「動物のお医者さん」
2010年 01月 22日
チョビ(シベリアンハスキー)がとても原作そっくりで可愛かったような記憶が……。
舞台は札幌。H大(北海道大学のことですね)の獣医学部を中心に繰り広げられる学生達の日常生活を描いた物語。(一部を除いた)平熱の低そうな人達が、個性豊かな動物相手に日々格闘するお話です。
登場人物は皆個性的で、一癖も二癖もあるような人がたくさん出てくるんだけど、なぜか主人公のハムテルは普通で、妙に淡々としてるところ以外は本当に普通の人です。その分周囲の人達のヘンさが際立つというか、まあ人もそうだけど動物ですね。同居しているペットはもちろん、病院や牧場や、その時々で出会う動物達のキャラが素晴らしく立っている。
やっぱり動物を見て楽しむマンガなんだと思います。だから動物好きにはたまらない。特にペットを飼った経験のある人ならうなずけるところが多いんじゃないかな。
うなずける部分がある一方で、さすがこれは北海道の話で、大らかな動物と人間との関わり合いに羨む気持ちというものも起きてきます。犬ぞりレースの犬との団結心とか、モモンガとのエピソードとか、ああいった話はとても良い。言葉にしてしゃべってなくても動物には動物の気持ちがちゃんとあって、そこんとこの表現方法は上手いなあと思いますね。
チョビはもちろん可愛いけど、個人的なイチオシはハムテルのおばあさんの飼い猫のミケ。昔飼ってた猫がちょうどあんな三毛猫で、名前も同じミケということもあって、かなり親近感を覚えました。
でも性格は全然違って、マンガのミケは女番長なのにうちのミケは臆病だったんですよね。ミケのように犬のお世話なんて、やれと言っても出来なかっただろうなあ。
いやあ、このミケはすごいですよ。男前なネコというか、ネコらしいどんくささを持ちながらも粋。姿かたちもメスネコっぽいやわらかさとしなやかさが描けてるし、外見・性格共に愛すべきキャラクターです。
ペットとずっと一緒にいられるっていいですよねえ。
当たり前だけど登場人物みな動物が好きなんですよ。その辺がよくわかるから読んでて気持ちいい。ネズミが苦手な友達とか変な性格の先生とかいるけど、動物への愛は満ちているんですよね。
動物がらみのことだから悲しい出来事もたくさんあると思うけど、そんな湿っぽさはこのマンガには皆無で、読んでて楽しい気分になるだけです。
動物は無条件に可愛いし、動物を助けてくれる獣医さんガンバレ!獣医学生ガンバレ!って心から思える作品。
何度読んでも飽きないです。