重症のアズーリ
2010年 06月 26日
W杯のアズーリほどドラマの似合うチームもなく、本当ならグループリーグ敗退でさえ悲劇的に語られなきゃならないんですが、もうなんかそんなもの関係ないくらい今のアズーリは地味で小粒。かつての華やかさが嘘のように寂しいチームになってしまいました。
例えばアズーリの10番といえばこれまではスター中のスターで、誰もが認めるファンタジスタでありました。
よくイタリアは「グループリーグは苦労するけどなんだかんだで勝ち上がる」と言われるけど、その勝ち上がれる要因はそういったファンタジスタの活躍があってこそでした。
トッティしかりデルピエロしかりバッジョしかり。
しかも彼らは顔も良かった。そのオーラといいプレーといい、そりゃあステキでした。
10番だけではありません。FWもDFもGKも強くて上手くて華やかな選手がちょっと前まではゴロゴロいました。だからアズーリは他国の女性にも大人気で、日韓大会なんかアズーリの写真集が日本でも発売されたくらいでした。
外見と実力が比例しているという点では、イタリアの右に出る国なんてホントになかったんです。
今ではそれも見る影がなくなって、顔のランクが落ちただけならまだしも、実力があからさまに落ちてるというのが悲しすぎる。
実はそれは既に2002年あたりから言われていて、特にいいDFが新しく出てきていないことに危機感を持っていた人は当時も結構いました。結局今回もカンナバーロが出場して、しかも彼も往時の彼ではなく、それでも彼の経験に頼るしかなかったという現状は深刻ですね。今大会のアズーリの失点には目を覆うばかりですが、こうなることを早くから覚悟していた人は多分少なくなかったと思います。
うーん、イタリア人の若い優秀な選手、ホントに育ってませんねえ。
それはセリエAのパッとしなさ加減からもわかります。インテルはリーグ連覇の上にCLも優勝しましたが、それは外国人選手のおかげで、実はアズーリにはインテルの選手が一人もいない。
かつてユベントスやミランがリーグ優勝していた頃はそのメンバーがアズーリの中心となって活躍したものですが、インテルって昔はいざしらず、ホントに全然アズーリに貢献してないんですよねえ。
こういうのってイタリア的にどうなんだろう。外人だらけと言われるプレミアリーグでさえ優勝したチェルシーから何人もイングランド代表に選手を送り込んでるというのに、イタリアさすがにこれはまずくないか?
まあ今回は監督がダメだったというのもあります。
イタリア代表監督を4年務めた人の成績って、2度目の大会は皆ボロクソなのに、なんでまたリッピは監督を引き受けたんだろう。
私はリッピの2006年の辞め方が気に入らなかったので、彼がまた再任することに個人的に嫌な気持ちを感じてたんだけど、それでもリッピならと思う気持ちもあって、でもやっぱりダメだったですね。
なんか何もかもがダメなアズーリだったなあ……。
セリエの状態からしてイタリアサッカーはいよいよ本格的な冬の時代の到来っぽいんですが、なんとか頑張って、いい選手を発掘して育てて、また華やかで強いアズーリを作ってもらいたいものです。
やっぱりイタリア男が華やかに活躍してくれないとうるおいに欠けるんですよねー。
なんか今大会、いい男がなんとなく少なくありませんか?
もう絶対その部分でのイタリア復活を願いたいと思います。
チリ対スペイン始まりました。
観なければ。