バラーの中の「闇」は「デ・ダナーンに敗れた冥府の王の内側から出てきた忌むべきもの」ですが、バラーがそのフォモーレの力を取り込み、アリアンの方はデ・ダナーン系の助け(パラルダとか)を借りるのだから、この対立はある意味「フォモーレ対デ・ダナーンの戦い再び」なのだけど、しかし同時にこの二人は太古の神に繋がる者同士でもあり、バラーは自身の抱える闇を封じた「杖」の持ち主でもある……。

あまりにいろんな属性を帯びすぎて、バラー、最後にはバラバラになっちゃうんじゃなかろうか。シャレじゃなくてマジで。
それで一挙に神代のゴタゴタを清算して、人間のみの時代の到来なんてことになっちゃうんじゃないかなあ。

一方でアリアンは最後には夢見る水晶となって、その後の世の中を守る存在になっちゃうんだろうけど、そう考えると人の身でありながら太古の神に通じるこの二人の運命って過酷すぎる。

「アリアンが伝説の杖なき者かどうか、知っているのはクリスタル・ドラゴンだけ」という会話が1巻で早々に出てくるのだけど、それは「杖なき者は何を成すべき者なのか、知っているのはクリスタル・ドラゴンだけ」という意味でもあって、25巻の時点でそれに答えを出すなら、「杖なきドルイド」とは「竜の夢を受け継ぐ者」ということになってしまうのですよね。
これってちょっとイヤすぎませんか?
少なくともアリアンのように考えるより先に行動する子にとっては「夢」見る仕事は辛かろう。



そうやってここまでの物語を深読みすると、杖なきドルイドの行く末は人間としてはかなり悲惨そうなので、この悲観的な予想を覆すような展開を個人的には期待したい。
アリアンだって恋愛の一つくらいさせてあげたっていいじゃないかと思うんですよね。ここまできたら相手は誰でもいいからさ。

バラーも救ってあげたい。
バラーが救われればグリフィスも報われるし。

……とまあ、いろいろ希望はあるけれど、早いとこ連載を再開してくれないことにはどうにもなりません。
なんとか頑張って書いてもらいたいものです。



(もしかしたら続くかも)
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by teri-kan | 2009-11-18 10:36 | 漫画 | Comments(0)

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。


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