「リベンジ」(1990)

私的には一応恋愛映画だけど、ヤクザ映画っぽい雰囲気もある作品。
タイトル通り「復讐」がテーマのお話で、じゃあ何の復讐かとなると、これがはっきり言って、
「自分のせいなんだからしょーがないじゃんかよう、ケビンさんよう」
と言いたくなるような復讐モノ。

役者はいいんです。主人公の若き退役軍人にケビン・コスナー、彼と恋に落ちる人妻にマデリーン・ストウ、彼女よりうんと年上のダンナでありケビン・コスナーの旧友でもあるメキシコの大富豪にアンソニー・クイン。
この三人はいいんですよねえ。ケビン超セクシー、マデリーンキレイッ、アンソニー・クイン渋くて穏やかで大物感たっぷり!って感じでとてもいい。
しかしストーリーのゆるさがあまりにも悲しい。

全然有名じゃない映画だから、もうあらすじここに書いちゃうけど、軍を退役してヒマになったケビン・コスナーがアンソニー・クインの豪邸に遊びにいったら、そこには若くて美人の奥さんマデリーン・ストウがいて、二人は恋に落ちてダンナに隠れて不倫に走っちゃうんだけど、実はアンソニー・クインは表にも裏にも顔がきくヤクザのボスみたいな人で、二人の関係なんか盗聴やらなんやらで先刻承知、自分が出かけてる隙にうまうまと密会してる二人を部下引き連れて急襲して、ケビンをボコボコの半殺し状態に、マデリーンを売春宿へポイッと売り飛ばしてしまいます。
可哀想に、彼女顔に傷を負わされてヤク漬けにされて、ほとんど廃人になっちゃってねえ。
で、自分と彼女をこんな風にしたヤツラにケビンが復讐を挑む……というのが「リベンジ」という名の映画のリベンジなわけですが、はっきり言ってこれは自業自得です。先に友人の妻を寝取ったのは自分なんだし、まあそこまでひどい目に合わせなくてもとは思うけど、アンソニー・クインがどんな人かはケビンも妻も知っていたわけで、それならもうちょっと慎重にすればよかったと思うし、実は道理としては妻と親友に裏切られたアンソニー・クインのリベンジの方がまだ理解できるんですよね。

そりゃ恋に理屈はないし、旧友の妻とはいえ愛してしまったらしょうがないし、女の方だって年の離れた夫の飾り物のような妻でいるより同年代の男の方がいいでしょう。実際その辺のことはアンソニー・クインも理解してるようなんですよね。許せないという感情は当然ありながらも、悲しいことながら理解できてないことはない。

問題は、じゃあそこら辺でケビンと彼女は深く悩んでいたのかというと、ほとんどそれが見えないところが大問題で、「自分達は彼を裏切っているんだ」という後ろめたさをもっと前面に出せばいいのに、なんかねえ、軽いんですよ。ホントに遊んでるみたいに軽いんですよ。
車の運転中くらい慎めよとか、もうね、美男美女が愛し合う場面は絵的には美しいが、だからといってこれはどうよという展開を見せるんですよね。盗聴されるシーンにしても、アンソニー・クインの屋敷内の電話で不倫トークとか、アホかーって突っ込みたかったですよ。そんなの聞かれてしまうに決まってるじゃないかー。

そんなストーリー的にユルユルの、なんともビミョーな映画ですが、それでも私は「ゴースト」や「プリティ・ウーマン」よりも全然こっちの方が印象に残ってて、それはなぜかと言うに、突っ込みどころの多さもさることながら、やっぱりね、カッコいいんです、ケビン・コスナーが。もう超がつくくらいセクシーで、フェロモン振りまきまくりなんです。

この映画は結局そういう映画なんですね。カッコいいケビン・コスナーが友人の妻を愛して、道ならぬ恋に溺れるカッコよさを一番に描いている映画なんです。カッコいいケビン・コスナーが車で美女とイチャイチャして、カッコいいケビン・コスナーが愛のためにボコボコに痛めつけられて、カッコいいケビン・コスナーが愛のために復讐に立ち上がって、カッコいいケビン・コスナーがボロボロになった愛する女を救いに行って、カッコいいケビン・コスナーが……(しつこい)
っていう映画なんですよ。
彼のカッコよさを描くのが第一だから、ストーリー的に「へ?」みたいなところがあっても、それはしょうがないんです。とにかくケビンがカッコよければいいのです。これはケビン・コスナーを愛する世の女性達のために作られた映画なんだから(←きめつけ)、彼のカッコよさを楽しめばそれでOKなのです。

ちなみにこの映画の製作総指揮はケビン・コスナー。
さすが本人、自分の魅力をよくおわかりになっていらっしゃいます。
なのでこの映画は彼のファンが観るべき。
昔のケビン・コスナーはカッコよかったらしいけど一体どんな感じだったんだろうという興味が湧いた人にもオススメ。

そしてこれが肝心。この映画はロマンチストさんに大オススメです。
実は本作のラストはかなり良い。ステキというには物悲しく、悲惨というには柔らかで優しく、とても印象的なラストです。

ああいう愛され方をされれば、やはり幸せではあります。なんかいろいろ書いたけど、こういうラストだからやっぱり恋愛映画なんですよねえ。こんなタイトルだけど、バリバリ恋愛映画。

是非機会があればご覧になって、美男美女の、メキシコの空の下での大人の恋愛を楽しんでもらえたらと思います。
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by teri-kan | 2010-08-27 01:13 | アメリカ映画 | Comments(0)
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